クレヨンしんちゃん:トルネードコール・スパイダーマン 作:じゃすてぃすり~ぐ
そろそろ、5月も終わる頃・・・。コロナによる緊急事態宣言が解除されたものの、まだまだ油断は出来ない今日この頃・・・。皆様はいかがお過ごしでしょうか?
自分は、仕事やら何やらで忙しすぎて大変ですが元気に過ごしております。
さて、このエピソドンも今回で最後。ニンジャスレイヤー(ナラク)に狙われたスパイディの運命やいかに!?
ではドーゾ。
「イヤーッ!」
「イヤーッ!」
ニンジャスレイヤーが、スパイダーマン目掛けてチョップ突きを繰り出す。それを難なく回避するスパイダーマン。
「ちょっと大人しくして、イヤーッ!!」
−TWIP!TWIP!
「ヌゥーッ!」
バックステップで後ろに下がり、スパイダー・イトを発射。ニンジャスレイヤーの両腕に命中し、動きを封じる。
「フン、こんなオモチャなど、こうしてくれるわ!Wasshoi!!!」
だが、それを両腕に力を込めて、イトの拘束を引きちぎる様に振り解いた。ゴリオシ!
「うっそぉ、それをアッサリ引きちぎるってどんだけ力強いの?!」
「我がカラテにかかればこんなモノ造作もないわ、イヤーッ!!!」
アブナイ!ニンジャスレイヤーのヤリめいたサイドキックが、スパイダーマンのボディに迫る。
もしもニュービーやサンシタのニンジャが喰らえば、アッサリボディに風穴が空き、爆発四散してしまいそうな威力と速度である。
だが、相対しているのはスパイダーマンだ。
「そんなもの、イヤーッ!!」
即座にブリッジ回避。同時にそのままバク転しつつ、がら空きになった背中にオーバーヘッドキック!ワザマエ!
「イヤーッ!」
ゴウランガ!それを見越してかニンジャスレイヤーは、オジギ姿勢でそれを回避。角度は90度!
「イヤーッ!」
そしてそのまま、上体を起こし頭をスパイダーマンにぶつけにかかる。
「イヤーッ!」
スパイダーマンも、頭突きで迎撃。
―CLASH!!!
ぶつかる頭と頭!凄まじい激突音がウシミツアワーの夜空に響き渡った。
「「グワーッ!?」」
威力は双方互角!吹っ飛ばされる両者。だが、ダメージはそれほどなく、ウケミ・ムーブをとり着地。
「イテテ・・・、中々の石頭だね。オラもオラで、結構な石頭だと思うけど上っているもんだなぁ」
「グヌゥー・・・、小童が」
頭をさすりながら、軽口を叩くスパイダーマンに対しニンジャスレイヤーは殺意を持って睨みつける。
「とるに足らんサンシタの分際で生意気な・・・」
「なんて言うかキャラ変わってない?もしかして、多重人格者だったりとか?」
「それをオヌシに教える義理はない。オヌシはここで死ぬのだ、ワシに殺されてな!イヤーッ!」
「イヤーッ!」
アブナイ!眼にも留まらぬ速さで、スパイダーマンに迫りストレートパンチを放つ。だが、スパイダーマンは慌てず騒がず、スウェーで回避。
「それは勘弁。オラ、死ぬんだったらあったかいフートンの上でって決めてるんだ。
ついでに綺麗なおねいさんに看取られてってのもつきで。マー、ニンジャだからいつその時が来るか分からないけど」
平然とした様子で、ニンジャスレイヤーに軽口を叩くスパイダーマン。そして、距離を取ると両手をニンジャスレイヤーに向ける。
「ま、そんな訳だからコイツで大人しくなりな!イヤーッ!」
―TWIP!
スパイダー・イトを発射。ニンジャスレイヤー目掛けて飛んでいく。
「二度も同じ手を喰らうか、イヤーッ!」
ニンジャスレイヤーはチョップで迎撃。その時である!
−バリバリバリバリ!
