Fate/Cinderella night. Encored Grail war ~ニュージェネ+αで聖杯戦争~ 作:藻介
最後の戦場、柳堂寺奥の大聖杯へと向けて、夜の深山町を歩いていく。すべての家の明かりが消え、草木までもが眠っているように静か。このまま何も手を打たなければ、数日後には昼間でもこの状態が続くことになる。そうなれば、事態が大っぴらになって、全ての元凶として協会はあーちゃんとしまむーごと聖杯を破壊するか、魔術の道具として封印してしまう。
その前に、聖杯から二人を摘出する。
やることは決まった。十分な魔力供給が望めないセイバーへの臨時措置として、イリヤスフィールとのパスを一時的に通した。今のセイバーとアーチャーなら、バーサーカーにだって負けやしない。
それでも戦力はできるだけ多い方がいい。移動中の話題は自然とその辺りへと集まった。
「ライダーは、既に敗退していると考えた方がよいでしょうね」
そう言うアーチャー自身が、自分に代わりあの影へ向かっていくライダーの姿を見ていたらしい。
イリヤスフィールの話によれば、あの影の触手への接触は基本的に死を意味する。それどころか、サーヴァントが触れればその霊基を汚染され、全く別物にされてしまうとのことらしい。その影響力は、まっとうな英霊であるほどに強くなるとも。
「あとは、ランサーだけど」
「向こうも結構な英雄だからね。残っている可能性の方が低いんじゃないかな」
実際に相手をしたことのあるセイバーが言うのなら、やはりこれにも頷くしかない。
「となると、向こうは当初から想定していたアサシン、キャスター、バーサーカーに加えて、ランサーに、正体不明宝具も不明のライダーまで配置している可能性がある、か」
「ええ。あまり敵を大きく考えすぎるのもよくないけど、最悪の場合そうなるでしょうね」
希望的な観測はあまりできなかった。やらなくちゃ、大切なものを失う。これは、これ以上何も失わないための戦いだった。そのために捨てるものを決めてきた。得るものは何も無い。初めからこの戦いに報酬なんて何もない。
それでもかまわないと、また歩みを進める。
住宅地を抜け、学校の校門前を通り過ぎ、一カ月先に咲く予定の桜のつぼみを見上げて、その先の星空に手を伸ばした。そしてなおも坂を上る。その末に、山門前の階段にたどり着いた。
「よう。割と早かったな」
百段は優に超えていようかという大階段、その中腹にランサーが座り込んでいた。あの高さから槍の振り下ろしがくれば、人一人、ついでにもう一人は殺せるだろう。全員が緊張を顔に出して、自分の得物を構えた。
「ランサー」
けれど、ランサーは自慢の朱槍を持ってはいなかった。出すつもりもないらしく、
「そう構えなさんな。今のオレにあんたらと戦う意思はない。なにせ、ここにこうしているだけで精いっぱいなんでな」
そう言ってランサーは、林の影で隠れていた左腕を上げた。さっきから妙に動きがないと思っていたけど、それも当然だった。付け根からきれいに切り取られていた。
「……それ」
「やられたんじゃねえぞ、自分で斬り落としたんだ。てか嬢ちゃん、オレなんかよりも、優先すべきことがあんじゃねーの?」
頷く。得物は持ったまま、警戒を解くことはなく全員で階段を一段一段登っていった。
ついにランサーの横を通り過ぎたとき、なんとなく言っておかなくちゃいけない気がして、
「…………ランサー。よくわからないんだけど、まあ一応、ありがとう」
決して彼の方を見ることなくそう告げて、それからは大股で駆け上がった。だから返答を聞いている暇があったわけもない。
「おう。いつだって、美人に感謝されるほど気持ちのいいことはない。ああ、報酬としちゃあ十分だ。てなわけだからよ、アインツベルンのマスター」
唯一その場に残ったイリヤスフィールによれば、それは、私が完全に境内に入った後のことだったらしい。私の預かり知らないところで、彼はケルトの大英雄の名に恥じないだけのことをして、
「回収、しっかり頼むぜ」
私の預かり知らないところで、自ら消えていった。
