アイドルマスターシャイニーカラーズ 銀色の革命者   作:ヒロ@美穂担当P

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「首都高バトル」から懐かしい人物達が登場!
知ってる人は「懐かしい」と思うかも。



『迅帝』の動向を探る内藤。
彼の前に現れた人物とは!?


STAGE24 追いかけるテール(後ろ姿)

深夜。

赤いFCが湾岸線を疾走する。内藤のFCだ。

何故このタイミングでFCを走らせているのか。

「アレか?」

前を走る黄色いRX-8に注目する内藤。すかさずパッシングする。

RX-8がウインカーを出してパーキングエリアに入る。内藤のFCも続く。

 

 

 

「……よう」

「久しぶりね、『追撃のテイルガンナー』。あまり変わってないわね」

「そっちこそ変わってないんじゃないか?『12時過ぎのシンデレラ』」

お互い車から降りて話す2人。内藤と話すのはかつて首都高でトップクラスの実力を持っていた『12時過ぎのシンデレラ』こと林原美津江。

「で、私に何の用なの?いきなり呼び出しておいて」

彼女を呼び出したのは内藤自身だ。

「『迅帝』は今何やってる」

「……彼はまた走ろうとしてるみたいよ。誰が標的(ターゲット)かは知らないけど」

内藤が知りたかった事。それは『迅帝』の動向だ。

数年前に首都高を降りた迅帝()が何故再び首都高を走っているのか。

「聞いたらイイんじゃない?彼をよく知るヒトに」

「聞いた。アイツも知らないみたいだ」

内藤の言う「アイツ」は藤巻直樹だ。彼は迅帝に敗れた過去があるのだが、その後迅帝の師匠になったのだ。

「……なんだろーね。彼はいっつも考えてる事がわからなかったもん」

「お前なら知ってると思ったけどな」

「そう?私も知らない物は知らないし」

「……そうか」

内藤がFCに乗り込もうとする。

「待ってよ。人をこんな夜中に呼び出しておいてそれだけで済ますつもり?」

「……んなワケねえだろ。どうせ『コレ』を望んでんだろ」

「ザッツライト。久しぶりに走りたくなった」

「しょうがねえナ。俺にカマ掘られんじゃねーぞ」

「その余裕がこのエイトの前に通じるかしらね」

 

 

 

 

 

パーキングエリアを出た2台。

黄色いRX-8が先行、赤いFCが追走だ。RX-8がハザードを3回点滅させた。バトル開始の合図だ。点滅終了と同時にRX-8がロケットのように加速していく。

「行くか……」

続いて内藤のFCが速度を上げて前のRX-8に追従する。

 

 

 

「やるわね……。その腕は健在か……」

林原はバックミラーから消えない赤いFCを見る。

スリップストリームを狙える射程圏内にFCが入っている。

「それとも……。刺激を受ける事でもあったのかしらね」

 

 

2ヶ月前。

自身も製作に関わったFCを駆る蓮とのバトルで蓮に敗れた内藤。

その際に蓮から感じた強い熱意。

彼にロクにメンテをしていなかったFCを蘇らせるという行動をさせた。

当時のセッティングから少し変更されたFC。より彼の走りを伸ばす仕上がりになった。これならどんな車のテールも突っつき回せる。

 

 

「離れない……っ」

いくら振りほどこうにもFCはぴったりとついてくる。

鬼気迫る走り。ほんの一瞬でも気を抜いた瞬間撃墜される。

『追撃のテイルガンナー』の本領発揮である。現役時代の輝きは色褪せていない。

 

 

「私も本気で行かないとダメね」

林原もRX-8の性能(ポテンシャル)を最大限引き出すべくハードプッシュ。

5速8900回転、279km。6速に入れてさらにスピードが伸びていくRX-8。

深夜になって魔法が解ける……事はなく、むしろ魔法がかかったようにスピードが上がる。

「ついてこれる!?」

 

 

 

「美世のプロデューサーがあんなにやってるんだ……。長く走ってる俺がチンタラやってんのが恥ずかしい」

蓮の走りは勢いがある。全盛期の自分だってあんな走りができていたはずだ。

しかしバトルをする事がなくなった結果、考え方が「守り」に入ってしまっていた。

だから蓮の走りが内藤を突き動かすには十分すぎる程のきっかけになった。

ペースアップして逃げるRX-8を撃墜(オト)すべくFCが猛然と追う。

 

