クレヨンしんちゃん:トルネードコール・スパイダーマン   作:じゃすてぃすり~ぐ

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ドーモ、じゃすてぃすり~ぐです。
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』や『アベンジャーズ/エンドゲーム』を見ていたら、書きたくなりました。
忍殺語が色々と拙いですが、それでも『許せる!』と言う方だけ、お読み下さい。

5月6日:サブタイトルと本文の一部を訂正しました。

5月23日:さらに本文を大幅に訂正しました。


プロローグ「フレンドリー・ネバフッド・カスカベシティ」

 ネオサイタマ。IRCネットワークが世界を網羅し、サバネティックス技術が普遍化した近未来の日本の首都である。

 

 そこでは、巨大企業群『暗黒メガコーポ』が裏で世界を支配し、秩序は悪化、その影では時を越え蘇った半神的存在『ニンジャ』が暗躍を繰り返し、世は正に古事記に記されたマッポーの世となった。

 

 だが、そんなマッポーの世に一人のヒーローが現れた。嘆き悲しむ人々の声に答えるが如く。

 

 摩天楼を巧みに駆け抜け、力なき人々を救い、悪を挫くヒーロー・・・その名を・・・。

 

 

 

―ネオサイタマ、カスカベシティ。

 

「ホッホーイ!」

 

 カスカベ・シティの摩天楼を手首から出る糸を使い、ターザンのように縦横無尽に駆け巡る人影があった。

 赤と青で彩られたタイツめいたスーツを纏った、赤いマスクを被った人物である。

 その人物は、どういう原理か、近くにある建物の壁に張り付くと、街にいる人々を見ていた。

 ザンギョ・ワークスから帰宅中のサラリマンや、ブカツ帰りの学生達、サイバーゴス、ペケロッパカルト等々・・・、色々な人間をその人物は見ていた。

 

『今のところどうですか、何か変わった事は?』

 

 その人物の耳元から声が聞こえる。マスク越しで見えないが彼の耳には通信インカムが付けられているのである。その通信インカムからの通信だ。

 

「んー、今のところは異常無しかな。今日は早く帰れそうかも・・・」

 

 その通信の主にそう答えた次の瞬間、「アイエエエエ!」と悲鳴が上がる。

 

「じゃないな。言ってる傍から問題発生だゾ」

 

 その悲鳴を聞き、少し残念そうにその人物はため息を漏らす。

 

「でもま、皆をお守りするのがニンジャにして『親愛なる隣人』のオラの役目だし頑張んないとね。それじゃ行って来るゾ~」

『はい、行ってらっしゃいませ「スパイダーマン」』

 

―TWIP!

 

 そう言って、通信を切るとその人物・・・スパイダーマンは手首から糸を出してターザンめいた動きで悲鳴の元へと向かったのであった。

 

 

―同時期・・・。

 

「ザッケンナコラー!スッゾコラー!」

「「アイエエ・・・ゴメンナサイ!」」

 

 人々が行き交うストリート、その往来でヤクザがヤクザスラングでまだ中学生ぐらいであろう若いアベックを恫喝していた。コワイ!

 余りの恐ろしさに、ドゲザするアベック。何故こうなったのか?

 理由は、男の方が肩がぶつかったという些細な事であった。

 

「どうするよ、コレ?お前がぶつかった所為でスーツが汚れちまったじゃねぇか?どうすんだ、エェ?」

「ハイ、スイマセン!」

 

 男の方にスーツを見せながらすごむヤクザ。正直に言うと汚れてはいない、実際言いがかりな。

 それには気づかず、男はドゲザしながら謝っている。

 

「このスーツ、何百万したと思ってんだ?スイマセンって言うなら金出せコラー!」

「アイエエエエ・・・」

 

 胸倉を掴みながら恫喝するヤクザ、男は情けない悲鳴を上げるしかない。

 

「金がねぇってんならいい方法があるぜ?この女をオイランとして売り飛ばせばいい。これだけ可愛いし、豊満なんだ。結構稼ぐんじゃねぇか?」

「アイエっ!?」

 

 ナムアミダブツ、ヤクザの子分・・・コブンヤクザがいやらしげに笑みを浮かべながら非人道的な提案!言われてみると、その女性のバストは豊満であった。

 

「そうと決まれば、こいつを連れてくぞ」

「い、嫌!ヤメテ、離して!」

「大人しくしろコラー!」

「ヤメロー!ヤメグワー!?」

「ウッセコラー!」

 

 女を連れて行こうとする、コブンヤクザ達。それを男が止めようとするも、ヤクザによって蹴り飛ばされてしまう。街行く人は目の前の凶行を止めようともしない。止められないのだ!おお、ブッダよ眠っておられるのですか!?

