クレヨンしんちゃん:トルネードコール・スパイダーマン   作:じゃすてぃすり~ぐ

12 / 12
ドーモ、じゃすてぃすり~ぐです。
そろそろ、5月も終わる頃・・・。コロナによる緊急事態宣言が解除されたものの、まだまだ油断は出来ない今日この頃・・・。皆様はいかがお過ごしでしょうか?
自分は、仕事やら何やらで忙しすぎて大変ですが元気に過ごしております。
さて、このエピソドンも今回で最後。ニンジャスレイヤー(ナラク)に狙われたスパイディの運命やいかに!?
ではドーゾ。


『スパイディ・ミート・ニンジャスレイヤー #8』

「イヤーッ!」

「イヤーッ!」

 

 ニンジャスレイヤーが、スパイダーマン目掛けてチョップ突きを繰り出す。それを難なく回避するスパイダーマン。

 

「ちょっと大人しくして、イヤーッ!!」

 

−TWIP!TWIP!

 

「ヌゥーッ!」

 

 バックステップで後ろに下がり、スパイダー・イトを発射。ニンジャスレイヤーの両腕に命中し、動きを封じる。

 

「フン、こんなオモチャなど、こうしてくれるわ!Wasshoi!!!」

 

 だが、それを両腕に力を込めて、イトの拘束を引きちぎる様に振り解いた。ゴリオシ!

 

「うっそぉ、それをアッサリ引きちぎるってどんだけ力強いの?!」

「我がカラテにかかればこんなモノ造作もないわ、イヤーッ!!!」

 

 アブナイ!ニンジャスレイヤーのヤリめいたサイドキックが、スパイダーマンのボディに迫る。

 もしもニュービーやサンシタのニンジャが喰らえば、アッサリボディに風穴が空き、爆発四散してしまいそうな威力と速度である。

 だが、相対しているのはスパイダーマンだ。

 

「そんなもの、イヤーッ!!」

 

 即座にブリッジ回避。同時にそのままバク転しつつ、がら空きになった背中にオーバーヘッドキック!ワザマエ!

 

「イヤーッ!」

 

 ゴウランガ!それを見越してかニンジャスレイヤーは、オジギ姿勢でそれを回避。角度は90度!

 

「イヤーッ!」

 

 そしてそのまま、上体を起こし頭をスパイダーマンにぶつけにかかる。

 

「イヤーッ!」

 

 スパイダーマンも、頭突きで迎撃。

 

―CLASH!!!

 

 ぶつかる頭と頭!凄まじい激突音がウシミツアワーの夜空に響き渡った。

 

「「グワーッ!?」」

 

 威力は双方互角!吹っ飛ばされる両者。だが、ダメージはそれほどなく、ウケミ・ムーブをとり着地。

 

「イテテ・・・、中々の石頭だね。オラもオラで、結構な石頭だと思うけど上っているもんだなぁ」

「グヌゥー・・・、小童が」

 

 頭をさすりながら、軽口を叩くスパイダーマンに対しニンジャスレイヤーは殺意を持って睨みつける。

 

「とるに足らんサンシタの分際で生意気な・・・」

「なんて言うかキャラ変わってない?もしかして、多重人格者だったりとか?」

「それをオヌシに教える義理はない。オヌシはここで死ぬのだ、ワシに殺されてな!イヤーッ!」

「イヤーッ!」

 

 アブナイ!眼にも留まらぬ速さで、スパイダーマンに迫りストレートパンチを放つ。だが、スパイダーマンは慌てず騒がず、スウェーで回避。 

 

「それは勘弁。オラ、死ぬんだったらあったかいフートンの上でって決めてるんだ。

 ついでに綺麗なおねいさんに看取られてってのもつきで。マー、ニンジャだからいつその時が来るか分からないけど」

 

 平然とした様子で、ニンジャスレイヤーに軽口を叩くスパイダーマン。そして、距離を取ると両手をニンジャスレイヤーに向ける。

 

「ま、そんな訳だからコイツで大人しくなりな!イヤーッ!」

 

―TWIP!

 

 スパイダー・イトを発射。ニンジャスレイヤー目掛けて飛んでいく。

 

「二度も同じ手を喰らうか、イヤーッ!」

 

 ニンジャスレイヤーはチョップで迎撃。その時である!

 

−バリバリバリバリ!

 

「ヌゥッ!?」

 

 イトがニンジャスレイヤーに触れた瞬間、スパークが迸る。

 それにより、痺れによるものか驚愕かは分からないが、ニンジャスレイヤーが一瞬怯んだ。

 

「どう、『エレクトリック・スパイダー・イト』の味は?結構ビリビリ来るでしょ?イヤーッ!」

 

 この機を逃す訳にはいかない。一瞬の隙をつき、スパイダーマンは左フックを放つ。だが、

 

「イヤーッ!」

「うっそぉ!?これも効いてないの!?」

 

 それをニンジャスレイヤーはガード。並みのニンジャであれば動けないエレクトリック・スパイダー・イトを受けても平然としているニンジャスレイヤーに、スパイダーマンは驚くしかない。

 

「この程度の電流等、肩こりがほぐれる程度にしかならぬわ!イヤーッ!」

 

