灰よ、燃え尽きた世界に火を灯せ   作:熊0803

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ごめんなさい、一日更新が遅れました。何せ昨日は全然時間がなくて、半分くらいしか書き上げられなくて…
と、言い訳はここまでにしましょう。今回は三人称視点です。
楽しんでいただけると嬉しいです。


ラ・シャリテの戦い

「ハァ!」

「フッ!」

 

 灰の振るう大小二つの黒い軌跡、それをたった一つで凌ぐは王鬼のごとき男の血に濡れた長槍。

 

 甲高い音を立てて互いを弾き合い、されどそれは次の逢瀬への一瞬の休息。終われば当然、引き寄せあった。

 

 

 

 ギンッ、ギャゴッ、ガギャァンッ!

 

 

 

 ぶつかり、離れ、またぶつかる。奏でるは死の舞踏、彩るは火花。地を抉り、旋風を巻き起こして踊り狂う二人の英霊。

 

「シィッ!」

「セァ!」

 

 三十ほど槍を合わせた頃だろうか、同時に突きを繰り出す。それはまさしく必殺の一撃、相手の胸を狙う。

 

 図らずも同じ軌道で放たれた凶刃は──しかして再び会うことはなかった。なぜなら、一方が盾に変わった故に。

 

「小賢しい真似を!」

「あいにくと不死人は生きのびるのには必死でね!」

 

 叫び、槍を盾でいなす。上方にそらされた槍の下を潜り抜け、灰の鋭い蹴りが男のみぞおちに迫った。

 

「舐めるな!」

 

 が、狂っているとて男も英傑。開いた片手で前蹴りを防ぐと、あえて槍を手放し、次の瞬間には逆手に握り直す。

 

 そして、そのまま盾を貫いた。灰は刹那の瞬間に取っ手を手放し、宙に残った丸盾のみが破壊される。

 

「なにっ!?」

「これはどうかな?」

 

 槍を振り下ろす動作の途中である男に、すかさず反撃の一手。前のめりになったその眼前に火炎壺が置かれる。

 

「チィッ!」

 

 男はサーヴァントとしての力である、血で象った先の丸い串で己の胸を突き、無理やり体を後ろに倒す。

 

 果たしてそれは功を奏し、壺の爆炎から逃れた。同時に地面から大量に突き出させた血串に灰は後退を余儀なくされる。

 

 危なげない動きで着地した灰はソウルより長槍を装備し直し、自分を睨む男を見た。

 

「ふむ、厄介な力だ」

「貴様こそ、槍の使い手と思っていればその実曲芸師であったか。よもや瞬時に得物を変えるとは」

「それが私の強みでね。貴公も、中途半端に狂わされた霊基でよくぞこれほどの技を見せるものだ」

「ふ、むしろ狂っていてこそ我が槍は冴えわたるというものよ」

 

 両者ともに、獰猛な笑みを浮かべる。言葉を交わすよりも明確に、空間が切れそうなほど鋭利な殺気をぶつけ合う。

 

 どちらも半端ながらもバーサーカーだ、口で応酬を交わすより、()()を相手に送る方がはるかにわかりやすいのだから。

 

「では、再開といこうか」

「望むところ、だっ!」

 

 そしてまた、激音とともに衝突した。

 

 

 

 

 

「さあ、果実のように潰れてしまいなさい!」

 

 

 

 

 

 一方、少し離れた場所ではマシュとジャンヌ二人が仮面の女と戦闘を繰り広げていた。

 

「私が出ます!」

「了解!ジャンヌさんは接近して!」

「わかりました!」

 

 藤丸の指示によって、マシュが飛来する鉄塊──聖女の姿を模した拷問器具、鋼鉄の処女(アイアンメイデン)の前に出る。

 

 英霊の膂力によってまるでボールのように飛んでくる死の棺桶は、人一人など容易く叩き潰せてしまう死の砲丸。

 

 それを同じく、英雄の大楯で迎え撃つ。片足を踏み込み、腰を落とし、大楯を地面にめり込ませるようにして受け止めた。

 

 

 

 ゴガァンッ!

