戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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指揮は前線で執ったほうが効率いいよね


カンムスフロントライン

2の1周回作戦を開始した

 

残念ながらトラウマの激しかった潜水艦娘はほぼ全員が解体、転属処置の餌食となってしまったから超速周回は出来ないが、駆逐、軽空母編成でやるしかない

 

「ゲームの中みたいな簡単な指揮じゃないからなぁ、、忙しい」

周回するにも志気が落ちる問題は如何ともしがたい、、間宮さんをアイス運用するつもりはないし……恩があるからな?

 

それにこっちはゲームの枠みたいな限定がない、楽だが自由度が大きい分、揺らぎも当然ある

具体的には深海さん達の分布がちょっと違ったり、毎回同じ編成じゃなかったりする

 

当然な上に地味だが、それは重要な負荷となる

 

半年前に施した艤装大修理のお陰で大破状態のまま継続的に運用して、練度が全然上がらないままになっている、という艦はいないが、だからといって練度が高い艦は少ない

 

いや、高いんだよ?傷ついた状態で生き残るという意味では、ただそれはあくまで生き残るという意味であって、とる戦法は奇襲とか開幕飽和雷撃のようなもの

 

それでは砲戦のノウハウなど蓄積されるわけもない

それ故に彼女達は揃って

正統派の戦い方が得意ではないのだ

 

奇策というのは正面攻撃あってこそ

つまるところ、

策を活かすための地がないのだ

 

前任提督の時代に建造された、あるいは転属している艦娘はほぼ同じ症状を起こしている

 

真っ当なのは前々任の提督が運営していた時代の建造艦だけだ、そしてその人数も少ない

 

殆どが前任提督、甘粕葛箭に抵抗して

沈められ、解体されていったからだ

 

水面下で活動していた龍田や響のような艦や敬意はないが敵意も示さず、戦果を挙げはしている長門達のような大型艦達は、流石にすぐに解体することもできなかったらしい

 

「馬鹿だなぁ……」

 

大艦巨砲主義から駆逐艦至上主義に切り替わったことを悟られると主張を簡単に変えると見られると思ったようだが、そんな事を考えなくてもその尻尾は既に掴まれているんだから世話ないが

 

「まぁ、もう一回いこうか!()()()()()

「りょーかい、水雷戦隊 出るよ。」

 

そう、何周目か忘れたが

北上様がドロップしたのだ

艦これのドロップはちょっとよくわからない確率で意味不明な所からそんなところに居たのかと思うような艦が出てくる事がある

 

そして、北上様はそのあたり枠だ

 

つおい、スーパー北上の火力低下と改修喪失を含めてもハイパー化すれば得の方が大きい

 

最強の雷撃である……リアル艦時代の技術ではそもそもあんまり当たらず、当たっても不発が有ったものだが、こちらでは威力も高いし命中率もそれなり以上だし

 

とくに夜戦火力が尋常ではなくなる

夜戦になれば姫ですら爆殺してみせるフィニッシャー、それがハイパーズだ

 

片割れたる北上様単体でももちろん強い

 

球磨型なのにクマだのにゃだのと語尾がつかないというあたり、もはや別枠扱いである

 

木曽?知らんな

 

「一緒に提督も来ない?」「…俺は指揮を執らねばならない」「現場の方が志気あがるよ?」

 

「……アイヴィ」

 

仕方ないかぁ、、まぁ周回の代償とでも思って切りぬけよう

[おっそーい!待ちくたびれちゃったよ!

早く行こっ!提督]

[おう、行くぞ島風!]

 

島風と共に出撃する、もちろんタコヤキはお留守番しているが、輝那と撫子を携え、烈風と彗星を式神化して懐に入れた俺は現状のフル装備といえる

 

鉄扇?もちろん持ってるよ?

あれは明確な武装じゃないから装備枠に入らないってだけで、

 

というか俺、もしかして航空戦艦カテゴリなのかな?

[軽巡ー!軽巡はいかがかなー?!]

[航空機って素敵よねー!!]

 

何いってるんだお前ら

 

[熱烈なアピールじゃない、幸せ者ね]

[陸奥、まず何をいっているのか理解できないんだが]

 

[流石に駆逐は無理かしら?]

[無理です][無理だな]

 

五月雨と俺の声がハモる

 

[いい歳こいといて今更駆逐艦とか名乗れるかよ]

[戦艦はどうなんですかそれ…]

大和さんがまた影に入ってらっしゃる

 

「敵艦隊発見!」

おっと来たな!

 

俺は指揮権を宣告してから下がり

北上、天龍

時雨、夕立

雷、俺の複縦陣を敷く

 

正直あまり意味はないが、対空対潜の陣形といえばこれである、単縦、複横、輪形陣それぞれに速やかに移行できる柔軟性が大きい

 

出て来た艦隊は駆逐イ×1とロ×2

軽巡にヘ×2、重巡リ

 

まぁ余裕って感じの艦隊だな

 

俺は烈風と彗星を展開し

 

開幕航空に入る

まぁ負けないけど

 

「同航戦時恩恵(ボーナス)により攻撃力が増加している今、狙うは一撃轟沈!」

 

彗星は爆撃機だが、

それなり以上のスペックはある

攻撃用の烈風も積んだ

 

何が言いたいかって?

制空確保だ

 

「天龍!北上!」

「「了解!!」」

 

「突撃するっぽい!」

二人の砲撃と夕立の撹乱が敵陣形を乱し

「時雨、雷!雷撃用意!」

「はい」「わかったわ!」

 

俺も制空確保で圧力をかけながら砲撃をチラつかせて

 

砲撃戦が終了する直前に、

北上と天龍が左右へ展開し

 

夕立が敵陣後方へと抜けて、

時雨、雷が魚雷発射

艦隊を組み直す余裕もなかったらしい

深海棲艦たちは各々で回避するが

隊列を大きく崩してしまった

 

「各個撃破!時雨!合わせて

夕立挟撃、ヘ南!」

 

「および北上、天龍は魚雷発射!」

 

直掩の雷を除いて全力攻撃をかける

 

前後から砲撃を射かけられて背後の方を警戒出来ずに

へ級の片割れが沈み

北上、天龍の飽和雷撃で散布された魚雷が回避専念を強いる、反撃のタイミングを失ってしまった敵艦には

すでに勝利の目など残っていなかった

 

俺の彗星でロ級を攻撃して大破させ

足の鈍ったロ級を雷が砲撃で仕留め

 

イ級はいつのまにか夕立が骸を抱えていた

 

艦隊の半数を失う損害に、流石に撤退判断を下したらしい敵艦隊が下がろうとするが

 

「夕立の隊列帰還を見計らい一斉に雷撃!」

 

《了解!》っぽい!」

 

援護のために北上が突出して注意を引き

俺の回した烈風で護衛されながら大回りで夕立が戻ってくる、北上も引き撃ちで戻り

 

体勢を立て直して砲撃の姿勢を示したリ級にすかさず狙撃型にした輝那で弾丸を叩き込み、砲塔を全滅させて

 

「雷撃、撃てっ!」

 

一斉に雷撃、威力にばらつきこそあれど十分な攻撃になったらしく、重巡リ級含めて残艦全てを沈めた…

 

「ふっ…勝ったな」

「それはフラグって言うんじゃないかな?」

 

天龍が見事にフラグを立てるのだった

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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