アイドルマスターシャイニーカラーズ 銀色の革命者   作:ヒロ@美穂担当P

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明かされる美穂のFCの「ポテンシャル」。
時を超えて再び動き出す「伝説(迅帝)」。


一方、夢斗のエボは「封印」が解かれようとしていた。
夢斗の秘策とは!?


STAGE19 伝説のマシン

ここは内藤自動車工場。

整備のために預けられていた車は美穂のFCだ。

「……よくこれだけの車になったモンだ」

内藤が呟く。

「ですね。普通のチューニングカーとはレベルが違うし」

美世もFCを見た感想を言う。内藤が真剣な表情で言う。

「このFCは……『迅帝』のRと同等かそれ以上の性能(スペック)を持っている」

「え!?」

内藤の口から出た言葉に衝撃を受ける美世。

「このFCは普通の人には乗りこなせない。それくらいお前もわかるだろ」

「そうですけど」

「とんでもない車を考えたもんだ、お前のプロデューサーは」

そう語った内藤の目はFCを「脅威」として見ているようだった。

今までにない様子の内藤を見て美世も黙るしかなかった。

 

 

昼。

雨が降ってきた。授業中窓の向こうを見ている夢斗。

(はよ終わんねーかな)

……暇そうだ。何しろ今授業でやっている事は復習。夢斗の得意な分野だったのもあり、一番最初に終わらした。ただ、全員が終わらないと次に進まないため夢斗は退屈なのだ。

「夢斗君、これどうやるの?」

夕美が聞いてくる。

「ソレ簡単。この式を持ってきて……」

「あ、そっか……」

教えるのは本当はそれほど得意ではなかった夢斗。しかし夕美や浩一、そして部の仲間達に教える事が多くなったのもあって他人に教える事が上手くなった。

 

 

授業後。

まだ雨は止まない。夢斗はエボⅩの元へ向かう。

雨に打たれる愛車を見る夢斗。

エボが雨に打たれた回数はまだ片手で数える事ができる。

「……あの日も雨だったな」

ある日を境に夢斗は雨を嫌うようになった。再び思い出すのが嫌だから。それは夢斗の深い心の傷。

 

 

放課後。

エボのセッティングをしていた夢斗。夢斗はパーツをエボに取り付けていた。

美穂のFCや蓮のFDに対抗するための秘策である。

そしてエボⅩにある「封印」を解いているのだった。パチパチとキーボードを叩く音だけが聞こえる。

 

 

一通り終わした後エボのエンジンをかけてチェックする。

ゴォッァアアアアアアア

レスポンスが改善され、パワーも向上している。

「……これでやれるかなー」

いつも通りの調子で呟く夢斗。しかし目には自信が満ち溢れていた。

 

 

 

次の日。

部活が友也達の都合でなくなったために早く帰り、日課をやってた所だった夢斗。

前とは違い、光も一緒だ。

2人はUSBメモリっぽい「ガイアメモリ」を持ってた。

「サイクロン!」

「ジョーカー!」

2人はそれぞれメモリをベルト「ダブルドライバー」に差し込む。

サイクロンメモリを差し込んだ光が倒れる。倒れ込む直前に光はサイクロンメモリを夢斗に投げて渡す。

光からサイクロンメモリを受け取った夢斗はサイクロンメモリを差し込む。

続いて夢斗自身が持ってたジョーカーメモリを差し込みドライバーを動かす。

ドライバーが「W」型になり、音声が流れ出す。

「サイクロン!!ジョーカー!!」

決めポーズをキメて光と夢斗は言う。

「「さあ、お前の罪を数えろ!」」

 

 

「お、仮面ライダーか……」

見知らぬ男が見ていた。

「うそーん」

夢斗は固まる。蓮もいたのだ。

「あはは……こんにちは、夢斗君」

蓮といた男が夢斗達に近づく。

「仮面ライダーは俺もスキなんだ。だから、練習したけど見せることがなかったヤツを見せるチャンスだな」

そう言うと左腕を突き出し大きく回す。そして右腕を左側に伸ばす。

「変身っ!!」

「「スカイライダー!?」」

男は「スカイライダー」の変身ポーズをやったのだ。

 

「言い忘れたけど俺は赤羽根って言うんだ」

「赤羽根……変わった苗字っすね」

「まー言われるよ。そうだ、南条光ちゃん」

「あたしを知ってるのか!?」

「ああ。プロデューサーと探しに来たんだ」

「ごめんね、光ちゃん。そろそろ時間……」

「あっ」

 

 

別れ際に夢斗は蓮に言う。

「今度は自信ありますよ」

「楽しみだね」

夢斗は自信まんまんに言う。それほどまでに手を入れたエボがイイ感じになったようだ。

 

 

 

