アイドルマスターシャイニーカラーズ 銀色の革命者   作:ヒロ@美穂担当P

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夢斗のエボの進化の秘密が明かされます。
エボといえばあの人!というわけで「湾岸ミッドナイト」からあの人が登場!
「銀色の革命者」初のクロスオーバー!!


STAGE3 進化する革命者

「夢斗、お前エボをどういじったんだ」

浩一が夢斗に聞く。

「大雑把に言うと空力面の改善だけだな」

「嘘つけ、それ以外もやってるだろが」

「あ、バレた?」

「当たり前だろ、あんなパワー出てなかったろ」

「確かにエンジンもちょっとやったけど……ほぼ手を付けてないぞ」

「メインは空力面だ」

先日見せたあのコーナリングスピードは確かに空力面の改善がなければ出せない程のスピードだった。もしチューン前(純正)のエボⅩだったら確実に吹っ飛んで壁に直行するようなレベルだった。

浩一は夢斗のエボⅩを見る。

「フロントはスプリッターとカナードだけ?」

「そうだぜ。手作りだけどな」

「……はい?」

「つか、スプリッターやディフューザーは自作だ」

「おいおいおい」

「これ……本物のカーボンじゃねえか!」

「そーだけど?」

「どうやって作ったんだコラ。こんな複雑な物よく作ったな」

「型に繊維流せば作れるだろ」

「それでこんな高クオリティの物作れるお前が怖いわ」

「俺は手先器用なんでね」

技術もあるし物も作れる。なんだこの完璧超人。そんな事を思った浩一。

「けど、俺でもめんどくせーって思う事はあるぞ。例えばフルフラットアンダーフロア」

「はあ!?」

フルフラットアンダーフロアとは車体下部に装着して走行風を整流する事で車の挙動を安定させる物だ。整流効果は絶大で、普通ならレーシングカーに付けるものを夢斗は自作したと言うのだ。

「トモさーん、リフト使っていいすか?」

「構わんぞ」

夢斗がエボⅩをリフトにかけリフトアップ。リフトアップされてエボⅩの裏側が見える。

「うわ……マジだ」

そこには銀色に光るアンダーフロアがあった。

「アルミを形にするのめんどいもん(笑)」

「アルミ……!?」

「ちなみにいつでも取り外し可能!楽だろ?」

夢斗の発想どうなってんだと思った浩一。そこに友也も来るがやはり驚く。

「これ全部自作とは……。本当になんでもできるな」

「フロントバンパーはチャージスピードに自作パーツ合体ですよ。リアバンパーは不明品加工にディフューザー装着。GTウイングは無加工。ボンネットはFRPに変えて。マフラーはワンオフっす」

「ワンオフぅ……?」

浩一がもう一つ気になっていたのがカン高くなったエキゾーストノートだ。マフラー変わったと思ったがワンオフとはどういう事だ。

「作ったのか?」

「いやいや、マフラーは無理っすよ。プロの職人がいるんで」

「ま、こっから大阪まで行ってやってもらったっす」

「待て待て。大阪って何」

「マフラー作った人居るとこっす」

「ついでに大阪のランエボ乗りの人とも知り合ったんスよ〜」

「どーいうことやねん……」

週末が休みという事もあり、夢斗の言う「マフラー職人」と「ランエボ乗りの人」に会いに行く事になった。大阪まで。

 

週末の夜。一同は阪神高速環状にいた。

「俺、初めて大阪来たぜ……」

「友也さんも初めてか……」

浩一と友也を後ろに夢斗の新生エボⅩが先頭だ。

「夢斗はここに来たんだろ?ルート教えてくれよ」

「もう少しで『いる』ハズだけど……」

そう言った夢斗の視界には青いランエボⅤが見えた。

「いたいた!」

夢斗のエボⅩが加速する。慌てて友也達も追いかける。

「ちょ、早いって!」

「このスープラじゃ相手にできないな……」

 

