中々ネタが思いつかなくて苦労してたんです。取りあえずは書き終わりましたので投稿することにしました。今回は主人公の過去が少しだけ明かされます。ほんの片鱗ですけど。それではどうぞ!
爺さんと会話を終えた俺は、自分の寝室へ向かうことにした。もう時間的に寝ても問題ない時間だった。
「しかし、どうしたものか…。」
明後日から本格的にコーチをしてもらえるのだが…。正直、今日の様に昴さんと部員の衝突がまた起きてもおかしいくない。そうなった場合、俺にできることは無いに等しいだろう。
「すべてが未知数…という事か。」
全く。今からが不安でしょうがないな…。そう思いながら俺の意識は堕ちて行った。
次の練習まで話を割愛させてもらうことになるが、俺は美星先生に用事を頼まれて少し部活に遅れたところからになる。
「美星先生め…。どれだけプリントを溜めればあの量になるんだ…?」
走りながらそんなことを考えていたら、いつの間にか体育館に着いていた。
「やれやれ。やっと部活ができるな…。」
体育館のドアを開けると、昴さんを含めた女バスのメンバーがミニゲームをしていた。
「遅れてすいません。ちょっと野暮用が…。」
「遅いぞ、ゲッソー!」
「こら真帆、創玄は委員長の仕事をしてたんだから仕方ないでしょ。」
「ああ、大丈夫だよ。まだ始まったばかりだから。」
「分かりました。それじゃ、俺は見学させてもらいますね。」
「え?創玄は部活しないの?」
「創玄は主に私たちの成長記録などをやってくれているんです。」
「成長記録?」
「ええ、この日は誰がどれだけ上手くなったか。どんなプレーが良かったかなどをまとめてくれているんです。だから、私たちも反省会がしやすいんです。」
「にしし、それにゲッソーはあたし達に点数もつけるんだよ!今日のあたしは60点って感じで!」
「へえ、そんな事をしていたんだ。」
「ええ、それなら次の練習でどこを気をつければいいか分かりやすいので。」
「でも、それじゃ俺別に要らなかったんじゃ…。」
「いえ、俺がするのはあくまで記録だけです。専門的な指導はやはり慣れた人じゃないと上手くできないと思うので。」
「そっか。まあそんな長い間教えてあげる事は出来ないけど、俺もできる限りコーチをやらせてもらうよ。」
「…ええ。お願いします。」
「?うん。それじゃ皆。取り合えずキリがいいから十分間休憩しよう。また後で練習開始しよう。」
『ハーイ!』
さて、それじゃ俺も昴さんと今後の事について話すとするか…。
「昴さん。少しいいですか?」
「うん。大丈夫だよ。どうしたの?」
「ええ、今後どういった形で練習するのか確認しようかと。」
「ああ、それなら…。」
話し合いを進める中、一つの視線に気が付いた。
「…智花?どうした。」
「えっと‥。」
「ああ、昴さんと話したいのか。」
「ふぇ!?」
「なに、気にするな。俺は紗季たちの方へ行くから安心してくれ。」
「いいいやいや、ちょっと待って!」
「遠慮せずに話して来い。それじゃ昴さん。後はごゆっくり。」
「う、うん…。」
後ろで頭から湯気が出そうなくらい赤面している智花と困惑している昴さんを放置…もとい二人きりにし、休憩中の皆の所へ行くことにする。
「どうだ?調子は。」
「今のところは問題なさそうよ。真帆ったら、さっきからずっと早く続きがしたい!なんて言ってるわよ。」
「だってさ、すばるんに早くあたしたちの事知ってもらわなきゃダメじゃん。」
「それはそうだけど…。でも、焦って失敗したら余計厄介なことになるわよ。」
「そうだね…。取り合えず今は、長谷川さんに私達の事ちゃんと知ってもらう所から始めなきゃ。」
「おー。ひな、お兄ちゃんにいっぱい知ってもらう。」
「ああ、取り合えず今の目標はそれでいいだろう。今後の事は俺がどうにか出来ないか相談してみよう。」
「サンキューゲッソー!よーし、あたしもすばるんの好感度上げてこよーっと!」
そういって真帆が駆けだしたのを、俺たちは見送った。