同じ頃に咲耶は今度のライブの練習中。

この間は思わず飛び出してきてしまったが今度は大丈夫だ。

「この動きがこうなれば」

「おお……咲耶かっこいいばい!」

「私も……頑張らなきゃ」

気合いの入った咲耶にL'Anticaメンバー達も練習に熱が入る。

 

 

346プロダクションの女子寮前。整備から帰ってきたFCを眺める美穂。

「本当に上手く走れないとななさんは窮屈だろうな……」

自身の技術ではFC(ななさん)を思い切り走らせてあげられない事に苦悩する美穂。

「頑張らなきゃ」

 

 

 

ここは内藤自動車工場。

内藤は旧知の仲間から送られてきた写真に驚きを隠せなかった。

「また……走り出したというのか。誰か狙ってんだろ」

その写真には首都高を走る蒼いGT-R(R34)が。

「壱・撃・離・脱」とサイドに大きくあるベイサイドブルーのボディ。

内藤が昔追いかけ続け、結局は一度も前を走った事がない蒼いR34スカイラインGT-R。

 

「迅帝よぉ……お前は何で一旦逃げた」

この場にいない「迅帝」に問う。

 

 

 

 

 

PM11:20。

横羽線を疾走する銀色のエボⅩ。以前よりエンジン音が大きくなっている。

路面が荒れている横羽線をものともせずに駆け抜ける。

「さぁ、やろうぜ」

夢斗の視界に現れたもう1台のランサーエボリューション。

「負けないよ、夢斗」

エボⅨを操る咲耶がバックミラーに映るエボⅩを見る。

戦闘態勢に入る2人の表情は真剣そのものだ。

 

 

横羽線から湾岸線東行き方面へ。

2台共にベストコンディション。ブーストのタレなし、水温油温共に適正レベル。

最高の状態で走る2台。

「来たっ!」

湾岸線合流直後に現れた黄色いFD3S。蓮だ。

 

 

「全開はこちらにとってキツい……」

咲耶のエボⅨは夢斗達のマシンに比べるとパワーがない。

フルブーストで460馬力のエボⅨ。しかし夢斗のエボⅩは500馬力程、蓮のFDはそもそも600馬力あり、これにNOSも加えて640馬力に達する。夢斗ならまだしも蓮には歯が立たない。

パワーが最も重視される湾岸線というエリアでは勝ち目が薄い。

しかしパワーだけなら夢斗も咲耶のエボⅨと同じハンデを背負っている。

馬力(パワー)差は50馬力くらい、しかも同じセダンベースの車。超高速域での安定性は低い。

ただしそれは純正(ノーマル)での話だが。

夢斗のエボⅩは自作パーツを多数装備し超高速域でのどっしりした安定感を得ている。

その自作パーツが生み出す超高ダウンフォースはあの悪魔のZをも上回るスピードでC1のコーナーを曲がれるのだから。

 

 

「絶対離れるもんかっ!」

咲耶は夢斗のエボⅩの後ろに潜り込む。スリップストリームだ。

夢斗のエボⅩは非常に高いダウンフォースを発揮する代償に非常に空気抵抗が大きい。

そのため夢斗のエボⅩは空気抵抗を軽減するのにもってこい。スリップストリームの効果は絶大なのだ。

事実咲耶のエボⅨは少しずつだがエボⅩとの差を詰める。

 

 

3台は絡み合いながら湾岸線を走る。

そして……。

 

 

シュウウウアアアアッ

「役者は揃ったな!!」

夢斗がバックミラーに見えた白いマシンを見る。

 

 

「やってみる!ななさん!!」

美穂のFC3Sが甲高いロータリーサウンドを轟かせてやってきた。

高いモチベーションでFCを操縦する美穂。それは自分がFCに相応しいかを試すようだった。

 

 

 

 

蓮のFD、美穂のFC、咲耶のエボⅨ、そして夢斗のエボⅩ……。

4台は夜のごく短い時間の空白の中でのバトルに臨む。




「迅帝」に匹敵する恐るべき性能を秘めた美穂のFC。
「封印」を破った夢斗のエボⅩは美穂や蓮に敵うのか?
再び走り出した伝説の蒼いR34は何を求めて走るか?




ネタ解説です。
・スカイライダーと赤羽根P
「スカイライダー」の変身ポーズを披露した赤羽根P。
これは赤羽根健治さんが「劇場版仮面ライダーディケイド完結編」でスカイライダーの声を担当した事から。ちなみに映画内では他にも「仮面ライダーファイズ」の声も担当しました。




今回かなり短いです。次回は長くなる(たぶん)
次回で第一部完結!!



やれる事はやった夢斗。
苦悩しつつも、自分の「やれる事」を探す美穂。
目指すべき相手を超えるために走る咲耶。
夢斗の成長を喜ぶ蓮。

そして……。再び蓮、夢斗、美穂、咲耶の4人が激突する!
4人の争いは伝説になる!!
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