緋弾のアリア ~千里眼の矢《second sight》~ 作:リバポから世界へ
奇跡の2日連続投稿!
まあ、昨日投稿したのが長すぎたんで途中で切っただけなんですけどね・・・
それではどうぞ!
それから、あっという間に2時間、3時間と時間が経ち……気が付けば窓から見える空は真っ暗になった。
先程の件と白雪が居なくなった寂しさから自室のソファーでボーっとしていると――――――
「あ、キンジに土産渡してねえや」
思い出したように呟き台所に置いてあった紙袋を手に取ると、サンダルを履いて玄関の扉を開ける。
廊下に出ると、やや生温い風がショウの顔を撫でた。
「夜でも暖かくなってきたなあ」
そんなことを呟きながら、ブラブラ歩いてキンジの部屋まで辿り着く。インターホンを鳴らすと数秒待った後、上ずった幼馴染の声が聞こえてきた。
『は、はい!? な、何だショウか……』
「何だとは何だよ。人がせっかく伊勢土産持って来たのにさ」
『ちょ、ちょっと待ってろ』
何だろう? 何故キンジはこんなに焦っているのか?
(……やりたかねえけど)
意識を集中させる。遠い場所に手を伸ばすような……そんな感覚。
那須家に代々伝わる能力の1つ―――――千里眼。
ショウはセカンドサイトと読んでいるこの
友達の部屋を覗き見するのは多少の罪悪感があるが……非常事態の可能性もある。仕方がないと自分に言い聞かせた。
意識を集中させ……感覚を研ぎ澄ませる。中の様子を鮮明に確認―――――出来なかった。
部分的に、断続的にしか様子を確認出来ない。所々にノイズがかかっている不愉快な感覚。
(そうか……今日は璃璃粒子が濃いのか)
それでも、玄関まで小走りでやって来るキンジの様子は辛うじて確認出来た。
(あ、ずっこけた。何やってんだコイツ……)
「よ、ようショウ。今朝ぶりだな」
やがて開いたドアから少し顔色の悪いキンジが顔を出した。彼はショウの顔を見ると、似合わない愛想笑いを浮かべる。
「あ、ああ……そうだな。さっき電話でも話したけど……大丈夫?」
「俺か? ああ、大丈夫」
先ほどから思っていることだが……明らかにキンジの様子がおかしい。
何かこう……焦ってるというか隠してるような気がする。
「……そうか? なら、はいどうぞ。お土産」
「あ、ありがとな。何だこれ?」
「あんころ餅」
「おー、老舗のやつか」
―――――かぽーん。
「ん? 誰かいんのか?」
部屋の奥から音がする。あの音は……風呂の音……?
「い、いや誰もいないぞ!?」
「いや……でも風呂場から音が……」
「ああ! あれだ。風呂沸かしてんだよっ! 洗面器でも落っこちたかなっ!?」
「うぅんー?」
何かを隠してるのは確実だ。だが、その何かが分からない。
もう一度
「大丈夫だ! 何も心配いらないっ!」
「……ホントに?」
「ああっ!」
「ホントに大丈夫?」
「もちろん!」
「そうか? なら良いんだけど……」
心配は残ったが、彼にもプライバシーがある。本人が大丈夫と言うなら仕方がない。ここは引き下がろう。
「あ、ありがとな? 心配してくれて」
「おう。あー、そうだ。メシでも行かないか? ユキも合宿行っちまったし、久しぶりにさ」
「あ……悪い……もう食っちまったんだ」
「そっか……。じゃあ明日行こうぜ? 奢るからさ」
「おう! 楽しみにしてる」
キンジは分かりやすく、ホッとしたような表情を浮かべるとショウを追い出すようにドアを閉めようとする。
「じゃあ、またあし―――――」
「キンジー。シャワー借りたわよー」
その時……部屋の奥から幼い女の子の声が聞こえてきた。声の主が廊下に姿を現すと、ショウの目が大きく見開かれる。
眩しいくらいに美しい、ピンクブロンドのロングヘアー。小学生のように小柄な身体に可愛らしいルームウェアを纏っている。
人形かと錯覚してもおかしくない程の美少女がそこにいた。
「やべ……」
少女の存在を友人に知られてしまったキンジは天を仰ぎ―――――
「え?」
突然の来訪者に少女は
「えって……え……?」
何が起きたのか分からないといった表情でショウはキンジの顔と少女の姿を交互に見た。
「ど……」
鏡を見なくても、自分が間抜け面を晒しているのが分かる。だが、仕方がない。
「どちら……さま……?」
女嫌いの幼馴染が部屋に美少女を連れ込んでしまったのだから……!
しかも女の子の体格を見れば明らかに事案だと分かる。
(キンジお前……何してんの?)
なるほど、キンジが自分をさっさと追い返そうとした理由が判明した。
ショウは大切な友人の性癖を知ったこと。そして、その友人を警察に突き出さなけらばならないショックで気が遠くなってきた。
生まれたての小鹿のように膝をガクガク震わせながら、ポケットの
それを目にしたキンジは鬼の形相でショウに飛び掛かり―――――アメフト選手のように彼の腰に組み付いた。
いかがでしたか?
ついにアリア登場! そしてオリ主の能力の詳細を物語内で書くことが出来ました。
ヤバい。色々とツッコミどころが多い気がする・・・。大丈夫かな?
それから終盤をギャグっぽくし過ぎたかな? アレだったら直します・・・。
前回の後書きで書き損ねたのですが、ショウが白雪をデートに誘った場面で「星伽巫女は外出しちゃいけないんじゃね?」って思った方もいらっしゃると思います。
まあ、そこは・・・ちょっとした改変ってことで汗
そうしないと2人のデートシーンが書けないんじゃあ!
ショウがきちんと護衛すれば多少の外出はOKって感じで、これからも書いていくつもりです。
オマケ
前回、登場しましたショウの姉・那須静香の人物設定を軽く考えました。物語を大きく左右するわけではないので、ここに書きますね。
那須 静香(なす しずか)
那須家の長女でショウの姉。21歳。身長:167cm。
札幌武偵高校
大雑把な性格で細かいことはあまり気にしない人。ショウとはお互いにからかったり、口喧嘩することもあるが、実際は彼のことをとても大切に思っている。電話で彼にアドバイス(殆ど白雪関係)することもしばしば。
那須家での主な任務は、海外の寺院や教会に派遣される星伽風雪の護衛。
趣味はリカちゃ〇人形、シル〇ニアフ〇ミリーなど人形、ぬいぐるみ収集(大量)。那須家のショウの自室は彼が留守の間、静香の物置になっている。
使用武器はレミントンM700とSIGSAUER P229R
こんな感じですね。
それでは今回も読んでくださってありがとうございました。失礼します。