 ニンジャスレイヤーはあざ笑うかのようにそう言うと、スパイダーマンに右ストレートを放つ。咄嗟に、スパイダーマンはガードをするが・・・。

 

「グワーッ!?」

 

 そのガードごと、スパイダーマンを吹っ飛ばした。そのまま、近くの建物に叩きつけられる。

 

「が・・・ガードしたのに、これほどまで威力があるなんて・・・」

 

 先ほどの一撃によるダメージは凄まじく、立ち上がるもののふらつき膝を着いてしまうスパイダーマン。

 

「所詮はムシケラ、我がカラテの足しにもならぬ」

((く・・・っそぉ・・・))

 

 グググ・・・。と膝をついているスパイダーマンを見ながら、ニンジャスレイヤーは勝ち誇るようにそう言った。

 負けじと、ニンジャスレイヤーを睨みながら体を起こそうとするも、未だダメージの残るこの体。中々言う事を聞こうとしない。

 

((何か・・・、何か無いか?この実際アブナイ状況を打開できる方法が・・・))

 

 胸中でそう呟きながら、目の前のピンチに対する打開策を考える。考えながら、無意識にお尻にあるポケットの中身を探っていると・・・。

 

((ん?))

 

 その中にあった『あるもの』に触れた。これは何だろうか?そう思いながら、その『あるもの』を入念に手で触りながらチェック。

 

((そうだ!『これ』があった!!!『これ』ならば!!!))

 

 触るうちに、『あるもの』の正体に気づくと同時に、ニューロンに電流が走る!

 過去の戦いの中で、幾多のピンチを救ってくれた『これ』ならば、目の前のニンジャもどうにかなるかも知れない!その確信が、スパイダーマンにあった。

 

「さて、ハイクを詠むといい。カイシャクをしてやろう」

「悪いけどハイクを詠むつもりはないかな?・・・まだ死ぬつもりは毛頭ないし」

 

 ニンジャスレイヤーの言葉に、スパイダーマンはそう返す。そして、次の瞬間。ガバッ!と立ち上がり、ニンジャスレイヤーに接近。

 

「ヌゥッ!」

「これでも喰らえ!イヤーッ!!!」

 

 突然の事に面食らうニンジャスレイヤーに、スパイダーマンはポケットから『それ』を取り出すと、ニンジャスレイヤーの顔面に押し当てた。

 

「ア、アバババババババーーーーーーッッ!?クサイ!!何だ、この臭いはーーーーーーーーッッ!!!?」

 

 『それ』から漂うあまりにクサイすぎる悪臭。それを思いっきり嗅いでしまったニンジャスレイヤーは大悶絶!

 

「ある人の『靴下』さ!持ち主曰く『ジャスミン』の香り。・・・全然、ジャスミンの香りじゃないけどね」

 

 読者の中にクレしんファンがいるのならもうお気づきだろう、スパイダーマンが持っている『それ』。その正体はスパイダーマンこと、信之介の父親、野原ひろしがはいている『靴下』だったのである。

 アーチ級のニンジャですら逃げ出すほどの臭さを誇るひろしの靴下、それがニンジャスレイヤーの顔面に押し当てられているのだ。

 

「アババ・・・、このワシがムシケラ如きに・・・こんなしょーも無い手で・・・ウカ・・・ツ・・・」

 

 あまりの臭さに、白目を剥いてニンジャスレイヤーはしめやかに失神した。ドタリ。と倒れたニンジャスレイヤーを見下ろし、スパイダーマンははぁ~・・・とため息をつく。

 

「な・・・何とか勝てたぁ~・・・。靴下持っててよかったゾ」

 

 そう言って、チラリとひろしの靴下を見やった。これがなかったら冗談抜きで、ニンジャスレイヤーにスレイされてたかもしれない。

 父ちゃんにはホント感謝だな。と思いつつ、ニンジャスレイヤーを見やり・・・、

 

「え・・・?」

 

 固まった。倒れたはずみで、ニンジャスレイヤーのメンポが外れ、素顔が露になっていたのだ。それだけならまだいい。

 問題は、そのニンジャスレイヤーの素顔だ。何故なら彼の素顔は・・・。

 

「ケン・・・兄・・・?」

 

 あのマルノウチ・スゴイタカイビルで、自分が救えなかった『フジキド・ケンジ』の顔であったから。

 

「ケン兄が・・・ニンジャ・・・ニンジャナンデ・・・?」

 

 何故、フジキドがニンジャとなっているのか?今までトチノキにも会わず何をしていたのか?疑問がスパイダーマンの・・・信之介のニューロンを駆け巡る。

 ポツリと呟くスパイダーマンを、重金属酸性雲の切れ目から、インガオホーと嘲笑うかのようにドクロめいた月が嗤っていた。

 

 

【スパイディ・ミート・ニンジャスレイヤー】おわり。




いかがだったでしょうか?
親愛なる隣人とネオサイタマの死神の出会いの物語は、これにて終了。
ナラクおじいちゃん戦がちとあっさりしすぎたかな・・・と反省しております(汗)すまんな、本当にすまん。
さて、次のエピソドンですがソウカイヤ同様、スパイディの前に立ち塞がる『アイアン・十字』。その内部に迫るエピソドンとなっております、お楽しみに!
では、オタッシャデー!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。