ACE COMBAT after story of the demon of the round table   作:F.Y

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対艦攻撃と再補給

 1996年 1月28日 0949時 ノルドランド ソルカセマリルム湾上空

 

「くそっ・・・・・・・」

 

 ジャガーは上空で対艦ミサイルの直撃を受け、沈んでいくケルハイムを見ていた。この借りは必ず返す。

 

『サイファーよりジャガーへ。間もなく敵艦船を射程内に捉える』

 

 サイファーの言葉がジャガーを現実に引き戻した。奴らを撃破せねば、今度は自分が同じような目に遭ってしまう。

 

「了解です、サイファー。奴らを仕留めます」

 

 ジャガーはJAS-39Cの火器管制画面を表示させ、RBS-15Fを選択した。ノルドランド空軍は、F-16CにはAGM-119ペンギンとAGM-84ハープーン、JAS-39Cにはこのミサイルを搭載して対艦攻撃に使っている。

サイファーのSu-35BMに搭載されるKh-31に比べたら射程は短いが、それでもウェルヴァキア海軍のフリゲートや駆逐艦を損傷させるには十分な破壊力がある。

 

「ジャガー、最大射程で撃て。タイミングは任せる」

 

『しかし、サイファー。それより先にあなたのミサイルが射程内に敵を捉えますが』

 

「いいから命令通りにしろ」

 

『・・・・・・わかりました』

 

 ジャガーはJAS-39Cのレーダーモードを対艦に切り替えた。HUDには標的となったウェルヴァキア海軍の駆逐艦までの距離が表示される。やがて、HUDの視界にターゲットとなったフリゲート"マルツキエスク"の姿が小さく見えてきた。緑色の四角いグリッドの目標指示ボックスが標的と重なった。レーダーをスイープからロックに切り替えた。目標指示ボックスが緑色から赤に変わり、コックピットにミサイルが目標をロックオンしたことを知らせる電子音が鳴り響く。

 

「マングース2、標的を・・・・・」

 

『やれ!』

 

 ジャガーは間髪を入れず、操縦棹の発射ボタンを押した。2発のRBS-15Fが空中に投げ出され、ほんの少し落下した後、ロケットモーターに点火して敵艦へと飛翔を始めた。

 一方、サイファーもSu-35BMのレーダーで同じ敵艦を捉えていた。少しだけタイミングをずらしてからKh-31Aを1発撃った。更にノルドランド空軍のF-16からペンギンやハープーンが放たれ、傭兵のラファールCやF-2A、F/A-18Cからも対艦ミサイルが飛んでいく。

 

 敵艦隊を攻撃するのは戦闘機だけでは無かった。ノルドランド海軍のP-3CオライオンやS-3Bヴァイキングといった哨戒機が魚雷や空対艦ミサイルを放つ。まさに飽和攻撃だ。もし、ここを守り切ることができなければ、ウェルヴァキア陸軍の上陸を許してしまい、国土を一気に侵攻されてしまうことになる。それだけは絶対に避けねばならなかった。

 

 1996年 1月28日 0950時 ノルドランド ソルカセマリルム湾上空

 

 ウェルヴァキア海軍のYak-38が空対空ミサイルを食らって爆発し、海面に向かって落下していった。撃ったのはノルドランドが雇った傭兵のF/A-18Cだ。

 

「おい。Yak-38だと?ウェルヴァキアはこんなものを持っているのか?」

 

『奴ら、ジリノルスクに搭載して運用し始めたな。多分、ユークトバニアから買ったはずだ』

 

「くそっ。ジリノルスクってのは空母か?俺にはよくわからん」

 

『いや。空母では無い。だが、かなり大型の巡洋艦で、後部にヘリを3機まで搭載できるヘリパッドと2機まで収容できる格納庫があったはずだ。俺の記憶によれば、基本的にはKa-32を搭載していたが、改修してフォージャーを載せ始めたようだな』

 

「他の連中にも知らせるか?相棒」

 

『当然だ。AWACSにも警告しておいてくれ』

 

 1996年 1月28日 0951時 ノルドランド ソルカセマリルム湾上空

 

 一体、どうなっているんだ?ジャガーはAWACSからたった今入った知らせに対して、かなり懐疑的な考えを抱いた。VTOL機を巡洋艦のヘリパッドで運用だって?確かに、ウェルヴァキア海軍はヘリを他の巡洋艦よりも2機から3機ほど多く搭載する大型艦船を保有していたが、それにVTOL機を搭載するだなんて聞いたことが無かった。

 

『マングース2、ミサイルを撃ち尽くしたな。一旦補給に戻るぞ』

 

「わかりました。まだ艦船を撃つつもりですか?」

 

『当然だ。戦闘機をちまちま撃ち落とすより、デカブツを潰した方が金になるからな』

 

 一般的に、傭兵が受け取る報酬は、どんな標的をどれだけ破壊したかによって決まる。そのため、傭兵たちは、自分が持つ戦闘機にはHUDの画像やレーダーとFCSの電波記録を記録する装置を搭載している。作戦が終了し、帰還した時にそれを雇い主の軍の司令部に提出した上で、その日の作戦の報酬の値段の交渉を行うのだ。

 

「・・・・・・あなたならば、そう言うと思いましたよ」

 

 1996年 1月28日 1001時 ノルドランド パルダール空軍基地

 

 事前に管制塔を通して整備部隊に兵装のオーダーを伝えておいたため、兵装と燃料の再補給は非常にスムーズにいった。Su-35BMには4発のKh-31M、JAS-39Cには2発のRBS-15Fが搭載される。滑走路の方を見ると、ラファールBやF-15E、F-2Aといった戦闘機が着陸アプローチに入ったところだった。この傭兵連中も弾切れになってきたらしい。誰もが急いで再武装を終え、戦場に戻りたがっているような連中だ。そんな連中に、ノルドランド空軍の現場の空軍兵たちや空軍司令部の上級将校たちはかなり振り回されていたが、それに関しては彼らはある程度は目をつぶっていた。傭兵連中は金食い虫だが、それに見合った活躍をしているからである。

 

 再補給のために着陸した戦闘機の一団がエプロンに向かうと、管制塔からサイファーとジャガーに離陸許可が出た。誘導路では、傭兵とノルドランド空軍の戦闘機が列を成して離陸を待っている。

 サイファーは許可が出るなりアフターバーナーに点火させ、激しい轟音を轟かせながら再びソルカセマリルム湾に向けて飛び去って行った。ジャガーのグリペンも後に続く。それから20機近い戦闘機が次々とパルダールからソルカセマリルムに向けて飛んで行った。その直後、また戦闘機が補給のためにやって来る。パルダール空軍基地の管制官と整備兵たちは離発着する戦闘機の整備や管制に忙殺されていた。

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