「おー来たか。……お友達もぎょうさん連れてきたみたいやな」

青いエボⅤを駆る男は後ろから来た銀色のエボⅩとそれに続くスープラとFDを見る。

「なんか変わってへんか?」

この間と見た目が違う。その事に軽くツッコミを入れながらエボⅩを先導する。

「ま、お友達はココが初めてやろうし……教えたる。ココの走りを」

エボⅤはグイグイと加速。第4世代のエボⅩの2世代前の車とは思えない動きを見せる。

かつて大阪環状エリア最速と呼ばれた男が駆るランスブルーのエボⅤはハイレベルな走りを見せつける。

「うわ……やべえ」

実力者の友也をしてこう言わせるエボⅤの男。

「気ィ抜いたら置いてくで!」

夢斗のエボⅩがエボⅤを追う。改めて見ると夢斗のエボⅩは変わった。

咲耶のエボⅨとのバトルで「足りなかった」物を理解し、エボⅩに取り入れるーーー。

夢斗の天才と言われる所以はココだ。そもそも高い技術を持った夢斗。しかし、修正点を見つけて分析、これを走りに表すという事が夢斗は非常に優れている。

その応用力の高さこそが夢斗の速さの理由である。

「食らいつくかぁ」

エボⅤにぴったりくっつくエボⅩ。全く離れない。

一般車も多い中短いストレート区間で300kmに迫るスピードで勝負する2台。4G63と4B11が咆哮を上げる。

「かーっ、息が続かんわー」

「まだまだ慣れねえとダメかー」

2台は減速していく。ウインカーを出し高速を降りる。

果たしてこれをバトルと呼んでいいものなのか。浩一達は呆然とする。

「夢斗は……どんどん変わっている」

 

 

4台はとある倉庫の前に到着。そこにはスコーティアホワイトのエボⅥがあった。

エボⅤから降りてきた男。

「オレ、神谷英次(エイジ)。ユウト、数日ぶりやな」

「こんばんわっすエイジさん。あ、紹介します」

夢斗が浩一達に自己紹介させる。

「俺は長谷川友也って言います」

「俺は津上浩一です」

「ふたりともヨロシクな」

エイジが夢斗に聞く。

「ユウトは今日なんでこっち来たん?まさかそのエボⅩの自慢かー?」

「いやいや。エボⅩのマフラー作ってくれたシゲさんの紹介ッスよ」

「ほー。シゲさん今いるで」

「マジっすか。ちょうどいいっすね」

夢斗達に連れられて浩一達は倉庫の中に行く。

そこに待ってたのは渋いオヤジとエイジと歳が近い男。

「おお、来たか」

「よっ、天才エボマスター」

「天才エボマスター……?」

浩一が首を傾げるが夢斗は続ける。

「ども。俺のエボのマフラーどこで作ったって聞かれてこうなったっす」

「ははは。俺の作るマフラーは今でもいい音出しているって証明してるんか」

「シゲさんのマフラーほんまいい音ですからね」

「紹介が遅れたが……俺は稲田。シゲって呼んでくれ」

「俺は神谷マキ。アニキが世話になったみたいやな」

「エイジさんの兄弟ですか?」

友也が聞く。

「いやいや、アニキはオカンが俺とは違うんよ。異母兄弟ってヤツよ」

「へー……」

浩一がシゲに聞く。

「夢斗のエボのマフラーはあなたが作ったんですか……?」

「ああ。最初はそんな気なかったんだがね。でもエイジが連れてくるんだ。負けたよ」

 

 

 

 

数日前の出来事。

夢斗は首都高を走っていた。あの時の咲耶の走りをモノにする。そう思い走り込んでいた。そこに現れたランスブルーのエボⅤ。

「おっ、エボⅤか。イイじゃんっ!」

夢斗にとって第3世代のエボより前のエボは珍しい。エボⅤを追い始める夢斗。

「エボⅩ……。威勢がイイな。でもそれでどこまでやるんや?」

エイジは夢斗のエボⅩを引き離しにかかるが離れないエボⅩに驚いていた。

「こりゃあ上手いなあ!今どきこんな上手いヤツに会うとはなー」

「けど……車が腕に追いついてない……?なんやねんこいつ」

ドライバーが車より速い。逆に車がドライバーの足を引っ張っていたのだ。

「……面白いやっちゃな、遊んだるわ」

エイジは夢斗のエボⅩを引っ張る。

 

 

「さすがにしんどいで……。これだから歳を取りたくないんよ」

何とエボⅩを引っ張るうちに大阪に着いてしまったのだ。全く離れずに着いてくるエボⅩのドライバーに根負けしたのである。

だが、エイジは見てて面白いと思った。

自分の走りを取り込み、自分の走りに取り入れて新しい走り方を作り出す。こんな事が出来るエボⅩのドライバーに興味を持ち始めていた。

「俺はここで降りるわ……」

降りようとするとエボⅩも続く。

「……ストーカーじゃないよな?ったく、熱心なヤツだな」

コンビニで顔を合わせた2人。エイジはエボⅩのドライバーの若さに驚く。

「お前さん、歳幾つや?」

「もーちょいで19っす」

「はー……若いなー。その年であの運転はどうやってるか気になってたわ」

「俺は普通にやってるだけっす」

自分でもわかっていない。彼は物凄い高レベルな事をやっているのだと。

「はっはっは!お前さん気に入った!名前なんて言うんや」

「俺は星名夢斗」

「ユウトか……。俺は神谷英次ってモンや。同じランエボ乗り、仲良くしよーな」

「ユウト、お前のエボⅩは見てて気になるトコだらけや。俺が見てもいいか?」

「いいっすよ。特に変えてないけど」

コンビニを出てある倉庫へ向かう。

「シゲさーん!います?」

「おお、エイジか。なんだ、見ない顔じゃないか」

「こんばんはっす」

「俺ちょっと気に入ったんよ。ユウトのエボ見るからさ……」

夢斗のエボⅩがエイジによってチェックされていく。

 

