僕は今、ものすごく困惑している。
目の前の女の子のような見た目の、男の娘から告白されたのだから。
見た目は女だが、ちゃんとこいつは男だ。
もちろん僕も男だ。
僕は普通の男だから、普通の女と付き合いたい、僕はホモではない。
「やっぱり、同性はダメですか。」
まだ断ってもないが、僕は昔から思ってることが顔に出る性格だから気づいたのだろう。
こいつは本当に見た目は女だ、男と言われても信じられないぐらいには女だ。
「だけど私は見た目は女の子ですし、変な目で見られることはないかと。」
確かに変な目で見られることはないと思うが、さすがに男と付き合うのは考えられない。
僕が下を向いて考えていたら、地面に水滴が落ちたのが見えた。
僕は目の前の男の娘をみてびっくりした。
「うぅ…、ひっく…。」
まずい、非常にまずい。
今いるところは、人通りの多い街中、周りから見たら僕が女の子を泣かせたように見える。
周りの人からの視線がものすごく痛い、女の子を泣かした最低なヤツと思われてる。
「どうして、私は君のことがこんなに好きなのに。」
周りの人からの視線がいっそう強くなった、ここにいるのが辛くなった僕は。
目の前の男の娘の手を引っ張って、歩き出した。
歩き始めて何分ぐらいたっただろうか、僕達のあいだには会話はなかった。
僕は今ものすごく悩んでいた、僕もあいつも男だから付き合うことは出来ない。
いやできるにはできるが、僕はホモじゃない。
付き合うなら異性と付き合いたい、だけどさっきのこいつの涙を見たら断りにくくなった。
とりあえず好きになった理由だけでも聞いておくか。
まぁ、少し失礼かもしれないけど、せめて聞いてから考えないと。
「なんで僕のことが好きになったの?」
「あ、うーん。」
目の前の男の娘は少し言いづらそうにしてた、そりゃあそうか言うのは少し恥ずかしいからな。
「私は見た目は女の子ですし、クラスの人達にからかわれてたの。学校に行きたくないと思ったけど、将来のためにも行かないと行けないからね。クラスの男子達から仲間外れにされ、クラスの隅にずっと一人でいたの。日に日にからかいはひどくなって行った、体を触られたり、暴力をされたりした。そんな私を助けてくれたのは、早実くんだった。助けてくれてからからかいや暴力はなくなった、助けてくれてから私は君を意識するようになった。」
「あれがきっかけだったのか、最初は女だと思ってたけど、まさか男だったとは思わなかったけどな。」
ほんと最初男と聞いた時はびっくりした、身分証明書を見せてもらうまでは信じてなかった程だ。
それに性格も女っぽいせいで余計に分かりずらい。
「だけどやっぱり付き合うことは出来ませんよね、私も男ですし君も男。男同士で付き合う気にはなれませんよね。君の謎が少し分かったから付き合えると思ったのですが。」
僕の謎が少しわかったと言う意味が分からないが、とりあえずどうするか。
僕は少し迷って、ひとつの考えにたどり着いた。
そして僕は言った。
「じゃあいいよ。」
「え、なにが?」
「付き合っていいって事だよ。」
目の前の男の娘は喜んでいた、まぁ、多分すぐに別れると思うが。
見た目は女の子だし、周りからの視線は気にすることもないが、僕の本当の性格を知ったら別れるだろう。
だけどひとつ突っかかることがある。
それは僕の謎が少しわかったと言うことだ。
まさか気づいたのか、その場合別れることは出来ないだろうな。
謎が分かったから付き合えると思った、男同士でも付き合えると思うような僕が隠していることは。
僕が本当は女だということだ。