結局、現場主義が一番強いと思うんだ。   作:そこらの雑兵A

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評価が赤い……だと……!?

評価が赤いなら投稿を速めざるをえない。


ギン「えらい事になっとるやないの。」

四楓院夜一から得られた情報。それは、何者かが朽木ルキアを処刑するために行動をしているという事。

では、誰が、なぜルキアを処刑しようとしているのか?理由だけはわかった。

朽木ルキアの中に隠された崩玉。それを得るためだという。

 

(全部が無事に終わったら、とりあえず喜助さんはぶん殴ろう。)

 

双極の丘の地下に作られた謎空間から出て、夜一と別れた春直。あちらこちらで霊圧のぶつかり合いを感じる。それはそれとして、春直は一度部屋に戻るために移動し始めた。軽く走りながら頭の中を整理する。

 

(四楓院さんが言うには、誰が敵で誰が味方かわからんらしいけど……。)

 

夜一が話したことが全てでは無いという事は、春直にはわかっていた。今回聞いた内容も、迂闊に話せる様な事では無い。とりあえずは、自分の心の中だけで留めておくことにする。

 

(少なくとも朽木隊長、浮竹、京楽の三人は敵ではない。)

 

これだけは断言してもよい。仮に裏切られたとしても、この三人だったら許しはしないが、恨みもしない。

 

(あとは……わかんねー。)

 

そもそも、他に信頼できる友達とかいない。なんだか少し悲しくなる。だが、今後の指標は立った。なんとしてでも、処刑を阻止する。走りながら、春直は左手の手甲を右手で軽くなでた。

 

(隊長達が相手なら、最悪これを使わないといけないのかぁ……。やだなぁ……。)

 

そうこうしているうちに部屋にたどり着いた。部屋へと入り、数少ない私物の中から、痛み止めの外用薬を左の頬に貼る。

 

「……少し落ち着こう。」

 

部屋の中央で刃禅を組む。意識はすぐに深く沈みこんだ。

 

 

 

 

 

広い草原。そこに少し大きめの石と、それに巻かれた紙垂と荒縄。その上に烏帽子と全身真っ白な狩衣の青年が、座りながら横笛を奏でていた。春直を見ると笛をとめて微笑む。

 

「おや主殿。わざわざこんな場所に来るとは、ぬしも暇よのう。」

 

「ん……ちょっと色々考えすぎて疲れた。続けてくれ。」

 

そう言いながら青年の座る石に背中を預けるように座る。頷いた青年が演奏を続ける。心地の良い音色を聴きながら、春直は目を閉じた。

 

 

 

 

 

翌朝。服装を整えて部屋を出る。

 

(先ずは敵が誰かを特定したい。疑いがあるとすれば……本命藍染惣右介、対抗涅マユリ、大穴山本じーさん当たりか?)

 

一晩落ち着いて考えた結果だ。先ずは本命の惣右介に探りを入れてみようと考え始めた所で、悲鳴に思考がさえぎられる。

 

「……東大聖壁の方か?」

 

乱れた霊圧を感じた。聞こえてしまった以上、無視するわけにもいかず足を運ぶ。

 

これが大きな間違いだった。

 

 

 

 

 

「いやだ……いやです、藍染隊長、藍染隊長!」

 

壁に磔られた一人の男。壁から流れて地面を濡らす、やや黒く変色を始めている大量の血液。

悲鳴を上げた雛森桃が、自身の手が血で汚れるのも構わず、壁に手を突け大声で泣いていた。その悲鳴で集まった副隊長たちは呆然と壁に吊るされた状態の藍染惣右介を見つめていた。

 

「これは……どういう事だ?」

 

春直が思わず素の声をこぼす。惣右介が黒幕では無かった?では、涅マユリか?そんな思考をしていると、桃が振り返った。そして目を見開く。

 

 

 

声に振り返った桃の視界に入った春直。その頬に貼られた外用薬。誰かと戦った痕だろうか。では、誰と?春直の腕前は良く知っている。そう簡単に怪我をする人ではない。

 

そう、相手が仮に副隊長だったとしても。では、相手がそれ以上の人物だったとしたら?

 

 

 

――――――

 

阿散井くんが旅禍にやられた。重傷だったけど、市丸隊長が四番隊の救助班を呼びに行ってくれた。一安心だが不安はぬぐえなかった。

 

「ハデにやられやがったな阿散井のヤロー!」

 

突然背後からの声に、変な声を上げてしまう。振り返るとそこには日番谷くんが立っていた。強い人は皆相手の背に回るのはなんでだろう。驚かされた事に抗議するが、冷静になるとなぜこんな所にいるのだろうか?

