戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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レインスイーパー提督

さて、黒杉鎮守府改め。

創海鎮守府起動の一報は、呉、佐世保、舞鶴、大湊、横浜、大坂、柱島、ラバウル、そして大本営のそれぞれで波紋を引き起こし

 

のちにブラック鎮守府対策のメソッド

《技師等の周辺者を代理提督に据える》

が構築される原因となったのだが

 

そんなことは知る由もない俺は

提督の執務室でぼけーっとしていた

 

原因?分かり切ってるだろ?

 

「hey テイトクー!」

金剛さんである

 

なんのかんのと騒がしいのだ

「毎日毎日執務室でティータイムしなくても良いと思わないかい?」

「えっ?……何を言ってるのか分からないデース」

「今完全にわかってたよね?」

「イギリス人からteaを奪うのは日本人からワビサビを奪うのより酷いデース!」

「日本侘び寂びそんなに残ってないから、むしろ文化侵略されて侘び消えたから」

 

「象徴的な意味合いデース!」

「文化の代表扱いかよ……」

 

「良いですかテイトク!イギリスではこんな諺がありマス、曰く《紅茶は血よりも濃い》デース」

 

「そりゃそうだろ」

濃く淹れてればそうなる、静脈血は赤というより黒だから動脈血だろうけど

 

「色合いじゃありマセーン!紅茶こそが私たちの血液!生きる(みなもと)デース」

 

「うん、紅茶を燃料にできる戦艦とか初めて聞いた」

 

「実際は普通の燃料で動いてマース!でも紅茶があるのとないのはヤル気が違うノー!」

 

「の割にはテンション高いよな?」

「提督とティータイムできる喜びからデース!…正直ティータイムより提督の方が大きいなんて言えマセーン」(ボソっ)

 

「なんとも嬉しいことを言ってくれる

 

さて、紅茶はないがコーヒーならあるぞ?」

俺は淹れるのに手順がどうとか蒸し時間がどうとかカップの温度がどうとかってやるよりインスタントコーヒーで済ます事が多いのだが、

 

最近は冷えた牛乳にインスタントの粉を入れて砂糖と共に混ぜると

熱湯でコーヒーを先に作ってから牛乳を入れて、その後冷やすという通常手順で作ったものより短時間でよく冷えているミルクコーヒーを作れることに気づいたため、まずコーヒーすら真っ当に淹れて飲んでいない

 

「インスタントコーヒーを持ち込むなんて……正直、私はコーヒーでも楽しめるタイプではありマスケド」

 

例のインスタントコーヒー牛乳は流石に呆れられたが、通常手順でコーヒーを淹れてあげたところ、ふつうに飲んでいた……紅茶バカじゃなかったのか

 

「もちろん好きなのは紅茶デース!でも他の文化を拒否するわけじゃありマセーン!

それはロイヤルネイビーに相応しくない振る舞いデース」

 

「おっおう……」

 

「提督〜?金剛さんが入ってから随分経ってるけど〜?何かしてるのかしら〜?」

 

この柔らかくて可愛くて怖い声は……

「龍田か?」

「せいか〜い、入るわね〜?」

 

「どうぞ」

「うふふ〜、わざわざ敬語なんて使わなくていいのよ〜?

私たちの提督なんだから〜」

 

「その通りデース!テイトクはもっと泰然と構えるべきデース!」

 

「いや、しかし俺は現場目線での」「提督〜、立場があるって事はそういう事よ〜?」

 

「ん、そういう事か」「そういう事デース!」

 

つまり、龍田は艦娘で、俺は提督

彼女の言いたい事はそういう話なのだろう

 

龍田自身は歴戦の艦娘であるが、あくまで

旧式の軽巡艦であり、

軽巡の中でもスペックは低い

 

つまり、全体的に見て弱いのだ、

無論あくまでスペックの話であり、龍田が弱いかと言われると強いとしか言いようが無いが

 

やはり改二が発現していない旧式

というレッテルは避けられない

 

そんな龍田に敬語を使っていては提督と艦娘という上下関係が優れてしまう、だから龍田は止めた

 

うぅん、やっぱり良い子だよ

 

たまに怖いけど

「提督〜?」

「なんでしょ……何かな?」

 

「うん、正解♪」

「テストだったのね……」

 

怖い子だ「提督?」

「なにかな?」

「言って見ただけ〜♪」

 

ふぅ、やはり怖「提督〜?」考えるのはやめよう

 

「なにかな?」「言いたかったのよ〜」

「龍田ずるいデース!私もそんなcoupleみたいな会話したいデース!」

 

「カップルみたいに聞こえたしら〜?」

 

にっこりと笑いながらこちらを向いてくる龍田

ヤ バ イ

 

死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!

否定しろやボケって目してる!

「っ!いやいやいや!そんなの有り得んから!カ カップルなんてないから!」

 

これで良いんですよね龍田さん

 

[はぁーっ][このバカ…]「流石に…]

 

[そりゃ言ってる側と体感する側は違うからな!]

無責任に煽りやがって……

 

「提督、ふざけ話は置いといて、そろそろ出撃の時間デース!鎮守府近海は最低限鎮圧しているケド、それ以外は全部取られちゃってるネー!はやく取り返した方が良いデース!」

 

「それは私も同意ね〜、仲間たちの沈んだ海ですもの〜静かにしてあげたいわね〜」

「………よし、第一艦隊は出撃準備に入れ、第ニ、第三艦隊は哨戒任務および遠征出撃だ、いいな」

 

「「了解!」」

 

戦艦を積極的に運用できる余裕はない

金剛と長門には自重願う、

 

ついでに唯一の空母、蒼龍もだ、

 

そういえば任務の受注をしていなかったな

初めての編成と出撃を有効化し、出撃する

 

これだけで資材がもらえるからありがたい事だ

 

なに?2/4/11?何を言ってる

解体はしないよ?

 

 

「んじゃあーほら、アレだ

これより、艦隊の指揮を執る!」

 

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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