———その一方で、境内の中にいた私たちは信じられない物を見ていた。
同時に繰り出される致死の刃、その三連。全てを押し切って。
唱えられる神代の超魔術、その十連。全てを弾いて。
振り下ろされる破壊の剛腕、その百連。全てを打倒して。
そしてなお、燃え続ける炎は勢いを止めない。
熱風に羽織っていたローブがどこかへ吹き飛ばされた。その下から、これまた燃えるように長くのばされた髪が舞い上がる。
「——————茜!?」
セイバーの驚嘆の声が響く。それがあのライダーの真名。
違った。ステータスに表記されているクラスは、ライダーのそれではなかった。
「……アルターエゴ、エクストラクラス!?」
すべての敵影を奥の方へと吹き飛ばして、ライダー改めアルターエゴは、こちらを振り返ったかと思うと手をぶんぶん音が鳴りそうなくらいに振って、にっこりと笑っていた。
「未央ちゃーーん!!!! 凛さーーん!!!! 元気ですかーーーー!!!!!!」
なんというか、うん、なんというか。
「シリアス が こわれる」
Interlude 聖杯戦争開始二日前 1月29日(日)深夜
月がきれいな夜だった。雲一つない、からからに乾いた空気。その中に響く助けてほしいという願い。
アルターエゴ日野茜が召喚に応じたところには、いくつかの理由がある。けれど主人格である茜が理由として選んだのは、その願いを聞いてしまったこと。それだけった。
女神ペレ、イザナミ、ウルカヌス、並びに複数のエッセンスをダウンロード完了。なおも主人格に変更なし。各神霊同意。意識再浮上。主人格に地属性付与を確認。以下異常なし。現界完了。
目を開ける。腐臭がする。壁、床、天井、視界に映るありとあらゆる場所を、主亡き魔蟲が這っていた。その中央、裸でうずくまる少女からパスを感じる。
自分がどういう存在で、何をするべきなのか、茜は知っていた。その子のために戦って、その子のために仮の命を投げだす。ゆえに確認する。自分に助けを求めた少女の顔を、茜は早く見たかった。
その顔は、自分のよく知る友人の物だった。
「——————茜、ちゃん?」
友人の少女、高森藍子がその生気の感じられない目をこちらに向ける。
「藍子ちゃん!!」
すぐに駆けよりたかった。その小さな肩を抱き上げて、すぐにこの気持ち悪い部屋から連れ出したかった。
「来ないで! 茜ちゃん!!」
それも、彼女の鋭い声で遮られた。
「藍子、ちゃん?」
「ごめんね、茜ちゃん。でも、こうでもしないと、私、今にも茜ちゃんのこと、食べちゃいそうだったから。それは、いやだったから。だから」
それは藍子が残した、聖杯への反逆。
「——————令呪を以て命じます、未央ちゃんを守って」
サーヴァントが何なのかは知らない。それでも、茜になら任せられる気がした。
「——————重ねて令呪を以て命じます、卯月ちゃんも守って」
令呪が何なのかも理解していない。それでも、聞いてほしい
「——————さらに重ねて令呪を以て、これを絶対にします。…………茜ちゃん、お願い。みんなを、守って」
ただ、誰にも傷ついてほしくないと。藍子は希望を茜に託していた。これ以上、自分がどこまで自分でいられるのかも分からない。その時に、大切なものを守ってくれる誰かがいる。自分を止めてくれる誰かがいる。
「さあ、行って! 早く!!」
それだけで、安心して茜を送り出せた。
どうにもできず、茜は素直に蟲蔵を飛び出す。その背中を藍子は、優しく見守った。
家々の屋根を飛び越え、川を跨ぎ、新都を歩く人々をビルの上から茜は見下ろす。
みんなを守ってほしい。それが藍子の願い。
できるかどうか、それは大した問題じゃなかった。やれるならやる。それでいい。
ただ一つ、疑問が残っていた。『みんな』とはだれのことだろう。
今見下ろしている街を歩く人たちのことか。橋向こうに見える住宅街で眠るたくさんの人たちのことか。それとも、その中にいるはずの、未来の友人たちのことなのか。
その全部だと思う。ただそれなら、もう一人、その『みんな』に含まれていなければいけない人がいる。