 その時だ!

 

「ちょーっと待った。肩がぶつかったからって、それはあんまりじゃない?」

 

 声が聞こえる。街行く人も、ヤクザも、アベックもその方を振り向けば、摩天楼の彼方から彼はやって来た。

 

「見ろ!スパイディだ!」

「俺達の親愛なる隣人、スパイダーマンがやって来たぞ!」

 

 そう、スパイダーマンだ!

 人々の歓声を受け、くるりとアクロバティック回転をしながら華麗に着地する。

 

「アァン、ダッテメコラー!」

「ドーモ、親愛なる隣人スパイダーマンです。地獄からの使者でも、キノコ狩りの男でもいいよ」

「ザッケンナコラー!おい、テメェら!このイカれたコスプレ野郎をヤッチマイナー!」

「「「ヨロコンデー!」」」

 

 ヤクザの一声で、子分ヤクザ達がスパイダーマンを取り囲むように近づく。そんな状況でも、スパイダーマンは臆するどころか、何処吹く風で軽口を叩く。

 

「全く、何でこんなヤクザってこんな怒りっぽいわけ?カルシウム足りてないんじゃない?」

「ワドルナッケンナグラー!」

 

 子分ヤクザが拳を振り上げてスパイダーマンに殴りかかる。

 だが、スパイダーマンはそれを難なくかわすと、腕を掴みイポン背負い!

 

「イヤー!」

「グワーッ!?」

 

 地面に叩きつけられノックアウト!

 

「テメッコラー!」

 

 アブナイ!モヒカンヘアーの子分ヤクザが、ドスダガーを引き抜いて背後からスパイダーマンに迫る!

 

「おっと、これは没収!」

「アイエッ!?」

 

 だがくるり、と振り向き手首から糸を発射。ドスダガーを絡めとり奪い取った。

 

「グサー!」

「あ、アイエエエ!?」

「なーんてね、冗談だゾ。ほい、コレ返す」

 

 そして、そのままドスダガーをモヒカン子分ヤクザの額目掛けて振り下ろす・・・と見せかけ刺さる一歩手前ですん止め!刃の方を手に持ち、モヒカン子分ヤクザに返却した。リチギ!

 

「イヤー!」

「グワーッ!?」

 

 呆気に取られるモヒカン子分ヤクザの顎に強烈なアッパーカット!モヒカン子分ヤクザは、イポンヅリマグロめいて吹っ飛びノックアウト!

 

「ウオー!」

「いいぞー!」

「ヤレー!スパイディ、ヤレー!」

 

 スパイダーマンがヤクザ達をぶちのめしている光景に、ギャラリーは口笛を吹いたりしながら声援を送る。

 

「ご声援ドーモー」

「チョーシノッテンジャネッゾコラー!」

 

 戦いそっちのけで、声援に答え手を振るスパイダーマンにチャカガンを抜こうとするも・・・、

 

「街の往来で、アブナイ物を出しちゃいけませーん」」

「アイエッ!?何だコリャ、取れねェ!」

 

―TIWP!

 

 それよりも早く、スパイダーマンの手首から発射された白い弾丸が子分ヤクザに命中。チャカガンをしまっていた服ごと取り出そうとした腕に命中し取れなくなってしまう。それはまるで蜘蛛の巣めいていた。

 

「イヤー!イヤー!イヤー!」

「あ、アイエエエエエエエエエ!?」

 

 続けざまに、白い弾丸を連射!たちまち子分ヤクザは蜘蛛の巣まみれにされた。ナムアミダブツ!そしてふらつきながら壁にぶつかり、そのまま壁に固定されてしまった。

 

「さてと、残りはアンタだけだゾ」

「あ、アイエエ・・・」

 

 子分をあらかた片付け終え、ヤクザの方へと向き直る。ヤクザは震えながら後ずさる。何故ならば、目の前の赤と青のスーツを纏った男(スパイダーマン)が一般人にとってはヤクザよりもコワイ存在であると悟ったからだ。そう、半神的存在『ニンジャ』である!

