ケロロ軍曹の憂鬱   作:ゼロん

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あぁー……課題とレポートの連続特殊召喚により、途中で力尽きたので、まだ少し未完全。途中が少し雑になってる……

けど続きが気になるって方も多いと思うので、ひとまず完結まで話は書いたので、置いておきます。

とりあえず流れだけでも知りてぇって方は、途中少し雑になりますがお進みください。

なら待つわって方は一回ブラウザバックを推奨。

後々、少しずつ改稿していくのでご容赦を。







後編、であります! 

 

「ていうかなんで私ガンダム観てるのかしら……」

 

 ガンプラを買い帰宅した後、父親がいない隙を見計らいテレビを点けた二人(?)。

 

「ゲロゲロゲロ! まずは原作をよく知り、思い入れをもって作るでありますよ!」

 

「はぁ。ロボットものかぁ」

 

「そうため息をつかずとも。自意識の強くなる思春期にはピッタリでありますよ! 歳をとればとるほどこのアニメの深さとかクオリティの高さがよくわかるであります!」

 

 やっぱ劇場版が一番まとまってていいでありますなとケロロは借りてきたDVDを挿入。

 

「けどガンダムってなんだかとっつきにくいのよね。子供っぽいっていうか」

 

「宇宙人とか本気で信じてる人が言うかそれ」

 

「ゔっ。け、けどいたじゃない!」

 

「結果論でしょ、それ……ま、我輩も文明の発達してない星にいたならそう思ったのでありましょうなぁ」

 

 映像が流れ始め、テレビには宇宙空間の暗闇と星々が映し出される。

 

「ま、期待半分で観てみるわ」

 

 *****

 

 開始数分後

 

「うわ、結構凝った設定だったのね。コロニー丸ごと落とすとか頭がおかしいわ……」

 

「我々から観ても結構エゲツない戦法でありますな。星ごとダメにしてしまうなんて三流のやることであります」

 

「侵略に来た宇宙軍人が言うと変な説得力があるわね……」

 

「まぁねー」

 

 そういうケロロ軍曹の部隊評価は三流の三流であるF級である。人材は優秀なのに。

 

 *****

 

 開始数十分後

 

「ガンダム強っ……」

 

「ジオンの技術をリバースエンジニアリングして作られた割には、ザク以上のスペックと耐久性、破壊力を持つヤバいシロモノであります……まだパイロットが性能に振り回されてるでありますが」

 

「ごめん。何言ってるかわかんない」

 

「……戦艦を一発で落とすビームライフルとか、考えるとちょっとゾッとするであります……」

 

「あんたらってあれくらいの兵器とかもってたりするの?」

 

 テレビに現在進行形で流れる、敵ロボを一撃で沈めるビーム砲を指差すハルヒ。その様は軽快に見えて実に無慈悲だ。

 

「じょ、情報漏洩は軍規違反であります!!」

 

「ちぇ〜」

 

「あ、こらハルヒ殿つまんない顔しない!!」

 

 

 *****

 

 赤い彗星シャア登場。

 

『あ、赤い彗星……』

『あれがザクの性能なのか!? 三倍の速度だぞ!』

 

「やばっ……シャアかっこよ……」

 

「ここが全盛期でありますがな」

 

「え?」

 

「え、あ、いや。なんでもないであります! シャア少佐の次の活躍に期待であります! …………復讐に燃える腹黒いとこだけど」

 

『────君のお父上が悪いのだよ』

『シャァァァア!! はかったなシャア!!』

 

 *****

 

 本編視聴後

 

「あ、ザク三体できたわよ!!」

 

「うわ、早ぇぇ!? ハルヒ殿作るの早すぎない!? しかも我輩が口出しするとこもないくらいのハイクオリティ!」

 

 すっかりガンプラにどハマりしたハルヒである。

 

 塗装、シール貼り、凝ったディテールの出来のガンプラをケロロに差し出す。

 ハルヒはどう? と自信たっぷりに胸をはる。

 

「こ、この天然ガンプラ職人め……! ハルヒ殿……恐ろしい子……!」

 

「さぁ次作りましょ! あ、シャア専用ザクの箱ちょうだい!」

 

「だ、ダメぇ! これは我輩が作るんだい!」

 

「よこしなさいよ!」

 

 幼い兄弟が喧嘩するようなガンプラの箱の取り合いを始める二人。

 

「いやだぁい! シャア少佐! 助けてください、シャア少佐ぁぁぁぁぁ!!」

 

「ケロロ、すまない。しかしこの箱は無駄死にではないぞ!」

 

