戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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六時から七時の一時間で書き上げましたw
ジョバンニがww


ラスト/ファースト

「そして、朝が来たる…

雲は流れ去り…機械仕掛けの乙女達は

来たるべき時まで……眠り続ける」

 

なんとも人型機械が停止しそうなセリフとともに起き上がる、現在時刻は5:50

 

随分はやく起きたなぁ

まぁ出勤時間も何も無いんだが…

 

俺は二十四時間勤務だし

ぼんやりと考えを巡らせていると

 

「おはようございます♪」

 

「っ!」異様なテンションの声が聞こえて、警戒態勢が自動起動、視線を振って……

 

「なんだ、飯島さんか…」

 

扉の前には、飯島さん

 

「なんだとはなんですかぁ?これでも花の乙女…というにはいささか年が過ぎている自覚はありますが、起こしに来てくれた女の子って、普通喜ぶイベントだと思いますよ」

 

「起こしに来てくれるのは幼馴染とオカンだけで充分だ」

 

「随分と偏った人選ですね?

私はダメですか?」

 

首を傾げて上目遣いされても…朝のうまく回らない頭では思考がまとまらない…

 

 

「………朝食を作って待っていてくれる方がいい」

 

「あらお上手」

にっこりと笑う飯島さん

「実は、ですね、私最期の時って言うのは、ちょっと自覚が薄くて

だから、こんなギリギリまで笑っていられるんです」

 

俺にそっと寄り添う飯島さん

「でも、最期の時を、提督と一緒に過ごしたいって思うのはダメですか?」

 

「普通は家族や友人と過ごす物だと思うが?」

[あっ!黙って見てれば!失言だよ今の!」

 

頭の中で川内が叫ぶ

ちなみに、夜中ずっと出撃出撃と言っていたが、日が出てからは元気がない

 

最近儀装を使っていないからだろうか?

いや、コアから接続している艦娘は儀装から接続している艦娘よりも俺との接続が強い

儀装と接触してなくても問題はないはずだが…

まぁ朝だからか?

 

「別に、最期とか関係なく、誰と過ごすかはお前の自由だろ?俺はそれを束縛はしないよ」

 

ゆっくりと俺にくっつく飯島さん

「じゃあ、貴方と一緒に…

時間までは、ゆっくりさせてください」

 

「……あぁ」

 

そして、落ち着いた、静か時の流れが過ぎた

 

 

「あぁ、もう時間ですね……最後に一言だけ、提督」

 

「なんだ?」

俺は深く考えずに聞き返し

「貴方のことが、好きでした」

 

固まった

 

「うふふ、今までありがとうございました」

 

そう言って、彼女は提督私室を離れ

工廠へと赴いた

 

[あちゃ〜、今のは相当効いたねぇ

これは辛いわぁー]

 

「答えは聞いてないってか?……いまさら言うなよ、それ」

 

乾いた笑いしか出てこない…

立場上、追いかけることはできないし

大人しくあきつ丸(成れの果て)の着任挨拶を聞くしかないのか……

 

反転

 

「ほら提督っ!早く追っかけなよ!

今ならまだ間に合うかも知れないよ!」

 

「無理をいうな、提督や艦娘適性持ちは義務があるんだよ、追っかけても何にもならない」

 

「だからって!追いかけない(何もしない)のは違うでしょ!?走って提督っ!」

 

川内が珍しく叫ぶ

俺の背を強引に押してまで

 

「ええい見てらんないっての!」

「瑞鶴っ?!」

 

川内の後ろに出現したのは

瑞鶴、もちろん彼女も俺を押す

 

「ほら早く行きなさいって!」

 

「俺は」「「提督の意見は求めん!」」

反転

 

「………はぁ、」

 

俺は工廠へと走り出した

既に何もできないとしても…それをただ待つのではなく、結果を求めて行動した、という記録のために

 

それが、何にもならない自己満足だとしても

 

 

工廠にて、建造待機中の艤装に触れる飯島

直後にそれは、白と黒の光をスパークさせ

 

「艤装接続!」

それを受けた工廠妖精の言葉によって、艤装が接続される

 

高レベルに励起して、白く輝く艤装コア

それは暗い深海を照らす光…

太陽ならざる、心の光

 

そして、書き換えが発動する

ざぁーっ、という音と共に

身体が、精神が、書き換わっていく、掻き消され、書き加えられ、変化していく…

 

肌は白く、髪は短く

根本的な体型すらも変わって

背はやや縮む

 

そして、そこには….肌は白く

また、彩度の無い制服と艤装を装備した、あきつ丸が立っていた

 

「………っ!なんでありますか

これは……未知の力…強烈な一念…」

 

建造直後は万全の状態であるはずなのに、ガックリと膝を折り、倒れこみかける

 

そこに

 

あきつ丸(飯島さん)!」

 

入って割り込み、体を支える

 

「…………将校…どの?」

 

「なんだ?…あきつ丸」

「自分は、一人で立てるであります」

 

ゆっくりと、姿勢を戻して立ち上がり

「…自分、あきつ丸であります

艦隊に、お世話になるであります」

 

敬礼し、かつての彼女と、

全く同じ言葉で挨拶する彼女

 

「……将校殿…いえ、提督殿

ありがとうであります」

 

そして、

 

「こちらこそ、()()()()()()()、あきつ丸」

 

その言葉に、何故かとても悲しくなる

それは、自分の感情とは無関係な領域で…

 

「そんな、哀しそうな顔で祝われても、嬉しく無いでありますよ…まずは腹拵えといきましょう、提督殿

腹が減っては戦はできません

 

……はて、何故か厨房という言葉に惹かれるのは…何故でありましょう」

 

首を傾げたその姿に…彼女の残影が重なる

 

「ハハッ……そうかよ」

 

「ではいきましょう、自分が作りますよ」

 

あきつ丸を伴って

俺は食堂へ向かうのだった

 

朝食はパン食だった

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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