戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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第8章 提督着任
提督と技師と


「おはよう、陽炎、隼鷹、神風」

「ん、ほはよぉ」

 

「ひゃっ……ふぁ〜」

「おはよう」

 

「取り敢えず一つ……

なんでみんな部屋にいるんだ?」

 

「っ、これぇ〜」

隼鷹が俺に見せてきたのは

 

鍵?ってかそれ部屋キーの合鍵じゃね?

 

「大将がくれたー」

「おまえなぁっ!流石に断れっ!」

すまない取り乱した、まず現状を把握しよう

 

「鍵は隼鷹が持ってきた、それに便乗して陽炎と神風が入った、ここまで把握した」

「ふにゅ〜」

「こら、陽炎」

[ぴぎいっ!ぴっきちぃ!]

 

隙あらば俺の膝で寝るんじゃないよ全く、そもそも俺の膝って寝心地悪くないか?

 

「「じーーーーー」」

 

なんか焦げそうな視線で見つめられてんだけど、どうかした?

 

「はっ!室長の焔の瞳(ジャムルフィン)って陽炎の儀装だったのか!」

室長曰くジャムルフィンはマイクロウエーブを背に接続したフィンから放射する広域殲滅兵器らしいからな

多分名前的に陽炎

 

「提督……」

やめろ神風、そんな悲しい目で見るな!

 

「そろそろ時間が……なるほど」

大将が部屋に来た瞬間に笑いながら去って行った……この人は……

全くどうにかならないのかな

 

「そうそう、君にこれ

乗船チケットじゃから大切にな?」

 

 

「え?乗船?」

深海棲艦のせいで既存の船はほぼ使えない状態なんじゃないの?

 

「護衛艦じゃからな、鎮守府直通じゃぞ?」

「なるほど…そういうこと」

 

艦娘の護衛付きで本土沿いならあまり問題はないか

 

「ほら、これな」

渡されたチケットに書かれた字は

約束された乗船の券(ぷかぷカリバー)

 

なめてんのか?

「これが正式デザインじゃからな、おかしくはないぞ?」「おかしいのは頭の方でしたね」

 

「キミ何気に辛辣じゃの」

「辛辣にならざるを得ない環境ですからね」

 

まぁ、、仕方ないか……どうもこいつが正規品であることに違いはないようだ

 

「はぁーーーーー」

ふかぁぁあく息をついた俺は、そのチケットを受け取り、歩き出した

 

もちろん、外へ

 

外へ出たあと、改めて鎮守府に挨拶をして

離任する、挨拶はもうすませたし

艦娘も待ち伏せていない(学習した)

 

「はるさめ?」

まさかの展開だった……鎮守府からしばらく歩いた場所にある停留所の前に、春雨がいたのだ

 

「お待ちしておりました」

「……」

「どうかなさいましたか?」

「…………」

 

「ええっと、なにか粗相でもしてしまいましたか?」

「……………」

 

「提督ー?」

目の前でハタハタと手を振られても

背伸びして上を向いて目を閉じていても、

つねられても止まったままで無視して

 

「……!」

気を抜いた春雨がそっぽを向いた瞬間に走り出した

 

現実を受け止めるのは時に辛いが必要なんだ!君を病ませるわけには行かない!

 

「ていとくっ!」

「年が離れすぎでごめん!!」

 

そのまま全力である程度走ってから

移動用儀装のことを思い出して海から波止場までアイヴィで移動するのだった……

 

なんか悪いか

 

「はい、こちらぷかぷか丸の乗船場となります…チケットはお持ちですか?」

猫を掲げた小さな女の子が迎えてくれた

 

可愛いけどなんか憎らしいなぁ

 

なんというか、辛酸を舐めさせられたというか……というかこの子アレでしょ?猫吊るしの後継者でしょ?

 

「しつれいなぁっ!私は猫吊るし先生の弟子の猫土下座です!」

「猫土下座……エラーっ娘?」

「え、エラー?何の話でしょう

 

私はここのところずっとぷかぷか丸の乗船場で勤務していますが……?」

 

「そうか、人違いならいいんだ

すまないな、チケットこれ」

「…はいっ!確認しました、ご乗船ありがとうございます、ぷかぷか丸、あと五分ほどで発進いたします、お席に着かれましたらシートベルトの着用をお願いします」

 

「おぅ、意外としっかりしてんのな」

「はい、これは仕込まれました…お客様のお席番号は118ですので、1階席、最前列向かって左から三番目となります、お席のお間違え無きように、よろしくお願いします」

 

立て板に水だなぁ

 

なんかもうとにかく早いというか

しばらく働いている職ならではだな

 

「アテンションプリーズ

当船はまもなく出航いたしましゅ」

噛んだ……いま、噛んだ……

 

シートベルトは締めたし、荷物も棚だ

いざという時に備えてアイヴィは装備したままだけどな

何の問題もない

 

「出航致します、、荷物等は棚の上にお上げ願います」

 

そして、その十秒ほどのち、

 

きゅうぅんというエンジン音と共に

ぷかぷか丸が発進した

 

そのあとは早かった、深海棲艦が来る様子もなく、難破もせず、座礁することもなく

ものの一時間ほどで到着のアナウンスが流れた

 

「まもなく、目的地

第1745鎮守府でございます、お降りの際は、お忘れ物のないの無いようにお願いします、また波止場と船との距離は衝突防止のため、開いております

足場は渡し板となりますので、お足元へご注意下さい」

 

またリアルな話を……

 

停船したあと、妖精の子達と猫土下座(自称)がブリッジを掛けて

 

「はいどーぞ♪」

「おっ、、おう、ありがと」

「どう致しましてです」

 

何だこいつ可愛いぞ

「着任おめでとうございます!」

 

祝福されたぁっ!不味い!

俺魔王にされちまう!

全ての艦娘の力を受け継ぎサーバーを超えて鎮守府と深海を知ろしめす秋刀魚の王者にされちまう!

 

「ほらほら、鎮守府の皆さん待ってますよ?」

 

皆さん?大淀(任務娘)明石(アイテム娘)間宮(食堂)と初期艦か?

 

《提督ー!お帰りなさい!》

 

はっ?、、は?

 

睦月たちにはじまり、蒼龍、長門、金剛、の大型艦まで

 

そんなに初期時点で艦娘が揃ってるはず………ん?金剛?長門?蒼龍?天龍田達(ようちえん)

 

なんか見覚えあるなぁ

 

「司令官!」

 

走り寄ってきた小柄な少女、

白い髪が特徴的な

将来美人さんに育つだろうこの子は

 

「響?」

「…うん、そうだよ、司令官!響だよ!」

間違いない、

俺のあげた技師制服の帽子やな

 

それを機に集まって来る艦娘たちに笑顔を見せながら、半年ぶりに挨拶する

 

「みんな、ただいま!」

 

《…お帰り!》

 

 




最終回テイストになってしもうた……

続くよ?

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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