——————藍子本人だ。
みんなを守るのなら、彼女を含めて本当にみんなを守らなくてはいけない。
それは、かつて誰かの願った理想。誰かが今も追う理想。その果てには孤独の断崖しか待っていない。
茜はそんなことは知らない。知っていても無視した。
ただ守りたい。心が欠けているからではなくて、ただ何も考えていなかったから。理性が半ば蒸発していたからこそ、自分の心に一番まっすぐな答えを素直に見つめれられた。
「わたしはみんなを守りますよ!! だってみんな大切ですから!! 大切なものを守りたい。それはこの世にあるどんな気持ちよりも! どんな悪意や苦しみよりも!! ぜったいぜったいぜぇーーーーーったい!!!!!! 確かな願いなんですから!!!!」
月に向かって叫んだ。誰かが聞いていたかもしれない。けれど、振り返ってもそこに茜の姿は無かっただろう。なぜなら、彼女は止まっていられないから。
それからは本当に、自分の心の赴くままに従って行動した。
Interlude out
「……ねえ、アーチャー。あの触手、触れたら一発でアウトなんだよね?」
「ええ。そのはずです。ランサーが左腕を切り取ってどうにか生還していた所からすると、浸食には少しの時間がかかるようですが、それも一瞬でしょう。…………アカネと言いましたか。聞かぬ真名ですが、だとしても、あの火力で相応の出自を持っていないわけがないはずなのですが」
アルターエゴはまだ戦場に立ったままだった。吹き飛ばしてすぐに復活したアサシンの刀をいなし続けている。それでも三体同時に相手するよりは幾分余裕があるらしい、脇腹に鋭いボディーナックルを入れて再びアサシンをダウンさせた後、こちらに聞こえるくらいの大きな声で。
「アイドルがっ!! まっとうな英雄なわけないでしょう!!!」
「確かにそれもそうだけど、いろんな方面にケンカ売るのは止めようか茜!」
セイバーがツッコミを入れていた。
「セイバー。あれ、知り合い?」
「…………まあ、一応。ていうか、茜にツッコミ入れるのは未央の仕事のはずだったと思うんだけど」
「そんな聞くだにはちゃめちゃな職場に就職した覚えはないよ」
その後続いて復活したキャスターまで、燃える足で蹴り飛ばしているのを見ていると、アイドルって何だっけとか思えてくる。まあ、ちょうど隣にいるセイバーがアルターエゴの知り合いだったことを考えると、彼女もアイドルという可能性が出てくるわけで。それまで含めれば、昨日アーチャーに勧められた将来の就職先がよけい魔境魔窟に見えた。
「昨日も同じようなことを言った気がしますが! もう一回言いますね!!」
混迷を極める思考を遮ったのは、またしても空に響き渡るような大きな声。
見れば、ついに起き上がったバーサーカーを前にして、なおも彼女はその声を高らかに上げていた。
「ここはわたしに任せてください!! 未央ちゃん! マスターを、藍子ちゃんを! 助けてあげてくださいね!!!」
「…………」
ただ、どれだけ個性的だろうと、彼女もあーちゃんのことを思ってここまで来てくれた。なのだから、それ以上何も考える必要はないだろう。ただ一言、
「うん! 任せて、茜ちん!」
応じて、進むだけで良かった。
イリヤスフィールはまだ境内の外、すぐに追いつくらしいけど、待っていられる状況でもない。先行するセイバーとアーチャーを強化した脚力で追って、森を抜けていく。その途中、そう寺から離れてもいない場所で、アーチャーが立ち止まった。
「アーチャー?」
脚を止めて、呼びかけた。アーチャーは境内の方を見つつ何かを考えているみたいだった。それも三秒と待たずに終わり、こちらをまっすぐに見据えて言う。
「ミオ、一つ、お願いしたいことがあります」
提案でも、忠告でもなく、お願いだった。ならそれはサーヴァントとしてでも、教師としてでもない。きっと友達としてのモノだろう。中身を聞くまでもない、答えは初めから決まっている。それに、なんとなく察しもついていたことだし。
「いいよ。アーチャー。いっといで」
「ええ。ありがとう、ミオ。最後になりますが、今回の聖杯戦争、貴女が私のマスターで本当に良かった」
