アイドルマスターシャイニーカラーズ 銀色の革命者   作:ヒロ@美穂担当P

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再び「湾岸ミッドナイト」の人物が登場。
ついに究極のFCが完成する……!


STAGE14 繋がる思い

D1エキシビションマッチの翌日。蓮はFCに乗って大阪にいた。

教えてもらったある職人の元に行くためだ。

今のFCも悪くないが、僅かに排気抵抗がある。ロータリーのそのフィーリングを損なっている事を感じたために給排気系の変更を提案した蓮。リカコ達に相談した後、リカコが旧知の男に電話をかけ、その男に紹介された男の元に行く事になったのだ。ちなみにリカコが話した男は蓮も知っている。

 

 

「……速い」

後ろから近づいてくる車。まだ一般車が多い時間帯の中、車の間を掻い潜って蓮が運転するFCに近づいていた。

青色(ランスブルー)のエボⅤがFCのテールランプを追う。

「この辺で見ないヤツやナ……。腕はどーだ」

神谷エイジが駆るエボⅤだ。蓮のFCに並ぶ。

「若いナ……。アイツと同じくらいちゃうんか」

FCのドライバーを見て一言。

しかし、FCから出ているオーラはエイジが今まで見たことがほとんどない様なレベル。エイジが知る限りあれだけのオーラを持った車はあの2台だけ。

「ん……?品川ナンバーって事は東京か。あっ、そーいう事かいな」

エイジは(FCのドライバー)にハンドサイン。

 

「降りてくれ……?」

蓮はエボⅤのドライバーが見せたハンドサインの意味を理解。

先行するエボⅤに続いて高速を降りる。

街中ではその爆音で周りから視線を浴びる。その視線は少なくとも「嫌悪感」が込められた視線だ。

そんな視線を気にすることなくエボⅤとFCはロー○ンへ。そこでエイジと蓮は顔を合わせる。

「えっと、僕なにかしましたか……?」

「いや、お前は何もしてへんよ。品川は東京の地区やろ?」

「そうですけど……」

「俺の知り合いから連絡があったんよ。もしかしたら東京から来るヤツいるって」

「FCに乗った兄ちゃんが来るかもってナ」

「あの……知ってるんですか?」

「シゲさんだろ?FC用のマフラーとか一通り作ってたで」

「そうです!」

「なら、話は早いな。俺は神谷エイジ」

「僕は小日向蓮です」

エイジのエボに続いて蓮のFCはロー○ンを出る。

 

 

 

「シゲさーん!いた!」

「おお、エイジか。来たんか」

「シゲさんの言うお客様来たで」

エイジが蓮を連れてきた所は工場。中にはオヤジが。

「こんにちはー」

「大人しい兄ちゃんだな」

蓮がシゲに挨拶する。

「あの……稲田さんですよね」

「ああ、シゲと呼んでくれ」

「お前北見さんに聞いたんだろ」

「そうです。FCの給排気系を作ってもらいたくて」

「どれ、見てもええか」

「どうぞ」

蓮はエイジとシゲを工場の前に止めているFCの前に連れていく。

FCを見るシゲの目が途中で変わった。そして驚きが顔に出る。

「この車……一体どんなチューンをしたんだ!?」

同じくFCを見ていたエイジも驚愕。

「このFC……バケモノや。お前は一体どうやってこのFCを作った?」

蓮は2人の質問に答える。

「色々な方に手伝ってもらいました。僕一人では作れない。でも人に最後までやってもらうのが僕としては許せなくて。自分もFCに手を入れてます」

「エンジンはRGOで組んで」

「RGO!?」

「RGOってリカコいたろ」

「はい。リカコさん達に協力してもらったんです」

「リカコがか……。こんなすごいクルマにしたんか……」

この後他の部分の説明の後、工場の中にFCを入れる。

 

 

 

