戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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響く12時のお告げ

俺は、響を連れて食堂の扉の前に立ち

 

左の扉の角をワザと軽く蹴って

ゴン、という音を立てる

 

これは事前に決めた

俺からの響を連れてきたという合図だ

 

「来ましたね……」

 

(五、、四、、三、、二、、一!)

[突入っ!]

 

「失礼するよ」

バタンとドアを開けて

食堂に入り

 

その瞬間、鮮やかに彩られた内装に一瞬硬直する響に

 

「これより、響ちゃんの壮行会を始めマース!」

金剛の声が追い打ちをかける

 

 

「????」

 

「ほら、響、座って

君の為の壮行会なんだから」

 

「えっと、、うん」

 

大人しく座る響

 

可愛い

 

「まずご挨拶に、提督からの言葉デース」

 

「段取りいちいち踏むのかよ……」

呆れながら立ち上がり、

そっと側に立った大淀さんからマイクを受け取る

 

「えぇ、まずは皆さま、私の計画に乗って会の準備を進めてくれてありがとう!

この光景はみんなとの協力の結果だ

俺一人では決して出来なかったと思う

 

続いて……響、コイツは君の為のパーティーだからな、精一杯楽しもうぜ?」

 

「………ようやく理解が追いついて来たよ

 

わかった、、ありがとう」

可愛い

 

「それジャ、みんなもう待ち切れないカラ

早めに行っとくネ!」

金剛の声と共に、皆から可視化するほどのオーラが湧き上がる

 

暁だけは随分と悲しげだが

 

《いただきまーす!》

 

まぁ、御馳走の前には敵わなかったようで、、

 

「さぁ響、どうする?メニューは正直多いが、取り分けくらいは出来るよ」

「うーん、まだ少し混乱してるけど…取り敢えず、そこのピザとキャベツサラダ取ってくれる?」

 

「はいよ…どうぞ、ピザは熱いから気をつけてね」

「ふふっ、分かっているよ」

 

響の笑顔が可愛い

会場の雰囲気が華やぐ

 

「提督ー!」

ピョンと跳んでくる卯月を迎撃して、抱き上げる

「食事中だから控えなさい

無礼講でもマナーはあるんだから」

 

「うぅ、、わかったピョン」

以外にも素直…

「うふふ……」

 

鳳翔さんチーッス←察した

 

そんな感じです夕食は過ぎていき

「それじゃあ、二番目のsurpriseデース!」

 

どうやら俺も知らないプログラムが組まれているようだ

 

「暁、ほら」

「うん、響!ちゃんと見ててよね!」

 

「すぅ………はぁ………

改放、、、第二改放!」

 

暁が改を発動して、直後に改二に

かつて見慣れたと言っても過言ではない外観だが、

彼女に取っては、そしてこの世界においては奇跡そのものである

 

帽子や制服の裾にあった白線がなくなり、髪の色がわずかに淡くなる、

 

暁改二

 

改二の中では装甲、運の上昇率の低い改二だが索敵、雷撃、火力が大きい為あまり気にならない、寧ろ特殊要員として重宝する

 

が、大破しやすい、

 

「おい、暁」

「司令官、そんなに見つめられると」

「格好つけるのはいいが帽子がずれているぞ?」

 

「私、って帽子がズレてるって何よそれ!もうっ!」

 

暁がポーズを崩して怒り出す

が、響はそこまで見てから

微笑ましいものを見ている目を向けて

 

「ふふっ、暁らしいね、姿が大きく変わる訳でもないけど、改二特有の気配を感じるよ、

 

私のために、無理をさせてしまったかな?」

 

「そんなことない!

響が一人で行くなんてヤダって司令官にいったらコレが確実だって」

 

「ふぅ〜ん?司令官、僕には何も教えてくれなかったよね?」

 

「俺は何も示唆していない」

「信じられないなぁ…し、れ、い、か、ん?」

「視線一つが感情を語るってマジなんだな…なんとも嫌な感情を感じるんだけど?」

 

「それは司令官の行いが悪いからだよ?もっと私を甘やかしてくれれば少しは視線も緩むかもしれない」

 

「クーデレをデレさせるのって苦痛を感じないかな?」

「私は司令官の中ではクーデレ扱いなんだね…」

 

俯いて、帽子を深くかぶる響

 

「もうとっくにデレてるのに、、ね」

当然ながら、そんな呟きは聞こえない

 

「聞こえなかったけど何か言った?」

「いや、何でもないよ」

 

可愛い

 

ちなみに、その暁改二発現報告は

鎮守府全体を大いに沸かせたのだった

 

「最後になりまシタが、みんなカラ

一言ずつの言葉がありマース!」

 

「最初は私から!響、姉妹艦としては心配だけど、姉としては、ロシアにいっても十分に戦えると信じてる、そこに疑念や心配が入る余地は一切ない

でも、もし、帰りたくなったら、倒れそうになったら

その時は背中を押してあげるわ!」

 

「次は私からっ!響!私は間に合わなかったけどそれでも頑張って成し遂げたわ、

きっと響も、愛と勇気と信頼があれば、この力を掴める

ロシアでも頑張ってよね!」

 

「わたしからなのです!響ちゃん、しばらくは会えなくなるけど、それは永遠のお別れじゃないのです!

いつか、帰ってきたら

静かな海で、みんなで一緒に遊ぶのです!」

 

それからも続々と皆の言葉が贈られる

 

「最後に、、俺と」「謎の医務官x氏から」

 

「響、お前の力、心、どちらも俺は信じる

お前はロシアでも闘える希少な艦の一人だが、同時に日本の生存艦でもある

早く戦いを終わらせて

今度はみんなで終戦パーティーだ!

待ってろよ!」

 

「僕からは少々長くなります

 

響さん、4年前の2月に建造された君と、最初に話したのは僕でしたが、僕が提督ではなく医務官だと知った、あの時の君の表情は今でも克明に覚えています

三年前の君達と一緒に前前任の提督を見送った時の泣き顔も、二年前の甘粕提督下での強い意志を湛えた表情も去年の技師時代の提督が着任した後の明るい笑顔も

みんな、君の中にある、君の経験です

その経験は繰り返さない、大切な一コマだから、なによりも『今』を大切にしてください、、以上です」

 

「みんな………そんなに

僕を泣かせてたのしいかい?

 

もう、ロシアに行きたくなくなっちゃうじゃないか…

うん、みんな

 

私は必ず帰る、みんなの信頼に応えて

だから、

待っていて、私が信頼の証を持ち帰るまで」

 

最後に回されたマイクを握って

泣きながら告げる響

 

その雰囲気がうつったか、泣き始める艦も多数

 

「みんな、私のために素敵な会を開いてくれてありがとう、余裕のないスケジュールなのはわかるし、その中で必死に調整してくれた、とも分かった

提督には騙されたけど、みんな、本当にありがとう!」

 

最後の一言と共に

会は終わりを告げた

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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