緋弾のアリア ~千里眼の矢《second sight》~   作:リバポから世界へ

5 / 9
皆さんお久しぶりです。
半年間も更新が滞り本当に申し訳ありませんでした。
仕事とか仕事とか仕事とかで・・・ね・・・

とりあえずどうぞ!


Snipe 03 「2人の距離」

「えーっと俺は……B組だな」

「私もB組だよ。良かったぁ……ショウくん、また同じクラスだよ!」

「お、おう……」

 

掲示板に貼られたクラス分けを見て白雪が嬉しそうな表情を浮かべる。ショウは掲示板と彼女の顔を交互に見て苦笑いを浮かべた。

ショウも素直に喜びたかったが、彼のリアクションには理由がある。

白雪の実家である星伽神社は……彼女が入学する際、少なくない額を武偵高に寄付しているのだ。

どんな学校でも運営していくには多額の資金が必要となる。特に武偵高はその性質上、一般校に比べて掛かる費用は莫大。何処かに奇特な人物でもいれば良いのだが、こんな得体の知れない学校に寄付をしようなんて物好きは中々居ない。そんな中で星伽神社がスポンサーに付いた。声には出せないが……多少の融通は利かせているのだろう。

 

「2年連続なんて運命だね!」

「うーん? んー、そうなのか……なぁ?」

 

……こういった形で。

 

「担任の先生、誰だろうね?」

「出来れば、ゆとりんか矢常呂ちゃんがいいなあ……。優しいし、まともそうだし?」

 

強襲科(アサルト)主任教師の蘭豹だけは嫌だ。1年間で何回撃たれるか分かったもんじゃない。ショウも五体満足で此処を卒業したい。

 

「だ、ダメだよ! ちゃんと先生って言わなきゃ……」

 

真面目な白雪が慌ててショウを止める。周囲に誰も居ないことを確認すると、ホッと息を吐いた。

 

「はいはい」

「もう……」

 

プクリと可愛らしく頬を膨らませる彼女を見てショウの口角も上がる。

 

「まあ、アレだ。また1年よろしくな?」

「あ……うん! よろしくね!」

 

ふにゃっ。

そんな擬音が聞こえるぐらい満面の笑みになった白雪はショウのブレザーの裾を遠慮がちに摘まむと教室まで歩きだした。

 

 

 

 

 

「ショウ君、高天原先生はA組だって」

「ちっ……蘭豹先生は?」

「C組みたい」

「じゃあ、ウチ誰よ?」

 

白雪が言うには、ショウが希望していた救護科(アンビュラス)の矢常呂イリン教諭は1年生の担任だという。今のところ残ってるのは……声は聞こえるのに姿を見たことがない諜報科(レザド)のチャン・ウーと背後に立ったという理由だけで手刀で生徒を骨折させた狙撃科(スナイプ)の南郷。あとは……

 

「おーう、席着けぇー。出席取るぞー」

 

その時ガラリと教室のドアが開き、一人の女性が入ってきた。

 

(げ……綴かよ……)

 

手に出席簿を持ったその女性は真黒いコートと編み上げブーツという、とても教師には見えない風貌をしている。

彼女が咥えたタバコ……のようなもの?を目にしたショウは天を仰いだ。

 

「えーっとぉ? 1年間、お前らの面倒を見てやる綴でーす。お前らも今日から2年生だから新入生たちの……えーっと何だっけ? 見本? 手本? 何だっけな、あれだよ。……ああ思い出した、模範だ模範。模範になるような行動を取るように。以上、解散。……ねむー」

 

”模範”なんて小学生でも分かる単語も思い出せないヤク中(ジャンキー)のようなこの女は綴梅子。

一見何の役にも立ちそうにない女だが、かつてアメリカのFBIからもスカウトが来たと噂される尋問のスペシャリストだ。

だが、見たとおり印象が凄まじく悪い。校内で平気な顔でタバコ?を吹かし、生徒に根性焼きをかます。そして何より教師としてあるまじき、夢も希望も無いような虚ろな目。あの目で一体何を見ているのか? 

そんな人間が教師を続けている事に対して教育委員会のお偉いさん方に問いたくなる。「お前ら正気かよ」と。

綴が教室から出て行くとクラスメート達の喧騒が再開し始めた。あの銃は使い物にならないだの、例のヤクの売人が殺されたらしいだの……。ここでの世間話はそんな物騒な話も多々ある。

授業の準備をしていると白雪が側にやってきた。綴が担任と分かり、彼女は苦笑いこそ浮かべているが不安そうな素振りは見せていない。

 

「ショウ君。今日のお昼どこで食べよっか?」

 

それどころか今日の昼食をどうするか聞いている。そんな彼女のメンタルの強さをショウは頼もしく思った。

 

「食堂は混みそうだなあ。何かパンでも買って静かな場所に行こうか? 人が多いのは嫌だ」

「し、静かな場所……」

 

その単語に白雪がモジモジし始める。ショウの顔を見つめるその目付きは恥ずかしそうではあるが……まんざらでもないような……。そう思うのは幾ら何でも自意識過剰だろうか?

 

「あー……っと、アレだ。ただ人が多いのが苦手なだけで、その……変な意味じゃないと思う……かな?」

「そ、そうだね……何もおかしくないよね? 大丈夫、何も変じゃない」

 

そう自分に言い聞かせるように白雪が呟いた時―――――

 

ダダン!

 

隣の教室……方向からしてA組から突如として発砲音が聞こえてきた。

普通の人間なら身構えたり地面に伏せるところだが、此処は武偵高。悲しいかな、こんな事は日常茶飯事だ。

周囲の様子を見ても、驚く者は居るが多くの生徒は呆れたように苦笑を浮かべるだけだ。

”またか”と。

音から察するに……45ACP弾だろう。発射されたのは2発らしいがインターバルが短い。2丁拳銃だろうか?

はて……同級生で45口径を2丁持ちしてる人間なんて見たことがないのだが……。

 

「始業式で発砲する奴居んのかよ、普通……」

「あはは……」

 

ショウは自身の先祖がかつて残したとされる名言を捩ってボヤいた。

 

「南無八幡大菩薩。願わくば我の1年間を平穏無事に過ごさせ給え……いやマジで」

 

 




今回はこれで以上になります!

白雪の心理描写って難しいね・・・
頑張って書き続けます。
良かったら感想とか書いてやってくだせえm(_ _)m

それでは読んでくださってありがとうございました。失礼します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。