「全く真帆は…。変な事言って長谷川さんを怒らせなきゃいいけど…。」
紗季の心配ももっともだが、真帆はそこら辺をちゃんと弁えてあるから大丈夫だろう。…多分。
「取り合えず今は休憩することだけ考えておけ。次から俺と長谷川さんが考えたメニューで練習するつもりだ。」
「おー。どんとこい。」
ひなたの体力が持つかどうかが一番心配だったが、大丈夫そうだな。
「困るよっ!無理とか困る!」
急に真帆の怒鳴り声、というよりは訴えに近い声が聞こえてきた。
「なんで無理なの!?ゲームだとひと晩粘ればレベル10くらい上がるじゃん!」
「真帆…。」
「紗季、俺たちが今どういう状況か昴さんに伝えたか?」
「ううん。まだ話せてないの…。」
こいつは面倒なことになったな…。この様子じゃ、今日もろくな練習ができないだろう。しょうがない…。
「三人とも、今日はここまでだ。シャワーを浴びて帰る準備をして来い。」
「え、でも…。」
「大丈夫だ。俺がなんとかしてみよう。」
「…そうね。愛莉、ひな。ここは創玄に任せて私たちはシャワーの準備をしてきましょ。」
「う、うん。」
「おー。ひなもお手伝いする。」
さて、三人とも行った事だし、俺も行くか…。
「一ヵ月も待てないよ!!」
「真帆…。」
「真帆、そこまでにしておけ。」
「ゲッソー…。」
「今日の練習はここまでだ。こんな気持ちじゃバスケが上手くなる筈が無い。一旦シャワーでも浴びて頭を冷やしてくるといい。智花、真帆を頼む。」
「うん。真帆、行こう?」
「……。」
トボトボ歩いていく真帆の後ろ姿に、少々の罪悪感を覚えた。だがここで立ち止まるわけにもいかない。
「すみません、昴さん。真帆がご迷惑をおかけしたようで…。」
「ううん。俺の方こそ、なんかごめんね。真帆を怒らせちゃったみたいで…。」
「まあ、俺たちにも時間があまりないんです。詳しいことは俺からは言えません。仮にもし言ったとしても、昴さんがどうするかは俺が決める訳じゃありませんので。」
「ははは…。創玄は凄いね。なんだか、小学生には見えないよ。」
「……まあ、その通りなんですがね。」
「え?」
「いえ、俺の事より昴さん。俺は貴方の事が心配だ。」
「俺のこと?」
「ええ。貴方は今、何かから目を逸らしている…いや、目を逸らそうとしています。」
「ッ!」
「貴方の事情は俺は知りません。ですが、一つ言えることはあります。」
「…それは?」
「大事な物から一度目を逸らしただけで、自分の中の何かが崩壊します。たった一度目を逸らしただけで、自分が積み重ねて来たものが全て消えます。」
「たった一度目を逸らしただけで…。」
「俺はそれで家族と幼馴染を失いました。ですが、貴方は違う。まだ間に合う。どうか、自分の一番を否定しないでください。俺はもう二度と目の前で失いたくないんです…。」
「創玄…。」
「すいません、長話をしてしまって。俺は今から帰ります。女バスの皆と美星先生によろしくお願いします。」
「うん…。」
やれやれ…。偉そうなことが言えるほど、俺も過去を割り切れたんだろうか。
昴side
一番を否定しないで…か。小学生に諭されるんじゃ、俺なんかまだまだって事かな。でも、今日の真帆や創玄の事といい、このチーム、何かあるんだろうな…。でも、どうせ俺が関わるのは金曜日で最後だ…。ってほんの数分前の俺なら言ってたんだろうな。でも、創玄の言葉で俺の中にある何かに火が灯ったような気がする。創玄があんなにしっかりしてるのに、俺がこんなんじゃ示しがつかないよな。とか考えながらロッカーを開けると、一枚の紙切れが入っていた。その紙には
『今すぐ女子バスケ部のコーチをやめろ!さもないと不幸がお前におそいかかるだろう!』
と書かれていた。何これ。脅迫状…?
「なんだこれ…。」
なんかめっちゃ中途半端なとこで終わってしまった。すいません。次からは気をつけます。また不定期投稿になると思いますが、次回もお楽しみに!