戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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帰還-側から見たらただのデート-

「鎮守府に提督が帰還しましたー」

 

「おかえりっぽーい!」

「扶桑さんもおかえり」

「提督、留守にするなら事前に言っておいてほしい」

 

夕立、時雨、長門みんなから出迎えられてしまった…単なる書類提出なのに、夕立は飛びついてくるし、蒼龍は何か上目遣いで見てくるし、時雨は俺の左隣をマークするしみんな大騒ぎである

 

「………ありがとう、みんな」

「ありがとうございます、みなさん」

 

扶桑さんもスッと礼している

やっぱり背筋が伸びてて綺麗な立ち姿だ

姿勢が良いと二割り増しで美人に見えるというけど、顔も性格も姿勢もスタイルも良いと二割り増し程度では済まないな

 

「……いくら扶桑でも、提督は譲らない」

「戦艦ならともかく、駆逐艦には負けません」

 

時雨と扶桑さんが向き合って…何やってんのかな?

[提督は…知らなくて良い……うえっ]

[まだアレが響いてんのか…無理すんなよ

あんな気分悪くなるモノ見せられたら誰だってそうなる]

 

不謹慎だと自覚はしているが

愛宕さんの脚はスベスベだったし霞の頬は卵肌のままだった、どうも状態保存はされていたようだ

 

それのおかげで俺は耐えられているだけだ、もっとアレな状態だったら俺も吐いてた

 

[どちらにせよ、川内も瑞鶴も五月雨もすまないな、撫子と輝那とアイヴィは置いて来て正解だったようだ]

 

[……随分ツインテにご執心だったみたいだけど?]

[そりゃ、瑞鶴だし、瑞鶴のアイデンティティじゃん]

 

[ちょっと!私そんなキャラじゃないでしょ!…おぅぅ]

 

あぁ、思い出しちまったか

なにせ頭蓋骨貫通して脳神経に突き刺さってやがったし、髪そのものが神経になってたからな

 

なんなのアレ、触角なの?風を感じるの?

 

[愛宕さんは全身の神経が強化されて模様みたいに浮き上がってたし…]

[多分神経の強化で反射、反応速度を上げる、的な実験だったんだろうな]

 

[時津風は足に強化神経と補助骨格みたいなのがあったし]

[それも速度向上を狙ったようだな

もっとも、足に装甲とチューブがあるせいで艤装をつけれないようだが]

 

霞は視覚、聴覚、嗅覚を直結して

全ての感覚を同時に最大スペックで使える、耳で見る、みたいなことが出来るようにされていた

長門は単純な骨格、筋力強化だけだが

おそらく長門+愛宕の技術系統で完成したのが時津風なのだろう

 

摩耶は、脊髄、延髄の接続部分に艤装に繋がるらしいコードが伸びていた、艤装に感覚を繋げることで有機的に動かす発想なのだろう、

 

だが、そのためには神経以外も機械化を避け得ず、結果として臓器の代替が行われていたと見える

 

ヲ級に至っては関節のジョイント化

…壊れた部分を外してすげ替えろとでもいうのか

 

とはいえ、現在としては大将以外には伝えられない……監査室にはそれとなく流すか

 

加ニ倉さんには言おうかなぁ

いや、鼎大将の方から流れるかなぁ

 

「よし、大将に頼もう」

 

丸投げすることにした

 

面倒だし、政治的行為は難しいからね

「提督とのドライブはどうでしたか

慣れない車上は疲れませんでした?

扶桑さん」

「あら蒼龍さん、ご心配なく

提督はお上手でしたよ、お陰で腰も痛まずに済んでいます」

 

「嬉しそうに腰を摩りながら言うかしら」

 

 

「なんかゴゴゴって聞こえるんだけど気のせいかな?」

自分には聞こえないであります(発情したメスの声であります)

 

ん〜?今なんか副音声が聞こえた気がしたんだけどな

 

「あきつ丸?」

「なんでありますか?提督殿」

「………いや、なんでも」

 

俺はあきつ丸達を部屋に帰して

自分も工廠に移動した

 

…………

「明石、」

「はい?」

 

「これを見てくれ、コイツをどう思う?」

俺が明石に提示したのは

無数の画像データ

 

そう、881研にあった書類の山を撮影したものだ

「…………………-すごく、

いやらしいです」

 

「はっ?」

 

明石は紅潮した頬を支えながら足を擦り合わせて

 

「だって、、愛宕さんの肉つきの良い太ももにメスを入れて…その断面に機械の冷たいコードを突き刺して神経を無理やり刺激して強制的に発達させるなんて…」

 

「なんて?」

 

「感度のいい処理用の肉オ」「だまれ」

 

そんな方向性じゃねぇから!

むしろ拷問だから!皮膚感覚もそりゃ鋭いだろうけどそう言う意味で改造したわけじゃねぇ!

 

「えちちです!」

「お前に見せた俺が悪かった…」

「これはもう試すしかありませんよ!」

「お前まで粛清対象にしてたまるか」

 

とっさに明石を捕まえて

抱え込み…

「…これはこれで…アリ…」

 

ん?何言ってんだ、あとなんでコイツ体重をこっちに掛けて来て、

「そのままゆったり座ってんじゃねぇよ!」

 

「んぁ…怒鳴らないで下さいよ

せっかく寝れそうだったのに」

 

本気で眠たそうな表情の明石

しかし、さすがに

 

「俺の体を寝所にするじゃねえよ」

「じゃあ一緒にベッドに行きます?」

「そう言う話でもねえよ!」

 

突然あらぬ方向にブッとんだ明石を矯正してやらないと…

俺が明石ににじり寄るその瞬間

「提督っ!」

 

バン!とドアが開かれ

工廠に夕張が飛び込んで来る

 

「深海棲艦の連合…艦…隊……」

 

「ん、提督っ、もっと」

 

「わざとらしいっ!くっついて来るな!

夕張!詳しく聞かせろっ!」

「…提督のバカーッ!!!」

 

「あっちょっと待て夕張!

敵前逃亡は重罪だぞ!」

 

慌てて追いかけて話を聞いてみると

どうも深海さんがた、

連合でいらっしゃってる見たいじゃないですかー…困りますなぁお客様、事前に予約を入れて頂かないと

 

まぁ、席に余裕はあるけど

 

俺は大淀と暁に頼んで告知をやってもらい

緊急作戦会議を開いて

艦娘達の前で説明を始めた

 

「さて、分断作戦だ、こちらも連合艦隊で出撃、

1班、2班、3班、4班に分かれて戦う」

 

1、2班は第一艦隊、3、4班は第二艦隊をそれぞれ構成、担当することとする」

 

艦娘達からの反論はない

 

「このほかに、夜戦専任の5班、6班を編成、それぞれ奇襲雷撃、担当各班と連携して殲滅を行う

もちろん昼戦で殲滅できるならそれでいいが

消耗を避けるため、漸減、持久戦に努めてもらう」

 

「それだと結局分断できないんじゃないのー?」

蒼龍が待ったをかけた

しかし、

 

「確かにそうだが、

分断できるかどうかじゃない

こちらが『戦力を分断しようとしている』というポーズを見せることが重要なんだ

隊列を組み替えながら機動戦、各班で少数の敵を惹きつけ、距離を離す

ここまで理想的に展開する必要はない

 

理想は分断から包囲殲滅だけど

こちらには、切り札があることを忘れてないか?」

 

「切り札……?」

首をかしげる蒼龍、可愛い

 

「それはな…」

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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