「エイジさん、レンチ取ってください」

「あいよ」

蓮はシゲ特製の給排気系パーツを装着していた。FCの下に潜り、マフラーを取り付けていく。エイジがエキマニとインマニを取り付けていた。

装着後、エンジンをかけて軽くエンジンを煽ってみる。

ハイトーンのエキゾーストノートがチューンドロータリーの音を引き立たせる。

「すごい……」

蓮は心に直接飛び込んでくるようなエキゾーストノートに震えていた。

「シゲさんホンマに色んな車のマフラー作れますよね」

「そうかぁ?」

「ええ、ホンマに。この間エボⅩのマフラーその場で作ったやん」

「エボⅩ……?まさか銀色の?」

「……?そうやけど」

「星名夢斗って言ってましたか、そのドライバーは」

「ああ、アイツすごいで……ってユウトを知ってんのか!?」

「ええ、夢斗君と知り合いなんです。エイジさんのエボにあった『WORKS-R』ステッカーが夢斗君のエボにもあって……」

「ああ、ユウトにやった。餞別にな」

「なるほど……」

「つーかユウトを知ってるとはな……。アイツは普段はおちゃらけてるけどナ」

 

 

 

「ありがとうございました」

「ああ、ユウトによろしく言っといてくれな」

「ええ!」

蓮が乗るFCは大阪を後にした。

 


 

翌日。

大学に向かおうとマンションを出た夢斗。そこにあったのは白いFC3S。

「えっ……。そう置くの」

夢斗も思わず困惑。FCのダッシュボードに紙が置いてあったので見てみると……。

「パーツ製作よろしくね。乗っていってもいいよ。P.S.エイジさんがよろしく言っていたよ」

「……エイジさんに会ったのね」

夢斗はエボⅩに乗ろうとするが、FCを大学に持っていかないといけない。

パーツ製作用の機材を全て大学に置いているためだ。

「……めんどくさいけど」

夢斗はエボⅩに乗り、一度大学にエボを置いてくる。その後、部のローダーを(勝手に)持ってきてマンションまで戻りFCを載せて大学に戻る。

 

 

 

 

「うーっす」

浩一が部室に入る。しかし誰もいない。

「あり……?」

すると僅かに物音が聞こえた。音がした方向は部の車を置いている倉庫の方。

浩一が倉庫の扉を開けると……。

「夢斗!?」

「……」

夢斗がなんかやってるのが見えた。浩一の声が届いてないらしく、物凄い集中力で作業してる。

「FC……?」

浩一はリフトに掛かっているFCに気がつく。

やがて作業が終わったらしく、機材を止める夢斗。

「お、浩一か」

「夢斗、このFCなんだ?てかお前は何やってんの」

「小日向さんに頼まれてFCのパーツ作ってる」

「はい?」

「浩一、ちょっとこれ持って」

「あっつ!重いっ!!」

夢斗が浩一に持たせたのはアルミ製のアンダーフロア。できたてなので熱い。熱された金属に迂闊に触ってはいけない。

 

 

 

やがてリアディフューザーも完成。こちらはドライカーボン製だ。

「すげえなー。こうやってエボのパーツ作ったんだろ」

「そ、エボよりは簡単だけどな」

「さてさて付けるか。浩一も手伝ってくれ」

「しょうがねえナ……」

2人がかりでアンダーフロアとディフューザーを取り付けた。

「こうやって見るとこのFCやべえな……。何かこう、チューンのレベルが違う」

「ソレ俺も思った。小日向さんの考えた結果がこんなモンスターとはな……」

 

 

 

 

同じ頃、ここは346プロ。

蓮はユニットのメンバーを決めるためパソコンを見てた。そこに。

「蓮君、少し話があるの」

「ちひろさん?」

ちひろに連れられ、廊下に出る。

「蓮君は……何故そこまで仕事をやってるの?」

「あなたの体調が心配。なんでそこまで自分を追い込んでいるの」

どうやらここ最近の蓮の働く様子についてらしい。

「どうしてもお金を必要としてるんです」

「あなたはプロデューサーもやりながらレーサーもやってるんでしょ?どうしてそこまで……」

「そう言えば美世ちゃんから聞いたんですけど……。車を直してるって」

「そうです。でも僕の車じゃないです」

「美穂ちゃんの車です」

「なんで!?」

ちひろの声が若干怒りを含んだ声になる。

「あなたに関係ないじゃないっ」

「関係あるんですよ……っ!」

「!?」

蓮の声が変わる。

「僕がそもそもああいう事をしていなければ美穂ちゃんが怪我しないで済んだ……っ!でも美穂ちゃんは怪我してしまった……。僕を追いかけたせいで!」

「僕は美穂ちゃんに僕を追いかけるのをやめて欲しいって言った。けど……美穂ちゃんは降りなかった。そうなったら美穂ちゃんは考えを曲げたりしない。僕もそういう性格だからわかるんです」

