戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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100話だから景気良く

「そろそろ作戦指揮やってみない?」

「えっ?艦隊指揮ではなく?」

 

「そうそう、作戦指揮だよ」

立案からメンバー選定から実働まで全てを行う事を『作戦指揮』と呼称しているのだが

 

今までは連合艦隊の中でも命中補正の低い第一艦隊の艦隊指揮であった、フォローも入るしそもそも俺より経験のある艦娘達に頼れたが、今回は違う

 

「前線に出るか……」

「まぁそれも一つの形と言ったところかな」

 

連合艦隊級となると戦力の問題から艦娘の体から出ている特殊な磁場が発見されやすく、攻撃を受けやすいのでステルスコートを施した中型の船を用いて艦隊の母艦とする事が多い、ずっと洋上移動するよりはるかに効率が良いから、と言うのと深海棲艦に対する秘匿性、即応性が高いからだ

 

もちろん通常の艦隊出撃と別にコストがあるため、非経済的であることに違いはない

 

中型艇で待機する人物も深海棲艦にとっては攻撃対象となるのだから護衛も必要だ

 

今回は俺だからある程度カバーできるが

 

勿論儀装は持っていく

今回はガチ出撃だから輝那と撫子の両積みだ

勿論片方しか動かせないが

 

……大和?

 

[どうせ私はホテルですよー……]

 

コストが高いだけだから…駆逐艦数回分以上の出撃コストってだけだから…

 

[燃料費が水雷戦隊一個分ってのは大体史実と同じ比率らしいな]

[酷いです!グサってきました!]

[おおすまんすまん]

 

[誠意が感じられません……]

[仲睦まじいことはよろしいけれど、良いの?今は作戦考案中じゃなかった?]

 

[陸奥さん……助けてくださいコストが高いんです!]

[それは私にも当てはまるからちょっと無理な相談ね]

 

二人ともごめんね、、俺には二人を同時に満足に動かせるほどのキャパシティがないの、

 

[まぁ、謝ってくれたならいいです]

[私は別に気にしてないわよ?]

 

今回の掃海戦は俺も前線に出ることに決めた、俺は武装だけなら姫級を確殺できるからな

前線に出ないなんて馬鹿げてる

 

と力説して、ようやく出撃許可を取り

中型艇、定員15名のクルーザー(というと巡洋艦に被るんだが)で艦娘達と共に出撃した

 

大将が終始ニヤニヤしていたのは何故だろう……

 

大将は大体表情アレだから放置しよう

 

さて、連合艦隊で出撃した俺たちだが

編成は第一艦隊

旗艦俺、ちょっとよくわからない

 

なぜクルーザーで来てるのに

俺単体なんだ?

しかも、俺水上に立ってるし

 

大将がニヤニヤしながら無線飛ばしてきたと思ったら…君専用儀装が大本営から送られてきたら使いなさいとかなんとか、、訳がわからないよ

 

しかも妙に推力が高くて装備品と使用者の力量が噛み合わずに持て余しているような印象を受ける…自分でやっていてこれなんだから

周りから見ればさぞ無様だろうな

 

[そ、そんなことないですよ!

言わば建造直後の艦に出撃させたようなものなんですから!]

[練度1の艦を訓練無しで出撃させたらこうなるって感じね〜]

 

クソダサス……

 

まぁ外観はどうだって良い

R戦闘機だって強いし

 

いけるかな……最悪転覆しても儀装破棄して泳げば良いか

 

「さて、いくぞ」

 

第二艦隊の面々+俺の七人とクルーザーで留守番してる第一(嘘)艦隊

 

 

ひどくね?

 

「索敵機!発艦始め」

 

俺はポケットから取り出した紙束を投擲し

そこから偵察機、彩雲が飛ぶ

 

彩雲と視覚をリンクし、飛ぶ彩雲からの情報を受け取る

 

辛い、、酔いそう

 

ん!あった!

 

「敵艦隊発見」

 

6隻編成の敵艦隊を発見して

 

電報で第二艦隊に情報を送る、第一艦隊なら無線が通じるが、隊が違うと残念ながら電報かアイコンタクトレベルのコミュニケーションしか取れない

 

どうも向こうでも見つけたらしいな

 

「散開、第二艦隊は複横陣を」

無線指示が聞こえてくる、そういえば大将は無線繋げられるんだよな

 

「神巫君は自由に動きたまえ

そもそも儀装テストでもあるんだ、艦隊行動に縛られていては何も出来んからね」

 

それ暗に艦隊の邪魔しないでって言ってるんだよね?わかったやってやる

 

「輝那ネクスエッジスタイル」

[随分とカッコいい名前だこと]

 

魂の接続が陸奥メインに切り替わる

輝那が狙撃銃型に切り替わり、

 

三連射(バースト)

同時に反動を

「撫子!」

[はいっ!]

大和が吸収する

 

大和の装甲は厚く、魚雷が直撃しても大和の方が気づかない程だ

 

大型戦艦であり、驚くべき主砲径を持つ大和は対応防御の概念によって『46センチ三連装砲の直撃に耐えられる装甲』を要求され、見事に達成した結果

 

小型艦の砲撃など跳ね返してしまうようなまさしく鉄の城と化したのだ、

 

その装甲を以ってすれば

長門型の主砲といえど反動如きでは容易く無効化する、装備が揃った時点で、もはや俺の腕がミキサーにかけられる危険装備ではなくなったのだ

 

依然反動は強いがもちろん火力も高い

結果、全弾命中で大衝撃波に巻き込まれて沈む艦を含めれば、、6隻、全員沈没、完全勝利S

 

これそういうゲームじゃないから…

 

その後、結局敵艦と遭遇するたびに陸奥で撃ち抜き、弾を回収しては大和撫子で斬りかかる、を繰り返して

全戦完全勝利したのだった

 

鎮守府に帰港して、儀装解除

(とはいえ俺は靴を履き替えるだけだが)

して、執務室へ凸る

 

「ヘイ提督ー!」

金剛ちっくになってしまった

「なんで新型儀装のこと全然教えてくれなかったんですか!抗議しますよ流石に!」

 

「え?知らんかった?

わし知っとるとおもってたわー

大本営から『頼まれた品』って送られてきたもんじゃし、知っとると思ったったわー」

 

この人は本当に……

 

「アイヴィって名前だったのぉ」

察した、その瞬間に察した

 

多分飛鳥さんが作ってた島風の主機だこれ

あのイカレた加速するボード使いこなしてる人ならそりゃ早くても使えるわ……デチューンしないと

 

ってか自分の儀装は自分で作るもんじゃなかったのか?貰っていいのか?、、大和撫子貰ってるから良いか

 

もう今更だ

 

「じゃあせめて説明書とか無かったですか?」

「無かった、一切」

 

なんか隠したなぁと思いつつも黙秘されては問い詰めようがないので止めた

 

まぁ良い

結果オーライだ




島風の主機アイヴィ登場!

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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