未来掴むミライダー   作:ガンダムラザーニャ

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蘇る記憶と深まる謎

俺はいろはを安全な場所に寝かせてから、この目の前にいる女性、七海やちよから、この街や魔法少女と魔女と使い魔のことについて聞いた。

 

この街の名前は神浜市といって、最近魔女が多く集まり、外から魔法少女が来るようになった街。

 

魔法少女はキュゥべえという変な動物に願いを叶えてもらうことと引き換えに、ソウルジェムという宝石で変身して、魔女とその部下である使い魔と戦う存在。

 

いろはもその内の一人なのだという。

 

ちなみに、俺が言われるがままにいろはに押し付けたあの欠片は、魔女を倒した時に出てくるグリーフシードなのだという。

 

また、ソウルジェムは魔力を使うと中で穢れが溜まるらしく、溜まり切ると、魔法少女は死んでしまうのだという。

 

何で死ぬのかまでは、答えるつもりはないって、はぐらかされたけど。

 

グリーフシードは、その穢れを取り除く効果を持っているため、魔法少女の間では必須のアイテムらしい。

 

「ここまで話はしたけど、結局、あなたは何者なの?

男だから、魔法少女というわけでもないし、それにさっきのあの姿も」

 

「さっきも言ったけど、俺自身もよくわかってないけど。

今の俺は、少なくとも仮面ライダー、だと思う」

 

「…はぁ、わかったわ。

もうこの際あの子との関係も聞かないで上げるから、私たち魔法少女と関わらない方がいいわよ。

私たちだって、魔女や使い魔を相手に戦うのもそうだし、魔法少女として生きていくのも大変なんだから」

 

「あ、ちょっと!」

 

背中を向けた彼女に手を伸ばそうとするが、もうその姿はどこにもなかった。

 

「…そうだ、いろはは!」

 

俺は先ほどいろはを寝かせた場所に向かうと、そこには誰もいなかった。

 

「いない…。

もう、どこかに行ったのか?」

 

俺はあたりを見回すけど、いろははいなかった。

 

俺はそれから、街中を探すことにした。

 

 

 

 

 

「あれって…!」

 

俺はあれから色々と考えながら街を歩いていると、またしてもさっきみたいな変なところに出てきた。

 

そこではいろはがさっきのようなやつと戦っていて、その後ろでやちよと、もう一人初めて見る少女がいて、加勢せずに、見ていた。

 

おいおい、何で加勢しないんだよ!

 

しかもいろはのやつ、苦戦してるじゃねぇか!

 

それと相手はさっきのやつよりもでかいし、砂みてぇな体してやがる!

 

しかもあいつ、膝をついてるいろはに目掛けて、攻撃しようしようとしてる。

 

「…やばい、いろはぁ!!」

 

俺はとっさにひょうたんからベルトと手裏剣を取り出して、走り出した。

 

「変身!」

 

『誰じゃ!?俺じゃ!?忍者!シノビ 見参!!』

 

「…あなたは!」

 

「えっ、ちょ、何!?」

 

俺はシノビに変身し、いろはに目掛けて走ってるところを、二人に驚かれたが、気にしていられない。

 

どういう事情があるか知らないけど、いろはがやられそうになってるのに、黙ってみていられるかよ!

 

「ハッ!」

 

いろはに繰り出されようとしていたあの怪物、魔女だったか。

 

あいつの攻撃が当たる前に、蹴りを入れて弾いた。

 

「大丈夫か!?」

 

「えっ、あなたは、さっきの!」

 

俺は膝をついてるいろはの体を持ちあがらせる。

 

その時だった。

 

「「っ!?」」

 

いろはもだろうか、俺の中で、何かが流れ込んでいた。

 

これは、いろはの、なのか?

 

妹のういちゃんやその友達の灯花やねむちゃんの映像が流れてくる。

 

俺も、会ったことはあるけど、俺が知ってる限りじゃこの子たちも病気で…。

 

うん、あれってたしかキュゥべえ?

 

『僕と契約して、魔法少女になってよ!』

 

『ならお願い!

妹の、ういの病気を治して!

そしたら私、何でもするから!』

 

そこから先は、光に包まれるようにして、現実に戻された。

 

「え?

今のって…」

 

いろはも何かを思い出したのか、少し信じられないような顔をしていた。

 

…っと、今はそれどころじゃなかったか!

 

「危ない!」

 

「きゃっ!」

 

あいつ、俺たちが動かないところを隙を突いてきやがった!

 

危なかったぜ、あと少し遅れていたら直撃だった!

 

「いろはちゃん!」

 

「環さん!」

 

俺が避けてあいつから距離を取った後で、さっきの二人が来た。

 

「いろはちゃん、大丈夫?」

 

「は、はい、何とか…」

 

「…ねぇあなた、どういうつもり?」

 

「え?」

 

「私、あなたにこう言ったわよね?

