戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

158 / 649
夜戦継続

「リキュー!死ヌナー!手ガ足リナクナルダロー!」

 

戦艦タ級が叫ぶ

 

しかし、45ノットキック(仮称)

は流石に重巡を押すのが精一杯だ

崖に叩きつけられたから良いものの

低速で当ててから加速して最高時速状態で崖のそばまでいって、急停止して

相手だけ崖に叩きつける

 

どう見ても相手が戦艦では成立しない

せいぜい急停止から慣性による運動エネルギーキック(ボルテックフィニッシュ)で蹴り飛ばすだけだ

 

それに何より、そうなんども使えない

一度でもガリガリと嫌な音を立てているのに、二度三度と使えはしないだろう

 

残る敵艦隊は第一艦隊旗艦タ級と

ホ級エリート

『艦隊』を名乗る最低限の戦力だな

 

だが手こずったな

先ほどのリ級とホ級のせいで被弾者が第二、第三艦隊にも出てはいる、主砲を失った卯月、乱射されていた機銃に晒されていた大淀、開戦位置から一切動かずに壁に徹していた扶桑が被弾多数、中破判定だ

 

これはこれは

 

[て い と く?]

[なっ!なんだ川内!俺はやましい事はしていないぞ!]

[本当に?…扶桑のおっぱいは見ても良いの?]

 

[……アレは…………視線がダイソンされるんだよ…わかるだろ?…戦艦棲姫に攻撃を吸われる感覚]

 

「あっちはおしりだけどねー]

 

[……………]

 

ひたすら黙る俺に、川内は

[はぁ、まぁいいや、提督

しっかり夜戦、楽しもっ?!][おう]

 

「天龍!」

「ア!?」

 

凄い声で返事された…

「第二艦隊を撤退!無傷のものと第三艦隊のみで夜戦継続!」

 

《了解!》

大淀達、中破判定の艦娘を回収

ちょうど三人でよかったな

 

人数が増えた分、速度は落ちたがそれでも島風並みの速度を叩き出す快速艇は速やかに三人を入渠ドックに送り届ける

練度の不安と装備上、夜戦が不得手のあきつ丸に直掩についてもらい

鎮守府に帰還して、そこで四人は降りて

 

俺は機関をメンテしたのち再出撃

 

第二艦隊残存艦娘と第三艦隊の混成団をでっち上げる

 

 

メンバーは

旗艦天龍以下、龍田、俺

そして暁、雷、電と時雨、夕立だ

 

艦隊の中では暁、夕立が改二発現艦だ

 

後半艦隊メンバーで周到にホ級を囲い込み

集中砲火で沈める案を作るが

どうも戦艦タ級も軽巡ホ級も

それぞれタダで死ぬつもりはないようで

必死に抗戦してくる

 

「旗艦ハ………私ガ…守ルッ!

タトエコノ身二換エテモォッ!!」

 

 

機銃の弾切れなど何処へやったのか

無限に見えるほどの弾丸を乱射してくる

 

「っ!!痛いじゃない!」

「きゃあっ!」

 

暁と雷が被弾する

 

「ウォォォォオッ!」

 

ドックン

 

ホ級の叫びと共に、海面が拍動する

海底の更にその奥、深淵より

呼び声に応じて来たれり

紅は今、黄金に染まる

 

「グ…アアアァア!!」

 

ホ級がエリートの限界を超え

フラグシップに覚醒したのだ

 

「ウォォアアアッ!」

 

暴走する力のままに、砲を振り回すホ級エリート、いやフラグシップ

「改二発現と同じ?!」

「改二艦で抑えるっぽい!」

 

暁と夕立が改二を発動

変化した装備で強襲を掛ける

「ここで…沈める!」

「進化したばっかりで悪いっぽい!」

 

力に慣れないうちにさっさと沈めてしまおうという魂胆だ、

 

とはいえフラグシップだ

強力であることに違いはない

 

「チッ…龍田!提督っ!俺たちはタ級に集中だ

さっさと沈めて援護するぞ!」

 

