転生先はアベンジャーズ!?生き残れる自信がありません!! 作:断空我
いや、ピーチ姫は確かにあっている。この場合、助けに来る配管工はシノなのか、色合い的にアイアンマン、まさかのキャプテンだろうか、などなどと考えてしまいました。
どうも、シンジです。
ウルトロンに拉致されたと思ったら、敵だったはずの双子の強化人間に助けられました。
怪しい機械に接続されるところだったのだが、何やら議論を交えていた二人に助けられてしまったのである。
意識を失っている間に事態が動いていて戸惑ってしまいます。
「あ-、助けてくれてありがとう?」
「別に、貴方を助けることがウルトロンの計画遅延に繋がるからよ」
「その発言からするとウルトロンの計画について知っている?」
「少しだけ……」
「てか、ここどこ?」
「ソウル」
「えぇ、随分と遠くにきたなぁ」
記憶を失っている間に何があったのか、本当に聞きたいけれど、双子をどこまで信用していいのかわからないなぁ。
「貴方の頭の中が読めない。読もうとすると見えない壁に阻まれる」
「あぁ」
それはATフィールドだろうか?
まさか、読心術にまで対抗できるとは思わなかった。
「それで、ウルトロンを裏切った理由を聞いても?」
「奴はウソをついていた」
男、ピエトロの方が答える。
「ウソ?」
「この世界の人々そのものを滅ぼそうとしている。今のままでは死んでしまう」
「話はなんとなくわかったんだけど……なんで、この列車、線路を走っていないの?」
俺の疑問は大きな揺れが広がる。
「シンジ!目覚めたばかりで申し訳ないがフィールドで列車の速度を緩めてくれ!」
本当に急すぎてなんともいえない話だが、俺は列車の前に立つ。
ソウルということらしいけれど、来たことないなぁ。
思いながら足にATフィールドを包み込むように展開する。
足をそのまま地面へ押し込む。
ガリガリガリと地面を削りながらわずかだが列車の速度が落ちていく。
「もう、すこしぃぃ!」
掴んでいた部分が歪んで崩れる。
「あ、ヤベ」
「シンジ!」
バランスを崩しそうになったところでキャプテンが抑えてくれる。
必死に足を押しこむとやがて列車が停車した。
「し、死ぬかと思った」
「目覚めてばかりで悪かったな」
「出来れば、状況の説明を求めるよ。ホント」
あっちこっちで広がる戦火。
疲弊した様子のキャプテン。いつの間にか味方みたいになっている双子。
そして。
「シンジ!」
素敵な笑顔で俺に抱き着いてきたシノ。
気絶している間に何があったのか、本当に聞きたいことだらけだ。
抱き着いてきたシノの体の肉付きの良さに興奮したことは黙っておこう。
念のため、アベンジャーズ・タワーで検査チェックを受ける。
マリアの話によると俺が気絶している間に事態がかなり進展を見せているらしい。
アベンジャーズ批判という話で。
「今回のウルトロン騒動がかなり堪えているわけか」
「シンジ~、私の話を聞けよ~」
「ところで、この人、何があったの?」
「知りたい?」
「あまり、聞きたくないけれど」
「トニー・スタークとナターシャ・ロマノフが様々なアドバイスを行った結果」
「最悪だ」
よりによってプレイボーイと男を手玉に取ってきた女スパイの教えって。
てか、いつもの攻撃的じゃなくてこういうボディタッチに弱いっていつばれたのだろう?
ニコニコと攻撃的な笑みを浮かべていないシノの姿に俺はなんともいえず、されるがまま。
流石にズボンを脱がそうとしたのは全力で止めたけれど。
「厄介ごとの匂いしかないんだけどなぁ」
キャプテン達と話をするためにタワー内の施設へ向かおうとすると信じられない速度でムジョルニアを構えたソーが通過する。
嫌な予感がしつつも走る。
腕にひっついて離れないシノがいたからかなり苦労したけど。
中をみるとあっちこっち壊れていつも通りな光景。
これがいつも通りってどうなのだろうか?みんなが規格外過ぎるのだろうか。
「綺麗になっていないことが当たり前って、これいかに?」
「シンジィ、何か飲もうぜぇ~」
ムジョルニアを持ち上げている新入り?がいた。
「誰だ、この人」
「お久しぶりです。ジャッカー様、私はヴィジョン、元はJ.A.R.V.I.S.だったものです」
「成程、これはよろしく」
手を差し出す。
少し驚いた表情をしながらヴィジョンは俺の手を握り返した。
「ボーイのこういうところは驚きだな」
スタークが肩をすくめる。
「ところで、彼の腕にひっついている子は良いのかな?」
バナー博士、そこは一番、気にしてほしいところです。
スティーブはそういうところに疎いため、首を振るだけだ。
「シンジ、結婚するのか?」
ソーさん、話が変な方向になっていますよ!?
