結局、現場主義が一番強いと思うんだ。   作:そこらの雑兵A

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今回、ほとんど話が進んでません。
次回あたりから、原作から乖離し始めます。


一護「結構、普通な生活してんすね。」

「で、どこの部屋でしたっけ?」

 

六人が一つの集団となって、廊下を歩く。

 

「知らなーい。」

 

最後尾の豊満な女が首を振る。

 

「いや、ホラ向こう出る時メモ持ってたじゃないっすか。」

 

前の方にいた赤髪の男が振り返りしかめっ面をする。

 

「……あぁ、無くしちゃった♡」

 

「なく……ちょっと!!何してんすか!?」

 

「たぶんこっちですよ。強い霊圧感じません?」

 

先頭を歩いていた男。この男だけが制服ではない。青いズボンに白いシャツ。ベージュのジャケットを羽織った割とよくある服装だ。

 

「俺、コレは入んの初めてなんすよ?なかなか霊圧のコントロールが……。」

 

「ああ、確かに慣れるまでは少々不便ですよね。自分はこっちの仕事長いんで慣れてますけど。」

 

「下手クソですいません。」

 

「下手クソじゃねーよ!!つーかなんでアンタが一番シレッとしてんだよ!!」

 

「しっかし窮屈な服だなぁオイ。」

 

赤髪の男が怒鳴る隣でスキンヘッドの男が不快な顔をしていた。

 

「自分のと違って、皆新規の義骸で学生服ですからね。仕方ないですよ。」

 

「僕達みたいにスソだせばいいのに。」

 

おかっぱ頭でエクステを付けた男が笑みを浮かべながら言う。

 

「バカ言え!そんな事したら腰紐に木刀が差せねえじゃねーか!!」

 

「そもそも木刀差す事自体がおかしいと思うんですが?」

 

「真剣がダメだっつーからこれで我慢してるんすよ!」

 

「ウルセーぞお前ら!!!」

 

騒がしい後ろに対して、先頭の銀髪の少年が怒鳴った。

 

「着きましたよ。騒ぎになる前に用を済ませましょう。」

 

「へーい。」

「へーい。」

 

そして、赤髪の男が勢い良く扉が開いた。

 

「うーっす。元気か一護!」

 

 

 

現れたのは見知った顔6つ。

 

「恋次!!一角!!弓親!!乱菊さん!!春直さん!!冬獅郎!!」

 

「『日番谷隊長』だ!」

 

突然の事に驚いた一護が声を上げた。春直だけ服装が違うが、後はなぜか皆制服だった。ここでも1人だけ仲間はずれとか……。

 

「お前ら、なんでこっちに……!?」

 

「上の命令だよ。」

 

驚いている一護に恋次が答えた。そして春直が続ける。

 

「『破面との本格戦闘に備えて、現世に入り死神代行組と合流せよ』との事です。事は黒崎君が思っている以上に大事になっているんですよ。」

 

「アラン……何すか?」

 

「……ああ、そうか。まずそこから話をしないと行けませんね。」

 

困惑している一護に春直が少し困ったような笑みを浮かべた。

 

「たわけ!貴様がこの間ボコボコにやられた連中の事だ!!」

 

突然、外から声がした。その声に一護が振り返る。窓の淵に立ち、腕を組んでいるルキアが立っていた。そしてルキアは一護をつかみ、死神姿の一護を引っ張りだして外へと飛び出していく。

 

「……やっぱりこうなったわね。」

 

「そっすね。全く世話のやける野郎だ……。」

 

あきれた様な口調で乱菊が言う。魂の抜けた一護の肉体を支えながら恋次もあきれていた。

 

「まぁ、あんだけフヌケたツラ見せられちゃ、ああしたくもなるだろうぜ。」

 

「というか、スカートのままであんな所に立ってたら下から丸見えじゃないですか……。」

 

「あら、そこを気にするなんて……ムッツリね。」

 

「!?ちがっ……っていうか松本副隊長、離れてください!?」

 