魔法少女に関わるなって」

 

「だったら、何で二人して、この子の手助けしてくれなかったんだよ!?」

 

「うっ!

そ、それは…」

 

「私たちはただ、環さんがこの街で魔法少女としてやっていけるか、それを確かめたかったのよ。

本当に危なくなったら、止めに入るつもりだったけど」

 

「ちょ、私たちって、何私まで巻き込んでるんだよやちよさん!?」

 

俺の言葉に何も言えない子に、ため息交じりで説明するやちよ。

 

確かにやちよの言ってることに一理はあるかもしれない。

 

俺は魔法少女ってのはあまりよくわかっていないところはあるけれど、人間ってのは必ずしも誰かが助けてくれるなんてことは限らない。

 

…実際、俺がいた見滝原じゃあ、誰かが助けてくれるどころか、全滅してたし。

 

でも、今この場で、いろはがこうして生きてて、しかも魔法少女ってことは、ここは俺が知ってる世界とは違うかもしれない。

 

少なくとも、俺が知ってるいろはは魔法少女になってるわけじゃないし、妹のういちゃんも病気で亡くなってる。

 

だけど、もし今のが本当なら、いろはは何のためにここに?

 

「ご、ごめんなさい、やちよさん」

 

「…別にあなたのことは怒ってはないわ環さん。

悪いのは、こっちの男よ」

 

「…」

 

「あなた、自分が何をやってるのかわかってるの?

手を出さなかったのは私たちにも非があるけど、私たちにも今言ったような事情があるの」

 

「…俺は、そんな事情があるのは知らなかったけど。

俺は、この子が苦しんでるところは、見たくはなかったんだ。

…今の話を聞いて、悪かったって思ってるけど」

 

俺は素直に謝った。

 

いろはがこの街で戦えるのかってのを確認するための試験みたいなものを、俺が邪魔をしたからな。

 

それに、この人って話を聞いてる限りじゃそんなに悪い人でもなさそうだし。

 

「…はぁ、わかったわ。

じゃあこうしましょう。

私とももこは手を出さないから、あなたたち二人であの魔女を倒しなさい」

 

「え?」

 

「ちょ、やちよさん!?」

 

「元々環さんの実力を見ておきたかったけど、あなたがさっき使い魔を倒したところを見て興味が湧いたわ。

だから、せいぜい互いに邪魔にならないように、あの魔女を倒しなさい。

そしたら特別に、環さんもあなたも、この街で魔女や使い魔を倒すところに何も言わないわ」

 

「や、やちよさん、い、良いんですか?」

 

「だからこその特別よ。

ほら、そうこうしてるうちに、魔女が近づいてきたわよ」

 

「っ!?」

 

やちよに言われた通り、魔女が竜巻を起こしながら少しずつ近づいてきてるのが見えた。

 

「ももこ、引くわよ」

 

「えぇ!?」

 

ももこと呼ばれた少女は、やちよに連れられてその場から離れた。

 

「…じゃ、じゃあ行きますよ、シノビさん!」

 

「あぁ…」

 

いろははさっきのことで少し動揺してるが、俺と一緒に身構えて、奴から飛んで来た小さな竜巻を避けて間合いを取る。

 

「届けっ!」

 

「たぁっ!」

 

『忍法キリステ!』

 

いろはが左腕の弓矢で、俺は忍者刀で攻撃を仕掛ける。

 

だが、全身が砂みたいな感じで、全く効いてる感じがしない。

 

俺自身も、まだこれを使いこなせてないところがあるから、っていうのも、あるかもしれないけど。

 

そんなことを考えてると、あいつの竜巻で俺といろはが吹き飛ばされてしまう。

 

「うわっ!?」

 

「きゃっ!!」

 

俺たちは吹き飛ばされてしまい、地面に叩きつけられた。

 

急いで起き上がると、魔女がいろはに向けて攻撃しようとしているのが見えた。

 

いろはも抵抗しようと矢を射っているが、効いてる様子がない。

 

「やめろ、そいつに手を出すなっ!!」

 

俺は痛む体で手を伸ばす。

 

やめろ、やめてくれ、いろはに手を出さないでくれ!

 

俺はもう、あの時のような思いはしたくないんだ!

 

せっかく会えたのにっ、また守れないのか!?

 

俺は、あれを繰り返すのか…!

 

瞬間、俺の胸元が光だした。

 

「えっ、これは!」

 

俺の胸元を見ると、変身前に身に付けていたネックレスが光っていた。

 

俺はそれに触れると、腰にあったベルトの形が変わり、中央のくぼみに左右には赤と青のクエスチョンマークがあり、手にはクエスチョンマークのパーツが握られていた。

 

「これを使えってのか?