「私も。君がサーヴァントで、それから、友達になれて、ほんとうのほんとうに良かった」
「はい。では、どうかご武運を。セイバー、道中、ミオの護衛は任せましたよ」
「分かってる。ほら、早く行きなよ」
セイバーのそっけない態度に、アーチャーは微笑んでいた。
「最後まで素直ではなかったですね。ええ、それでは、あなた達に星の導きがありますように」
そのままアーチャーは振り返りもせずに、来た道を逆に引き返していく。
これで、私の魔術師としての聖杯戦争は本当に終わった。だからここからは、彼が指し示してくれた道を行こう。そのために。
「セイバー、急ぐよ」
「言われなくても」
再び脚力を強化、セイバーの高い敏捷には遠く及ばない。それでも全力であーちゃんの下に急ぐ。
私は、またもう一度スタート地点に立つために。
——————この先で、二番目に大切なものを捨てるのだ
Interlude
基本、敵サーヴァントは無限湧き。すでにランサーと交代してから一時間、その間の戦闘でアルターエゴ・日野茜が学んでいたことだった。
目に映るあちこちに水たまりのように淀む泥。そこから復活している。
幸いなことは、一騎のサーヴァントが同時に現れたりしないこと。損傷の修復はできても、複製はできない。それが向こうの限界。
ならばとるべき手段は一つ。
関節技の要領でアサシンの脊髄を折る。その間は動けまいとキャスターが宝具の短刀を持って迫った。それをすれすれで躱し、投げてノックダウン。粒子になって消えていくそれに目もくれず、周囲一帯の魔力の流れを肌で感じる。
四十七。軽い。
「燃やします! 『
森のあちこちから火の手が上がる。ただし樹木は燃えない、そんな無駄な火力は使えない。
『この世全ての悪』とて、今は泥という形をとっている。泥である以上、燃やせば蒸発するのが道理。とは言っても、茜自身に確信があったわけではなかった。ただ自信はあった。なのでやってみた。成功した。とっても
これで、茜が炎を展開している以上、泥は自分の修復にとらわれてサーヴァントの復活に魔力を使えない。敵が泥の総量を増やした時は、その時でまた火を増やすだけでいい。
「つまり、一対一であなたと闘えるわけです!! バーサーカー!!」
「■■■■■■■■■■■■ーーーーーーーー!!!!!」
すでに都合六度その命を削っていた。聖杯戦争初日の彼から感じた技の冴えを、目の前の怪物からは感じない。
おそらく、イリヤスフィールがいたときのまま、理性を多少保ったままのバーサーカー相手なら、こうも容易く削れはしなかったはずだ。そちらには、さすがに茜も自信が持てない。
すでに脊髄を折り、頭を腕で砕いて、脚で圧縮し、四肢を燃やし、高く放り投げ、胴を焼き切った。手詰まりだった。これ以上、どうにも倒し方が思いつかない。
「宝具の全力は、温存しなくちゃいけませんから……。さて、どうしましょうか」
迫る巨体から中空に逃げる。マスターがいたときに比べて弱体化したとは言っても、それで逃がしてくれるバーサーカーではなかったらしい。宙に浮いてそれ以上逃げ場のない茜に、その腕を振り上げる。
ガードのため両腕を組んで体を丸める。骨がいくつか折れるかもしれない。どちらにせよこのままではじり貧なのだから、攻撃手段がここですこしくらい減っても構わない。その判断だった。
「——————ええ。その判断は正しい。ですが私なら、もう少し別の手段を模索しますが」
目と鼻の先にあったバーサーカーの腕と自分の体との間で、爆風が起きたのは、それが耳に届くのとほぼ同時だった。
すぐにバランスを取り、バーサーカーと離れた位置に着地する。振り向かない。そこにいるのが誰かなのかは、顔を見ずとも分かっていた。
「アーチャー。昨日、未央ちゃんのことを任せたはずですが。それとも日ごとに更新する必要有りでしたか?」
「いいえ、それには及びません。彼女のことはセイバーに託しました。ですので、私がここにいるのは完全な私用です」
「私用、ですか? どうしてか分かりませんが、あなたがそれを理由にするのはとても珍しいと感じています。不思議です」
