転生先はアベンジャーズ!?生き残れる自信がありません!!   作:断空我

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短編のランキングにちょことっとのっていたことに驚きました。

皆、アベンジャーズが大好きなんだな。

これも読者のおかげです。

実はこの話、シンジのヒーローとしての名前、全く考えていなかったんだよなぁ。

なので、ヒーロー名は皆さんの想像にお任せします。



ウィンター・ソルジャー(後編)

――インサイト計画。

 

 S.H.I.L.E.D.の長官、ニック・フューリーが二年前のニューヨークのアベンジャーズとチタウリの戦いを経て、世界安全保障委員会に防衛の強化を訴えたことからはじまったプロジェクトであり、新型ヘリキャリア三機と複数の偵察衛星とデータマイニング・アルゴリズムを用いて、検知される「将来的に“世界平和を乱す危険性”を持つ人物」を一斉に先制攻撃して排除するというもの。

 

 防衛のための先制攻撃とでもいうべき、この計画に対してキャプテン・アメリカ、スティーブ・ロジャースは反対していた。

 

 話を聞いた俺も正直、よく思っていない。

 

 世界平和、それは誰もが望むことだろう、リアリストはおとぎ話というものもいる。

 

 だが、実際にそれを実行しようとフューリーは考えた。

 

 そのためのインサイト計画。

 

 けれども、この計画がもし悪意ある者達によって手を加えられているとしたら?

 

 もし、この計画が世界平和ではなく、悪意を持つ集団にとって邪魔な者達の排除だとするならば?

 

 世界平和のための計画ではなく、悪魔のための最悪な計画だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「生き残りたければ、銃をとれ」

 

 廃墟。

 

 多くの死体が転がっている中で俺は一人の少女へ銃を差し出していた。

 

 少女の傍には両親と思える死体がある。

 

 兵器会社から横流しして入手したミサイルの巻き添えを受けたのだろう。

 

 涙は枯れたのか、こちらを見上げる少女の瞳に光はない。

 

「生きて、意味があるの?」

 

 少女の言葉に俺は言った。

 

「意味が欲しいというのなら、自分でみつけるんだな。俺はそうしてきた」

 

「貴方にとって、生きる意味って?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っはぁ!」

 

「無理に動かないで何針か縫っているから」

 

 起き上がろうとしたところでナターシャにやんわりと抑えられた。

 

「こ、ここは?」

 

「秘密の隠れ家というものだよ。ジャッカー」

 

 隣をみると死んだはずのフューリーがいた。

 

「悪夢か、死んだはずの人間がいるぞ?」

 

「開口一番、悪態がつけるのは元気な証拠だ」

 

 にやりと笑みを浮かべるニック・フューリー。

 

「悪夢か?死んだ人間が隣のベッドにいるなんて」

 

「そうみせかけていたらしい」

 

 簡易的なベッドの横にスティーブが腰かけていた。

 

「タフな体だな。本来なら出血多量で死んでいたぞ?」

 

 サムが感心したようなことをいうけれど、貴方、なんでここにいるの?

 

「マジか……追撃から振り切るためにも川に飛び込んだのは失敗だったか」

 

 偶然にも、本当に偶然にもマリアが傍にいたことを知った俺は川に落ちて死んだことにみせかけた。

 

 意識を失っている俺をマリアは回収してここへ運んでくれたのだという。

 

 こんな時に神様の転生特典に救われるなんて、喜んでいいのか、悲しんでいいのかわからない。

 

「状況を、整理してもいい?」

 

「あぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スティーブからの話をまとめると以下のことらしい。

 

・S.H.I.E.L.D.はヒドラに寄生されている。

 

・インサイト計画は連中の手によってヒドラの邪魔者を始末するためのものに書き換えられているらしい。

 

・S.T.R.I.K.E.や理事を務めているアレクサンダー・ピアースもヒドラのメンバー。

 

・ヒドラにはウィンター・ソルジャーという戦士がおり、キャプテン・アメリカ同様に超人血清が用いられているらしい。しかも、ウィンター・ソルジャーはキャプテンの親友だったバッキーだという。

 

・インサイト計画始動までに時間がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヤバイじゃん」

 