乱菊が少し前屈みになって寄ってくる。春直は顔を真っ赤にして明後日の方をむくが、乱菊がニヤニヤしながら更に寄ってきた。

 

「お、おい、あれ見ろよ……。黒崎どうしたんだ……?」

 

その声に、生徒からの視線が集まっていた事に気がつき、そちら側をみる。色々とヤバそうだ。

 

「やべーぞオイ……死んでんじゃねーのかアレ……!?」

「一人だけ服が違うアイツが一番ヤバそうじゃないか?元締めアイツじゃね?」

 

あ、ちょっと傷つく。

 

「やっぱ、ヤベー連中だよ……あいつら。赤い髪だし……。」

 

「気にすんな恋次。人間どもの戯言だ。」

 

「入墨だし。」

「木刀さしてるし。」

「1人だけハブられてる?」

 

やめろ、その言葉は俺に効く。

 

「金髪。」

「銀髪。」

「ハゲ。」

「おかっぱ。」

「巨乳。」

「ハゲ。」

 

「おい……今ハゲっつった二人順番に出てこい。」

 

「気にしない方が良いっすよ。人間の戯言なんだから。」

 

キレた一角が暴れだす。それに便乗して弓親も暴れだす。乱菊が煽り、恋次が一応取り押さえようとする。

 

「……お先に失礼しまーす。」

 

匙を投げた春直は窓から飛び出して逃げていった。

 

 

 

 

 

「さぁ、とっとと教えろよ。『破面』ってのが何なのか!なんで俺らが狙われてんのか!」

 

扉の外で聞き耳を立てていた父と妹を怒鳴って追いやり、腰を下ろした一護がベッドに腰かけるルキアに問いただす。

 

「……待ちな。そいつは俺たちが……教えてやろう。」

 

突然電気の中から4人が顔を出す。驚き声を上げた一護を他所に、ルキアが後ろの窓を開けた。

 

「はい、お邪魔します。」

 

春直と冬獅郎が窓から入ってきた。だって、屋根裏に6人とかちょっと狭すぎない?

 

乱菊に殴り飛ばされた人形を無視し、春直から受け取ったスケッチブックをルキアがめくる。そこに書かれたよくわからない絵。

 

要約すれば、虚と死神の力を手に入れた一団。惣右介によって誕生した「成体」の破面二体が一護らを襲った。

 

「ここまではわかるな?」

 

「ああ、わかる。スケッチブックが無ければもっとわかる。」

 

「当初、こちらは藍染が具体的になにか事を起こすまでは静観するつもりでした。ですが成体が現れた以上、現世に大きな影響を及ぼしかねないという事で、選抜隊が組まれることになったんです。」

 

恋次の説明である程度状況が分かった一護。ルキアが投げつけたスケッチブックが頭に乗ったままだが、それを無視して春直が話を続けた。

 

「選んだのは?」

 

スケッチブックを畳んで横に置きつつ、一護がたずねた。

 

「山本総隊長だ。次の四十六室が決まるまでの間、決定権が総隊長に下りてきてるんだ。」

 

「まずは三人。黒崎君との関りが大きく、実力もある程度あるという事で、一人は朽木が選ばれました。」

 

春直がそう言うと、ルキアが腕を組んで胸を張る。

 

「二人目は、動ける戦闘要員の中で、彼女と近しいという事で阿散井。」

 

恋次が頷く。だが、表情は決して楽観的ではない。どれだけ事態が切迫しているのかをよくわかっている様だ。

 

「三人目は、現世での駐屯任務が長いという事で自分が選ばれました。」

 

「で、隊長格以外で俺が一番信頼できる戦闘要員を選べって事で一角さんに同行を頼んだ。」

 

続けて恋次が言う。班目一角は、十一番隊第三席だが、実際の実力は副隊長に勝るとも劣らない。

 

「そしたら弓親さんが『ボクも絶対行く!』って言いだして、騒ぎを聞きつけた乱菊さんが面白そうだからって行きたがって……乱菊さんがどーしても行くって聞かないもんだから、日番谷隊長が引率として仕方なく……って感じだな。」

 