「ヌゥッ!?」
イトがニンジャスレイヤーに触れた瞬間、スパークが迸る。
それにより、痺れによるものか驚愕かは分からないが、ニンジャスレイヤーが一瞬怯んだ。
「どう、『エレクトリック・スパイダー・イト』の味は?結構ビリビリ来るでしょ?イヤーッ!」
この機を逃す訳にはいかない。一瞬の隙をつき、スパイダーマンは左フックを放つ。だが、
「イヤーッ!」
「うっそぉ!?これも効いてないの!?」
それをニンジャスレイヤーはガード。並みのニンジャであれば動けないエレクトリック・スパイダー・イトを受けても平然としているニンジャスレイヤーに、スパイダーマンは驚くしかない。
「この程度の電流等、肩こりがほぐれる程度にしかならぬわ!イヤーッ!」
ニンジャスレイヤーはあざ笑うかのようにそう言うと、スパイダーマンに右ストレートを放つ。咄嗟に、スパイダーマンはガードをするが・・・。
「グワーッ!?」
そのガードごと、スパイダーマンを吹っ飛ばした。そのまま、近くの建物に叩きつけられる。
「が・・・ガードしたのに、これほどまで威力があるなんて・・・」
先ほどの一撃によるダメージは凄まじく、立ち上がるもののふらつき膝を着いてしまうスパイダーマン。
「所詮はムシケラ、我がカラテの足しにもならぬ」
((く・・・っそぉ・・・))
グググ・・・。と膝をついているスパイダーマンを見ながら、ニンジャスレイヤーは勝ち誇るようにそう言った。
負けじと、ニンジャスレイヤーを睨みながら体を起こそうとするも、未だダメージの残るこの体。中々言う事を聞こうとしない。
((何か・・・、何か無いか?この実際アブナイ状況を打開できる方法が・・・))
胸中でそう呟きながら、目の前のピンチに対する打開策を考える。考えながら、無意識にお尻にあるポケットの中身を探っていると・・・。
((ん?))
その中にあった『あるもの』に触れた。これは何だろうか?そう思いながら、その『あるもの』を入念に手で触りながらチェック。
((そうだ!『これ』があった!!!『これ』ならば!!!))
触るうちに、『あるもの』の正体に気づくと同時に、ニューロンに電流が走る!
過去の戦いの中で、幾多のピンチを救ってくれた『これ』ならば、目の前のニンジャもどうにかなるかも知れない!その確信が、スパイダーマンにあった。
「さて、ハイクを詠むといい。カイシャクをしてやろう」
「悪いけどハイクを詠むつもりはないかな?・・・まだ死ぬつもりは毛頭ないし」
ニンジャスレイヤーの言葉に、スパイダーマンはそう返す。そして、次の瞬間。ガバッ!と立ち上がり、ニンジャスレイヤーに接近。
「ヌゥッ!」
「これでも喰らえ!イヤーッ!!!」
突然の事に面食らうニンジャスレイヤーに、スパイダーマンはポケットから『それ』を取り出すと、ニンジャスレイヤーの顔面に押し当てた。
「ア、アバババババババーーーーーーッッ!?クサイ!!何だ、この臭いはーーーーーーーーッッ!!!?」
『それ』から漂うあまりにクサイすぎる悪臭。それを思いっきり嗅いでしまったニンジャスレイヤーは大悶絶!
「ある人の『靴下』さ!持ち主曰く『ジャスミン』の香り。・・・全然、ジャスミンの香りじゃないけどね」
読者の中にクレしんファンがいるのならもうお気づきだろう、スパイダーマンが持っている『それ』。その正体はスパイダーマンこと、信之介の父親、野原ひろしがはいている『靴下』だったのである。
アーチ級のニンジャですら逃げ出すほどの臭さを誇るひろしの靴下、それがニンジャスレイヤーの顔面に押し当てられているのだ。
「アババ・・・、このワシがムシケラ如きに・・・こんなしょーも無い手で・・・ウカ・・・ツ・・・」
あまりの臭さに、白目を剥いてニンジャスレイヤーはしめやかに失神した。ドタリ。と倒れたニンジャスレイヤーを見下ろし、スパイダーマンははぁ~・・・とため息をつく。
「な・・・何とか勝てたぁ~・・・。靴下持っててよかったゾ」
そう言って、チラリとひろしの靴下を見やった。これがなかったら冗談抜きで、ニンジャスレイヤーにスレイされてたかもしれない。
父ちゃんにはホント感謝だな。と思いつつ、ニンジャスレイヤーを見やり・・・、
「え・・・?」
固まった。倒れたはずみで、ニンジャスレイヤーのメンポが外れ、素顔が露になっていたのだ。それだけならまだいい。
問題は、そのニンジャスレイヤーの素顔だ。何故なら彼の素顔は・・・。
「ケン・・・兄・・・?」
あのマルノウチ・スゴイタカイビルで、自分が救えなかった『フジキド・ケンジ』の顔であったから。
「ケン兄が・・・ニンジャ・・・ニンジャナンデ・・・?」
何故、フジキドがニンジャとなっているのか?今までトチノキにも会わず何をしていたのか?疑問がスパイダーマンの・・・信之介のニューロンを駆け巡る。
ポツリと呟くスパイダーマンを、重金属酸性雲の切れ目から、インガオホーと嘲笑うかのようにドクロめいた月が嗤っていた。
【スパイディ・ミート・ニンジャスレイヤー】おわり。
いかがだったでしょうか?
親愛なる隣人とネオサイタマの死神の出会いの物語は、これにて終了。
ナラクおじいちゃん戦がちとあっさりしすぎたかな・・・と反省しております(汗)すまんな、本当にすまん。
さて、次のエピソドンですがソウカイヤ同様、スパイディの前に立ち塞がる『アイアン・十字』。その内部に迫るエピソドンとなっております、お楽しみに!
では、オタッシャデー!