転生先はアベンジャーズ!?生き残れる自信がありません!!   作:断空我

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アベンジャーズの二次、増えない理由は設定が細かすぎてみんな、臆しているんだろうなぁ。

まぁ、もともと、ガーディアンオブギャラクシーは考えていたんだけどなぁ。

ここから原作と違う流れになるかも?




エイジ・オブ・ウルトロン(前編)

「あぁ、寒い、これだから雪は嫌いなんだよ」

 

 目の前の兵士を殴り飛ばしながら先を目指す。

 

『ボーヤ、遊んでいないですぐに来い』

 

「はいはい、いいよなぁ、そっちは空を飛べて」

 

 通信機から聞こえてきたスタークの言葉にため息を吐く。

 

 スターク製の特殊スーツを身に纏いながら走る。

 

 S.H.I.E.L.D.の生き残りからの情報でヒドラ残党、バロン・スタッカーがロキの杖“セプター”が東欧の小さな国、ソコヴィアにあることを知ったアベンジャーズは敵地へ攻め込んでいた。

 

 ジープを操作するナターシャ、後部で弓を射るホークアイ。

 

 バイクを車にぶつけて兵士を盾で叩き落すキャプテン・アメリカ。

 

 ムジョルニアで飛行ユニットをつけている兵士と戦うソー。

 

 大声で唸りながら戦車などを次々と破壊していくハルク。

 

 上空からヒドラの研究施設へ攻め込もうとするアイアンマン。

 

 その中で俺は背後から襲撃を受けないように蹴散らした残りを相手することが俺の任務である。

 

「わかっているけど、ここのヒドラの兵士さん、装備が最先端過ぎて、苦戦するんだよ」

 

『ボーヤはまだまだ未熟だな』

 

「いいじゃん!そっちは組んでいるメンバーがいるんだから!俺なんて一人で大勢と相手してんだからな!?」

 

 ホークアイに叫ぶ。

 

『ボーヤ、寂しいなら私が相手してあげようかしら?』

 

 皆のからかってくるような言葉から余裕があるのだろう。

 

 だったら屈するわけにいかない。

 

『むだ話していないで、作戦に集中しろ』

 

『キャプテンに怒られたな、ボーヤ、それにしても、私が怒られた事に関してはスルーか』

 

 わいわいと会話をしながらも皆がヒドラ兵士と相手をしている。

 

 ハルクが雄叫びを上げながら暴れていた。

 

 なるべくハルクと遭遇しないように注意する。

 

 どうも、ニューヨークの戦いから俺はハルクに嫌われているらしい。

 

 らしいというのがニューヨークでの戦いでハルクにATフィールドで激突(故意ではない、事故である)によって嫌われてしまっている。

 

 なので、あまり視界へ入らないように注意していた。

 

 視界にミサイルが飛来してくるのでATセイバーで切り裂く。

 

 その直後に弾丸が頬を掠めた。

 

「シノ……」

 

「会いたかったわ」

 

 ニヤリと笑みを浮かべて対物ライフルを放つ。

 

 飛来する弾丸をATフィールドで防ぐ。

 

「つぅ」

 

 しかし、完全に展開しきれずにスーツの端が少し焦げた。

 

『ジャッカー様、トニー様に連絡して応援を要請しましようか?』

 

「ありがとう、J.A.R.V.I.S.でもこれは俺の問題だから大丈夫」

 

 通信衛星でこちらの様子を把握しているJ.A.R.V.I.S.の問いかけに大丈夫と答えてグロックを取り出す。

 

『何かあればすぐに知らせてください』

 

「ありがとう」

 

 感謝して目の前の相手を睨む。

 

 対物ライフルを構えているシノ。

 

 ヒドラの研究施設ということでもしかしたらという可能性はあった。

 

 だが、こうも遭遇してしまうと運命めいたものを感じてしまうよ。本当に。

 

「ここで大人しく投降すれば」

 

 返事は弾丸だった。

 

 近くの木を消し飛ばした弾丸をみる。

 

「返事はそれか?」

 

「ったりまえだ!てめぇと殺し愛したいからなぁ!」

 