 


 

 

場所は変わって横羽線。

紅いR34GT-Rがゆっくりと走っていた。

「おーねがいー、シンデレラー♪」

美世だ。彼女はとても上機嫌だ。

何があったかと言うと次の仕事で車雑誌関係でインタビューを受ける事になり、自分の車を見てもらえるからだ。

コツコツと自分で仕上げたRをたくさんの人に見てもらうことが楽しみだった。

ウッキウキで走ってる美世のR34の後ろから爆音が聞こえてきた。

「ん?」

音に気づいた時には美世のR34をパスして2台の車が前に出ていた。

「健さん?……とあれは誰?」

赤いFCが内藤の車だとはすぐにわかった。もう1台のRX-8は初めて見る。

「健さんが本気で走ってるの初めて見たかな……?ま、追うか」

R34がスピードを上げて2台を追い始める。

 

 

「美世か……。ちょうどいい、アイツとのツーリングだ」

「置いてかれんじゃねえぞ」

内藤のFCが一気にRX-8をまくった。その見事な動きに美世も思わず見とれる。

「すごい……。全然現役じゃん」

一気に突き放す。そう言わんばかりにFCは横羽線を疾走する。

 

 

 


 

 

 

3台が横羽線を駆ける一方。

ここは都心の方にある765プロ。

「音無さん、帰りましょうか」

「ですね」

赤羽根Pと音無小鳥が残業を終わして事務所を後にした所だ。

 

 

 

「最近貴音が走ってるって聞かないんですよね」

「前みたいな事がないだけイイと思いますよ……」

「……ですね」

話しながら歩く2人。

765プロに所属するアイドル「四条貴音」。彼女はある時に呪われていると噂されるある1台の車を手に入れて変わった。

まるで何かを探すように走る。その行為が周りからみたらどれ程危険な行為か。

法定速度を軽く超過している。それだけでも危ないのに彼女は「争う」ように走る。

去年は彼女の行動が問題になっていた。今は落ち着いているように見えるのだが……。

「お……」

「どうしたんですか?」

「あの車……」

黄色いFD3Sが止まっている。そのFDの持ち主もいた。

「小日向君じゃないか!」

「あ、赤羽根さん」

蓮だ。

「何してたんだい?」

「僕は帰る途中だったんです。赤羽根さんは?」

「俺も残業終わらして帰ってたトコだったんだ」

「大変ですね」

「君も大変だろう?プロデューサーにレーサーに」

「あはは……」

 

 

 

「貴音ちゃんは……今は走ってないはずです」

蓮は告げる。

約半年前に彼女は自分達と戦った時に走る意味を見つけた。それがきっかけで彼女はもう走っていないはずだ。

「でも貴音はあの車に今も乗っている。多分今も俺達の知らない所で走ってるんだろう」

「……有り得ますね」

「蓮君はなぜこの車で走るの?」

小鳥が聞く。

「……夢のため、ですかね」

 

 

「そろそろ行きます」

蓮がFDに乗り込む。すると赤羽根Pが運転席の方まで来て蓮に言う。

「小日向君ーーー」

 

 

 


 

 

 

場所は再び横羽線。

状況は変わらず内藤のFCが先頭。続いてRX-8とR34だ。

林原が勝負に出る。オーバーヒート覚悟の全開だ。

「こうでもしないと無理じゃん?」

スピードを上げてくるRX-8。

「今度は俺が食われるかっ」

先頭を走る赤いFCの後ろにRX-8が食いついている。

スリップストリームからのオーバーテイクは時間の問題。

 

 

 

その時だ。

周りの空気が変わったのは。

 

 

「あれは……っ!?」

「来たか……。俺はこの瞬間を待っていたんだっ」

「『迅帝』……」

 

 

蒼いボディのBNR34(GT-R)

「壱・撃・離・脱」と大きく書かれたサイド。

纏うオーラは別次元といえる領域。伝説のマシンに相応しいオーラを纏う。

「あ……」

美世の脳裏に東京に初めて来た時の事が流れていた。

バスの窓から見た蒼い車。

それこそが迅帝のR34。美世の憧れ。

 

 

 