「そうだ、だからスーツがいる」

 

「……新作は?」

 

「捨ててきた」

 

「じゃあ、博物館から借りてくる?」

 

「……仕方ないか」

 

 これから戦う相手はヒドラ、ならば、キャプテン・アメリカとして戦うという事になるだろう。

 

「えっと、さっきから気になってはいたんだけど、サムがどうしているの?」

 

「キャプテンと共に戦う為にいる。これからよろしく頼む」

 

「よろしく」

 

「ナターシャ、俺にも装備を」

 

「行くの?ボーヤは休んでいて」

 

「相手があのウィンター・ソルジャーだけじゃない、よくわからないスナイパーガールもいる」

 

「……シンジ無茶は」

 

「状況は一刻も争うんだろ?戦える仲間は多い方がキャプテンも心強いだろ?そりゃ、スーパーヒーローとはいわないけどさ」

 

「そんなことはない」

 

 真剣な表情で彼が俺を見る。

 

「シンジ、キミは卑屈なことをいうが、僕からすればもっと誇りに思うべきだ。誰よりも努力して、誰よりも正しくあろうとしている。そんなキミがいるから、我々も背中を任せられるんだ」

 

 スティーブの言葉はとても力強く、温かいものを感じた。

 

「素敵なことをいってくれるけれど、俺はそこまでできた人間じゃない。元は少年兵だし、逃げる様にしてきた、だから」

 

「だったら、まずは形からでもヒーローになってもらわないとね、ボーヤのヒーローとしての名前は既にできているんだから」

 

「え?」

 

 ナターシャの言葉に目を丸くする。

 

「俺もキャプテンから聞いた」

 

 え、知らないの、俺だけ?

 

「俺の名前って……」

 

 キャプテンから告げられたヒーローとしての名前に俺はため息を吐いた。

 

「いや、それって、重た過ぎるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ、出てくるよな」

 

 インサイト計画始動の阻止のために動き出した俺達。

 

 当初はS.H.I.E.L.D.全員と戦わないといけないと思っていたのだが、キャプテンの演説によってS.H.I.E.L.D.VSヒドラという構図に変わった。

 

 変わったといっても既にヘリキャリアは空に舞い上がり、特殊飛行ユニットを装着したサムことファルコンとキャプテンがヘリキャリアのシステムを狂わせるためのパーツをもって空にいる。

 

 俺は地上から増援のヒドラ兵があがるのを抑え込む役目だ。

 

 特殊素材のスーツを身に纏いながら俺はグロックの安全装置を外す。

 

 目の前にはウィンター・ソルジャー。

 

 最強の殺し屋としてスパイやテロリストの間で語り継がれている。伝説の存在。

 

 そんな相手とこれからやりあわないといけない。

 

 しかも、ATフィールドを中和、もしくは無効化できる力があるかもしれないのだ。

 

 そんな相手と。

 

 考えただけで気が重い。

 

「だけど、アンタ、キャプテンの親友だったんだろ?」

 

 グロックを構えて発砲する。

 

「アンタを空へ行かせない。親友同士の殺し合いなんてみたくねぇからな」

 

「だったら、オレと殺し愛してもらおうか」

 

 轟音と共に背後から飛来する弾丸。

 

 ATフィールドが展開して防いでくれる。

 

「おいおい……お前もくんの?スナイパーガール」

 

 後ろに対物ライフルを構えた女性がいる。

 

 前のドレス姿ではなく兵士としての姿。

 

 金髪はウィッグだったのかショートカットの綺麗な髪で、首元にはマフラーのようなものを巻いている。

 

 マフラーの隙間から奇妙なデザインが施されたペンダントのようなものがあった。

 

 ん?

 

 何か、デジャブ?

 

 疑問に思っているとウィンター・ソルジャーが急接近してくる。

 

 振るわれる武器だが、ATフィールドに阻まれた。

 

 ちゃんと機能していた。

 

 ならば、どうしてあんなことになったのか?