「あ、そう」

 

 ため息を吐きながら銃を発砲する。

 

 くるりと回転するように対物ライフルを構えながらこちらへ狙撃。

 

 本来なら距離をとって気付かれないように狙撃するべきなのだが、相手はどういうわけか平然と近くで狙撃してくる。

 

 どういう馬鹿力だよ。

 

 悪態をつきながらグロックにカートリッジを再装填する。

 

 弾丸を放つ。

 

「あん?」

 

 奇妙な違和感。

 

 弾丸が何かに直撃したような音もしない。

 

「どういうこと」

 

「余所見、厳禁!」

 

 近距離で対物ライフルを撃たれた。

 

 ATフィールドが自動展開されて弾丸が防がれる。

 

 しかし、

 

「パーンチ!」

 

 振るわれる拳。

 

 回避できず顔面に一撃を受けてしまう。

 

「ほら!まだ一回目だぞ」

 

 倒れそうになったところで肩をつかまれて無理やり起こされて一発をもらう。

 

「ほらほら!男の子なんだからまだ受けれるでしょ?続けて」

 

「グゥゥゥッァアアアアアアアアアアアアア!」

 

「あ?」

 

 背後から聞こえた声にシノの反応が遅れる。

 

 振り返ると同時に振るわれた一撃がシノの体を捉えた。咄嗟に対物ライフルで直撃は避けたようだが、ぐにゃりと歪んでしまっていた。

 

 ハルクはこちらを一瞥するとそのまま敵を追いかけるようにしていってしまう。

 

「えぇ~~~」

 

 ちらりと飛んでいったシノの方向をみると、気絶していた。

 

「まぁ、これでもいいか」

 

 起き上がって土などを払い落としながら用意していた拘束具でシノを拘束した。

 

 後は任せよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうした?元気がなさそうだぞ」

 

「疲れているだけだよ。ソーは笑顔だな」

 

「当然だ、ようやく探していたものがみつかった」

 

 帰りの機内の中で俺はソーと話をしていた。

 

 ソーは長い期間、探していたロキの杖を回収できたことで喜びの表情だ。

 

 数日ほど、この世界に滞在して、盛大な宴会をした後にアスガルドへ帰るという。

 

 会えなくなるのは寂しいことだが、それも仕方のないことだ。

 

「可能ならもっとお前と手合わせをしたかった。次はこの力でお前の強靭な壁を壊す」

 

「あははは、お、お手柔らかにお願いします~」

 

 また、これだ。

 

 ソーはムジョルニアで破壊できないATフィールドに対抗心を持っている。

 

 勿論、敵意ではなく純粋な競い合い。

 

 脳筋じゃあるまいし、神様と真剣勝負なんて命がいくつあっても足りない。

 

 しかし、ATフィールドを中々破れないことから一度、スタークにも実験に付き合わされた。

 

「人気者だな、ボーイ」

 

「そういうなら代わって……あぁ、重傷中でしたな」

 

「お前も同じ傷を負わないように注意することだ」

 

「警告、痛み入ります」

 

 ホークアイは強化人間の乱入で負傷した。

 

 幸いにもアベンジャーズ本部で医療スタッフが待機しているから死ぬことはない。

 

 じわじわと脇腹に痛みを感じているかもしれないけれど。

 

「ボーヤ、良かったの?」

 

 ナターシャが俺に尋ねてくる。

 

「何のこと?」

 

「あの女の子、汚い言葉を吐いていたけれど、あれはしつこいわよ?」

 

「頭でも冷やせばいいさ」

 

 まさか、ナターシャが心配するとは思わなかった。

 

 話をしているとトニー・スタークがやってくる。

 

「驚きだな、女の子を追いかけるんじゃなくて、追いかけられる側なんて、とっても貴重だ」

 

「そうなの?相手が対物ライフル持っていても?」

 

「時と状況による。私ならうまく切り抜けられる」

 

「その時は手ほどきを受けるよ」

 

「よろしい、素直なことは良いことだ」

 

 実際、トニー・スタークのアドバイスは役に立つことが多い。

 