その間に夢斗はシゲと話す。

「夢斗か……。この車が初めての車か?」

「そっす。俺はこれ以外に乗りたいのはないんで」

「シゲさんは何やってんすか?」

「マフラーを作ってるさ。カンで作るんだよ」

「エイジのエボⅤのマフラーも、ブラックバードのマフラーも」

「ブラックバード?」

「そう。かつて首都高を支配した帝王(モンスターマシン)さ……。俺の知ってる人がそいつのチューンに関わってた」

「東京から来たお前は知ってるだろ?」

「いや……知らなかったっす。俺は元々栃木から来たので」

「首都高を本気で走るヤツは一度は見た事がある……そんな車だった」

やがてエボを見終わったエイジが出てくる。

「ホンマに変えてないんやな……。足が違うくらいでEg(エンジン)とかはほぼノーマルだ」

「よくコレでついてきたな」

「コーナリングは俺の得意分野なんで!」

「給排気系すらノーマルとは……せや!シゲさんがエキマニとか作ればええんや!」

「くっく、人使いが荒いな……」

シゲが苦笑いしながら立ち上がる。

「夢斗、今エボのエキマニとか外せるか?」

「OKっすよ」

「シゲさん特製のマフラーはいいで〜。俺が保証する!」

「はっは。さて、やってみますかい」

夢斗がエボⅩのエキマニやマフラーなどを取り外す。

シゲはこれをじっくりと見た後、器材を持ってきて作業を始める。エイジはエボⅤに乗りどこかに行く。

シゲが作業してる姿を夢斗はじっくり見ている。

「こんなん見てて楽しいか?」

「うん。こーやって車を変える物を作るのを見てみたかったからさ」

「お前は本当に変わったヤツだな……。エイジが気に入るのもわからんでもないな」

「変わったヤツってはよく言われます(笑)」

やがてエキマニやマフラーが完成。できたてのパーツをひとつひとつ丁寧にエボⅩに取り付けていく。

そこにエイジが戻ってきた。何やら色々持って。

「コレ、余ってたけど使うか?」

「え、いいんすか?」

「もらっとけもらっとけ。大阪人は助け合いが当たり前やからね」

エイジがどっさりと持ってきたのはエボⅩ用のパーツ。家からパーツを持ってきたらしい。

「昔俺はチューニングショップをやろう思ってたけど……実家を出て行ったオヤジの後を継いで、継母と連れ子のマキの面倒を見ながら借金だらけの青果店を立て直すハメになってな。ユウトみたいなヤツ見るとチューニングショップやりたかった時の事を思い出すんだよ」

「マキ?」

「俺の弟よ……。実の弟じゃないが……大切に面倒見てきた」

「アニキ〜、言わんくていいから」

「おお、マキ。こいつがユウトだ」

「アニキから聞いたで。ヨロシクなユウト」

「こっちこそよろしく。マキさん」

エイジとマキの手も借りながらエボⅩにパーツを付けていく。

 

1時間後、エイジ達が持ってきた様々なパーツを付け、それに加えシゲ特製のマフラーなども付けられたエボⅩが完成した。

「変わっただろ。どうだ?」

「イヤ本当すごいっす。これなら追える!」

夢斗がエボⅩのエンジンをかける。チューンされたエボⅩは比べ物にならないようなエキゾーストノートを奏でた。

「うっはーー!!スッゲー!」

「すっごいるんって来たっ!!」

「やっぱシゲさんすごいワ。コレで夢斗は伸びる」

「エイジ……」

そう語るエイジをシゲは懐かしい思いで見る。

(かつて東京に行った時あっちで見た物を今度は大阪に来た東京からのよそ者に伝えるか……。変わったな、エイジ)

「どうや?一本走ってみるか?」

「ちょーどいいっすね。新しいエボを試したいと思ってた!」

生まれ変わったエボⅩがエイジのエボⅤを追いかけ阪神高速に入っていった。

 

 

 

 

 

 