「声真似とかも上手いとかどうかしちゃってんじゃないのォォォォ!? ぎゃああ容赦ねぇぇぇぇぇ腕がとれるぅぅ!」

 

「あ、ごめん」

 

 ハルヒは間違えてうっかりケロロの手まで掴んでしまったようだ。焦ってパッと手を離す。

 

「あ、じゃあわかったこうしましょ!」

 

「……なにかいい方法があるでありますか?」

 

「塗装はあなた! 組み立てを二人でやりましょ!」

 

「──────」

 

 二人でガンプラを作ろう。

 そう異星人から提案を受け困惑するケロロ。

 すぐに正気に戻る。

 

「……いいのでありますか?」

 

「いいの。こういうのは二人で作った方が楽しいじゃない!」

 

 にっと笑うハルヒを見て、ケロロも屈託のない笑みを見せる。

 

「了解であります」

 

「……よーし! じゃあ私、下半身作るわね!」

 

「──────」

 

「ケロロ?」

 

 唖然とするケロロに、ハルヒは不思議そうに手を止める。

 

 そんなケロロが頭の中で思い浮かべていたのは、

 

 ──────こんな風にガンプラを喜んで一緒に作ってくれる存在はいただろうか……

 

 素朴な疑問だった。

 

 ──────思えば、ゼロロはどこか遠慮してるそぶりもあったし……ギロロはあんまり積極的じゃなかった気もする。

 

 いい加減で周りを嫌な意味で巻き込むめんどくさい性格をしていたケロロにとって、ギロロやドロロと出会う前はあまり共通の趣味を持った友達は少なかった。

 

 二人で作ろう……か。

 

「……こんなに暖かい気持ちだったっけ」

 

「どうしたのよ? 急にボーッとして」

 

「ハルヒ殿、我輩……」

 

 ────ハルヒ殿は。

 

「機動戦士。中巻、下巻もあるでありますよ。これが終わった後にまた見ないでありますか? ダメ?」

 

 最後に少し遠慮したそぶりでケロロは茶化す。

 

「もちろん! また観ましょ!」

 

 さも当然、見ない方がおかしい、と言うようにハルヒは顔を輝かせる。

 

 

「────ふふっ、今私、最高に充実してる! なんでだろっ」

 

「……何ででありましょうなぁ」

 

 

 ****

 

 

 閑話

 

 

「……そういえば、我輩、なんで遊んでたんだっけ?」

 

 

 すっかりとハルヒの監視任務についての報告を忘れているケロロであった! 

 

 

 *****

 

 

 

「うんまーっ!! うんまうんま、うんまーい!!」

 

「ちょっ! よく噛んで食べなさいよね!」

 

「この肉野菜炒めといい、味加減が絶妙で……あっこの肉団子も美味であります!!」

 

 ケロロって……なんか愛嬌あるなぁ。

 宇宙人の軍人……それも軍曹。もっと鬼と付くくらい凶暴なのかなって思ったけど、割と大人しい……というか、たまに……いや、かなり子供っぽいところがあるし。

 

「あんたって、ほんと毎日楽しそうよね〜……」

 

「ゲロ?」

 

「……すこし、うらやましいわ」

 

 ここではない遠い世界を見つめる。

 頭の中でこれまでの少ない人生の日々を映画のフィルムのように流して振り返る。

 

「ケロロはさ。今までどんなことがあった?」

 

「そりゃー大変でありますよ。軍人でありますから。ガンプラ作って敵性宇宙人を吹っ飛ばして、休みの日にガンプラを買いに行って未開の惑星を調査したりー」

 

「あんたの人生の大半ってガンプラなわけ?」

 

 ため息半分呆れ半分……いや呆れしかしていないな。

 

「そりゃー楽しみがないと大変なことなんてやってられんでありますよ! 我輩、夏休みの宿題とか夏を遊び倒した後に一気にやる派だしー!」

 

「……そっか。……それに比べてあたしの日々ってなんだろう」

 

「────ハルヒ殿は日々の日常に満足していないでありますか?」

 

 ケロロのその言葉が耳に響く。

 

「……そうね。たぶん」

 

「そうでありますか。何もかもがつまらなくて、どうでもいいって感じ?」

 

「……そうね。宇宙人がいるって直に体験して知ってから世界が広がったーって思ってはいるけど。……けどその前は概ねそんな感じね」

 

 ────ずっと聞かれたかったのかもしれない。ずっと誰かに言いたかったのかもしれない。

 

 親父には悪いけど宇宙人の船にキャトられたいとか、そう言う考えもあったりする。

 ケロロは……そう望めば連れていってくれるのだろうか。あたしの知らない世界に。

 