「その不思議こそが、理由ですよ」
アーチャーも確かに感じていた。自分とは違う自分。ここではない別のどこかで戦った記憶。その中で、ともにあった未央ではないマスターの少女。
その面影を、アーチャーは茜に重ねていた。
国籍も違う。名前も違う。瞳に宿る強さの種類も違えば、自分の足で活発に動き回る姿は、常に車イスでの生活を余儀なくされていた彼女では、とても考えられなかったことだ。
けれど、それでもなぜか、最後の教え子の姿に重なってしまった。
だからもう、放っておけない。おせっかいでわがまま、こんな甘えが自分にまだ残っているのだとは知らなかった。けれど無視できない。それを許してくれた未央には感謝しかない。
「ずっと思っていました。結局最後まで、彼女とは肩を並べて同じ戦場に立つことはできなかった。それが戦の道理だとは理解していましたし、気にならないくらいたくさんの物を、私は彼女からもらっていた。しかし、悔いは忘れても思い出してしまうもの」
二人の視線の先で、バーサーカーが立ち上がる。殺気に満ちた視線をアーチャーは正面から迎え撃つ。
「とどめは私が、この命に代えてでも! 方法は教えます! あと五度、彼を倒してください! どうか、貴女とともにもう一度!!」
「はい!! 頼みます! アーチャー!!!」
先手必勝、走り出す茜。その顔にほんの一瞬だけ、柔らかな笑顔が浮かんでいた。
Interlude out
マテリアルが更新されました。
(読み飛ばし可)
・アルターエゴ/日野茜
・ローブに身を包んだ小柄の人物。バーサーカーと遭遇した卯月達に介入し、撤退させる。
・藍子のサーヴァント。ハワイ島の女神ペレをはじめとした様々な火山系神霊のエッセンスを取り入れた(テンションが超絶)ハイサーヴァントにして、現世の日野茜の肉体を依り代に現界した疑似サーヴァント。発言内容がやや神霊よりになっているだけで人格の主導権は茜が握っているというおまけつき。珍しく抑止力が仕事した結果である。ここの抑止力、もしや茜Pなんじゃなかろうか。
・召喚時点で聖杯からの知識により未来の記録を見ている(そしておそらく数日で忘れる)ため、セイバーのことも知っている。逆に、仕事で知り合っている藍子とセイバー以外は、彼女のことを知らない。
・CV赤﨑千夏つながりでフィオレ・フォルベッジのエッセンスもごく少量含まれている。
・ローブで顔を隠していたのは夜道を歩くときの補導対策。作中時間ですでにそこそこの知名度があり、プロデューサーをはじめとした事務所の人たちに迷惑をかけてはいけないという、元ラグビー部マネージャーとしての気づかい。
・混沌・善・地
・ステータス
筋力B 耐久EX 敏捷A+ 魔力A 幸運B 宝具EX
・宝具
・火山大大大噴火(みなぎれ!ボボボンバー)EX 対人(対山)宝具
・常時発動型の宝具で、燃え上がる火山の概念を身にまとう。放熱と発火を自在に操れ、最大展開時には大山宝具並みの火力と殲滅力を誇る。自分自身が、火山になることだ。
・スキル
・アイドルのカリスマEX
・アイドルの直感B
・戦闘続行A
・騎乗D
・女神の神格B
・ハイサーヴァントー
・天性の肉体(地)EX
・生まれながらにして生物として完璧な肉体を持つことを表すスキル。取り入れた多くの火山神由来のスキルで、生物としてではなく、大いなる自然の普遍性の顕れと言った方が正しい。筋力に一時的なボーナスを得られるほか、霊核さえ無事なら次の日には精神肉体魂ともに万全の状態まで回復できる驚異的なタフネスさも兼ね備える。その様は形状記憶アイドル日野茜、あるいはお湯五分で最高のパフォーマンスを約束するカレーメシ、またはどんな重傷を負っても次のコマではけろっとしているギャグ漫画のキャラクターのよう。これ以上なく彼女に適合したスキル。ただし環境破壊、テメーはダメだ。
