「さぁ、私と夜戦しよ?」
優しく微笑む川内
しかし、その瞬間、砲弾が放たれ
「フッ!」
大和撫子で一刀両断、そう、
俺のように受け流すのではない
砲弾を切り裂いたのだ
真っ二つになった砲弾は形象崩壊で消滅
「…避難艇はやらせない」
例え自分の見せ場を捨ててでも
避難艇は守る、川内はそう言い切って
ホ級に突進する
「夜戦は夜戦、奇襲とは違うのよ」
必死に航路を左右に振って魚雷を回避する雷、そこに砲弾が襲うが、川内が切り込み、再び砲弾を切り捨てる
砲弾を待ち構えるのではない
川内は恐るべき速度と正確性で
「ァァァ!バカナ….!アイツノ砲ナノニ!
アイツガイツモ自慢シテタ砲ナノニ!」
金切り声で叫びながら、駆逐の亡骸から機銃を拾い、連射するホ級
凄まじい衝撃だ、
とても軽巡とは思えない火力
しかし、『規格外』はこちらも同じ
[行け川内!突貫で構わん!]
「りょーかい!援護してよっ!」
ちまちま回避運動しながらではなく
真っ直ぐに突っ込む川内
その左手に握られた拳銃が正確に機銃弾を捉え
[私も支援くらいするわ]
[狙って…撃てっ!]
乾いた音が響き、放たれた陸式拳銃弾が
ホ級の操る機銃の弾を弾き飛ばす
弾幕戦では必須技能であるが、そもそも個人弾幕戦なんてできる存在がほぼいないため、防衛用の装甲で防ぐという妥協案が定石化している
複数射点から撃たれれば個人では防げない
だが、陸奥は艦の本体、魂側である、
艦娘出現初期において
ビリヤードは少ないながらも修得者のいた技術であるが故に
陸奥も、それを学んでいたのだ
「機銃を拳銃で防ぐなんて!」
「雷、電を連れて帰りなさい
避難艇の護衛をお願い」
目はホ級を油断なく捉えながら
雷に命令する、
「で、ても!」
「私は軽巡なの、暫定現場指揮権は今
私にあるわ、護衛退避急いで!」
「っ!了解!
電!大丈夫?」
「なんとか…なのです」
多少ふらつきながらも雷電姉妹が時雨と夕立の寝ている避難隊を護送していくのを確認して
川内は声を張り上げる
「暁、まだやれるんでしょ?」
「やれるに決まってるわ!」
元気のいい返事を受け取り
川内が切り込みを掛ける
「探照灯照射!突撃する!」
「了解っ続くわ!」
川内と暁の二人で突進し
暁がカットイン発動
61センチ三連装酸素魚雷
61センチ五連装酸素魚雷
魚雷カットインだ
バシュュウ!と音を立てて発射される魚雷
その航跡はまっすぐに伸び
「ヴァアッ!」
ホ級に直撃、爆発する
リ級の形見代りでろう主砲と
ロ級の遺品の機銃は手放されていないが、やはり大破と言わざるを得ない状態だ
「マダァ!ワタシハ…ウゴケルウッ…」
「いや、もう終わりだよ」
背後からの、一閃
魚雷発射に目が奪われるその瞬間
川内は闇に紛れて高速移動していたのだ
「グ………ウァァアアアッ!」
心臓を貫通したクナイが
直後に爆発、
ホ級フラグシップ、あまりにもあっさりとした死に様であった
「ホ級フラグシップ…撃沈確認」
暁は、戦果を呟くと同時に改二が解除され、へたり込んでしまった
[川内!]
「わかってるよ、提督」
川内は半ば気絶している暁にゆっくり近づき
「ほら、こっちこっち
ゆっくりでいいから、お姉さんが上げてあげよう」
電が前方に、雷が後方に付いている避難艇まで誘導して、艇上に抱き上げて寝かせる
「おやすみ、暁ちゃん」
[…いい仕事だ]
「てーとくー?」
ジト目やめろ川内、おい
その後、俺は雷と電を帰らせて
自身も一旦避難艇で帰投し、
「私は戻るよ〜]
[あぁ、ありがとう、川内」
中、小破の艦娘達を降ろして
再出撃
「天龍!龍田!」
超速修理で45ノットに回復した艇を駆りエンジンをふかして再び戦闘海域へ突入
途端に夜に変わるフィールド
そこには
「ごふっ、、さすがに、コレは」
右脇腹を撃ち抜かれて
左足を失い、口の端から赤い筋が伸びている龍田がいた
「龍田!クソっ!こいつうぅ!」
天龍が相手となっているのは
「死ネ死ネ死ネ死ネ!僚艦達へノ手向ケトナレ!」
まさに死に物狂い
形振りどころか自分の命にすら頓着していない
死を覚悟した怪物の姿
それがかつて、タ級であったなど
誰が信じようか
それはどうみても醜い艤装に半身を喰われた怪物で、絶対的に分かり合えない敵だった
「うぉらあっ!」
「ゼェァアッ!」
天龍の、刀による一撃を
タ級の肉体に癒着した艤装が防ぐ
お返しと言わんばかりに操り出される砲撃を、天龍が避ける、その繰り返しだ
戦況は膠着していた
「龍田!早く応急処置を施さないと!」
「ふふっ。流石に無駄よ〜…
傷は酷いけど…、失血も抑えてる、」
「無理に動かす事そのものが危険か…」
俺は避難艇に同行してきた妖精達のなかから一人を呼び出し
「応急修理を頼む、轟沈回避を」
(りょーかい!まっかせてー!)
金槌の音と共に、龍田の体の特に大きい傷が塞がっていく、
「…提督、大丈夫なの〜?」
「あぁ、問題ない、資材も十分だ」
龍田に笑いかける俺、しかし
龍田の表情は暗い
「そっちじゃなくて〜、提督の体の話よ〜?」
「…………多分問題ない」「それは問題あるって事よね〜」
「あっ天龍!」
俺は天龍が吹き飛ばされた瞬間を目撃した
「ぬぐぅ、、まだまだ、行けるぜぇぇっ!」
勢いよく立ち上がった天龍が
再び刀を手に飛びかかった
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しぐ……しぐ……