 

 疑問を抱きながらも目の前の相手に集中しようとした。

 

「無視、すんな!」

 

 背後から受けた蹴りによって前に倒れてしまう。

 

 忘れていた、ウィンター・ソルジャーはともかく、後ろのスナイパーガールのキックはATフィールドを通過するんだった。

 

 ウィンター・ソルジャーはその間に待機していたクインジェットに乗り込んで空へあがってしまった。

 

「あぁ、くそっ、誰か知らないが邪魔をするなら本気だすぞ」

 

「知らないなんてつれないこというなよ。一緒のベッドで寝た仲だろ?」

 

「悪いが、アンタみたいな美女と寝たら絶対に忘れない自信が俺にある」

 

 返事は対物ライフルの狙撃だ。

 

「忘れている癖に偉そうにいうな!このヘラヘラして気持ち悪い!」

 

 

 

――ヘラヘラして気持ち悪い。

 

 

 

 その一言が脳に刺激を与える。

 

「シノ?」

 

 俺の言葉に相手は満足したような笑みを浮かべる。

 

「そうだ、シノよ」

 

「なんで、お前が、お前は」

 

 目の前にいる相手はかつて、俺が拾った少女。

 

 シノと呼んで俺が戦闘技術とか教え込み、そして、普通の世界に送り返した。

 

「アンタに理解できないよ。理解してもらわない……私の受けた苦しみとか、色々なものをぶつけて、同じ痛みを理解してもらう」

 

 ニタァと笑みを浮かべて対物ライフルを構える。

 

「受け取れよ」

 

 放たれる弾丸を回避する。

 

 グロックを構えようとしたが相手は先を読んでいたかのように次弾を放ってきた。

 

「動きが読まれている……って、当然か」

 

 相手は俺と少しの間、戦場を戦ってきたのだ、動きを読んでいても仕方はない。

 

 となると……。

 

 取れる手段は限られている。

 

 向こうの知らない術を使うということ。

 

「まだ、お試しなんだけどなぁ」

 

 隠れている機材が音を立てて歪み始めている。

 

 向こうでは女の子が口に出してはいけない単語をべらべらと吐きながら対物ライフルからアサルトライフルを撃っていた。

 

 防御したままではこちらに勝ち目がない。

 

 それにこの子にかかりっきりでは他に戦っているメンバーに申し訳が立たない。

 

 だからこそ、俺は。

 

 地面を蹴り、隠れていた機材から飛び出す。

 

「死ねぇ!」

 

 放たれる弾丸をギリギリのところで回避する。

 

 纏っているスーツは防弾仕様のコーティングが施されているから炸裂弾でも受けない限り大丈夫。

 

 

――イメージするのは切り裂くもの。

 

――望むのは阻むものを切り裂くこと。

 

「どうしたぁ!終わりかぁ!」

 

 こちらへ向けて対物ライフルを構えている。

 

 当たればただでは済まない。

 

 だが、同時に。

 

「ソイツを潰せば終わりだよなぁ」

 

 以前から考えていたことがある。

 

 ATフィールドは新世紀エヴァンゲリオンに出てくる使徒が有する能力で、主に防御で使用されていたが、中には攻撃に転じたり移動用の能力に用いたりという個体もいた。

 

 そこで思いついたのがATフィールドを攻撃手段へ転じるという事、

 

 最強の盾を最強の鉾へ切り替えるという事だ。

 

 勿論、思いついてから何度も試してはいるのだが、うまくはいっていない。

 

 最近になって辛うじて形になった程度のため、持続時間も十秒と短すぎた。

 

 だが。

 

「直撃すれば、どういうものも切り裂ける」

 

 イメージはこの世界でもやっていたスペースオペラの主人公が使っていた武器。

 

「名前にすれば、ATセイバーか?」

 

「ウソ、だろ」

 

 目の前で構えていた武器全てを切り裂いた。

 

「手上げな」

 

 グロックを相手に突きつける。

 

「今、投降すれば命はとらない。だが、これ以上暴れるなら」

 

「暴れたら?殺すか」

 

 首を振る。

 

「いいや、殴る」

 

「ハッ、女を殴る度胸がてめぇに」

 

 うるさいので顔を殴る。

 

「仕事とプライベートは別、仕事では容赦しない主義なの」

 

 殴って気絶した相手を放って通信回線を開く。

 

「マリア、状況は!?」

 

『ヘリキャリアが次々と墜落していくわ。サムのところへいって、彼と一緒に回収するから』

 