「思春期とかの悩みって、異星人にも共通なのでありますなぁ。我輩、正直言って少しペコポン人に親近感が湧いてしまうであります」

 

「そう? あなた、あんまり悩まなさそうな性格してるけど」

 

「これでも我輩、結構悩んでんの!! 悩んでることあったりするの!」

 

 ケロロはプンスカと湯気をあげて両手を上げる。

 

「我輩もあーつまんねーな、マジなんなんだろーとか思うことはあったであります。けど結局────面白いことって意外とそこかしこに落ちてるもんでありますよ、ハルヒ殿」

 

「えっ────あっ、とっと」

 

 急にケロロが真面目なことを言い出すものだから握っていたコップをこぼしてしまいそうになる。

 

「過去に楽しかったことがなくても、これから見つければいいでありますよ。いくらでも楽しいことは探せば落ちてるもんだし、あるって信じた方が────きっと楽しいでありますよ」

 

 そっか。

 

「なるほど、ね」

 

 なぜケロロはいつも楽しそうなのか。

 刺激的な毎日が常にあるからとか、色んな世界を知っているからとか、そう言うのじゃなくて。

 

 ────だいぶ、腑に落ちた気がした。

 

 *****

 

 

 

 閑話2

 

「……ハルヒ殿、どうして吾輩にケロボールを容易に差し出しちゃったであります?」

 

「え? なんかケロロって信用できそうな気がしたもの!」

 

 ……ハルヒ殿……。

 

「あー楽しかった! けどまだなんか物足りないわね」

 

 ハルヒがガンプラをじっと見つめる。

 

「ねぇケロロ! なんかロボットみたいなの隠してない? ビームとかビューンって出るやつ!」

 

「は、えっ? そ、そそ、そんなのないでありますよ?」

 

 心当たりがないわけでもないが、とても持ち出せない。

 

「ほら、こう……ガンプラを本物の兵器に変える装置とかあったりしない!?」

 

「ど、ドラえもんの読みすぎであります!」

 

 ある(ナノラ)とは言えない軍曹であった。

 

 しかしまさかこの時、巨大ガンプラで宇宙戦争をやりたいと思ったハルヒによってタンスの中身が一時的に擬似的な宇宙空間に置き換わっていたことは誰も知らない。

 

 *****

 

 

 ────通信が繋がった。

 

 

 この度、司令官に隠れて件の任務について報告をすることとなった。

 

「観察対象……ハルヒ殿は、我々の知る彼女の力の一端すら……自身で認識していない…………善良なる一般市民であります」

 

『そうか……』

 

 一連の流れを説明した。

 

『公私混同は避けるべきだが……ケロロ軍曹』

 

「はい?」

 

『私にも娘がいてね……まだ軍の教育を受けていない純粋無垢な子なのだが……』

 

 写真を取り出す。

 

『なんの変哲も無いその子が……偶然大きな力を持った。そういうことなのかもしれないな』

 

「……司令官どの……」

 

『だがそれはそれ。これはこれだ。────軍務に私情は不要』

 

『────ケロロ軍曹。残念ながら、ケロン人と接触した観察対象の記憶消去は決定事項だ。上の決断は、もう覆りそうに無いだろう』

 

「そ、そんな……司令官どの!!」

 

『君にも休息が必要なようだ。あとで手配をしておくから、メディカルチェックを受けたまえ』

 

 *****

 

「────ただし、ケロロ軍曹。現在本部は対象との接触による記憶消去及び監視を決定してはいる。だが本部の過激派には、観察対象のペコポンを危険因子として抹殺しようと言う意見も少なからずあった」

 

「これは考えうる限りの最悪のケースだが……もし観察対象が何らかの形で暴走した場合────過激派の連中が決定を覆そうとする場合が」

 

 なぜかしんと、ケロロ側からの通信が途絶する。

 

「……あれ? 軍曹? ……ケロロ軍曹?」

 

「通信途絶しました」

 

「どこから?」

 

「過激派の話あたりです」

 

「一番肝心な部分じゃん……」

 

 

 ****

 

 

 

「────記憶の消去って……どういうこと……?」

 

 

「は、ハルヒどのっ……」

 

 しまった! 上官との話勝手に打ち切っちゃったよ!! あとで謝ればどうにかなるお話だっけこれ!? いや、そんなことより今は────

 

「いやよ!! そんなの絶対にいや!!」

 

「ハルヒどの……」

 

「宇宙人もいない! 超能力なんてない! 未知のテクノロジーなんて存在しない! なんにもなれない! あんなつまんない日々に戻るなんて絶対に嫌!!」

 

