戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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番外 125話 RJの軌跡

さて、深海棲艦、軽空母ヌ級改フラグシップ

改め、軽空母艦娘、龍驤

 

真名を龍ヶ城(りゅうがじょう)(ひわり)

 

ようやくの帰還や

 

もう何年も鎮守府を空けたままだから

多分もう黒杉鎮守府では忘れられてると思うけど、

 

不適合(ノンフォート)の私は艦娘の精神の影響を受けていないから、そこまでサバサバと考えることはできない

 

「まぁ、表面的に取り繕うのは慣れとんのや、余所から見たら普通の龍驤と変わらへんわ」

 

久し振りの真っ当な発音で

話すのは独り言、、それはすこし悲しい

 

たとえ俎板そのものなこの胸でも、すこしは痛もうというものだ

 

「ほんとぺったんこやからな、艦娘は体型が固定されるからもう成長も出来んし、、悲しいわ

 

()()()()()()()C()()()()()()()()()()()()()

 

艦娘の適合時体型変化の影響で差は縮むし髪は変色するし胸は消え去るし、自分では可愛いと思っていた顔立ちも変わったし…ひぃねぇ、って呼んでくれてた弟も、

 

思い出すと涙が

 

あれ?これって深化した後だっけ?

 

そうやったわ、鎮守府にいた時はブラックであんま外出れへんかったから、深化してボーッと漂ってたらたまたま家の前にいたから弟に話しかけたら『化け物』とか言われたんやったなぁ

 

 

今考えると深化してたらバケモノそのものやん、そら妥当な反応や

 

「うっわ恥ずかし!勝手に落ち込んどったウチ恥ずかし!」

 

あれ?もしかして深海棲艦が人を襲うってそういう事ちゃう?

深化した艦娘が以前の知り合いの人間のところ行って怖がられとるだけ?

 

だとしたらむしろ被害者側は深海棲艦やないか

 

でも武器ついたままに来るから危ないって言われて迎撃されとる、で、また艦娘が増えて、沈む

 

悲しい連鎖式や…

人間の愚かさがようわかるわ

 

「ん、、あれは、、偵察出撃!用意!」

 

どうも練度がリセットされているらしく、動きの遅い体で移動しながら艦載機を飛ばす

 

「状況報告せい!」

 

どうも仕事を忘れているらしい妖精たちに指令を出して、報告を聞く、、灯台と常夜灯がある地上施設が存在するとの事

 

「灯台、、常夜灯……間違いない、鎮守府や!」

となると問題はどこの鎮守府か

 

自分が艦娘として戦っていた過去の、掠れてしまった記憶を辿ると、どうも危険な鎮守府やブラック鎮守府はそこここに乱立しているようだし

 

上手くブラック以外のところに着任したいところや、、いや、ここはあえて

 

 

「よっと、、艤装は…隠しとこか」

深海棲艦時代に学んだ隠蔽術で艤装と装備を隠し、出来るだけ露出度を上げる

 

いや、格好でバレバレになるから

龍驤の制服であるバイザーを外して

上着を脱ぎ、内側のシャツだけになって、スカートは二回折りを戻して、ひざ下くらいまで伸ばす

 

「ずっとミニだって思ってたでしょ?

実は袴型スカートを折ってただけでした!」

 

….ウチ、誰に言ってんのやろ?

 

少なくとも服装は誤魔化せた

と判断しよう、

 

次、ブーツの中敷きを取って上げ底をなくし

相対的に龍驤より背が低い形にする

 

顔と髪は如何ともしがたいから放置

いや諦めるとかじゃなくて艦娘の特性上変えられないから仕方ないんや

声は、、ロリっぽく、誤魔化すしかない

 

「よし、、すぅ、、おにぃちゃん大好き!」

 

よし、ボイス調整完了

え?イメージが違う?アホ

同じイメージやったらせっかくの変装が意味なくなるやろ

 

さて、鎮守府に赴き

 

「たすけて、!追いかけ、られて、、もう」

 

もちろん演技だけどゼェハァとばかりに盛大に肩で息をしながら、海軍士官らしい第一種士官制服の青年にすがりつく

 

ほーら、ロリコンに目覚めてもええんやで?

 

「ん?君は

深海棲艦から逃げてきたのか?」

 

「わかんない!いつもあんなの居ないのに!

追いかけられて、怖いの」

 

「はぁ、、わかった、深海棲艦かもしれないが、陸上なら問題ないから、嬢ちゃんは向こうの

明かりのついてるドア、あの向こうにいな」

 

「うん、ありがとう、海兵さん!」

 

「おれは提督だからな、深海棲艦なら任せろ」

 

え、提督だったん?ヤバっ!

深海棲艦の事舐めとったから普通の士官かと思ったったわ

 

陸上ならってなんな陸上ならって、

人型はふつうに動くし陸型もおんねんぞ

 

ん?、、、んんぅ?

 

ん?なんか見覚えが……

 

あっ、、加賀の弟……

 

ヤバイヤバイヤバイヤバイ

 

ウチヤバい、死ねる

よりによって加賀の弟に縋り付いて

『たすけて!』って何言っとんねん

 

ひわりちゃん一生の失敗やわ

 

「それじゃあ、深海棲艦相手に、1狩行こうぜ!」

 

弟、、確か蒼羅くんは

 

響ではないけど、明らかに力を感じる拳銃を片手に

蒼く揺らめく炎を左目に灯して

歩き去って言った

 

「なんやねん、一狩って」

 

呟いた私は、言われた通りに鎮守府に入り…

「ん?ここ…」

 

ブラックな雰囲気はしない

というか、もしかして

 

「君は?」

「ひゃっ!…あぁえっと、りゅ、

彾鳴(りょうな)(ひわり)です」

 

突然話しかけられて

今考えた適当な偽名で誤魔化す

ってか名前まんまになってる…

 

「貴女は?」

「私は艦娘の、いや仮面ライダーヒュウガという」

 

いや普通に日向やん、

 

「……技師督の持ってきたビデオで見た仮面ライダーが格好良くてな、やってみただけだ」

 

仮面ライダー龍○でも見たんかワレ

 

「瑞雲ベント!」

「口で言うんかい!」

 

しばらく後、私が龍驤であることをここの提督だという大将に一瞬で見抜かれて、ここ、呉第一鎮守府の艦娘として所属することになった

 

「はぁ、、空母機動艦隊!出撃するでー!」

 




ちなみに、時系列的には呉から創海(黒杉)着任の間
深海棲艦に追いかけられてた少女=龍驤
です!わかったかな?

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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