 普通の世界を知らない俺にとって遊びまくっているスタークの知識は役に立つ。

 

 ギャンブルだけは好きになれないけれど。

 

 なぜか、スタークは俺と一緒にしょっちゅうギャンブルへ行かせようとする。

 

 勝つことに意味があるのかわからないのだが。

 

 輸送機はスターク・タワーもとい、アベンジャーズ・タワーに到着する。

 

 ニューヨークの戦いで被害を受けた施設だが、既にアベンジャーズにとって最高の場所になっていた。

 

 俺は宛がわれている部屋で休む。

 

 最低限の道具しかない質素な部屋。

 

 ベッドで横になろうとしていた俺は部屋に入ってきた人物に気付いた。

 

「何か用事?」

 

「うーん、相談、良いかな?」

 

「いいよ」

 

 ナターシャに場所を用意して腰かける。

 

「相談っていうのは?バナー博士のこと」

 

「もしかして、気付いているの?」

 

「いや、なんというか、互いにそわそわしているような気がしたから」

 

「驚いた。ボーヤに気付かれるなんて」

 

「俺も成長しているってことで」

 

「そうね、ボーヤも成長している。出会った頃より感情、豊かだもの」

 

「どうだろう?もし、そうだったら嬉しいな。俺も変われるって思えるから」

 

 正直、俺は変わっているのかと思う時が何度もある。

 

 変われていない可能性もあった。

 

 だが、俺としては誰かにそう言ってもらえると嬉しい。

 

 認めてもらえているようで気持ちいいと思える。

 

「ナターシャでも悩む気持ちがあるんだな」

 

「そうね、自分でも少し戸惑っている。ふぅ、話してすっきりしたわ。ごめんなさい。休んでいるところの邪魔をして」

 

「別にいいよ」

 

「ボーヤ呼びも卒業かしら?」

 

「え?」

 

「なんでもないわ」

 

 出ていくナターシャを見送り、俺は横になった。

 

 

 

 そーいえば、この時期だっけ?ウルトロンが生まれたのって?

 

 

 むくりと体を起こす。

 

「あー、J.A.R.V.I.S.」

 

『はい、ジャッカー様』

 

「少し相談、というかできるか聞きたいことがある。その、スタークに知られずに」

 

『状況によります』

 

「じゃあ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二日後、ソーの送迎会&勝利の祝い?みたいなことが開かれた。

 

 アベンジャーズ・タワーに多くの人達がやってきている。

 

 その中にはスタークの友人であるウォーマシンことジェームズ・ローズの姿もあった。

 

「シンジ!」

 

「サム!」

 

 スティーブと話をしていたのだろう、サムがこちらへやってくる。

 

 久しぶりの再会で互いにハグをした。

 

「聞いたぞ。スナイパーガールを捕まえたって?」

 

「まぁ、バナー博士のおかげなんだけどな?」

 

「残念だよ。俺も知っていれば戦闘に参加していた」

 

「まぁ、また機会があれば呼ぶかもよ?」

 

「その時はいの一番に駆けつけるさ!」

 

「約束!」

 

 バチンと拳をぶつけ合う。

 

 様々な人がいる中で俺はこっそりと部屋を抜け出す。

 

「まぁ、やっぱり、こうなるよな」

 

 スタークの研究施設。

 

 J.A.R.V.I.S.へ攻撃をしようとしている人工知能の前に立つ。

 

『ジャッカー様、すぐにスターク様へ』

 

「連絡はしてある。J.A.R.V.I.S.前に開発したNo1568を」

 

『わかりました』

 

『やめろ、何をする』

 

「生まれたてで暴走する可能性があるから、そのための策として用意していた。スタークには悪いけど、お前はここで」

 

『殺し愛』

 

「なぬ?」

 

 人工知能が漏らした言葉に反応が遅れた。

 

『そうか、そういうことか』

 

 よくわからないが何か納得した様子を見せている。

 

「マズイな、スタークはまだ――」

 

 バゴン。

 

 足元の床が音を立てて壊れた。

 

 そこから姿を出したのは民間人を防衛するなど、サポート目的で開発された“アイアン・レギオン”