 

 

 

「くっ!」

 

 衝撃とともに、大楯を握る手が緩む。 どうやらマシュの力よりも、狂化によってワンランク上がった女の方が上だったようだ。

 

 それでもなんとか持ち手を握り直すと、二度、三度と軽々と振るわれるアイアンメイデンを全て受け止めていく。

 

「あら、よく耐えるわね。けれどいつまでもつかしら?」

「負けません!」

 

 まさに愉悦といった様子で、いたぶるように細腕に釣り合わない力でアイアンメイデンを振り回す女。

 

「う、おおおお!」

「〜〜〜♪」

 

 まだ耐えられると、マシュは咆哮して大楯を支える。それを火防女の支援が強化し、本来以上の踏ん張りを実現した。

 

 待って、待って、待ち続けて。そして五度、ひときわ強くアイアンメイデンが振るわれた時。

 

「マシュ、今だ!」

 

 藤丸の叫びによって、マシュが迫る鋼鉄の棺桶にシールドバッシュを叩き込む。すると棺桶は空高くかち上げられた。

 

 待ち続けた絶好のチャンスに、ジャンヌが棺桶に繋がった鎖の下をかいくぐって疾走し、旗槍で突きを繰り出す。

 

「せいっ!」

「邪魔よ!」

「くぅっ!?」

 

 が、長く伸びた爪によって弾かれた。ステータスランクダウンしているためか、マシュ同様に押し返される。

 

「丁度いいわ。まずは貴方の血を見せてちょうだい?」

 

 不安定な体勢のジャンヌに女は舌なめずりをすると、邪悪が滲む笑みとともに一度は引いた爪が首めがけて振るわれた。

 

 あわや、ジャンヌの細首が貫かれるかという瞬間──女は何かに気づいて手を引くとその場から飛び退く。

 

 コンマ数秒の後、女がいた場所に青白い槍状のエネルギーが突き刺さった。それは地面を削り、霧散する。

 

「今のって、もしかして……」

「チッ、一体誰かしら。楽しい楽しい殺戮に水を差したのは」

 

 藤丸と女は、同時にエネルギー槍が飛んできた方を向いた。そこには、槍の男と激闘を繰り広げる灰がいる。

 

 灰は獲物を双槍から杖に持ち替え、その先端から形成された半透明の刃によって男の刺突に切り返していた。

 

「やっぱり、ソウルの魔術!」

「無粋な英霊だこと。みすぼらしい上に淑女の嗜みを妨害するなんて」

「はぁっ!」

 

 忌々しそうにする女にマシュが突撃するも、女は飛び退いてそれをかわす。

 

「はぁっ!」

「フン、この程度!」

 

 女が地面に降り立つのと同時に、灰の放った〝ソウルの奔流〟を跳躍して回避した男がすぐそばに着地した。

 

 そのまま空中を貫いて進んだ〝ソウルの奔流〟は黒いジャンヌの方に行くも、黒竜のブレスによって相殺され、掻き消える。

 

「そのままあの面倒な女ごと、マスターを焼いてしまいなさい!」

 

 黒いジャンヌの命令に従い、黒竜は開けていた口から火防女をその近くにいる藤丸もろとも焼き殺すために黒い火球を吐き出した。

 

 街一つ灰燼に帰すそれは──しかし、直前に割り込んだ灰が突き出した燃える右手によって阻止された。

 

「〝苗床の残滓〟」

 

 呪術の火を種火とし、灰の精神力を糧としてかつてイザリスの末路の名を持つ炎の円盤が飛翔する。

 

 たとえ残滓だとしても十分な力を持つそれは、黒竜の黒火球とぶつかり合い、せめぎ合った後に空中で爆発四散した。

 

「ふん、やはりマスターを守りますか」

「それがサーヴァントというものだろう?それに、たとえどのような状況であれ火防女を守らぬ理由はない」

 