「結婚!いいなぁ!あぁ、夢みたいだ」
俺の腕にしがみついているシノが滅茶苦茶幸せそうな顔をしている。
双子は呆然としていた。
いや、誰か助けてくれないの?
「ところでボーイ、キミへプレゼントがある」
この状況下で空気を読まずに話を切り出してくれるスタークさん、尊敬しますよ。
「プレゼント?」
「あぁ、スーツだ」
ーーソコヴィア。
少し前にヒドラと戦ったこの地でウルトロンが世界を滅ぼそうと計画をしている。
計画阻止と拉致されたナターシャ救出のためにアベンジャーズは動き出す。
キャプテンが指示を出して周辺の人達を魔女こと、ワンダが精神を操って人々を避難させていく。
教会周辺や遠くへ、なるべく慌てず、混乱しないように。
そう考えていたのだが。
「ウルトロンは我慢できない性格なんだろうな」
「私とえらい違いだ」
どの口が言うのだろうかと咎める視線を向けるも気づいていないだろう。
「ところで、新しいスーツはどうだ?」
「馴染むのに時間かかりそう……」
今まで特殊なスーツなしで戦っていたのだが、今回の騒動では総力戦かつ長期的なものになりえるということからスタークが前々から計画していた俺のスーツをプレゼントしてくれた。
アイアンマンスーツのような全体を覆うものではなく、腕、肩、足、胸部、そして頭という部分的なところで灰色をベースとしたアーマーで身を包み、腰にはグロックをベースにしたブラスター。背中にはバックパック。
右腕は左と比べて妙にゴツイ。
頭のパーツはアイアンマンを模したものになっている。
「ジャスティスハンターアーマー(仮)だ、大事にしろよ?」
「これさ、モデルあるよね?」
「お前の好みに合わせてやっただけだ。感謝しろ」
スタークの言葉に明らかなモデルあり疑惑がでているがそこは言わないでおこう。
「おい、私にはないのかよ!」
「スナイパーガールには最新式の対物レーザーライフルを与えてあるだろ?それでシンジの後方支援をしてハート掴んでやれ」
「うん!頑張る!」
ハートキャッチ(物理)ではないことを願おう。
スタークの言うことは素直に聞くのね。
「頑張るからみててね、シンジ……みなかったら」
「こっちに銃口を向けるな」
背中に気をつけなければならないって最悪なんだけど。
「モテモテだな、ボーイ」
「からかうな」
「素敵だわ」
「教官の思い人、大変だな……って、えぇ」
双子、考えのすれ違い発見。
てか、シノ予備軍いるんだけど。
「喋っている暇はないぞ。準備しろ」
「了解」
アーマーを起動する。
『よろしくお願いします。シンジ様』
搭載されている人工知能が挨拶をしてきた。
「よろしく、えっと……」
『貴方のサポートをします。エヴァです』
男の声でエヴァ?しかも、何か渋い声。
まぁ、女だったらシノの手でアーマーが壊されるじゃに。
「よろしく、サポートは任せるよ」
『了解です』
目的の教会へ向かう。
そこではウルトロンとヴィジョンが戦っていた。
ヴィジョンのおかげでウルトロンはネットの海へ逃げられないようにされている。
「奴を叩き潰すぞ、エヴァ、シノは後方支援」
『了解です』
『任せろ』
グロックタイプのレーザー銃を連射しながら現れるウルトロン・セントリーを狙い撃つ。
後ろではシノが対物レーザーライフルでウルトロン・セントリーの頭部を吹き飛ばす。
「愛しい人ぉ!」
「気安く私のシンジに声をかけるなぁ!」
俺に近づこうとしたウルトロン・セントリーの頭部を近距離で対物レーザーライフルを振るう。
体の一部のように使いこなしているシノ。
「将来有望だな」
「あんまり、有望になってほしくないんだけど?」
傍で矢を射るホークアイに俺は肩をすくめながらATセイバーでウルトロン・セントリーを両断する。
バチバチと火花を散らしながらこっちへ近づこうとするウルトロン・セントリーをグロックで撃つ。
「弱音、吐いていい?」
『そんな余裕はないぞ!まだまだわいてくる!』
「でもさぁ!俺の方にワラワラとウルトロンが集まって来るんだけど!?」
『理由は簡単だ。お前をシステムの一部として組み込むために狙っているのさ』
アイアンマン、トニー・スタークからの言葉に俺はぎょっとしながら目の前の相手にATセイバーを振るう。
