戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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懐の深さ

さて、撃破した装甲空母鬼の艤装が崩壊し

中からズルズル引きずり出されたのは…

 

何故か飛龍

装甲空母鬼からドロップってあったっけ?

 

考えても仕方がないし、まぁいっか

 

この近くの海域でドロップすることも無い訳でもないだろう、、蒼龍にちゃんと相棒が来た事を教えてあげよう

 

中破してる天龍に飛龍の曳航を任せて

俺が最前列に出る

 

ドロップ艦は意識がないため

基本的にはドロップごとに妖精に頼んで送ってもらうのだが、鬼に出会ってしまったし、天龍一人だが中破している、次のマスに鬼姫が出ないとも限らないので撤退の判断を下した

 

「死ぬまで戦わせろ!」

「うるせえしそもそもお前飛龍落とさずに戦えるの?」

「うっ……」

「黙ったってことは無理なんだよな?即答できないって事は危険性が高いって事だよな?俺達提督は仕事上ダメージ管理に敏感にならざるを得ないんだよ大人しく下がれ」

 

「くっそ!覚えてろよ!」

「明日までな」

 

笑いながら天龍の方を見遣り

ガチで魚雷を装填していた天龍に驚きながらも表情は崩さず、また、隊列も崩さない

 

「総員帰投後ダメージの大きい天龍は即時入渠、時雨と夕立もだ、雷には少し待ってもらうが、いいか?」

「ええ!私はかすり傷だけだから大丈夫よ!」

 

「後で消毒するから医務室に来なさい」

「司令官、応急処置出来たっぽい?」「出来るよぽいぬ」

 

「ぽいぬって言わないでっぽい…」「夕立はそれがぽいぬと呼ばれる理由なんじゃないかな?」

 

時雨が無自覚に煽っていくー!

 

「っぽい!」「はいはい」

叩く、受け流す、撫でる、デレる、モフる

 

この動作の連鎖が滑らかすぎて凄い

 

「提督ー、私はどうすればいいのさー?」

「北上は……そのロ級をあやして」

 

北上様の腰のあたりにくっついたままの状態で下半身で泳いでいるロ級、艦隊戦で北上にまとわりついていたヤツだ

 

「こいつウザいんだけど?」「完全に手懐けといてそれ言う?」

 

「手懐けてなんかないし!駆逐艦嫌いなの知ってんでしょー!」「◾︎◾︎カ◾︎!ダ◾︎ス◾︎◾︎◾︎」

 

「北上大好きだよ、だってさー」

 

「うわ、、ウザいホントウザい」

と言いつつ攻撃しないし突き放そうともしないあたり面倒見の良さを感じるんだけど

 

可愛いなぁ…軽巡北上は雷巡になると若干性格変わる説あるからなぁ

 

「ちょっと提督ー?」[提督ー?]

 

なんだよまったく

 

「いくら私が温厚でも流石に怒る時もあるよ?」[提督のイチオシは私なんだから!]

 

うん、うん?待ておい

[お前をイチオシにした事ないぞ?]

[嘘だ!私ずっと秘書艦だったじゃん!]

[はっ?お前が秘書艦……?]

ゲームの艦これで川内を第一艦隊旗艦にしてから絆、運勢補正で那珂と神通を狙って第三艦隊解放任務をやったが……そもそも此方の世界では川内とは佐世保以外ではほとんど遭遇しなかったし

勿論建造されてもいない、

この鎮守府にもいなかったし

 

じゃあ川内が言ってんのはどう言う事だ?

 

[っ!提督後ろっ!]

北上に突っかかっていた俺が目障りだったのか、ロ級が噛み付いてくる

 

ガジガジと噛まれてアイヴィが小破するが

[提督、処す?処す?][いったーい!][島風ちゃんっ!]

 

特に問題はなさそうだ

 

ほら、離しなさいロ級、、ハナセ

 

「◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎!」

 

左目が一瞬空色に輝き、それに怯えた駆逐ロ級が脱兎のごとく駆け、北上の背中に張り付いてプルプル震え始める

 

「ちょっと提督!ロ級が怯えてるじゃない」

「それが嫌がる反応かな?」

 

「……ウザいからコイツ離して」

ナチュラルにロ級を庇いにいったのを見たんだが…

 

ほんとは可愛がりたいけど素直になれない説浮上

 

「なんか今変なこと考えたでしょ!」

「…ピューピュー…」

 

「口笛を吹く音を言わない!」

 

怒られてしまった…可愛い

 

[もう!あんまり無視されると怒るんだからね!][あぁすまんすまん]

 

川内を受け流しつつ移動する

 

小破も損壊部分は把握した、

儀装は艤装とは違って生体機械ではなく、完全な機械であるため、練度などはないが

その分修理が容易だ

 

すぐに直せて便利だね

 

 

ちなみに犠牲装甲(サクリファイスガード)も無いため、艦娘と同列に考えることは出来ない、ダメージ=死である

 

さて、残り距離も少ないし早く帰るぞ

 

「あ!鎮守府が見えたわ!」

 

「夕立、隊列維持だよ」「分かってるっぽい!」

 

間違いなく分かってなかったな

 

まぁ連れ戻しも間に合うし

問題ない、、

 

 

道中で雑魚棲艦を蹴散らし

俺一人でどこまで戦えるかなテストを行い

結果的に撫子一本で無双して

勝ちまくった挙句に天龍にキラッキラな目で見られてオレもオレもオーラを出されたから途中で飛龍の曳航を代わったものの、残念ながら大型でも駆逐艦の島風、しかも儀装の出力では曳航に足りず

時雨と協力して曳航した

 

 

「ふぇー、、ただいまっぽい」

「終わった終わったぁー」

「フフフ……楽しかった…」

「はぁ、コイツマジウザいんだけどぉ」

「◾︎◾︎◾︎ミ 離◾︎ナ◾︎デ」

「早速飛龍さんを起こさなきゃ」

「んじゃあー俺はレポートまとめるからよろしく」

 

俺は北上の代わりに帰還後に戦果をまとめるレポートと、儀装複数併用による対深海棲艦戦闘のレポートをまとめるために、速やかに執務室へ戻った……




深海棲艦から深さ
手懐けから懐(ふところ)
です、サブタイトルは十秒で書くスタイル

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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