「了解、遅刻しないようにする」

 

 本当はキャプテンの援護にいきたいが、仕方ない。

 

 足もとにATフィールドを展開、浮遊能力に切り替える。

 

 その間、周囲からの防御ができなくなるが。

 

「短時間で目的地につくんだよな」

 

「シンジ!」

 

 目的のフロアに到着するとサム、ナイフを構えているラムロウの姿があった。

 

「これはこれは、ボーヤ、キャプテンの側についたのか?」

 

「そっちこそ、ヒドラ側なのか?」

 

 サムへ下がるように言いながらホルダーから電磁警棒を抜く。

 

「お前はこっち側に来ると思っていたんだがなぁ」

 

「見立てが外れたな」

 

「あぁ、お前、表はニコニコしていて、裏では冷酷、そうみていたんだが」

 

「残念、でも、俺の見立ては当たっていたよ」

 

 互いに身構える。

 

「一応、聞いておこうか?」

 

「表は陽気な人のふりをして、裏では醜い、悪党だってとこ!」

 

 同時に駆け出してナイフと警棒がぶつかりあう。

 

 現代の技術がふんだんに使われている装備なので互いの技術次第だ。

 

「裏世界じゃ有名な兵士なだけある!」

 

「悪いけど、噂に興味はない」

 

 近付いてきたラムロウを蹴りで牽制して距離をとる。

 

「そんな無頓着だから、女に狙われるんじゃないか?」

 

「余計な、お世話っていうんだよ!あと、前からアンタにいいたいことがあった」

 

 片方のナイフを手で叩き落して、自由な方の拳を握り締める。

 

「気安く、ボーヤっていうな」

 

 ラムロウの顔を殴り飛ばす。

 

 気の知れた仲間以外にそう呼ばれるのは好きじゃない。

 

「あと、前から殴りたいと思っていたからすっきりしたよ」

 

「シンジ!走れ!」

 

 ふぅ、と息を吐いたところでサムが後ろから叫ぶ。

 

 振り返ると煙を上げながらヘリキャリアがトリスケリオンへぶつかって、こちらへ近づいてきていた。

 

――マジか!

 

 起き上がったラムロウよりも先に走ってサムに追いつく。

 

「マリア達は!?」

 

「今、向かっている!フロアも伝えた!」

 

「じゃあ、後は……」

 

 ガリガリと倒壊していく建物、巻き込まれたラムロウをみて、俺とサムも走る速度を上げていく。

 

「どうする!?」

 

「こういう場合のお約束でしょ」

 

「おいおい、冗談、だろぉ!?」

 

「はい、ジャーンプ!」

 

 サムと一緒に目の前のガラスを割りながら外へ落ちていく。

 

 ウィングスーツもないサムはこのまま落ちていくだけ、俺もATフィールドを使用しすぎて疲労が限界を超えていた。

 

 その時に一台のヘリが近づいてくる。

 

 大きく傾けるようにしながらドアが開いていた。

 

 俺とサムは吸い込まれるようにその中に入っていく。

 

 左右からマリアとナターシャがキャッチする。

 

「ちゃんとフロアいっていたのに!」

 

「外に書いていなかった」

 

「真顔でいうなっての……」

 

 叫ぶサムへ真顔で回答するフューリーという光景に俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

「頑張ったわね、ボーヤ」

 

 何だろう、この人にボーヤって言われること嫌いじゃなくなっているんだよなぁ。

 

 慣れっていうのは怖い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの後のことを話そうと思う。

 

 S.H.I.E.L.D.は情報を世界に公開したことで混乱の極みを辿っている。

 

 ヒドラは自分達の目的を果たすためにより活性化していくだろう。

 

 ニック・フューリーは自らの死を偽装したままヒドラの残党を追いかけて東ヨーロッパへ、ナターシャは経歴において上院議会で尋問を受けていた。

 

「シンジ、キミはどうするつもりだ?」

 

「そうだなぁ、気ままに生きていくかな?まぁ、職探ししないといけないから、どっか探すよ」

 

 マリアはスターク・インダストリーズの面接を受けに行っている。

 

 エージェントもCIAや様々な施設や組織にわたっているものがいた。

 