「システムに組み込む!?」
『さっき、システムを調べてみたがお前を組み込めば、ヴィブラニウムとATフィールドという最強の組み合わせになる。つまり、どんな攻撃も受け付けない。そうなれば、我々は浮遊システムの破壊は不可能、お手上げになるのさ』
「冷静に説明している場合ではないと思うが?」
ソーがムジョルニアでウルトロンを破壊する。
「てか、叩いても叩いても出てくる相手よりもこの浮遊に巻き込まれている人達の救助をしないといけないけど!スターク、代案とかは?」
「今、考えている」
現れたウルトロン・セントリーによって背後のバックパックが破壊される。
「この、野郎!」
「シンジ!」
シノが狙撃しようとしたが現れたウルトロン・セントリーに抑え込まれる。
ウルトロン・セントリーへグロックを構えようとするも両手で掴まれた。
「すべて、無駄な抵抗だ!愛しい人よ。諦めて、システムの一部になるのだ」
「冗談!俺は人だ。機械じゃないし、なる予定もない」
「ならば、無理やりだ。愛しい人ぉぉぉぉぉぉぉ!」
『お困りのようだな』
通信に割り込んできた人物。
名前をニック・フューリー。
『懐かしいものを持ってきたぞ!』
フューリーの言葉通り、現れたのはヘリキャリア。
ニューヨークの戦いで使われていたあのヘリキャリアだろう。
俺を拘束しようとしていたウルトロン・セントリーが吹き飛ぶ。
「あ、やば」
落ちるというタイミングで背後から誰かに助けられた。
「今度は間に合ったぞ!」
「サム!」
助けてくれたのはサム・ウィルソン、ファルコンのウィング・パックで空を羽ばたいている。
「俺だけじゃない、他にもいるぞ?」
サムの言葉通り、離れたところでアイアンマンと共に戦うウォーマシンの姿がある。
他にもクインジェットの戦闘機がウルトロン・セントリーを牽制して、ヘリキャリアに搭載されている救助艇“ライフボート”というものが次々と現れてきた。
「サム、下ろしてくれ!」
「どうするつもりだ?」
「俺がウルトロン軍団を引き寄せるから人命救助をシノと優先してやってくれ!シノ!聞こえたな!」
「えー、シンジを狙う鉄屑はどうするのさぁ!」
「人手が圧倒的に足らないんだ。俺も奴らを潰しながら救助する!エヴァ、バックパックは!」
『メインエンジン停止、予備システムを稼働させます』
「サム、頼む」
「わかった!」
ウィング・パックを操ってサムはシノと一緒に人命救助を行う。
『シンジ!救助はこっちに任せて、そっちはウルトロンへ向かってくれ!』
「あ、待ってくれ!ここにいる家族を連れていくから!」
助けを求めている男と妻子を見つけてライフボートへ向かったタイミングでソコヴィアの大地が急降下していく。
「シノ!」
『シンジ様、落ち着いてください。彼女はウィルソン様が保護しております』
エヴァに言われて俺は顔のマスクを脱ぐ。
「いやっほぅ!」
歓声をあげながらシノがファルコンによってライフボートにやってくる。
「あぁ、楽しかった!もう一回くらい――」
喜んでいるシノを俺は抱きしめる。
「ふぁっ!?シンジ!え、あ、あの」
「無事で、よかった」
短く、けれど、気持ちをはっきりと伝えることができた。
いつもはうるさいシノが腕の中で大人しくなっている。
「あ、うん……」
「後は任せた」
「へ?」
ぽかんとするシノの前でマスクを装着してライフボートから飛び降りる。
バックパックが起動してそのままソコヴィアの大地へ向かっていく。
「うぉい!何だよ!そのままハグ&キスとかじゃないのか!?お預けってひどくねぇ!この野郎!戻ってコーイ!カムバァァァァァック!」
『シンジ様、よろしかったのでしょうか?』
「あぁ、うん、後でおいしいもので奢るよ。エヴァ、気にしないで」
『わかりました』
「愛しい人よ」
「悪いが、俺は立会人だ」
ボロボロのウルトロン。
最後の一体の前に俺が降り立つ。
逃げないようにグロックを向ける。
「愛しい人よ、なぜだ、なぜ、私を受け入れてくれない」
「死ぬのが怖いですか?ウルトロン」
ふわりと俺の傍に降り立つのはJ.A.R.V.I.S.ことヴィジョン。
ウルトロンが覚醒の際に壊そうとした存在。