 

 複数体がこちらへ顔を向ける。

 

 どうも、嫌な予感がした。

 

 直後、アイアン・レギオンがこちらへ攻撃をしてくる。

 

「くそっ!」

 

 舌打ちしつつ、ATフィールドで攻撃を防ぐ。

 

 別のアイアン・レギオンが側面からタックルをしてくる。

 

 地面に倒れた俺を、アイアン・レギオンがのぞき込んできた。

 

『そうだ、お前だ、お前こそが』

 

「何か、気持ち悪いから顔を」

 

 近づけるなと言おうとしたところでアイアン・レギオンの頭部に矢が突き刺さった。

 

「スナイパーガールになびかなかったのはそれが趣味だからか?」

 

「助けてくれたことには感謝するけど、生憎、鋼鉄と寝る趣味はない」

 

「それは残念」

 

 ホークアイに感謝して抜け出すとヴィブラニウムの盾を構えたスティーブとムジョルニアでアイアン・レギオンの頭部を叩き潰すソーの姿があった。

 

 腰のホルダーからグロックを抜いて杖を盗もうとするアイアン・レギオンを撃つ。

 

 アイアン・レギオンは杖を手に取ると外へ飛び出していく。

 

「待て、よ!」

 

 追いかけようとするも半壊したアイアン・レギオンは外へ飛び出していった。

 

「スターク、何が起きているんだ!?」

 

 スティーブがトニー・スタークへ問いかける。

 

「どういうことっていうのは?」

 

「アイアン・レギオンが杖を奪っていった!」

 

 ソーが無言でスタークを掴みあげる。

 

「また暴力で訴えるのか?」

 

「これまでの時間が無駄になったぞ!」

 

 杖を奪われたことでソーは怒っている。

 

「あー、まずは杖を取り戻すことが優先じゃない?」

 

「っ!」

 

 ソーはムジョルニアを振るって外へ飛び出す。

 

 窓を割って。

 

「……俺が言うのもなんだけど、まずは情報を整理しない?」

 

「ボーヤの言葉に賛成」

 

「あぁ、僕も、色々と話さないといけないし」

 

「整理?全く」

 

 俺の言葉にスタークは呆れている。

 

「簡単なことだ、ウルトロンはこの世界を狙おうとしている宇宙からの敵のための防衛目的で作った。だが、何かバグか不具合を起こしている。それだけのことだ」

 

「それだけのこと?シンジが異変に気付いてくれなければ、何か起こっていたのかもしれないんだぞ!いや、起こっている!奴はロキの杖を奪っていった!」

 

「何か不具合の理由があるかもしれない!それさえ取り除けばウルトロン計画は成功する――」

 

「ストップ!」

 

 ヒートアップしていく二人の間に割り込む。

 

 アベンジャーズ結成時のことを思い出してしまった。

 

「とにかく、ウルトロンが暴走しているなら止めないと」

 

「ジャッカーの言葉通りだ。ウルトロンはインターネットに侵入できる。最悪、核ミサイルの発射コードもアクセスされる危険がある」

 

「とにかく、報告しよう」

 

 この場はウルトロンの阻止ということで捜索が決まる。

 

 数時間後、ヒドラのストラッカーが死亡したという情報が舞い込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ストラッカーを殺して平和という文字を残すって……猟奇殺人、一種のホラーだな」

 

「驚きだ。ボーイ、そういう皮肉が言えるとは」

 

「ストラッカーに関係する資料を調べよう」

 

 スティーブの提案で保管されていた資料を取り出していく。

 

「こういう皮肉は言うべきかわからないけれど、ストラッカーというのは色々な人と交友があるんだな」

 

「交友があるにしても戦争に関係する人物ばかりだ」

 

「うぉーい、どっかで見覚えある顔ばかり」

 

 少年兵として活動している時にみたことある奴らばかりだ。

 

 確か、コイツはアフリカを中心で活動している武器商人だったか?