「お、落ち着くであります、ハルヒ殿!」

 

「いっぱいあったのに!! あなたといた時間が今までの人生の中で一番輝いてた!! ドキドキした! 楽しかった!! ずっとずっと……こんな時間が続くって信じてたのに!!」

 

 ハルヒはその場から逃げて出してしまう。

 

 行方不明になったハルヒを探して走る軍曹。

 しかし辺りの異変に気がつく。

 

 空って……こんなに歪んで見えていたか。

 

 あたりが静まり返り、時間がゆっくりになったり早くなったり。奇怪な現象がつぎつぎに起こる。

 

 ハルヒがこんな寂しい時間が早く過ぎれば。経ってほしくない、時間なんて止まってしまえ。

 

 さまざまな思考から、ハルヒの能力が暴走。

 

 ついには世界が青く静止し、謎の巨人が出現。

 本部、ケロロ共に大混乱に陥る。

 

 本部の過激派がハルヒを消そうと動き出そうとする。

 

 そんな中、ケロロは長門に発見され、状況の説明とハルヒの場所を知らされる。

 

 そんなに状況を把握してるなら、あんたらはどうにかできないわけ!? 

 

 無理と断言させられる。大元である情報思念も大混乱状態のようだ。

 

 最悪、地球が丸ごと吹っ飛ぶだけでなく、時間帯や因果やさまざまな法則が歪むことによって何もかもがお釈迦。太陽系……はたまた宇宙そのものが吹っ飛びかねないという。

 

 ハルヒに会え。

 長門にはそう告げられて去られてしまう。

 

 長門は本部に区間転移し、事態の説明をしていた。このことと今回の事態が、記憶消去と監視の完全な決定につながる。

 

 ハルヒと会うケロロ。

 

「我輩も楽しかったであります」

 

「やめて……やめてよ!! そんなこと言われたら……本当に! 本当に行っちゃうみたいじゃない!!」

 

「────いい加減にするでありますよ、ハルヒ殿!!」

 

「────っ!!」

 

「……我輩だって、辛いであります。記憶を消されるのは嫌だって、そう思っているのはハルヒ殿だけでないでありますよ」

 

「……えっ? そ、それって」

 

「────おそらく。我輩も、記憶の消去を命じられるであります」

 

 起きないかもしれない。だが起きるかもしれない。彼女に話を聞いてもらうには嘘をつくしかなかった。

 

「い、いやよ。そんなのいや。もっと嫌。ケロロだけが覚えてくれなきゃ。覚えて────」

 

「けど我輩、いい名案があるであります」

 

「な、なに……教えて!」

 

「じゃ、腕を出すであります」

 

「一緒に作ったガンプラ……」

 

「ガンダムの頭を……ぽんっと」

 

「あげるであります。ケロロ軍曹、渾身の出来であります」

 

「我輩たちの思い出って、そう簡単に消えてしまうものでありますかな?」

 

「────!」

 

「いくら薄くなってもいくら色褪せても……消えないものだってあるでありますよ。記憶は木の根のように根深いもの。あれ、ガンダムの頭、どこにやったっけな、ソロモンに落っことして来ちゃったのかなって────」

 

「────?」

 

「あっ、わかってない様子。要するに────」

 

「この欠けたガンプラが、きっと我輩たちの思い出に導いてくれるであります」

 

「きっと、また会えるのかな」

 

「約束はできないでありますが────我輩たちは基本、どこにでも潜んでいるであります」

 

 我輩が下手だっただけだからと自虐的に言う。

 

「────あ、本部? うん……了解であります」

 

「ほんの少しだけ、猶予をもらえるようであります。それまで────もっと色褪せることのない思い出を作るでありますよ。ハルヒ殿」

 

 

 ハルヒの心は情緒を取り戻す。

 きちんとした別れを済ました二人。

 

 

 *******

 

 

「宇宙人はいた。そう覚えていれば。そう信じていればきっと」

 

 ハルヒが眠る合間に別れ、ケロロは母艦へと帰還。

 

 記憶と痕跡の消去が行われ、ハルヒの記憶からはケロロに関する記憶は消去された。

 

 ハルヒは手に握りしめていたガンプラを見て、衝動的に家を飛び出した。

 

 どうすればいいか。自分でもわからないが、とにかく大きな字を。空の上からでも見えるような大きい字を。

 

 あたしらしく。あたしであると。そうわかるように書くにはどうすればいいか。

 

「ちょっとあんた!! 手伝って!!」

 

「え、えっ?」

 

 あたしはここにいる。

 

 ミステリーサークル

 