 

「アイエエエエ!?ニンジャ、ニンジャナンデ!?・・・ハッ、真逆コイツ『カスカベ・シティの親愛なる隣人』か!?」

 

 『カスカベ・シティの親愛なる隣人』・・・、カスカベ・シティの治安はネオサイタマのどの地域よりも実際良い方である。その理由としてはニンジャがカスカベ・シティを守っており、摩天楼を縦横無尽にかけてはヨタモノやテロリストなど犯罪者を捕らえているという。

 そのニンジャはクモめいて、糸を発射し犯罪者を捕らえるという都市伝説が存在するのだ。

 目の前のスパイダーマンがそのニンジャである事を悟った次の瞬間。

 

「タ、タスケテー!アイエエエエエエ!!!」

 

 NRS(ニンジャ・リアリティ・ショック)を発症したかのように失禁し、腰を抜かしながらヤクザはおっかなびっくり這い蹲りながら逃げようとするが・・・、

 

「逃がすか!イヤーッ!」

「アバーッ!?」

 

 そうは問屋は卸さない!手首から白い弾丸を放ち四肢を拘束、身動きを取れなくした。

 

「ふぅ、後はマッポの仕事だゾ。っと、そこの二人は怪我はない?」

 

 手をパンパンと払いながら、ヤクザに絡まれていたアベックに問いかける。

 

「アッハイ、僕はダイジョブです」

「アイエエ・・・私もダイジョブです」

 

 ヤクザほどではないが、軽くNRSを発症しているのだろう。妙に視線がぎこちない。そこへギャラリーの一人だったおばちゃんが声をかける。

 

「怖がらなくていいわ、スパイディはニンジャだけどイイニンジャよ」

「街の人がヨタモノとかに襲われた時や火事に見舞われた時も、すぐに駆けつけてくれるしな」

「カスカベ・シティの皆にとって、スパイディはヒーローなんだ。一部の連中は快く思ってない奴もいるけどな」

 

 普通なら恐れられて然るべきなニンジャであるスパイダーマンを賞賛する声、声、声。アベック達はただ、ただ呆然とするしかない。

 

「それじゃ、オラはそろそろパトロールに戻らなきゃ。こいつ等の通報ヨロシクね、それじゃオタッシャデー!」

「「「オタッシャデー!」」」

 

 スパイダーマンはそう言って、ギャラリー達に手を振ると巧みに糸を使いカスカベ・シティの摩天楼の中に消えていった・・・。

 

―その後・・・。

 

「ふぅ・・・」

 

 パトロールを追え、カスカベ・シティの外れにあるバイオバンブーが生い茂った森へと入った。そして近くにあった岩に触れる。

 

―キャバァーン!

 

 すると、おお見よ!その岩が光り輝き、その岩の中心から人が一人通れるような穴が現れたではないか!

 スパイダーマンはその穴を潜ると、その先にある階段を降りた。そしてその先にあるエレベーターを降りたその先。・・・そこは秘密基地であった。

 彼の活動を手助けする様々なガジェットが展示されており、カスカベ・シティのありとあらゆる場所から通じている出入り口を供えた基地だ。

 

「ただいまー」

「『しん様』ー!」

 

 彼を出迎えたのは大財閥の令嬢めいたカチグミの少女であった。そのバストは豊満である。

 この少女は、『酢乙女 あい』。大企業『スオトメ・エンタープライズ』社長の一人娘である。

 

「おかえりなさいませ、しん様!無事に帰って来て、あいは嬉しいですわ!!!」

「アー、そのさ・・・あいちゃん。離れてくれると嬉しいゾ。オラ、今汗臭いし・・・」

 