 

「三番隊と、荒木部二十席には気をつけな。」

 

突然の警告。吉良くん、それに荒木部さんに気を付けろとは、どういうことなのだろう。吉良くんは同期の友達で、荒木部さんは優しい先輩だ。

 

「俺が言ってんのは市丸だが吉良もどうだかな。とりあえず気を付けといて損はないぜ。特に―――。」

 

 

 

「藍染の奴が一人で出歩くときにはな。」

 

――――――

 

 

 

「お前か!!!」

 

桃が刀に手をかけ、駆け出す。春直は一瞬だけ目を見開くが、すぐに表情を引き締める。

桃が居合いの要領で切り掛かった。狙いは首。春直がすり足で下がる。切先がギリギリ首に届かない。

振り切った刀を引き戻し、再度首を狙って突く。体を横にそらしながら踏み込み、すれ違いながら躱して距離をとった。

 

「落ち着いてください。状況がよくわからないんですが。」

 

「弾け、『飛梅』!」

 

春直の言葉を無視し、桃が斬魄刀を解放した。七支刀の様な形になると同時に火球が放たれる。それはまっすぐ春直へと届き、爆ぜた。春直が右手を振るい、煙を散らす。払った右手には僅かに火傷の跡。

 

「ああ、もう。面倒くさいなぁ。」

 

思わず素の声が漏れるが、斬魄刀は抜かない。もう一度桃が火球を放つ。先ほどよりも霊力が込められた一撃だ。

 

「縛道の七 排。」

 

春直の右手の甲に青い六角形の板状の霊圧が発生。火球を斜め上後方へと弾いた。空中で爆発する火球。そのちょうど真下あたり。

 

「えらい事になっとるやないの。」

 

市丸ギンが立っていた。その声と姿を確認した桃。

 

「あああああああッ!」

 

大声を上げ、ギンへと斬りかかる。それに対してギンは一歩も動かず、しかし凄まじく鋭く冷たい殺気を醸しだした。

 

(あ、これやばい奴だ。)

 

春直が斬魄刀を抜き、桃の刃を止めた。そうしなけらば、恐らく桃は殺されていただろう。だが、頭に血が上っている桃は殺気に気が付かず、キッと鋭い目を春直に向ける。

 

「やっぱり、あなた達が……藍染隊長を!!!」

 

「まずは人の話を聞きましょうよ……。」

 

小さなため息と共に桃の刃を軽く押し返す。一歩下がった桃がもう一度力を込めて斬り上げようとした。

 

「動くなよ、どっちも。」

 

桃の斬魄刀を踏みつけ抑え込み、抜刀した刃が春直の首元に宛がう。

 

「……日番谷……く……。」

 

「捕らえろ、二人ともだ。」

 

(いや、俺悪くないだろ。)

 

内心文句を言いながらも、春直は納刀。後ろから六番隊副隊長 檜佐木修兵が肩、イヅルが右腕を掴んできた。

 

「そいつらは拘置だ!連れていけ!」

 

(弁明の機会すらなしっすか、そうですか。)

 

思わずため息が漏れてしまった。何度目だろうか。鬱になりそう。

修兵とイヅルがなんとも言えない困惑した顔で目を合わせているが、隊長である冬獅郎の命令には逆らえない。とりあえず命令通り連れていくしかないし、連れていかれるしかなかった。

 

 

 

 

 

「ねぇ、さっきのあの人、何者なの?」

 

「八番隊の二十席っスよ。俺がまだ霊術院にいた時、一回世話になったことがあります。」

 

「ボクと阿散井副隊長は何度か修練に付き合ってもらったことがあります。」

 

「ふぅん……。」

 

二人を別々の拘禁牢に入れた後、十番隊副隊長 松本乱菊が溢した疑問に、修兵とイヅルが答えた。

 

「ちょうまてや。二十席が雛森副隊長の攻撃を無傷で受けきったっちゅうんか?」

 

七番隊副隊長 射場鉄左衛門が驚く。乱菊もそこが気になっていた。激昂する桃に対して、防御に徹していたとはいえ、斬魄刀を抜くことすらなかった。

 

「でも、霊圧はそれほど高くなかったけどな。実際の所どうなんだ、吉良?」

 

「……剣術に関しては、ボクや阿散井君よりも上ですよ。」

 

少し不貞腐れ気味に答えたイヅルに、三人が驚いた顔をした。

 

(なら、なんで未だに二十席なんだよ。)

(じゃあ、なんでまだ二十席なのかしら。)

(じゃったら、なぜに二十席のままなんじゃ。)

 

 

 

 

 

「なにやってんのよ、もう……。」

 

「いや、俺が聞きてーよ、本当。」

 

拘禁牢の前でしゃがみ込んで呆れた顔をする春水。牢の中には、片手で顔を覆いながらしかめっ面をしている春直がいた。

 

あれだな、人脈が無さすぎるのがいけなかったんだ。

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