戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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フェアリーズワルツ

さて、メンテ技能の相互把握も済んだところで、本格的にメンテに入る、

さっきは大本営で"教わった"スキルで少々派手にやったが、それなりには目立ってくれた

 

やはり室長はすごいな、圧倒的だ

 

「俺も二級の端くれ、そこそこ程度にはできる……があの人は超次元だ、なぜ翼型の儀装で空を飛べる?人は翼がついても飛べないと言うのに」

 

「そりゃ、その、、鍛えてたんじゃないんですか?」

 

夕張が控えめに口を挟む

 

「そんな鬼理論でどうにかなるものか…」

「その人はきっとどこか壊れてますよ、提督も修理、しときます?」

 

明石節だなぁ

 

「提督はどこが壊れてますか?」

「頭」

「頭ですね」

 

[頭かしら?]

[魂じゃない?]

[頭だよ!]

 

俺が言ってるからって瑞鶴も睦奥も川内も好き勝手言って…

 

「どこが壊れてますかと言われても…自分が壊れていることを自覚できる方がおかしいんですけどねぇ…」

 

そもそも俺の場合は壊されているんだし、

俺に言われても困るんだよ

 

さて、妖精どもに仕事を貼る前に大体メンテが終わってしまったし、、

資材の管理役でも任せておこうか?

 

(われらにしごとをー!)

(私がもとめているのはコンペイトウではない!しょくだ!)

(わたしは三ケ国ごをはなせます)

 

お前らはリーマンショックでもやってるのか

 

「職を求めている妖精…?」

「修理は人員足りてますし…工廠の方には仕事はもうありません」

 

「うぅ、、ん、特に仕事はないよなぁ、強いて言えば羅針盤の安定?」

(それはわれらにはムリなしごとー!)

(ていとくの運を使うのです!)

(にんていしかくを取りにいきましょう!)

 

「はわわ、妖精さん!待ってなのです!」

 

「なのですっ?!」

 

工廠に走りこんできたのは電、

 

「どうしたの?」

 

「妖精さんがお仕事をさせてーっていって来て、みんなのお仕事を分けてあげたのです!それが全部終わっちゃったのです」

 

(われらはゆうのう

(すごいでしょ?)

(私、ねこよほう一級です!)

 

一人マジですごい奴がいる…

猫予報とかできたのか、サーバー負荷の怪物なのに、

猫爆撃はマジでユーザー大激怒の的だったし

 

ラバウルは犠牲になったのだ…

 

なお、爆撃が頻発する泊地周辺は弱小鎮守府や中堅、強豪鎮守府が乱立しているため、艦娘同士の交流もあったらしく

爆撃の様子は克明に記録されている

 

ちなみに、妖怪猫吊るしも鎮守府の一員である、、猫を捕まえるお仕事をしているというが、彼女は一匹の猫を捕まえるのが精一杯なのだ

 

「司令官さん?」

「ん?いやなんでもないよ

提督として、妖精との折り合いはちゃんと付けるさ…さて、君たちの得意な仕事はあるかな?」

 

(そうびかいはつ!)

(きんだいかかいしゅう!)

(せんかんむすけんぞう!)

 

バラバラだなぁ、、まぁそれだけに分散配置しやすいか

集中されると厄介だからな

 

「よーし!明石、装備改修の資材と素体はあるか?」

「ネジは300本くらいしか…」

「心許ないが、、まぁ少しくらいは使えるな」

 

「夕張は余ってる艤装の素材の、、航巡と軽巡、駆逐のやつ持って来て!」

 

「はい!」

((わーい!))

(さすがよくわかってらっしゃる!)

 

「本当に仕事を配るつもりなんですね、私の場合は固有の仕事があるので良いですけど、仕事がなくなったらこうなるのかしら?」

 

「私は?」「もう帰ってokです」

電の方はさっさと帰らせた、が

 

「求職活動する妖精さんって一体…」

明石がドン引きしてる…レッドさんだからって色まで絡めなくても良いじゃん、

 

このネタわかる?

明石暁、ボウケンレッドからレイジングロア、アヴェンジャー、ブリムストーンの赤神機のアリサ

 

[ちょっとわかりにくいよね、]

[言うな、自覚してる]

 

明石と夕張って、よくペアで語られる割に明石が単艦で日本軍の40%分の修理作業を行えるとかいう異様な能力のお陰で最重要撃破対象に設定されていて、夕張は…軽巡のサイズのままサイズ比的に異様な火力を叩き出すための詰め込み設計の艦

 

うぅーん、なんか組み合わせに違和感がある

 

[え?そういうことは言っちゃダメ?]

[本人は気にしてるかもしれないじゃん!]

 

川内に突っ込まれてしまった

ダメなのだろうか…

 

「提督?どうかした?」

「頭の修理、しときますかー?」

 

「…あっ、すまん、無視してた訳じゃないんだ」

 

パッと意識を体に戻して、二人の方へと向き直る

 

「大丈夫ですか?」

「急にぼんやりした表情になって、、」

 

「見られたか……」

顔を押さえながら呻く

 

夕張はともかく明石は聡い

半端な嘘では騙せない…、しかし

このまま情報の拡散を許すわけにはいかない、

というわけで、

 

頭の中で情報を練り、嘘を作り上げる

体調不良を方向性にして、

 

よし!勝利の法則は、決まった!

 

「実は、持病の類でな…気をぬくとあぁなるんだ、普段はなんとか押さえていられるから問題はないけど、疲労やダメージの蓄積なんかがあると表面化する」

 

「……修理、しときましょう、ね?提督」

「そうですねそれが良いですよさぁ早く直しましょう」

 

二人してめちゃくちゃ早口で言い切られた

どんだけ早く口回るんだ?

 

全ての原因は疲労、そういう事にしよう

俺は度重なる出撃に疲労を重ねていた、と考えてくれるはず

 

[提督、それは悪手だよ?]

[えっ?]

「ねぇ早く直しましょう完璧に提督に異常なんてありえませんから」

 

夕張?そのモンキーレンチは一体、明石お前ハンマー持ち出してんの?

 

「「さぁ大人しく修理されてくださいよ」」

 

これはこまった、、

 

[助けて五月雨ちゃん]

 

[えっ?私ですか?…じゃあ]

 

そっと入れ替わった五月雨は

 

「いや、修理には及ばないよ、もう大丈夫」

二人に、にこやかに話しかけた

 

「単なる疲労が原因だから、休めば治るのさ」

笑いながら、静かに後ずさりして

工廠から離れるべく移動している

 

さすが五月雨賢い、やることが賢い

 

そのまましばらく話しをして、、

 

なんと、なんの問題も起きずに執務室へ戻って来ていたのだった

 

「すごい…」

その後、度々明石と夕張が俺を見ると心配そうな視線を向けてくるようになった

 

 

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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