「キャプテンはウィンター……あぁ、ごめん、親友を?」

 

「あぁ、サムと探してくる」

 

「そっか、寂しくなるな、サム、スティーブのこと、よろしく」

 

「任せてくれ」

 

 サムと握手を交わす。

 

「シンジ」

 

 スティーブが少し悩んだ様子を見せながらこちらをみる。

 

「その、キミのことは、親友だと思っている」

 

「とても嬉しいよ。俺もスティーブのことは大事な親友だ」

 

 互いに笑みを浮かべながら軽くハグをして別れる。

 

 互いの道が交わるとしたら少し先の話になるかもしれない。

 

 だが、何かあれば戦うために集まろう。

 

 友の為に。

 

 頭に浮かんだ言葉に笑みを浮かべながら俺は歩き出す。

 

 向かう先はスミソニアン博物館だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウィンター・ソルジャーといえばいいか?」

 

 スミソニアン博物館はワシントンD.C.にある博物館だ。今は英雄であり大戦で戦死したと思われていたキャプテン・アメリカが現代に蘇った記念のイベントが開かれている。

 

 レプリカのキャプテン・アメリカやハウリング・コマンドーズのスーツ、若き日のペギー・カーターのインタビュー、そして、キャプテン・アメリカの戦友にしてチームにおいて唯一の戦死者であるバッキーの資料など、大戦時代の様々な資料があった。

 

 インサイト計画阻止の為に盗んだスーツを返した俺は偶然にもみつけた人物へそっと声をかける。

 

「殺しあうつもりはない。武装もしていない。その状態で話をしたい、いいか?」

 

 コクンと頷いたことで俺は切り出す。

 

「取引がしたい」

 

「……取引だと?」

 

「あぁ、俺の求める情報をくれたらアンタに協力する」

 

「協力とは?」

 

「住居、武器とか……必要なものの支援だ」

 

「なぜ?」

 

「まぁ、アンタの親友が困っていたら、一応、親友として助けたいという程度の理由だよ。取引を飲むか、飲まないか?それだけ聞かせてくれ」

 

「……何を知りたい?」

 

「ヒドラがシノに何を吹き込んだか、知っていたら話してくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒドラの研究所。

 

 そこではS.H.I.E.L.D.が保管していたセプターが置かれている。

 

 危険物として保管されていたものだが、ヒドラの目的のためには必要であるとして持ち出されていたのだ。

 

 ヒドラの研究所の室内でバロン・ストラッカーがガラス張りの部屋の中にいる超高速で移動している男と念導力を使う女を眺めている。

 

「随分と速かったな」

 

「急かしたのはそっちでしょ」

 

 バロン・ストラッカーの後ろから現れたのはシノ。

 

 彼女はストラッカーへ問いかける。

 

「それで?私に何をやらせようというの?」

 

「指導だ」

 

 彼はガラス張りのケースの中にいる二人を指さす。

 

「キミには二人の指導をお願いしたい。ディザスターの下にいたキミなら優秀にできるだろう?」

 

「どうだろうね?まぁ、仕事だから引き受けるよ。それに」

 

――こうしていれば、アイツに会えるからね。

 

 ストラッカーにすら聞こえないほどの呟きを漏らして、シノはにやりとほほ笑んだ。

 




簡単なヴィラン紹介


シノ(18)

 オリジナルヴィラン、幼少期に紛争地域へ両親と共にボランティアに参加するもテロリストがスターク・インダストリーズから横流しして入手したミサイルの爆発に巻き込まれて自身だけが生き残るという結果になる。
偶然にもシンジに助けられて、兵士として生きる道を選ぶ。
裕福な家のお嬢様だったが、戦場で人格が歪み、男勝りな口調が多くなる。
シンジのことは異性としてみているも、歪んだテロリストたちの教えによりかなり歪んだ愛情表現を持っている。
シンジによって平和な世界へ送られた事を「捨てられた」と認識して、罰として彼を痛みつけて、彼から愛を囁かせるように仕向ける。
平和な世界に馴染めず、自身からヒドラに接触した。
インサイト計画における事件の後もヒドラに属して、シンジと相まみえる機会を狙っている模様。

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