「司令官?随分とお疲れの様子だけど、どうかしたの?」
「………神風か、なんでもないよ、終わりの見えない仕事に疲れてただけだ」
明確な期限は今のところないからなぁ、退役まで
「そう、、私にはなんとも言えないけど、お疲れ様、入っていいわよ」
神風が後ろを向いて誰かを呼んだ
「失礼します、航空母艦飛龍です」
「どーぞ」
「はい!空母戦ならお任せ!どんな苦境でも戦えます!」
「うん、挨拶に突っ込むのもアレだけど、それって俺が無能ってことだよな」
「え?」「飛龍が苦境に追い込まれるってことは俺の指揮が敵艦隊に劣った、又は遅れをとったって事じゃん」
「いや、初っ端から悪いな
ちょっと今疲れてて」
「いっ、いえ!こちらこそ軽率でした
最初から苦境に陥ることを前提にして考えてはいけませんよね」
「いや、苦境を想定するのはいい
ただ、それに陥らせない様にするのが司令としての仕事というだけだ」
湿っぽい空気になってしまったな
「司令官!」
「なんだ神風」
正直寝たいんだけど
「初対面でしょ?ここで詰まるとあとあとお話しし辛くなるんだから、きちんと話し合うべきだわ」
おや、お疲れモードでも寝ちゃだめなのか
「さて、ではお話しだ飛龍
神風は蒼龍を呼んでくれ」
姿勢を正して、司令官らしく指示を出す
「わかったわ!」
神風が蒼龍の下へ行き
「蒼龍がいるの!?」
「いるよ、我が鎮守府唯一だった正規空母だ」
今は二航戦+赤城、軽空母も含めるなら更に隼鷹で四人だが
「ここにも居てくれた……良かった」
「まぁ飛龍はレアだからね、大体の鎮守府では飛龍より蒼龍の方が着任早いと思うよ」
そのまましばらくお話しして
「来たわよ!」「失礼しま」
す、まで言えないで止まった蒼龍に
「そーりゅー!」
「飛龍!?」
飛龍が飛んだ、いや跳んだ
そのままフライング抱きつき
うわぁ百合ぃ
「ちょっと飛龍!苦しいから」「あぁごめんごめん!」
ぱっと離れた飛龍、
「俺との話は完全に断絶したまま無視されてるのは仕様なのか?」「すいません提督!仕様です」「えっ!?」
飛龍は想像以上の蒼龍LOVE勢だった様だ……勢になってないって?バカだなぁ提督たちがいるだろ?
「というか一番驚いてるのが蒼龍なあたり末期よ」
神風ェ
「そうだけどさぁ、、神風
この空気だよ?」
「やっと蒼龍と会えたんだよ!」「私は艦娘の飛龍とは初対面だけどね、、会わせてくれてありがとう」
「たしかに、ちょっと介入できないわね……私は寮に戻っ、ううん、食堂で仕込み手伝ってくるわ」
「食堂?間宮さんの手伝いか
いってらっしゃい」
何故仕込みの手伝い?今日のメニューになんか大物あったっけ?
そういえば間宮さん前任時代にも俺に毎日ご飯作ってくれたよなぁ、食材もまともに供給もされてなかっただろうに…なんか悪いなぁ
「提督!」「ゥェイ!」
突然すぎて変な声出た
「クスッ、提督、声面白いよ」
「笑わないでくれ、今の俺には刺さる」
情けないが、
ちなみに、この後昼までずっと話していて十二時になって神風が呼びに来た事で話は中断された
「ようやく、提督が催事以外でお食事を…」間宮さんごめん、ホントごめん
「弱肉強食あるかな?」「焼肉定食ですね、ABのセットありますけど、どうします?」
普通にスルーされた、
「違いはどうなの?」「Aセットは焼肉、ご飯、お味噌汁、キャベツ+ポテトサラダにリンゴ、
Bセットは焼肉、ご飯までは同じですが味噌汁がオニオンスープに、サラダが無くて付け合わせがフライドポテトになります」
「……Bセ…」「健康にはAセットがおすすめです」「B」「Aセットがおすすめです」「ビ」「Aセットですねかしこまりました」
「えっ?」
「Bセットは別の単品サラダを組み合わせるのが前提なのでお味噌汁は変更されてますし、正直脂が多いので」
「俺無視?」「散々無視された私に言いますか?」
手早く調理を進めながらにっこりと笑いかけてくれた、、胃袋が凍りつきそうだぜ….
「じゃあ私は焼肉定食のBセットとオムライス(チキンライスと選択式でガーリックライスに)と、キャベツサラダ大盛りにプチトマト、あとキュウリ追加できる?」
「ええ、勿論です、空母の皆さんからのご要望で色々と対応してます」
「飛龍適応早すぎ……」
「提督?どうかした?」「いやなんでも」
もう考えるのはやめよう…
「あとはぁ、ブリ大根と枝豆の盛り合わせMサイズで」
酒でも飲むつもりかコイツ……
はっ!さっき考えるのを辞めたのにもう考えさせられている!これがニ航戦
「承りました!では、、五番テーブルにお運びしますね、
焼肉の薬味と、フライドポテトのソースはどうしますか?」
「焼肉タレはトッピングで、生姜とネギと醤油の小皿をお願いします、フライドポテトはケチャップと塩をそれぞれで」
「はい、じゃあ神風ちゃん案内してあげて」
「ん、はーい!じゃあ飛龍、この鎮守府の食堂の構造教えてあげるわ」
厨房から出てきた神風が飛龍を厨房にひときわ近い三つのテーブル席の内一つに連れて行く
ちなみに、蒼龍もその間に注文を終えていた
空母は戦艦同様よく食べるため
厨房に近いテーブルを指定することが多い
さて、二航戦水入らずと言う訳で俺は神風と一緒に…
「提督!一緒に食べよっ!?」
「は?」
「「…ダメ?」」「了解です」
断れる訳ないだろ常識的に考えて
ちなみにカウンター席では無くテーブル席な理由は、カウンター席では皿の回収が滞ると横に伸びてしまって隣の席を圧迫するから、寿司屋でたまにある光景だ
勿論、比較的燃費のいい艦ならそうはならないが、戦艦や空母はそうもなり得るのだ
「いっただきまーす!」
「はぁい、召し上がれ」
甘い声が聞こえるんじゃあ、、
「提督もどうぞ」
「じゃあ遠慮なく、いただきます」
流石に順次運ぶらしいので待とうかと思ったが、最初の焼肉定食が来た時点で飛龍が箸を持ったため、蒼龍に促される通りに俺も食べることにした
結局和食自体を摂るのがいつぶりか忘れたが、涙が出るくらいに美味かった
そんじょそこらのファミレスよりよっぽど融通のきく食堂の間宮さんだった……
二航戦のチームワークいいですね
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