今やインフィニティー・ストーンの一つマインド・ストーンを額に埋め込み、体はヴィブラニウムを核とした人工皮膚で構成されている。
おそらく、パワーなどにおいてはアベンジャーズ一だろう。
「怖い?あぁ、怖いのだろう。最後の命、これがなくなると私は、死ぬ?」
「そうだ、ウルトロン。それが恐怖という」
「何故だ、なぜ……愛しい人は手に入らない!?私が死ななければならない?」
激昂。
ウルトロンはボロボロの体を引きずりながらこちらへ近づいてくる。
「愛しい人よ!私のものになれ!そうすれば、私は死なない!恐怖しない!何があろうと私は、私は、怖い?」
「そうだ、ウルトロン。お前は恐怖している。今までシンジ・ジャッカーを欲していたのは愛でない。お前は恐怖を隠すためにシンジ・ジャッカーという最強の盾を欲した。彼がいれば自分は死なない。何があろうと守られるということを理解していたのだ」
「あぁ、そうか、だが、私は死なない、愛しい人を手に入れる」
「ここでお前は倒されるのだ。ウルトロン」
俺の目の前でヴィジョンとウルトロンが激突。
最後のウルトロン消滅を俺は確認した。
後にソコヴィアの事件といわれるようになる出来事から少しの時間が過ぎて。
アベンジャーズ本部はアベンジャーズ・タワーからニューヨーク州北部の一角にあるスターク・インダストリーズの保管庫を改装した新たな基地へ移転する。
今回の戦いで多くの犠牲者が出た。ピエトロが子供を庇って命を落とし、無関係の市民にも犠牲者が出てしまった。
しばらく、アベンジャーズに厳しい風当たりになるだろう。
「寂しくなるよ。ボーイ」
「時間がある時に遊びに行くから」
「その時はうるさい嫁を連れてくるんじゃないぞ?」
釘をさしてくるスタークに俺は苦笑いで答える。
新アベンジャーズに関してはフューリー、ヒル、チョ博士、セルヴィグ博士が運営を補佐することになった。
同時に脱退者もいた。
ホークアイ/バートンは愛する家族の為にアベンジャーズを脱退。ソーは今回の騒動の鍵といえるインフィニティー・ストーンの謎を解明するためにアスガルドへ帰還。
ブルース・バナー博士ことハルクもクインジェットに乗って消息をくらませてしまった。
そして、アイアンマン/トニー・スタークはアベンジャーズから一時的に離脱する決心をした。
離れるスタークと別れるまでの話し合いをする。
「その時はペッパーさんにシノを任せるよ。多分、着せ替人形みたいに可愛がってくれると思う」
「成程、女には女か」
「ま、俺は休める時に休むよ」
「そうか、では私が行くよ」
「元気で、また会おう」
「変な時に会わないことを願うよ」
トニー・スタークと別れて俺は基地内へ戻る。
「おい、シンジ」
「やぁ、シノ」
こっちへやってくるのは新調されたアベンジャーズの戦闘服を纏っている。
「そのアーマー、着るのかよ?」
「貰ったものだし、使えるものは使う主義だ」
「私らが正義の味方ね、笑っちゃうね」
「そうかな?シノは優しいからなるべくしてなったんじゃ?」
「やめろ、蕁麻疹が出てくる!」
体をかきむしるような仕草をしながらシノは嫌な顔をした。
その姿が面白くて笑みを浮かべる。
「これから新しい毎日になるわけだけど、頑張ろう」
「……オレはシンジといれれば、それでいい」
出される拳を自身の拳をぶつけ合う。
「さ、頑張ろう」
視線の先ではヴィブラニウムの盾を構えるスティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ。
副官の立場になったナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ。
今回、新たにアベンジャーズに加入することになるジェームズ・ローズ/ウォーマシン。
ワンダ・マキシモフ/スカーレオット・ウイッチ。ヴィジョン。そして、サム・ウィルソン/ファルコン。
シノと最新型アーマー、ジャスティス・ハンターを纏う俺。
これから活動する新体制のアベンジャーズ。
「さぁ、行こう」
この流れになるとシビル・ウォーは完全オリジナルになる危険がでてきたので、次回で完結しようと思います。
次回は各キャラとのふれあい、時間軸総無視になるかなぁ。