戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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本日は昼から夜戦にかけて大荒れの模様です

「艦爆、艦攻部隊発艦!!」

 

飛び立つ無数の艦載機たち

 

合わせて雷撃戦が開始される

艦娘たちもこれが最後の頑張りと睨んだか

全力攻撃の構えに入る

 

扶桑は戦艦故に雷装を持たないが

あきつ丸が大発を展開、PT小鬼群に牽制と誘導を掛け

少しずつ散らして、散敵を狙って

卯月、時雨、雷がそれぞれの魚雷を構え

 

大淀は眼鏡を輝かせた

 

「ほらほら、逃げるなら今のうちよ」

「砲雷撃戦、開始するっぴょん!」

「キャハハ!!ヘヴッ!」

 

実際に逃げ回っている小鬼の一体を狙い撃ちにしながら言うことかそれ

 

「残念だったね」

なんとか逃れてきたと言わんばかりの一体を

時雨が背後の至近距離から雷撃

「サヨナラ!」「うん、さようなら」

 

ドゴォン!と爆発するPT小鬼

雷撃戦中の行動順制限など無かったかの様な動きをしていたからか、戦場が敵味方入り乱れる混戦になりつつあったが、味方の雷撃戦終了直後

 

一斉に目くらましと言わんばかりの爆雷が弾ける

 

「兵装実験艦の四枠を甘くたわね!」

夕張の第1〜4スロットは

ドラム缶、12センチ単装砲、ドラム缶、爆雷

ちなみに、ドラム缶で格闘戦したほうが強い夕張は特にPT対策の機銃や見張員を付けていないにも関わらず

()()1()0()0()%()ドラム缶打撃を命中させている

 

「うふふ…四枠軽巡が夕張さんだけの特権だとでも?」

 

眼鏡を輝かせただけで何もしていなかった大淀が追加で爆雷を投擲、手榴弾みたいに投げるもんじゃ無いんだけど

 

なぜか投げられた爆雷の回避に追われて慌てる敵艦隊、超精密な手投げで敵を撹乱する四枠艦×2

 

そこにちょうど飛んできた艦爆、艦攻部隊を見上げて

「総員一時撤退!」

 

金剛が号令をかけた

 

扶桑を旗艦とする第二艦隊は駆逐艦の三隻が回避性能の高さから殿を務め

扶桑、あきつ丸、大淀の低速艦から離脱

 

金剛旗艦の第一艦隊は雷撃戦時、既に夕張以外が退避していたため、整然と隊列を維持して移動して

 

《艦攻部隊、艦爆部隊、攻撃開始!》

B29の本土爆撃の如き弾数で

無差別広範囲爆撃

 

ヲ級がいれば対空戦で多少は対抗できたかもしれないがツ級もホ級もヲ級もいない現状の艦隊では何もできず

「対空陣ヲシケ!ッ!グアッ!」

「ギャーァーー!」

 

爆撃に晒されて護衛艦隊は全滅、

本隊も少なからぬダメージを負った

 

「よし………夜戦突入だ」

 

展開されたフィールドが夜に切り替わり

天龍の号令とともに、第三艦隊出撃

第一艦隊は鎮守府に帰投する

 

「テイトクーッ!!見ててくれましたカー?!」

「おうおう見てたよ」

 

わざわざ隊列を崩して並走しながら言うことかそれ、まぁ鎮守府の目前だから

沈みかけても待機中の駆逐艦の護衛が効くだろうけど

 

「じゃあ俺は今から行ってくるよ」

「いってらっしゃいデース!」

 

俺の乗っている避難艇は異常な高速を持つ、というか四人用なのに45ノットとか何に使うんだ

改造した自分が言うけど、当時の俺は何とレースするつもりだったのか…

扶桑の倍近く出るし、島風の最高速も超えている

しかし繰り返すが、これは小型艇だ

 

波による揺れが激しい小型艇で

そんな高速を出せば…転覆しかねない

 

故に天龍型に合わせて25ノット程で移動している

 

「すぅー、皆さん!用意はいいですね!」

扶桑さんが大声を出してまで周囲に呼びかけて

 

「せーのっ!」

《我、夜戦に突入す!》

 

夜戦に入る第二、第三艦隊の艦娘全員+深海棲艦本隊+俺の頭の中の三人+輝那の陸奥+鎮守府待ち駆逐、軽巡勢のみんなが唱和する

 

「ってそれ言いたいだけかよおっ!」

全力でツッコミを入れるのだった

 

「提督っ!」

無線に鎮守府からの通信が入った

「なんだ!って誰だ!」

 

「大変です!夜戦の宣言に空母は参加できないのを忘れて私も言っちゃいました!赤城です!」

「改二戊になれ!」

「無理です!」

 

無線をガチャ切りして別の人物をコール

「ザザッ!こちら長門、どうした提督

駆逐艦なら私が守るぞ?」

「そこは駆逐艦限定なのか…まぁいい

誰が企てた?」

 

「なんの話だ?先ほどの爆雷なら夕張だと思うが」

「そうじゃなくて!夜戦突入宣言だよ!」

「…………気分じゃないのか?

みんなで戦っている、という」

 

「お前なぁ」

 

「無論、私も参加したぞ!聞かされていなかったが、駆逐艦の気配を読んだ」

 

「お前も言ってたんかい!」

再びのガチャ切り、金剛をコール…

「提督っ!ボサッとすんな!夜戦はもう始まってんだぜ!」

天龍のシャウトで顔を正面に戻せば

そこには重巡リ級エリート

 

圧倒的火力に直面した俺は迷わず

アクセルを全開にして

 

()()()()()

「ムギュウッ!?!」

 

船体をゴリゴリに擦り付けてエンジン出力全開放

質量体の爆進ってのはそれだけで兵器になるんだぜぇ

 

「バカ!ヨセ!ウキュ!」

「オラオラオラオラ!岩礁に叩きつけてやらぁ!」

「ソレダト貴方マデシヌカラダメッ!」

 

ガリガリ何かを削る音と共にリ級を押し、艦隊を突破

are you ready(覚悟はいいか)?」

「ノーッ!!」

 

「…」

俺はスロットルを戻し

 

「フゥ………ハナシt」

再び全開にした

 

「答えは聞いてない」

「キャーッ!」

 

加速して突撃した先は

鎮守府正面海域の湾岸、即ち崖

 

エンジンを急停止した艇の上から

リ級に飛び蹴り

 

慣性の法則は決まった!

 

哀れリ級は45ノットで崖に激突

爆散、轟沈した

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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