「「了解!」」

[んじゃあー私が向こう見とくね]

[頼んだ]

 

川内の方でホ級に注意してくれるようなので、俺は龍田と一緒に天龍に追随

タ級を狙う

 

機銃弾のように砲弾をばらまくタ級の弾幕に

迂闊に突撃せず、敢えて移動を続けて

 

「総員散開!集中砲火!」

「了解」「りっ!」

 

龍田の薙刀が砲弾を弾き飛ばし

天龍は弾幕の隙間を縫って突進

 

俺は安全圏から…一気に加速し

「すまん天龍、ホ級のがヤベェや」

天龍に声をかけて、きっちり弾幕の撹乱をこなしながら移動、暴走ホ級フラグシップに吶喊した

 

揺れる艇上でバイポッド(固定脚)もなく

安定しない姿勢から…

 

「陸奥…」

[ええ、第三砲塔を敵に指向!

狙って…]

 

輝那NX、狙撃銃を構えて

今まさに襲われる寸前の時雨の横を照準

 

 

「[撃てっ!]」

 

ドォォン!

 

爆風とともに

ショックブラストに骨まで砕かれたミンチ状態の左腕は使い物にならなくなるが、

グジュグジュと音を立てて再生し始める

 

輝那より放たれた陸式改、狙撃銃弾は

たしかに、ホ級の艤装を撃ち抜き

 

しかし

艤装の大破を気にも止めずに

両腕を伸ばして時雨を捉えようとするホ級

 

「レディを無視するなんて最低よ!」

そこに割り込んだ暁改二が

ホ級の剛拳を受け止める

 

「ウァァアアアッ!」

「うぐぅっ、、」

 

「暁!!」

「大丈夫よ…時雨…私は…長女だもん!

このくらいで、負けはしないわ!!」

 

ホ級の拳を押しのけて

逆にカウンターパンチを決める

その背後より

 

「っっ!ぽーい!!」

 

首狩りのローリングヒールクロウ

夕立が波を台に飛び上がって

ホ級の脳天に踵落としを叩き込む

 

「ソンナ…バカナ…」「バカじゃないっぽい!」

 

着水した夕立は再び砲を構え

中破した

 

「っ!これじゃ戦えないっぽ〜い?!」

 

「艦隊ハ…私ガ指揮シテイル!」

タ級の援護砲撃だ、

 

そう、タ級フラグシップは今覚醒したのではない

膨大な戦闘経験値を有する古参の猛者であり、

海戦の華、戦艦なのだ

 

「ヤラセハ…シナイ!」

「ウァァアアアッ!」

主砲を繰り、砲撃を繰り返すホ級

合わせて弾幕を再度展開して周囲を寄せ付けさせないタ級

 

「夕立!下がって!」

「時雨っ!?まだ弾はあるっぽい!」

 

改二を発現出来ていないはずの時雨が飛び込み、夕立の正面に立って魚雷を発射

 

それは、如何なる偶然だっただろう

 

重厚な弾幕をすり抜け、タ級が回避したその魚雷は、しかしホ級に直撃、再構成されたその艤装を削り

 

主砲を破壊した

 

「グゥアアアアア!」

 

攻撃手段を失ったホ級は、しかし

「ハアアッ!」

「てぇいっ!」

格闘で時雨に迫り、夕立がそれを阻む

「なんども無視しないでよっ!」

 

素速い二人の動きに合わせて

確実に射撃を当てていく暁

 

こちらはもう大丈夫か…

 

「第二艦隊の残存者は六班メンバーとともにホ級を撃沈後、鎮守府に帰投!」

 

《了解!》

叫び終わると同時に、腕が再生しきり

 

「よし!天龍!戻るぞ!」

 

「やっとか!遅えぞ提督」

「バカ言え!アレでフラグシップだぞ」

「提督は下がってもいいのよ〜?」

 

「何言ってんだよ、俺もまだやれるさ」

 

五班の二人に合流した

 

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。