「だから……美穂ちゃんを怪我させてしまった事への責任なんですよ、コレ。せめて自分が手を入れた車が美穂ちゃんを守ってほしいから……」

「美穂ちゃんの怪我……」

「だから……そのために。美穂ちゃんの車を直す為に。大体600万ってトコですかね」

「そんな大金を……!?」

「美穂ちゃんには一切払わせてないです。全部僕のお金です」

「いい加減にしなさい!」

ちひろの怒声が廊下に響く。だが。

「きゃっ」

蓮がちひろに詰め寄る。

「これは僕の勝手です……!ちひろさんがどう言おうとこれは私情です」

「だから僕は考えを変えたりしないですよ……!これは僕がしてやれる『償い』ですから!」

「だから……。もう少しだけ」

蓮の訴えを聞いたちひろ。少し考えた末に蓮に言う。

「わかったわ。ただし、あなたが何かトラブルを起こしても私達は一切関与しません。いいですか」

「最初からそのつもりです」

 

 

 

 

ちひろとの話が終わった後3時間近くパソコンとにらめっこしていた蓮。

「くっ……」

蓮は背筋を伸ばした。長い時間ぶっ通しで作業してたため体の色んな所が軋む。

「プロデューサーさん?」

蓮に声をかけたのはちとせだ。

「ちとせさん、どうしたんですか?」

「あなたが無理し過ぎだって、武内さんや他のアイドルも言っていたよ。あなたを休ませられないかって。文字通り何もしないで休む。まあ、あなたの場合死んだら止まりそうだけど」

「さすがにそれはキツいですよ……」

押し殺した笑いと共に答える蓮。

周りから見たらきついジョークにしか見えない。

「まあ、本当にハードな事をやってるワケがあるのはわかるよ。あなたのその理由は誰かのためにだってわかるの」

「……すごいですね。その通りです」

 

 

「簡単に言ったらお金がいるんですよ。最初の作業で自分が持っていた貯金がもうなくて」

蓮の発言を聞いているのはちとせといつの間にかいた千夜。

「自分がそうさせてしまった責任を取る……って言うのかな。そのために。でも僕としてはお金では絶対に取れない責任なんですよ」

自分が関わった事を話した後、先程の言葉が来る。

「美穂ちゃんは関わっていけなかった。でも関わってしまった。それも僕のせいで。だから今僕のやっている事はただの罪滅ぼしです」

一通り語った後、ちとせがゆっくり口を開く。

「美穂ちゃんには未来があるんでしょ?むしろあなたの『ソレ』を見て彼女は新しい選択肢(未来)を見つけたのかもしれないよ。あなたが私達を輝かせる……女の子を輝かせる魔法をかけたように。可能性を引き出したんだと思うの」

「最も一般には認められない、理解されない可能性だけどね」

「……本当にその通りですよ。自分の目標のために時間、お金を使っている。僕は馬鹿ですよ。だからこそ美穂ちゃんにはそうなってほしくなかった。僕は美穂ちゃんを守る義務がある」

蓮は外を見ながら言った。その視線の先には曇り空が見えた。

 

 

 

 

その日の夜。

大黒ふ頭に銀色のエボと白いFCがあった。

夢斗が蓮にFCを引き渡す。

「本当にありがとう、夢斗君」

「いいっすよ。美穂の車をこんだけのすっげー車にした小日向さんもスゴいし」

「いや、僕じゃない。みんなだよ。夢斗君も当然入る」

最後の調整のために夢斗のエボと蓮のFCは湾岸線に向かうのだった。

 

 

 

 

 

夢斗の手も借りて完成した新生FC。

蓮の思いが詰まったFCが美穂(パートナー)を求めていた。




ついに完成したFC。
様々な人物の技術、そして蓮の想いが込められたFCが走り出す。



ネタ解説です。今回少なめ。
・リカコとエイジ
「湾岸ミッドナイト」でエイジのエボⅤをリカコがチューンしています。また、エイジと会ってからリカコの出番が大きく増えてます。
ここでは今もたまに連絡を取り合ってる事になってます。



最近湾岸あんまできてない……。分身進めたいなーと思いながら。
学生は辛い(白目)



ついに完成したFC。
リカコや高木と言った伝説のマシンに関わった者が作り上げたマシンは美穂を待つ。



次回、「究極のFC編」完結!

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