「いろいろありがとうございました。何から何までやってもらって」

「いいさ。ユウトは若い頃の俺を思い出さしてくれるしな」

「東京で『あの車』を追っていた頃の俺……最も走りに情熱を燃やした時だ」

エイジはあの夜を忘れない。とびきりの舞台(首都高)で最高のライバルと戦えたあの日の夜を。

「せや、これ貼ってけ」

エイジが夢斗に差し出したのは「WORKS-R」ステッカー。

「餞別や」

「何かあったら俺達が助けになる。今度は俺達が現役のお前達を支える番や」

夢斗はステッカーをリアフェンダーに貼り付ける。

「うん、ええナ」

別れ際にエボⅩから顔を出して手を振る。

「世話なりましたー!」

「元気にしてなー!」

銀色のエボⅩは大阪を後にした……。

 

 

 

「なるほど〜これがこの間の無断欠席のワケか!」

「いででででっ!ストップ!タンマっ!」

浩一に頭グリグリされる夢斗。

エイジが友也に呟く。

「普段はこんなノリ軽いヤツなのになぁ。走りに入るとスイッチ入る」

「よくわかります。無謀っていうかなんて言うか……」

エイジが夢斗に聞く。

「ユウト、このエアロってどうした?」

「え?自作っす」

「はー……やっぱスゴいわ」

「シゲさんのマフラーにぶつからないようにアンダーフロア作るの大変でしたから」

シゲが笑う。

「バカヤロー、傷つけたら許さんぞ(笑)」

 

 

 

阪神高速最速の兄弟「神谷エイジ」と「神谷マキ」、そして「シゲ」に会った夢斗。

同じランエボ乗りの2人とシゲに夢斗は何を見つけたのか?

 

 

 

 




同じランエボ乗りの神谷エイジと神谷マキに出会い、夢斗のエボⅩは新次元の速さを得る。
かつて「伝説」を追ったエイジの走りを見て夢斗はどう変わるのか?


ネタ解説です。
・夢斗が制作したエアロ
エアロと言っても、スプリッターやディフューザーですが。夢斗は自宅近くのガレージでこれらを制作しました。
ちなみに実際にそういう物を用意すれば自分でもカーボンパーツは自作できます。
ただ、夢斗が「めんどい」と言うようにアンダーフロアは自作はめちゃくちゃきついです。ぶっちゃけ完成品買った方が早いです。
・エイジ達の夢斗の呼び方
「ユウト」と呼ばれてましたが、これは大阪の人の喋り方が聞こえ方的に名前の発音がカタカナっぽく聞こえるからです(偏見)
「湾岸ミッドナイト」でも大体の人物の名前がカタカナで書かれてるし……。(アキオだとか、零奈は「レイナ」ってなってるし)
・神谷エイジ、神谷マキ、シゲさん登場
「湾岸ミッドナイト」から3人が登場。本編でもアキオ達とのバトルを経験したエイジ。本編後も阪神高速最速の称号を保持。
やがて第一線を引いたものの、気まぐれに阪神高速を流していました。
マキもエイジと共に阪神高速最速を保持していました。
ちなみに文中でもあるように2人は青果店を経営しています。
エイジは仕入れのために東京を訪れ、帰り道で夢斗のエボⅩと遭遇して大阪まで夢斗を連れてきたのです。
シゲさんも本編後もマフラー制作を続けており、今ではマフラー制作だけに限れば国外にも通用する程の腕になっています。
「伝説」のマシンに関わった彼らが夢斗のエボをチューンしたのです。
・夢斗のエボⅩ
今回、夢斗のエボⅩの進化の秘密が明かされました。
夢斗自身が発言してるように空力面の改善がメイン。エンジンも多少チューンされました。主にタービン変更などが行われてます。
時系列としては「STAGE3数日前(足回りやエンジンのチューン)→STAGE2終盤(スプリッターなどの制作及び装着)」です。
なお、モデルになった車両は存在しません。強いて言うなら「グランツーリスモSPORT」に出てきたGr3のエボをベースにしてストリート仕様にした感じです。見た目は「湾岸ミッドナイトマキシマムチューン」に登場するエボⅩが装着できるエアロセットFが近いです。ただし、アンダーフロアはもちろんカナードなどがないため完全再現は出来ません。ボンネットはFRPボンネットA。


湾岸マキシで夢斗仕様を再現するのに必要な物
・クールシルバーメタリックのエボⅩ
・エアロセットF
・FRPボンネットA
・エアロミラー
・GTウイングC

これらの組み合わせで再現出来ます。ただしホイールの「RAYS GLAMLIGHTS57CR-X」がマキシにない、フロントバンパーにカナードがない、リアバンパー形状の違いなどからあくまで「再現」ですが。







夢斗のエボⅩは「伝説」を追った者達の手でチューンされた。
走りに情熱を燃やした男達の思いを乗せて進化したエボⅩは首都高で輝くマシンになった。
夢斗は咲耶のエボⅨを追えるのか?




エイジ達の話し方が関西弁ぽくなったか不安です……。
そこは許してください……。
次回はバトルはなしです。
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