「ピクニックかよ。」

 

正直、最初の四人までは真面だった。というか、こんなノリのせいで急遽五人分の義骸を造らされた技術開発局の方々には頭が下がる。

 

「ともかく、てめーは確実に藍染に目ぇつけられてるって事だ。黒崎一護。」

 

窓の縁に腰掛け、腕を組んでいた冬獅郎。

 

「破面は確かに虚の面を剥ぐことで生まれるが、本気で尸魂界に戦争を仕掛けるつもりなら、破面化の対象は自ずと大虚以上に限られる。」

 

「大虚……以上……?なんだよ、まるで大虚よりまだ上の虚が居るみてえな言い方じゃねぇか。」

 

「ああ。いや、正確には、大虚の中に更に三つの階級が存在するんだ。」

 

「黒崎君は正規の死神じゃないですからね。その辺りは統学院、今は真央霊術院というんでしたっけ?そこで色々習うんですが。」

 

ギリアン、アジューカス、そして最上級のヴァストローデ。サイズが小さくなるに連れて数も減り、そして実力が上がっていく。

 

「はっきり言う。この『ヴァストローデ』級の戦闘能力は隊長格より上だ!」

 

冬獅郎の言葉に一護が戦慄した。

 

 

 

「それじゃあ、自分は一旦失礼しますね。」

 

後ろで人形と義魂丸を弄りながら感心している恋次と乱菊を放っておいて、春直は窓に手をかけた。

 

「ああ、はい。……一旦?」

 

「はい、少し離れた所でビジネスホテルとってあるんで。バイクも有るし。あ、これホテルの名前と部屋番なんで。なんかあったら連絡ください。」

 

「結構、普通な生活してんすね。」

 

「自分はこっちの生活長いですからね。」

 

そう言ってポケットからメモを取り出して一護に渡し、バイクのキーも取り出した。クロサキ医院の前に止めてある大型のバイクが春直のだ。こいつ、現世を満喫し過ぎだろう。え、免許証?偽装免許だけどもバレなきゃ犯罪じゃあないんだぜ。

 

「それじゃあ失礼しますね。」

 

窓から飛び降り、ヘルメットを被ってバイクのキーをひねる。見かけほど大きな音は出ず、そのまま走り始めた。

 

(さて、とりあえずチェックインして……ってお?)

 

少し走ったところで見知った顔を見つけ、バイクを止める。

 

「おや。」

 

下駄と帽子で、杖を手にした胡散臭そうな男。春直がバイクからおり、ヘルメットをとると同時にその男は姿を消した。

 

「逃がすか!」

 

「捕まらないッスヨ!」

 

高速で動き回る二人。……二人とも義骸の中に入っている筈なのに。

 

「捕まえた!」

 

どこからか取り出したロープでぐるぐる巻きにされた帽子の男が冷や汗を流しながら乾いた笑みを浮かべる。

 

「いやぁ……お久しぶりっすね春直さん。」

 

「ええ。喜助さんもお元気そうで。」

 

笑顔で指をならす。とりあえず一発殴っておいた。

 

「色々聞きたい事や言いたい事が一杯有るんですが、とりあえず今日はこれでおしまいにします。チェックインに間に合いそうにないので。」

 

「あ、はい。」

 

「……また今度、一緒に酒でも飲みましょう。喜助さんのおごりで。」

 

「えー……。まぁ、良いでしょう。とびっきりのを用意しておきます。」

 

大した会話もせず、しかし互いに笑顔でわかれていった。近いうちにまた時間は取れるだろう。その時には100年分、しっかり話をしよう。

 

チェックインを済ませて、近くのコンビニで弁当を買って来て戻ってきた。外は既に夜となっていた。弁当の蓋を開けた所で一斉に巨大な霊圧が現れ、動いた。

 

「ッ!……飯を食う暇もないか。まぁいいや。久々の現世での仕事だな。」

 

弁当に蓋を閉めなおし、窓から飛び降りて駐車場に止めてあったバイクに飛び乗った。




毎回、サブタイトルに苦戦してます。
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