「先日着任しました
あきつ丸になる予定の飯島明菜です
明日の朝までですが、よろしくお願いします」
ゆっくりと頭を下げる飯島さん
「そっかぁ〜、本当に適性だったかー」
酒瓶掲げていうなお前、
隼鷹は服の裾(!?)から取り出した酒瓶から酒を飲み始め、
ほかの知ってる艦娘は最後の飯島さんのご飯、という事をどう捉えるべきかと逡巡しているようだ
「飯島さん、よろしくね」
「朝まででもよろしくっぽい!」
「よろしくお願いします」
みんな受け入れてくれたようだな
「皆さん、ありがとうございます!」
いつもの『にっこり』と形容されるような笑顔になる飯島さん、
よかったな…それはそれとして
皿に付いたチーズかてぇ
パンを炒めた小角切りのカケラ、おそらく
コンソメスープなどによく入っているクルトンの類と考えられるそれにかけられていたチーズ…の皿に付いた跡
ちなみに、元は隼鷹と赤城が貪っていたツマミである
みんなも食べていたが、確かに美味しいけど
貪っても仕方ないよなぁ
ちなみにペッパーベーコンを粉砕した謎の粉(提供:間宮)
で塩味と肉の味を追加している奴と
ツナフレークを粉(ry
でシーフードピザ風の味付けにして食べている奴などもいた、後者は俺と里見だが
なんともビールが進みそうな味だったが、日本酒とは少し違うんじゃ…と思ったら隼鷹が突然畳を引き上げて取り出したビール瓶を開け始めたのでもう節操もなくなり
最終的には宴会状態になってしまった
あのビール瓶は登場の瞬間が衝撃的すぎて没収できなかったんだ
それでも酔いつぶれる程飲んだ艦娘は雷以外居ないあたり、ちゃんと心得ていたと見える
「えへへぇ〜、司令官ー」
「皿洗ったんだからくっついて来ない」
「…ダメなの?」
「……………これ片付けたらな」
「やったー!」
[嬉しいの?ねぇロリコン]
[
ぬおっ、いってぇな
頭の中で殴ってくるんじゃねえよ
「私にも…まだ……]
[…?どうした?]
[い、いえっ!なんでも…はぁ]
よくわからないコメントの五月雨は
申し訳ないが一旦置いて
「ぎゅー」
現実側でくっついて来た雷の対処を優先した
雷は俺にくっついて来ているため
あんまり話を聞いていないが、それもそれか
「提督ー?うわ、駆逐艦」
「きたかみさーん!」
北上が厨房に入ってきたと同時に
ぎゅーっとくっつきに行った雷は
北上に躱されて、酒酔い特有の後を考えない動きのせいで転びかけるが
「あぶなっ…ほら立って」
後ろから北上に掴まれて支えられていた
「あー…提督、私これ連れてくから」
「…頼んだ」
アイコンタクトで後で間宮アイス奢ってやる約束をしながら別れる
すまんな北上
「………あっ、この後時雨の部屋行かなきゃいけないのか」
どうやら、間宮アイスは明日になりそうだ
「きてくれたね、提督」
「…ほかのは?」
「白露型は僕と夕立だけだよ、未建造艦もいるけど、ほとんど沈んでしまったし、もともと建造母数が少ないからね」
「…そうか」
時雨が俺の手を取り
自分の隣に座らせる
「なんだ、どういう風の吹きまわしだ?
「…雨の僕にそれを言うのかな」
「じゃあ雨の降り回し…か?」
「ちょっと語呂悪いなぁ」
俺の隣で苦笑しながらこちらを見てくる時雨、
「ねぇ、提督?」
「ん?」
「僕ね…ちょっと悩んでることがあるんだ、聞いてくれる?」
「…わかった」
俺は少々考えた末に頷く事にした
「ありがとう、じゃあこれは
僕の友達のお話なんだけど…
その子は艦娘で、いわゆるブラック鎮守府に所属していて、提督に虐げられていた
でも、最近提督が変わって、優しい人になった、それからずっと
提督が気になるんだ、それも任務よりも早く提督の事を考えるくらいに」
「お前の悩みじゃないのかよ」
「…とにかく、艦娘の子のお話だから
話を戻すよ?、提督のことを考えると胸の奥がきゅっとして、提督が近くにいないと不安になる
提督のことが頭から離れない
任務に失敗して提督に怒られるのを想像すると足が震えて仕方がないんだ、何か知見はないかな?」
「それ単なる恋煩いじゃないのか?」「それはないっ!」
「…なんでお前が答えんだ?」
「………その子は恋じゃない気がするって言ってたから」
目が泳いでるぞ時雨
「まぁ、いいか、その質問に真面目に答えると、トラウマと依存の複合だな」
「どう言うこと?」
「いいか?艦娘もだが、人間の心は一度傷つくとそれを治すのには苦労するが、傷心の時に他者に頼ると依存してしまう癖がある」
「………」
「だから、提督に対する依存から、近くにいないと不安になる、同時に精神的傾倒から、提督の事ばかりが頭に浮かぶ
だが、同時に、前提督に傷つけられた記憶から、『提督』という立場にある人物に対する恐怖心を克服できず、提督に責められるのが怖い」
俺は一息に言い切った後
立ち上がり……
「話が長くなったな、もう時間だ
俺は帰らせてもらう」
それだけ言い残して、部屋を去るのだった
提督のいなくなった部屋で
時雨は一人、座り込んでいた
「…………提督………僕は
提督に依存していたの?……」
どうやら、彼女の雨は
しばらく止みそうにない
600話記念番外編は
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戦争が終わった後の話を!
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