「ケリ付けるぜ迅帝!!」

内藤のFCが先程まで出ていた速度よりもさらに早い速度で前に進む。

 

 

「ちょ……速すぎるっ」

美世のR34は一瞬でチギられ、蒼いR34のテールランプがみるみる遠くなっていく。

全然相手にならなかったのだ。

「ぐううううっ……!!」

あまりにもあっけない敗北。何よりも相手にされなかったという悔しさ。

 

 

 

 

「腕は落ちてねえな……」

軽口を叩きつつ逃げる内藤。迅帝のRはまだ遠いがいずれ追いつかれるだろう。

林原のRX-8はバックミラーから消えていた。戦意喪失したようだ。

後ろから確実に近づいてきている蒼いR34が現れるのを待つ。

 

 

 

「まだ走ってたのか」

懐かしいライバルとの再会。何年も前に争ったのが最後。なのに今でもその時の事が鮮明に思い出せる。

赤いFCのテールランプ目がけてRは加速していく。

フルチューンのRBの咆哮は大気を震わせる。

獲物を追う猛獣のような加速でFC(標的)を狙う。

 

 

 

「くそっ」

内藤は焦りを隠せなくなっていた。

バックミラーに映った光。このままだと確実にブチ抜かれる。

そう思った時にはR34がFCのリアバンパーに軽く接触していた。スリップストリームの恩恵を受けるためにギリギリまで近づいていたのだ。

「こっちがヤラれるかっ!くそっ!!」

FCは先程までのバトルの負担もある。水温油温共に危険域。タイヤも持ちそうにない。

 

 

「やらせてもらう!」

蒼いR34がFCの前に出る。

「!!」

鮮やかな追い抜き。R34はそのまま離れ始めた。

FCを凌駕する大パワー。内藤はR34の丸いテールランプを睨む事しかできなかった。

 

 

 

「あの紅いR……」

男は先程パスした紅いRに強い興味を持っていた。

どこかであのオーラを放つドライバーを見たことがある。

「誰だっけな……」

彼はRを走らせて夜の闇に消えた。

 

 

 

 

「……完敗か」

内藤は歯噛みする。数年ぶりのリベンジは敗北という結果に終わった。

しかし内藤の闘争心に火がついた。現役時代に情熱を燃やしていた自分が戻ってくるのがわかった。

そして美世達は「今」燃えている。現役の美世達の思いが伝わった。

 

 

 

「やっと見れた……。『迅帝』」

自分が走るきっかけになった蒼いR34GT-R。この目で再び見ることが出来た。

美世の中の歯車が再び回り出す。1年前に『悪魔のZ』と『ブラックバード』を追っていた時のように。

 

 

 

 

 

蓮は赤羽根Pの言葉が頭に残ったままだ。

「もしも貴音が走っていたら、止めてほしい」

「赤羽根さん……。貴音ちゃんはたぶん止まらないですよ」

 

 

 

 

伝説を追う者達はお互いに引き寄せ合う。

『迅帝』を追う者達が集まる。そして現れた『迅帝』。

事が大きく動き出すための最後のきっかけ(ピース)が今揃おうとしていた。

 




歴戦の首都高ランナーの走りは衰えを知らない。
むしろ今の首都高ランナーに刺激を受けてレベルアップしていく。
そして……迅帝現る!!




ネタ解説です。
・12時過ぎのシンデレラ登場
「首都高バトル」から「12時過ぎのシンデレラ」こと林原美津江が登場。アメリカ帰りのサッパリした性格の女性です。ここでは「首都高バトル01」の乗機RX-8に乗っています。RX-7は過去に乗ってたという設定。
迅帝に憧れており、その事もあって迅帝の動向を知りたい内藤に呼び出されたのです。
・迅帝登場
ついに姿を現した迅帝。まぁ、実は前に登場してますが……。
ここで登場する愛機BNR34スカイラインGT-Rは「首都高バトル01」に登場する仕様です。そのためエアロは買える物で構成されてるためプレイヤーも再現可能です。




首都高バトルを語る上で欠かせない迅帝。
ちなみに私が好きな迅帝のR34のデザインはスマホ版「XTREME」に出るモデルです。





次回、明かされる迅帝の正体。彼は何故首都高を一度降りたのか。
そして美世は迅帝と対面する!!
次回「惹かれ合う者編」完結!
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