 吐き捨てる黒いジャンヌに、マスターを守るように眼前に着地した灰は言い返した。

 

「あら、あのような輩をまだ倒せていないなんて。温情をおかけになったのかしら?」

「貴様こそ、随分と悠長だな。少女をいたぶる趣味も大概と見える」

 

 また不機嫌そうに顔を歪める黒いジャンヌ。一方、二人のサーヴァントは互いのことを罵っていた。

 

「だってそれが私という反英雄(えいれい)ですもの。新鮮な果実を刻み潰して血を嗜み、肉を捨てる。それのどこがいけなくて?」

「いいや、それが貴様の本質であるというのなら構いはしない。だが、侮るのはやめてもらおう」

「あら、そんな目で見ないでくださいませ。〝悪魔(ドラクル)〟の睨みは怖いですわ」

 

 隣り合った二人は、同じ黒いジャンヌのサーヴァントであるはずなのに今にも襲いかからんばかりの雰囲気で語り合う。

 

 その会話を聞いてマシュと、そしてモニターの向こう側で見ていたドクターロマンは男の正体に行き着いた。

 

「〝悪魔(ドラクル)〟……まさか、彼はルーマニアの英雄!?」

『ヴラド三世、通称〝串刺し公〟か!これはまた強力なサーヴァントが出てきたもんだ!』

 

 その言葉は、男──否、かつてドラキュラ公とも呼ばれた吸血鬼伝説が一柱、ヴラド・ツェペシュは不快げに眉を寄せる。

 

 その表情にくすりと楽しそうに笑う女を、ヴラド公は睨んだ。そして冷える殺意のままに言葉を連ねる。

 

「非常に不愉快だ。人前で我が真名を晒すとは。まずは貴様の首から狩ってくれようか?」

「怖いこと。けれど良いではありませんか、悪名であれ知られぬより知られた方が楽しみが増えるというもの」

 

 ああだって、と女は一拍おいて。再び、仮面をつけていてもわかるほどに愉しそうに目と口で弧を描いた。

 

「それを知って、()()()()()()()()()()()と思い込んだ子リスを殺すのが一番楽しいのだから」

「最後の最後に、その逃げおおせた子リスによって死を迎えたお前がよく言う。エリザベート・バートリー、いやカーミラよ」

 

 仕返しとでも言うように、ヴラド公が女の真名を口にする。されどその反応は正反対、女……カーミラはただ微笑むのみ。

 

 再び舞い降りた情報に、マシュたちの頭の中から一人の半英雄が叩き出された。すなわち、血の伯爵夫人と呼ばれた女が。

 

「先輩、あれはどちらも〝怪物〟として人々に吸血鬼伝説を作られた英霊です。気をつけてください」

「ああ、ここからでもどれだけ強いのかわかるよ……!」

 

 両者のどんどん高まっていく互いへの殺意。藤丸は冷や汗を流しながらも、脱力しかける足に力を込める。

 

(……まずいな。そろそろマスターが限界か?)

 

 その様子を見て、灰は藤丸の身を案じた。

 

 灰の目には、藤丸の揺れ動くソウルが見えている。今感じる恐怖以上に、自覚せぬ精神的疲労で限界に達そうとしているのだ。

 

 無理もない。度重なる怪物との戦い、そしてサーヴァント五体と真性の竜に囲まれているこの絶望的状況。

 

 到底、普通の少年がやすやすと受け止められることではない。灰としては、まだ立っていることを賞賛したいくらいだ。

 

(こうなっては、私が残ってマスターたちを逃すか……)

 

 〝家路〟を使うには灰瓶の残りが心もとないし、螺旋剣の欠片や骨片は実験したところ灰しか篝火に戻れない。

 

 当然だ、魔術はギリギリ許容範囲内としても、不死人と密接に関係があるそれらが藤丸たちに作用するはずがないのだから。

 

(私一人ならば、時間稼ぎをした上で逃げることもできる。もし命を落としても、復活できるならば問題ない)

