戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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夜戦…こっちが見せ場じゃないよね?

俺は龍田と並走しながら

避難艇とは名ばかりの速度で移動して

 

タ級の段幕をかわしていく

急加速、急減速、転回、蛇行

時に後退

この艇はそこまで小回りがきかないはずだが

 

まぁ、操船技術の賜物だな

 

「うふふ〜?ちゃんと動けて偉いわ〜」

 

「小回りがきかない割に動けるよ、一応改造済みだからな」

 

俺は艇正面の資材を流用した鋼材製装甲を信じて突進して、

「よくやった!提督っ!」

「ありがとね〜♪」

 

後続の二人に道を繋いだ

「シカシ…弾幕ヲ抜ケテモ!」

 

さすが戦艦、と言うべきか

天龍と龍田の二人相手に

無手での格闘戦に挑み、

 

「ヌァオッ!」

「でりぁぁっ!」

 

天龍の剣を、既に使い物にならない

装甲のカケラで弾いていく

 

「死にたいバカはココかしら〜?」

「シルカ!」

 

龍田が背後から奇襲し、砲撃

爆音とともに装甲を砕く、

 

「マダマダ!!」

「それでこそオレの相手だ!」

武器を減らした分軽くなった

とでも言うのか、さらにスピードを上げて

 

天龍の防御をも凌駕した蹴りが

ガードの上から天龍を吹き飛ばし

 

派手に着水した天龍を抱き起す龍田

 

「大丈夫?天龍ちゃん?」「構うな!」

 

見目麗しい姉妹愛はともかく、

格闘戦で武器持ちを攻撃できるセンスと技術を持ち合わせる戦艦とは一体…

 

一方、ホ級の方も数による圧倒が効いたか

着実に傷を増やしつつあった

 

「グゥゥァアァア!」

 

「今よ!時雨!」「了解っ!」

 

「ハンモック張って帆の代わりにできたっぽい!戦闘再開っぽい!」

夕立の再行動とともに、

戦力の低下したホ級になら十分な戦力になれる、第二艦隊残存者が集合

 

「私を頼っても良いのよ?」

「………なの…です…」

 

包囲陣はさらに厚みを増し

 

 

「ホ級!マダダ!マダ沈ム時ジャナイ!!!」

「ウゥ……オァァァア!」

再び叫びをあげたホ級は

 

足を浮かせて主機を異常回転させ

過負荷状態のそれを水に叩きつけて無理に推進、水面を走ることで尋常ならざる加速を成し

 

時雨を蹴り飛ばして

崖に突っ込んだ

 

「っっ、、やられた…」

背面に背負った砲が片方脱落して

時雨、中破判定

 

だが、崖に突っ込んだホ級は舞い上がった土煙に隠れて見えなくなり、

 

その煙の中から

重巡リ級の主砲を担いで出現した

 

「なっ!アレは!」

 

「やべっ!」

アレは俺が激突したリ級が

爆散した際に放り出されたと見るべきだ

 

[提督っ!あれやばいよ!]

[まずい!このままでは圧倒的火力で潰されるっ!]

 

[夜戦出来ない空母の立場が辛いっ]

[戦艦なのに…]

 

頭の中で声が響くと同時に

視界がスローになる

 

極限の集中状態に突入して、灰色に染まる世界の中で

 

俺は再び輝那を抜き放ち

ホ級に向けて

 

「…ガハッ…」

ぬるりとした、赤い血が溢れる

 

その時、俺の頭に流れたのは

出撃前に止められた理由

そう、資材エネルギーの過剰な流れ

それが限界を超えて暴走したのだ

 

[提督っ!!ダメ!]

「…例え…血を吐いてでも…やらなくては…ゴボっ!」

 

幸い、無線は切ってある

誰にも吐血はバレていない

 

「提督!向こう行ってこい!」

すぐ近くにいるはずの天龍からの声は

どこか遠く聞こえる

だが、しかし

 

「了解だ…ホ級フラグシップに

攻撃する!」

 

艇を加速、40ノットで突進し、、「ウァァア!」

 

リ級の砲を使ったホ級の砲撃を

撫子で受け流して回避

 

再び艤装を使用した反動で身体中に激痛が走り、血が噴き出すが…構わない

 

深海由来の再生能力で無理矢理直しながら移動して、

 

既に崩壊しかけている包囲網に参加する

「まだ…まだっ…ぽい」

「僕は…もうダメ…かも」

 

砲撃を受けた二人を艇に回収し

艤装を外して寝かせておく

そして、

 

[やった〜!待ちに待った

夜戦だー!!]

 

「…()()三水戦、出撃する(出撃しまーす)

 

方角調整を終えた艇を飛び降りて、

着水

 

水の上に立ちながら、

暴走する資材エネルギーを魂の奥底に流し込む

 

「川内…第二改放、『川内改二』!]

[うん、ひきうけるよ、全部

提督の辛さも、悲しみも、私が一緒に背負う!」

 

時刻はちょうど丑三つ時

 

夜戦には良い頃だ

 

 

肉体が入れ替わり、服装が変化していく

 

白の提督用制服と黒の技師用制服の組み合わせで形作られた混載制服が光の帯となって解け

 

夕日色の髪飾り、真黒のスカート、手甲が出現

 

体から溢れる光が束ねられ、

色あざやかな上衣に変わる

 

白いマフラーが首に巻かれて

風にたなびく

 

さぁ、ヤセン・ニンジャのエントリーだ

 

「さぁ、私と夜戦しよ?」

 

夜の戦場に暴風が駆け抜ける

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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