 裏山で飛び立つ輸送船の窓から、ハッキリと見えた。

 

 ガンプラだけが残っていたとしか。

 

「司令官どの!!」

 

「……なに、ちょっとした細工をな。対象のケロン人にのみ関する情報の消去──────その任務にはなんら支障はない」

 

 ────宇宙人はいた。

 

 その程度の認識があってたところで問題なかろう? と司令官は笑う。

 

「所詮、たった一人がボヤいたところで相手にはされぬよな……いや、なんでもない。引退前のじじいの独り言だよ。聞き流してくれたまえ」

 

「……ありがとうございます……っ!」

 

「それに、君たちには……もう一度ペコポンへ戻ってもらうかも知れんのだからな」

 

「──────え?」

 

 

 20XX年。

 

 地球は異星人の来訪を陰ながら迎える。

 それは他のものから見れば、侵略……とは頑なに言えるものではなかったかもしれない。

 

「こぉらぁぁぁボケガエルゥゥゥ!!」

 

「げ、ゲロォォォォ!? 夏美殿! ご勘弁おおおお!」

 

「軍曹ぉぉぉ!」

 

 言うなれば、原住民とのふれあい。

 

「はい! ケロちゃんにお・み・あ・げ!」

 

「ふおおお! 1/100スケール型ネオジオング! でけぇぇぇ、これは組み立てがいがあるでありますぅぅぅ! ありがとうぉぉママ殿ぉ〜!」

 

「よかったね、軍曹」

 

「ママに感謝しなさいよ、ボケガエル」

 

 交流に近いものであった。

 

 陰ながら彼らの侵略もまた、進んでいる。

 

「ケロロッ! 貴様いつになったらまともな作戦を考えるんだっ!!」

 

「軍曹さんのやる気のなさは今に始まったことじゃないですぅ〜」

 

「ク〜クックックッ……帰ってもいいかぁ〜?」

 

『(欠席)』

 

 そう。陰ながら……誰にも迷惑をかけない。

 地球人に、少しづつとはいえ、たしかに影響を与える。

 

「だってさぁ〜青ダルマくんがいるから完全に侵略っぽい侵略なんて無理なんだって〜」

 

「貴様っ!! またそんな言い訳をっ!!」

 

「いたっ! おい首しめんじゃねーよ赤ダルマ! 上司だぞ! 一応オレ上官だぞっ!」

 

「ならもっと上官らしく振舞ってみろっ!!」

 

 いつもの怒声とあくびの絶えない子供染みた会議室。そんな中で、ケロロ自身は悩んで悩みぬいたのだ。

 

「んだとこの赤ダルマ!」

 

「貴様も緑ダルマだろうが!!」

 

「止めた方がいいっすかね?」

 

「帰ればいいんじゃねーの〜? クククッ」

 

「(欠せ────喧嘩はダメだよギロロくん! ケロロくん!」

 

『うっせぇ黙れ!!』

 

「ひ、ひどい……」

 

 従来の武力による侵略とは違う。

 文化的かつ、知的な侵略。

 

 

『──────今度異星人をテーマにアニメとか作ってみたいかも!! せっかくだから……ノンフィクションでやってみたいわね』

 

「──────あっ!! そっか!!!」

 

「はぁ?」

 

「これとかどうっすかね!!」

 

 平和的で────そう、他の異星人ではない。

 ケロン人。いや、ケロロだからできたこと。

 

 

『ゲロゲロゲロっ! いざ進め〜! 地球侵略せーよっ!』

 

 

 アニメ侵略大作戦。

 

 これは……ケロロたちのノンフィクションの日常を、中毒性のあるオープニング、脚色無しでネットで全国に放映する作戦。

 

 アニメタイトルは『ケロロ軍曹』。

 

 今までのアニメ作品の失敗を、脚本アドバイザー冬樹の指揮のもとで振り返り、

 

 この作戦……もといアニメは多くの人に愛され、地球における、文化に深く根づいた。

 

 後の地球人とケロン人による平和的交流の礎となった作戦である。

 

 

 その中でも、ケロロ自身が脚本を書いた話は、今作品のきっかけ。

 

 その話は最終回として放映された。

 

 

 タイトルは──────

 

 

「『ケロロ軍曹の憂鬱』ってどう? ケロロッ!」

 

 

 副監督(最終回限定)において、決められたそうな。

 

 

 

「おや、ハルヒ殿からのアドバイスでありますかぁ〜ぜひぜひ参考にさせてもらうであります! そういえば、最近はどうであります? 学校で友達は多くできたでありますか?」

 

「えぇ、もっちろんよ!」

 

 

 ────────おしまい。

 

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