戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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朝6時から始まり、夜、、2時位まで働いている
そういう人物です

尚、時間外労働であり、会社に記録が抹消される為
残業代は出ない模様


第1章 異世界へ
ジャック オゥ ランタンで昼行灯


いつのまにか俺は別の世界に入り込んでしまったようだ

いや比喩では無く、

 

目の前にいる[明石]ソックリな少女に目を奪われた

 

「あの、クレーンにあまり触ると危ないですよ?」

「あ、ああっすまない!」

 

たまたま歩いていたらぶつかった、『俺は悪くない』

いや球磨川ムーブしてる場合じゃない

 

「民間人?なんでこんなところに?」

 

「へ?」

 

突然出された問いとしてはちょっと理解の及ばない物だったので

俺がフリーズしていると

 

「ここは戦闘警戒区域内ですよ?警報も三時間前から発令されてるってのに民間人がまだ残ってるなんて…

ほら、最短で向こうへ行けば十分ほどで!」

 

突然表情を変えた明石カッコカリは俺の方に飛び着き!?

 

「静かに!頭を出してたら狙われますよ!」

小声で叫ぶなんて器用な真似を…

 

ブンブンと虫の飛ぶような音がする

これは…!深海棲艦の空母型が出す艦載機(旧式)

 

俗称タコヤキ!

 

なんだ…夜間発進だけが脅威のタコヤキかぁ、

それもエリートでもない通常機…って!こっち明石しか居ねえじゃねえか!空母を呼べ!

赤城!加賀!!

 

え ?大鷹?知るかそんな奴

 

軽空母の龍驤?知るか流星搭載機だよ

 

ってやべえぞあいつら艦爆じゃねえか!

爆撃くるぞ回避しろ!

 

「退いてくれ!ってアレ避けないと!」

 

「バカ言わないで下さい!あんな数避け切れません!最初からダメージ前提の防御姿勢ならそれなりに耐えられますから、

それに貴方を放り出す訳には行きません!」

 

「そんな事はどうだっていいだろ!」

 

「良くありません!民間人の一人守れずして何が軍籍ですか!

私はここに配属された時から沈む覚悟くらいできてます!大人しく守られて下さい!」

 

明石の押さえつけからなんとかのがれようと体をズラし、同時に

タコヤキどもが落とした爆撃が着弾、爆ぜる

凄まじい熱と衝撃が俺を揺るがす

 

「ほら!たかが側撃の爆圧だけでそんなんじゃないですか!」

 

再び明石が俺に艤装の装甲を傾けた状態で組み付き

俺の動きを封じる

 

「お願いだから…大人しく守られてて下さい!」

 

俺はその涙ながらの声に

定番の挨拶をもって答えた

 

「現刻を以って、提督が鎮守府に着任した

これより艦隊の指揮を執る!」

 

ほとんど聞いて居なそうな明石に

直接命令する

 

「明石!お前が旗艦だ!

作戦目標は敵の殲滅及び現地域の離脱!俺が直接指揮を執る為

作戦概要は省略する、第一艦隊出撃!」

 

「第一艦隊って…それ私しか居ないじゃないですか

それに私、呉所属ですし…でも今だけですよ」

 

爆撃を終えた空戦隊が去っていくのを確認して

明石が体を起こし

 

立ち上がる、

 

「現在武装は第一スロット10センチ連装高角砲

二及び三スロット目は艦艇修理施設です」

 

つまり対空装備以外無しか

 

…ならさっきのタコヤキ落とせよ!

 

「損害は軽微、評価値小破未満、まだ行けます!」

 

「承った、前進だ、敵空母の第二次攻撃を予測、

到着時間………34秒後!」

「了解!」

 

俺の指揮に従って走る明石…とはいえ重量が大きい為低速で、俺を伴うが故にろくな速度を出せていない

 

「残り十秒!対空砲用意!」

 

「了解!連装高角砲、装弾完了、いけます」

 

「さん、に、いち!今」

 

「対空射撃開始!」

 

明石が撃つ弾丸は、見事にそこに飛来した二十数の艦載機を襲撃し撃滅せしめた

 

「やった!やりましたよ!」

 

「まだだ!」

 

続く艦攻の突撃が不意打ちとなり、明石は直撃を受けてしまう

 

「きゃあっ!」

「明石っ!」

 

どぐしゃ、と地面に倒れこんだ明石

悠々と戦果確認を終えた深海艦載機(艦攻)が旋回して飛び去っていく中

俺は明石に駆け寄る

 

「明石!損傷(ケガ)は!?大丈夫か!?」

 

クレーンに触れない為、直接助け起す事はできないが

それでも、状態の確認くらいならできる

 

「……大丈夫です、損害、中破寄りの小破

といったところです」

 

ゆっくりと体を起こした明石は

明らかに無理をした表情で微笑いながら応えた

 

「泊地修理!あれなら小破までは治せるんだろう!?」

 

「…時間ありませんよもうすぐ敵本隊が来てしまいます」

 

 

「知った事か!今からでも回復しろ!」

 

怒鳴りながら工場重残業で鍛えた筋力で明石を抱き上げ

膝と腰の力を利用して支える

抱き上げの時も支点を寄せて、膝関節を使っているため、案外楽だ

 

「あっ……」

 

「心配ない、俺ならいつでも走れる」

 

俺は明石が自分に泊地修理を施す様を見ながらゆっくりと歩く、目的地は物陰、以前ビルだったのであろう瓦礫の山が狙い目だ

 

静かに、できるだけ音を立てずに、気配を見せずに歩いて移動し

廃ビル群に到達、崩れたエレベーターシャフトの中に身を隠し、敵の攻撃を待つ

明石は耐久力も回避力も低いが、その分の特殊能力をもつ

それこそこの泊地修理、明石がいなければ発動できない母港以外での作戦行動中の修理である

 

十数分の間は艦載機らしき物がブンブンと周辺を飛び回っていたが

やがて諦めたらしく、帰還していく、そして誰もいなくなった頃に明石の修理が終わり、そこからは走って撤退することにした

 

「…無理を言って悪かったな」

「本当に無理をさせてくれましたね()()…しばらくは忘れませんよ?」




主人公はなかなか暗めな過去を背負っているように見えますが、
中身は作者と友人の過去を結構な割合で投影してますw
提督としては劣等ですが、人間としては優秀
そういう人物です

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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