…やるしかない、変身!」

 

『ファッション!パッション!クエスチョン!クイズ!!』

 

俺はそのパーツをベルトに差し込むと、俺の左右には◯と×が出現し、俺の体を覆うようにクエスチョンマークが集まって、さっきの◯×が胸元に来た。

 

すると、頭にクエスチョンマークのアンテナが付いた戦士に変わった。

 

「シノビさんの姿が変わった!?」

 

「違う」

 

「えっ?」

 

俺は自分の手を見ようとした途端、頭に色んなことが情報が流れてきていた。

 

これって、情報というよりクイズ問題の◯×問題か?

 

…何を意味しているのか一瞬だけわかなかったが、とっさに行動を起こした。

 

「救えよ世界、答えよ正解。

問題だ!」

 

「え?」

 

いきなり問題を出す俺に困惑するいろはだが、あいつは俺に目標を変えて小さな竜巻を起こして飛ばす。

 

「お前の攻撃は右から来て、それが俺に直撃する。

◯か×か?」

 

「な、何を言ってるの!?

避けてっ!」

 

「正解は、×だ!」

 

瞬間、奴の体が電撃を浴びてダメージを喰らった。

 

そして、俺はあの竜巻を避ける。

 

「えっ!?

あの魔女、電気を浴びて…!」

 

あまりの出来事に困惑しているいろはだが、俺は続けざまに問題を出しては電撃を浴びせる。

 

流石に電撃を浴びすぎたのか、やつは動けなくなった。

 

「さてと、これなら問題を出すまでもないな!」

 

俺はすぐに近づいて殴っていく。

 

しかし、この姿での力が弱いのか、あまり手応えがなかった。

 

だが、そうこうしてる間にやつが風で作った刃を飛ばしてきた。

 

「がっ!」

 

「シノビさん!」

 

俺はかすり傷で済んだが、この姿だと接近は弱いし、かといってシノビの状態だとスピードが上がるけど決定打に欠ける。

 

いろはの弓矢でもあまり効いてる感じがしなかった。

 

これ、どうすりゃ良いんだよ?

 

そんなとき、腰元が光って、手に取るとそれは変身する前にあったスパナだった。

 

同時にベルトも変わって、シノビに似た物となり、スパナとは別にドライバーが握られていた。

 

「次はこれを使えってのか、変身!」

 

『デカイ!ハカイ!ゴーカイ!仮面ライダーキカイ!!』

 

スパナとドライバーを交差、ベルトに装着すると全身が機械の装甲に覆われ、ドライバーやスパナで固定され、顔にはスパナが交差して装着された。

 

「また姿が変わった!?」

 

「シノビにクイズ、その次はキカイか。

何だかよくわからねぇけど、これなら!」

 

『アルティメタルフィニッシュ!』

 

俺はエネルギーの籠った拳でやつを殴ると、爆発し、全身が凍りついた。

 

「これで完全に動けない!

…いろは、一緒にとどめを!」

 

「っ!?

うっ、うん!」

 

思わずいろはに声を出したが、何か違和感を持っているようだけど、今はそれどころじゃない。

 

それに、ここは俺の知ってる世界じゃないとすれば、俺のことを知らないかもしれないんだ。

 

でも、さっき俺に触った時の反応からすると…。

 

…今はこいつのとどめだ!

 

『キカイデハカイダー!!』

 

「ストラーダ・フトゥーロ!!」

 

俺といろはの攻撃が、凍りついたやつを貫き、爆散させた。

 

すると、撃破したやつから、あの欠片、グリーフシードがいろはの手に収まった。

 

「いろはちゃん、それにそこのお兄さん!」

 

「…うまくいったみたいね」

 

「やちよさん、ももこさん!

はい、何とかいけましたよ!」

 

「はぁ、どうにかなったな…」

 

あの魔女を倒せたからなのか、俺たちはぐったりする。

 

その時に、変身が解除されて元に戻ってしまった。

 

「え!?」

 

「あっ、しまった!」

 

「環さん、彼と知り合い?」

 

いろはが俺の姿を見て動揺する。

 

「ね、ねぇ、あなたがどうして、ここにいるの?

あなた、掴なんだよね?」

 

「…」

 

「思えば、さっきおかしいなって思ったんだよ。

あなたに触れた瞬間、私は自分の願いを思い出したの。

だから、教えて、掴は何を隠しているのっ!!」

 

「…」

 

俺はそう言われて何も言えない。

 

いろはは別に勘が良いというわけではないが、ここまでくると、頑固なまでに追及することがあるからな。

 

「いろは、俺は…」

俺はいろはに話そうとした時、ひどい頭痛に襲われる。

 

「ぐっ!」

 

「掴っ!?」

 

何が起きているのか分からない内に、俺の頭に浮かんだイメージは真っ黒な宇宙の中心部に何やら宇宙とか惑星を思わせる装飾にマントを翻す戦士だった。

 

「いずれ真実を知るだろう」

 

「今のは…!?」

 

真実って、なんだよ。

 

その言葉が出る前に俺はそのまま倒れこんでしまう。

 

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