 

「待て、そいつは見覚えがある」

 

 スタークの言葉に無言でスティーブがみる。

 

「関りはないぞ?武器商人でどういう奴らがいるのか興味があっただけだ」

 

「ユリシーズ・クロウと?」

 

「シンジ、知っているのか?」

 

 スティーブに頷く。

 

「取引したことがあるわけじゃないけれど、話をしたことがある程度の武器商人だ、とにかく胡散臭くて油断すれば根こそぎ財産を奪われるってことで有名だ……ここに入れ墨みたいなものがあるだろ?」

 

 俺はユリシーズの首辺りに入れられているマークを指さす。

 

「ワカンダっていう国で盗みを働いて掘られたらしい。確か、盗人っていう意味らしいけど」

 

「ワカンダ?」

 

「奴もキミの親父さんと一緒でみつけたのか」

 

「あー、何をかな?」

 

 バナー博士の疑問にスタークとスティーブの二人はあるものをみる。

 

 ヴィブラニウムで出来た盾。

 

 

「あぁ、そういえば」

 

 

 ユリシーズ・クロウがぽつりと零していたことがある。

 

 特別品があると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「驚いたわ。お前達が私を助け出すなんて」

 

「貴方に感謝はしているわ。私達の目的を果たしてくれるために技術を教えてくれたのだから」

 

 シノは独房に閉じ込められていたのだが、ワンダとピエトロによって助け出される。

 

 二人は彼女をある人物へ会わせようとしていた。

 

「そういえば、二人にとって憎悪の対象だったスタ……何とかには会えたの?」

 

「仕込みは終えた。あとは潰れる時をみるだけ」

 

「その時をできれば、アンタにも見てほしいのさ」

 

「気に入られるような事した覚え、ないけど?」

 

 肩をすくめながら二人に連れられてやってきたのはソコヴィアの教会。

 

「待っていた」

 

 暗闇の中でランランと輝く赤い瞳。

 

 全身が機械の体。

 

「お前ら、機械の友達がいたわけ?」

 

 ゆらりと立ち上がったウルトロンは一礼する。

 

「はじめまして、シノ、いいや、ここではスナイパーガールと呼ぶべきか?」

 

「その名前、嫌い。次に呼んだらその頭、吹き飛ばすから」

 

「あぁ、それは困る」

 

 ウルトロンは立ち上がり彼女の前に立つ。

 

「用件は何?やることがあって忙しいのだけれど」

 

「それは、あれか?あぁ、キミの……あぁ、名前が出てこない、普段は別の呼び名でいたから……あぁ、そうだ!シンジ・ジャッカーのことだろうか?」

 

「だったらなに?」

 

「協力してくれれば、彼と殺し愛させるための場面を用意しよう」

 

「本当か?そんなことをしてアンタに何のメリットがある?」

 

 シノは基本的に人を信用しない。

 

 唯一、信じるのは自分にすべてを教えてくれたシンジのみ。

 

 裏切られたがそれは自分と同じ痛みを与えれば戻って来る。

 

 そう考えていた。

 

 故に彼女はシンジとの殺しあう場面を望んでいた。

 

 ウルトロンの提案は胡散臭い部分が多い。

 

 けれども。

 

「いいわよ」

 

 シノは頷くことにした。

 

 これもウルトロンの計画のうちだと知らず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「父さんは悲しいよ。心が引き裂かれそうだ」

 

「ならば、引き裂いてやろうか?」

 

 アフリカの廃船が無数に置かれているエリア。

 

 改造してユリシーズが密輸売買所として使用している。

 

 そこでユリシーズ・クロウが武器売買のために活動している場所だった。

 

 ウルトロンとマキシモフ兄妹、そしてシノはそこへやってきて、彼が保管している大量のヴィブラニウムを取引して買い取る。

 

 しかし、クロウが言った「スタークの製品」というセリフに激昂した彼は腕を切り落とした。

 

 そのタイミングで俺達、アベンジャーズがやってきたことで一触即発の空気になっている。

 

 ウルトロンメンバーと対峙しているのはアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーのメンバー、離れたところでホークアイとブラック・ウィドウもいる。

 

 尚、バナー博士は待機である。

 

「あぁ、そこにいたのか、愛しい人」

 

 場の空気が凍った。

 

「……ごめん、耳が遠くなった」

 

「現実をみろ、ボーヤ」

 

「いやだ、聞きたくない」

 

 アイアンマンが諭すようにいってくるが耳をふさぎたい。

 

 横からキャプテンが同情の視線を向けてくる。

 

「何度でもいおう、愛しい人」

 

 いやだぁああああああああああああ!