 

 篝火がある以上、灰が死を恐れる理由はない。ならばここで特攻したとて、なんら気にかけることはないのだ。

 

 だが、もう一手欲しい。自分が全て引き受けたとして、確実にマスターたちが逃げられるという、保証が。

 

「おやめなさい。貴方たちの獲物は目の前にいるでしょう。殺意を高ぶらせるのは結構ですけれど、相手だけは間違えないように」

「フン、まあ良い。今はあの男の魂を食らうのが先だ」

「ええ、ええ、そうしましょうとも。私もあの少女たちの血をすぐにでも啜りたいですもの」

 

 そうこうしているうちに、黒いジャンヌの一声によって、吸血鬼たちの標的が戻った。すぐに構える三人。

 

(仕方がない、いざとなれば私が強引にどちらとも引きつけて──)

 

 覚悟とともに、灰が一歩前に踏み出そうとした──その瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フランス万歳(ヴィヴ・ラ・フラーンス)!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突如、上から声が戦場に響き渡った。

 

 即座に全員が上空を見上げる。すると、地上の地獄とは裏腹に燦然と輝く太陽にキラリと何かが反射した。

 

「あれは……硝子の馬車か?」

「馬車?」

 

 やがてその煌きは、藤丸でも見える場所まで降りてくる。それは馬から車両まで全てが硝子の、空飛ぶ馬車だった。

 

「本当に馬車だ!?」

「あれは一体!?」

「わからないが、おそらく一種の魔術的な……っ!?」

 

 不意に、灰は足下に魔力を感じる。

 

 仰ぎ見ていた目線を下に戻せば、突如一面に硝子の薔薇が咲き誇った。死合い場が、一瞬にして薔薇の園と化す。

 

 それは次々と現れて、黒いジャンヌたちと藤丸たちを分断した。一体なんだと両者ともに動揺する。

 

「なっ、これは!?」

「……サーヴァント、ですか」

 

 金眼を細める黒いジャンヌの言葉に答えを返すように、馬車の扉が開いてそこから数人の人間が顔を出す。

 

 豪華絢爛な衣装に特徴的な形に整えた金髪の男、まるで龍のような器官を持つ少女、そして──赤いドレスを纏う、少女。

 

 未だ遠く、よく見えぬ彼らを注視していると、突如その馬車から黒いジャンヌたちめがけて〝音〟が降り注ぐ。

 

 

 

 

 

 イィィィィイイイイイイイイイン!!!

 

 

 

 

 

「こ、これは……!?」

「み、耳が!?」

「くう……!?」

「っ…………」

「全員耳を塞げ!呪詛や物理的な重圧を持っているぞ!」

 

 はたして灰の言う通りであり、近くで聞いただけで相当なその音を直撃している黒いジャンヌたちの動きが止まった。

 

 その様子を耳を塞ぎながら藤丸たちが呆然として見つめていると、パカリと背後から蹄の音がする。

 

 振り返ると、ちょうどその人物は馬車を引いていたのと同じ硝子の馬から降り立つところであった。

 

 そうするとくるりと一回転、赤いドレスの裾をたなびかせて振り返り、笑う。

 

 

 

ごきげんよう(ボンジュール)、鎧のお方と優しそうな方たち!手助けは必要かしら?」

 

 

 

 その少女は、ただ美しかった。

 

 華奢で手折ることができてしまいそうなその体は、まるで花を思わせる。

 

 明るい笑顔とは裏腹に、静謐な雰囲気を醸し出す青い瞳と、透き通るような銀の髪。

 

 それを彩るのは、ドレスと同じ赤い被り物。戦場であるのに、藤丸も、マシュたちも見惚れてしまう。

 

「……………………………………………………………………姫?」

 

 そして灰は──兜の奥で、少女と脳裏によぎる幻想を重ねて瞠目していた。

 

「? 私がどうかしたかしら?」

「……っ、いや、なんでもない」

 

