第三話 試合
ホイッスルが鳴ると同時に竹中がジャンプボールを制した。
「へ、お前らに俺のドリブルなんて止められる筈がないんだよ!」
そう言って、竹中は智花を抜こうとするが、智花は竹中が動くよりも早くボールを取った。
「なっ…!?」
「いいぞ、智花!そのまま一点先制してしまえ!」
「っ!」
そこで放ったのが、先ほど俺に見せたジャンプシュートだった。
(やはり、智花の実力は想像以上のものだったな。これなら、余程油断しない限りは大丈夫だろう。しかし、何故智花が控えめに練習していたのかはやはり気になる…。いや、今は試合に集中したほうがよさそうだ。)
「くそ、先に一点取られちまったか…。でも、どうせまぐれで入っただけだ。こんなのすぐに追いついてやるさ!」
竹中はどうやらまぐれだと思っているらしいな…。なら、そこを狙わせてもらおうか。
「お前ら、ボールを取ったら積極的に智花に渡してくれ。勝ちたいなら、それが最善策だ。」
「分かったよ、ゲッソー!」
「ええ、了解よ。」
「うん、私も頑張ってボールを取るようにするね。」
「おー、ひなも頑張る。」
「え…、でもそれじゃ…。」
「大丈夫だ、さっきも言っただろ?後の事は俺と美星先生が何とかするから安心してプレーに集中してくれ。」
「…うん。」
よし、後は二点獲得するだけだ。この調子なら…
ピーっ!!
「一本取りに行くぞ、鈴木!」
「おうよ!」
鈴木が動き出したか・・・。なら、
「紗季!」
「ええ、分かってるわ!」
「ゲっ永塚…。」
「あら、ゲッとは何よ失礼ね。そんな態度取るのなら、私にも考えがあるんだから。」
「な、なんだと?」
「みんなーっ!鈴木君がこの前ねー」
「ちょ、何言うつもりなんだよ!?」
「隙あり☆」
「あ」
…なんなんだ、今のコントは。というか、それでボールを取るとは中々にえげつないことをするな。紗季は…。
「湊さん、パス!」
「うん!」パシッ
「しまった!お前ら全員戻ってこ…」
竹中の奴、今更気づいたようだな。
「…なんだよこれ、味方が全員マークされてる…!?まさか、真帆が言ってた作戦って…。」
そう、経験者の竹中以外を全員マークすることで、実力者の智花と竹中だけの試合になったも同然。更に言ってしまえば、恐らく実力面では智花が竹中を上回っているだろうから、竹中チームの勝つ見込みを完全に潰すことができる。そして今竹中はこのことに夢中で智花の事を完全に忘れているだろうから…。
ガコンッ
「ッ!しまった…余所見してる間に…。」
「へっへーんだ。どうだ夏陽!うちらのチームワークは!」
「いや、あんた別に何もしてないでしょ…。」
「でも、湊さん凄いよね…。私にはあんなことできないや…。」
「おー。ひなも、頑張る。」
まさか、ここまでとはな…。期待以上だ。これなら、問題ないだろう。
ピーッ!
「斎藤!」
「オッケー、任せとけ!」パシッ
「斎藤に行ったか…。真帆!」
「よし来た!見てろよー!」
「三沢か‥、竹中!」ヒュッ
「よし、いいz」
パシッ
「「え!?」」
「残念、貰っておくわね。」
紗季の奴、完全にパスコースを読んでいたか…。
「湊さん!」
「有難う!」パシッ
「不味い、湊にあのシュートを打たせるな!」
遅かったな、智花はもうジャンプシュートを打つ準備をしているんだ。もうお前らに勝ち目はない。
ガコンッ
三本目が入った…。この試合、どうやら勝てたようだな。
「はいはいここまで。この試合、先に三点取った真帆チームの勝ち!」
ワアアアアアアアアッ!
「ハアッハアッ…。」
「(またやっちゃった…。これじゃもう、友達ができることは…。)」
「ねえねえ!」
「へ?」
「さっきのシュート、スッゲーかっこよかったよ!あたしもああいうのやってみたいな!」
「え、えーと…。」
…どうやら、あの調子なら問題なさそうだな。友達に関してももう大丈夫そうだし、俺が何かする必要は無くなったか…。
「にゃふふ、お疲れ様。」
「…俺は特に何かした覚えはありませんよ。全部彼女たちの実力です。」
「そういうことにしといてやるよ。」
やれやれ…。とことん食えない人だな、この人は…。だが、彼女たちはやはり特別な何かがありそうだ。まるで、出会うことが当然のような…。いや、気のせいか…。なんにせよ、これで体育の授業が終わり、ほかの授業も終わった放課後に、真帆が智花を連れてこちらにやって来た。
「ねえねえ、ゲッソー!」
「どうしたんだ?真帆に智花。俺に何か用か?」
「きひひ、ゲッソーにお願いがあってやって来たんだよ!」
「お願い?」
「実はさっきの体育の授業で組んだメンバーで女バス作ることにしたんだ!」
何故だろうか。この後に言われる言葉が聞かなくても分かるような気がしてきたんだが…。
「あたしたちの女バスに入ってよ!ゲッソー!」
ぶっちゃけるとさっさとこの部分終わらせたかったんですよね…。次の投稿も早くできるように心がけるので、良ければまた見て行ってください!それではまた次回~。