 

 心の中で叫ぶ。

 

 何で、何で俺にはじめて告白してくる相手はロボットなんだ!

 

 できれば、ボンキュボンの素敵な女性がいいのに!

 

 ガキィィィン!とATフィールドが弾丸を防ぐ。

 

「よぉ、会いたかったぜぇ」

 

 俺は会いたくありませんでした。

 

「帰っていい?」

 

「諦めろ」

 

 ソーがムジョニルアを構える。

 

 シノも独特なデザインをした対物ライフルを、いや、あれはレーザーキャノンか?

 

「おいおい、そんな腰抜けか?悲しいな」

 

「挑発してこないでくれる?俺以外の人はそういう沸点低いから」

 

「心外だな、私の気は長い方だ」

 

 ごめん、一番、短そうな人なんだけど。

 

 ソーの言葉に不安しかない。

 

「お前はここで引き裂いてやる。スターク!そして、愛しい人をもらっていく」

 

「悪いがボーヤは私達の仲間だ。お前達に渡すことはしない」

 

「気にしなくていい。力づくで奪う」

 

 戦闘が開始される。俺の前にやって来るのはシノ。

 

「緑の怪物の手助けは期待しない方がいい。私の教え子たちが阻む」

 

「驚いたよ。お前に誰かを教えることができたなんて、スパルタだったんじゃないの?」

 

「まさか、いう事を聞かないなら鞭だっただけだ」

 

 それは十分、痛い。

 

 振るわれるレーザー。

 

 ギリギリのところで回避する。

 

 レーザーは分厚い船の壁に穴をあけていく。

 

「一回くらい、愛を受け取れ!」

 

「俺は、お前にこんなものが、愛だなんて、教えて、いない!ぞ!」

 

 グロックで狙撃するもレーザーで溶かされてしまう。

 

「そもそも、何で俺に付きまとう!他にも良い、男は、いるだろうが!」

 

「どいつもこいつも体目当て!そんな奴らに興味などない!」

 

 グロックの弾が切れたので投げ捨てた。

 

 電磁警棒を取り出して走る。

 

 正面からレーザー攻撃が来るがATフィールドで防ぎながら突き進む。

 

「どうして、どうして、私を拒む!」

 

「悪事に手を染めるからだよ!」

 

「私をみろぉぉぉっぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

 エネルギーの負荷がかかったのだろう、レーザーが大爆発を起こす。

 

 咄嗟に手を伸ばしてシノを自身のATフィールド内へ招いていた。

 

 大爆発の衝撃が起こる。

 

 バチン!と体に電撃が走った。

 

「ガッ!」

 

「シンジ!」

 

「ATフィールドというデータの波形はみせてもらった、誰も通さない鉄壁。だが、例外はある。例えば似たような波形でぶつければ中和されると……普通の人なら不可能だろうが」

 

 

 

「鉄屑!」

 

 シノが見上げると半壊したウルトロンがシンジを掴んでいた。

 

「殺し愛というものが私には理解できないが、この愛しい人のATフィールドはとても興味深い。私の計画を実行に移すために絶対的に必要になる。だが、お前は要らない」

 

 ウルトロンの瞳がシノを捉える。

 

「不要な存在はここで消えてもらおう」

 

 ウルトロンが近くの残骸を手に取る。

 

「やめろ!」

 

 そこにキャプテン・アメリカがヴィブラニウムの盾を振るう。

 

 残骸は砕かれてウルトロンへ直撃する。

 

「まぁいい、愛しい人はもらっていく」

 

「シンジを返せ!!」

 

 叫ぶもウルトロンはそのまま空へ消えていく。

 

「スターク、最悪な知らせだ。シンジがウルトロンに拉致された」

 

 

 

 

 

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