 けれど、首をかしげる少女にハッと我を取り戻し、灰は首を横に振る。そして幻想を心の底に沈め直した。

 

 ああ、自分は今何を思っていた。そんなわけがないではないか。そう言い聞かせてから、少女に問いかける。

 

「貴公は?」

「あら、聞いてくださってありがとう!……といいたいところだけれど、自己紹介はもう少し後にしましょう?」

「……そうだな、今はそれどころではない。ではこれだけ聞く。貴公は──敵か?」

 

 灰の試すような視線に、まあ!と少女は大げさに驚いた。

 

「まさか!私はただ、この国を荒らすものに抗うために馳せ参じただけですわ!」

「……そうか、なら、その言葉を信じよう」

「嬉しいわ、鎧のお方!さあ、お急ぎになって!早くここから離れましょう!」

 

 少女が言い、ふわりと手を揺らがせる。すると薔薇が砕け、そこから人数分の硝子の馬が出来上がった。

 

「早く乗ってください。あまり長くは持ちませんよ」

 

 いつの間にか馬に乗りそこにいた、着物を着た白角を持つ少女に促されて藤丸たちは馬に乗る。が、灰はその場から動かなかった。

 

「バーサーカーも、早く!」

「………………」

 

 振り返る藤丸。しかし灰は首を縦には振らず、未だ動きを止めている黒いジャンヌたちに向き直る。な、と驚く藤丸たち。

 

「バーサーカーさん!?いったい何を……」

「私は残ろう」

「なっ!」

 

 なぜですか、と言おうとするマシュを、その真意を悟った火防女が手で制す。

 

「ルーソフィアさん……?」

「キリエライト様、どうか抑えてください」

「でも……」

 

 マシュは迷うように灰を見て、悔しげに歯噛みすると俯いてしまう。ありがとう、と心の中で感謝する灰。

 

 火防女とどちらも仮面越しに目線を合わし、言葉に出さずとも互いの無事を祈りあってそれぞれの行く方を向く。

 

 そのまま赤い少女の方を見て、灰は頷いた。その意図を察した少女は一瞬目を丸くするも、はっきりと頷き返す。

 

「私の仲間を、 頼んだぞ」

「ええ、それが貴方の望みなら。でもこれでお別れなんて寂しいわ、必ずまたお会いしましょう?」

 

 悲壮などどこにもない、明るい少女の言葉に灰は息を飲んで。そしてフッと短く笑った。

 

「ああ……その時の私は、生き返った私かもしれないがな」

 

 そんな呟きをこぼす灰を残して、ドレスの少女の一声によって硝子の馬たちは藤丸らを乗せて天高く駆け上がった。

 

 それに追随して、音波攻撃をやめた馬車も遠ざかっていく。黒いジャンヌたちが解放されて、一斉に灰に殺気を送った。

 

「……なんとも都合が良いタイミングきてくれたものだ。おかげで何も気兼ねがなくなったよ」

「フン。貴方一人で、私たち全員を相手にできると?」

「さて、どうかな。だが──」

 

 

 

 

 

 

 

ドォンッ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 まるで先ほどの硝子の薔薇を再現するが如く、周囲にいくつものマグマのような毒々しい炎の嵐が吹き上がる。

 

 〝混沌の嵐〟と呼ばれるイザリスの魔術であるそれは、いずれデーモンの苗床を作る魔性の炎。わずかにサーヴァントたちが怯む。

 

「アイツを殺しなさい!原型も残らないくらい徹底的に!」

 

 いよいよ苛立ちが頂点に達したという様子で、黒いジャンヌが手を振りかざす。従うサーヴァントたちが一斉に走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

「さあ──不死人の意地に、しばし付き合ってもらおうか」

 

 

 

 

 

 

 

 右の手にグンダの斧槍、左の手には〝魔力の剣〟を形作った杖を携え、灰は駆け出した。




バーサーカーについての情報ポロリはここら辺で止めます。
思ったこと、感じたことを書いていただけると嬉しいです。
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