 豊満を押し付けながら抱きつくあいに頬をかきながら照れくさそうに、スパイダーマンは言う。

 そして、そのまま紅いマスクに手をかけそれを脱いだ。黒い短髪に、ノリめいた太い眉毛の少年。スパイダーマンの素顔だ。

 

「お疲れ様、しんちゃん」

「ボーちゃんもただいま」

 

 再び声、スパイダーマンが振り向くとそこには眼鏡をかけた少し髪を長く伸ばした男がいた。

 『石橋 ボー』、スパイダーマンの友人であり、スパイダーマンの装備・・・手首から発射されるスパイダー・イト。それをを発射する装置である『ウェブ・シューター』を作った張本人である。

 ウェブシューターだけでなく、スパイダーマンの活動の手助けになるガジェットを沢山開発しているのだ。スゴイ!

 

「今日は大活躍だったね、ヤクザとの件の他にも火災に取り残された人を助けたり、銀行強盗をやっつけたり・・・」

「・・・だけど、銀行強盗の件は大活躍とは言えないよ」

 

 あの後、スパイダーマンはカスカベ・シティ中を駆け回り困っている人達を助けて回った。だけれど銀行強盗を捕まえる際、駆けつけたときには4,5人かは撃たれていたのだ。

 結局、そのうちの一人は死亡。残りの3,4人は重軽傷を負ってしまうという事態となった。

 その事を思い出し、沈痛な面持ちとなるスパイダーマン。そんな彼を察してか、あいがスパイダーマンに言う。

 

「今、考えている事を当てましょうか?『もっと、早く駆けつけていれば・・・』『もっと上手くやれていたら・・・』そんな感じでしょうか?」

 

「うん・・・。考えてもしょうがない事なのは分かってるんだ、『ガリアおじさん』にもこの力を授かった時に言われてたっけ。

 『お前は、コミックブックのヒーローじゃない。百人を救おうとしても、十人しか救えないかもしれない。

 一人しか・・・いや、誰も救えないかもしれない。救えたとしても、ニンジャである以上恐れられ、怯えられるかもしれない。

 この道に希望のともし火はない。それでも、お前がこの道を歩むのならばお前は私の「ニンジャソウル」を継ぐ資格がある。

 決して立ち止まってはならない。救える命に手を差し伸べろ。救えなかったものの魂はその胸に刻め。

 誰一人救えなかったとしても、救った人に恐れられようとも人を救うことを諦めてはならない』ってね」

 

 己の手を見ながら、スパイダーマンは自分に言い聞かせるように、あいに決意を語る。

 

「だからこそ、オラはガリアおじさんから託されたこの『力』を人々をお守りする事に使うゾ。それが、オラの大いなる責任だからね!」

 

 その決意にあいはええ。と頷きながら答える。

 

「だから私達も、しん様が思う存分連中と戦えるように十分サポートしますわ!」

 

 

 「うん、僕達。友達だからね、ユウジョウ!」

 

 

 

 あいに続くように、ボーもそう言って、スパイダーマンと拳を重ねた。

 

 

 

 さて、そろそろスパイダーマンの本名を紹介しよう。

 

 彼の名は『野原 信之介』。かつて、カスカベシティで『嵐を呼ぶ幼稚園児』と呼ばれた少年である。

 

 そして今、マッポーの世となったネオサイタマで、あるニンジャからそのソウルを託され、スパイダーマンとなった信之介の戦いが、始まる!

 

 

 

 クレヨンしんちゃん:トルネードコール・スパイダーマン

 

 

 

 

「アー、所でそろそろ離れてくれない、あいちゃん。このままじゃ色々アブナイゾ」

 

「私、しん様になら何されても構いませんわ。何なら今からネンゴロでm「それ以上いけない」」

 

 

 

 その戦いの行方はブッダのみぞ知る!




やはり、忍殺語を用いての戦闘シーンは難しい・・・。書いていてそう思いました。
忍殺のコミカライズ版や、書籍版を読んで色々勉強せねば・・・。
次回は、何故信之介がスパイダーマンとなったのか?その『オリジン』について書きたいと思います。お楽しみに!
それでは~。
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