・「はっ! アイドルをなめないでください!! この世全ての悪? そんなの、おいしいごはんをお腹いっぱい食べて、一晩ぐっすり眠れば大概忘れられます! 実際なんにも覚えてません!!! 凛さーん! 昨日食べた麻婆豆腐がいまだにずんがずんがしているんですが! あの泥飲んだら少しは治まりますかーーー!!」「茜、あれ食べ物ですらないから。それとその麻婆豆腐も人間が食べれるものじゃないと思う、見たこともないけど」「……セイバー、アイドルとは、皆あのように強靭なのですか?」「茜は特別。私だったら一カ月は絶対寝込む」「それだけで忘れさられるこの世全ての悪もなかなか不憫ですね」
・理性蒸発D
・物事を深く考えない。とっても素直です。
・本来なら直感などの複合スキルとして作用するが、別スキルとして直感がすでにあるので精神効果のみの低ランク仕様。精神妨害に少しの耐性を得る他、多くの神性と同居している現状、主人格を支える一助にもなっている。
「ひーのーあかねはっ! 砕けないっっ!!!!」
・高森藍子
・未央のクラスメイト。一年ほど前からアイドルをしている、穂村原学園中等部三年生。アルターエゴ日野茜のマスター。
・アイドルを始めたての頃に倒れたところを未央に助けられ、それ以来、家で一人になりがちな未央にごはんを作りに行くようになる。
・上記の時に未央は藍子に魔術回路があることに気づき、虚数魔術の素養があることを見抜いていた。
・ゆるふわ
・虚数空間による実世界時間軸の浸食とその固定化、その別称。ある程度の広さの空間を指定して、その範囲内の時間軸を虚数空間内の不安定なものと同期させる。魔力の質も量も平均のため、普段は周りの時間をほんのりゆっくりにする程度。ただし多量の魔力で回せば、範囲内の時間流を自由に速くしたり遅くしたりできる。ステータス的には対象の敏捷ステータスを最低値(E-)に引き下げるのと同じ効果。
・周りの時間流をそのままに固定し、精神時間を膨大なまでに引き延ばすことで、意識と現実の間に時間流の齟齬を作り出し、永遠とも思える責め苦を手軽に与えることができるなど、応用の仕方によっては残酷な可能性も持つ。暗い部屋の中、わずかな採光窓から移される地獄を延々と見せ続けられるような。カメラとは、あるいは孤独による拷問だったのかもしれない。
・未央に助けられる数日前、聖杯戦争の開始を察知したマキリによって聖杯の欠片を埋め込まれる(その数日行方不明になっていた)。開始が近づき、大聖杯に呼応する形で魔術回路が励起、苦しみから助けを求める中でサーヴァントを呼び出した。
・開始から数日間サーヴァントの脱落が無く、空のままの聖杯が際限なく魔力を求めるようになる。やがてその欲求と同調し始めた藍子は、柳堂寺に赴き、キャスターとアサシンを殺害。同時に住職全員の精神時間を引き延ばすことで、昏睡状態にする。一件安らかに眠っているようにしか見えないが、その実は精神に極々微量の聖杯の中身(この世全ての悪)が混じり足先から侵食、永遠とも呼べる苦しみを内世界で味わっている。その魂の感情エネルギーを聖杯に捧げることで、どうしようもない空腹感を、(サーヴァントは除いて)ただ一人の死者も出さずに紛らわせていた。ゆるふわと第三魔法による、疑似的な半永久機関がそこに成立していた。
・■■■■
・型月で一番怖い眼鏡。
・ロード・エルメロイ二世に頼まれ、再演された聖杯戦争をシエルとともに視察していた。
・イリヤに「——————を見せる」ことを交換条件にして、藍子の■■■■を依頼される。「——————だけが保証された、急造の出来損ないで良ければ」とこれを受諾した。
・ランサー/クー・フーリン
・本聖杯戦争における知られざるMVP。令呪を使われる前に言峰を殺し柳堂寺と根性と意地で再契約。負傷した茜に変わって聖杯の相手を引き受け、お腹のすいた茜にバイト先(アーネンエルベ)の特別割引食べ放題優待券を渡した後、撤退させ、未央が覚悟を決めるまでの時間を稼ぎ聖杯から無辜の民を守りつつ、その上おっ死んだ後まで迷惑かけるわけにもいかねぇと、イリヤの前で自害し魂を回収させた。まさに英雄オブ英雄。ケルトの大英雄にふさわしい八面六臂の大活躍をしていた。本文中にて語られることはなかったが。