戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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悲しい現実を忘れて

「見上げた空、煌めく星

夢の形描いて」

 

軽く歌いながら歩く

目的地は鎮守府食堂だ

 

今日のメニューは何だろう

 

特に誰と会うこともなく食堂に着き

「こんちゃー、、す…」

 

そこにいたのは

昨日ドロップしたばかりの鈴谷

 

「ん?提督じゃん、どうする?何にする?」

「フレンチトーストとコーヒー、ブラックのやつを、ツマミ代わりにカナッペとかある?」

 

「りょうかーい、んじゃ間宮さんに伝えてくるね」

 

意外と手際がいい

なんだこのスキルは

顔も良いし性格も…ゲーム上ではそこそこ良い、おまけに接客系適正持ちでJK

 

これは援交が捗るわけだ

 

実際鈴谷が街を歩いていたら声が掛かるのが早いか100歩歩くのが早いかの勝負が白熱しそうだ

 

俺は声が掛かるのが早いに賭ける

 

「はーい提督、コーヒー熱いから気をつけてね」

「おう、頂くよ」

 

鈴谷からトレーを受け取り

「2100.執務室で待ってて」

 

耳元で囁かれる

 

[んぉ?提督、行っちゃダメだかんね]

[バカかお前は、行かなきゃダメだろ]

 

頭の中の川内に何故か止められながらも

朝食を済ませる

 

9時かぁ、わかった

 

「はぁ〜」

深い息を吐きながら

食堂の反対側にながめる

 

そちら側では

 

「それでね!時雨、夕立中破判定のあと

何処からか川内さんが来て

助けてくれたの!」

 

「避難艇に付いていて、って言って

そのままホ級に向かって行ったのです!」

 

 

もう、噂になっている

 

 

「はぁ〜〜〜」

 

完全にダメだ、忘れてくれてない

このままだと艦隊がピンチになったら突然出現する夜戦仮面がいる

なんて七不思議になってしまう

 

[夜戦仮面?ヤセンダー01とかじゃダメ?]

[少なくともこの鎮守府に川内は居ないんだから無理だ、まず噂にならない事が理想だったのに]

 

体の入れ替えは極短時間しか使えないし

使いすぎると戻れなくなる可能性もある

 

艤装接続による身体の書き換え

コアからの働きであるそれを

擬似的に出力して、

身体を一時的に書き換えるのだが

 

当然戻れなくなるリスクがある

それは体感的に、

『戦闘に消費したエネルギー量』

『体を入れ替えていた時間』

に比例して増大するようだし

 

膨大なエネルギーを消費する改二は

短時間で維持できなくなるし

戻れる可能性も下がってしまう

 

そうなれば提督として、

技師としての生活が維持できない

最低限顔は変わっても良いが、

性別が変わったり四肢が変わったりすると

今までの感覚でメンテが出来なくなってしまうので、許容できない

 

性別も変えたくはないなぁ

若い頃はTSモノにハマったりしたが

正直、今真面目に議論すると

 

身体の感覚が変わる、操作が変わる

脳の構造が変わる

嫌なことばかりだ、

いや顔がよくなる可能性はあるが

 

「おっと、無心で食べきっていた」

 

せっかくのフレンチトースト

全然味わえなかったなぁ

 

「まぁ、仕方ない

そういう時もあるさ」

 

気分を切り替えて

昨日出撃した艦隊を集める

撤退した第一、二艦隊はそれぞれ駆逐艦から修理しており、

長門は小破未満だったため

取り敢えず明石修理で治したが

他の艦は入渠待ちで待たせてしまった

 

「みんな、昨日の出撃お疲れ様!

まずは正式に礼を言おう

俺も間近で見させてもらったが

見事な戦術行動だった」

 

「提督が立てた作戦ですよ」「私は夜戦参加出来なかったな〜」

 

みんなからの声を待ち

静まった頃に

 

「さぁ、新規ドロップの鈴谷さんを迎え

我が鎮守府はさらに戦力を拡充した

今やメンバー数は全盛期に比べて半分以下に減ってしまったが、それでも確かな進歩だ

 

鎮守府襲撃という未曾有の事態の中

みんなよく戦ってくれた!」

 

取り敢えず褒めちぎって士気を上げてから

 

「今回の事により、敵連合艦隊を撃破した、少なくとも連合艦隊一つ分、

相手は弱体化を強いられている筈だ

ここで勢いを逃す手は無い」

 

俺の言葉に、続きを察したか

一部艦娘が盛り上がり始める

 

 

「積極攻勢!一気に前線を押し上げるぞ!」

《了解!》

 

早速会議室に移動して

早速編成と武装の選択を行う

うちの鎮守府では基本的に武装を選択、装備するのは艦娘個人個人の自由

ただし応急修理要員は出来るだけ積むこと

としている

 

応急修理要員がいるといないでは戦力は落ちるが、万一の際の選択肢が増える

なにより、あの時ダメコンを積めば

と最悪の後悔をせずに済む

 

「…提督、大本営からの連絡が届いています」

 

控えめな大淀の声が聞こえて

俺はこっそりと会議の列を離脱し

大淀の話を聞きに行く

 

「提督、以前お世話になった、という艦娘の方からのメッセージレターのようですが、どうしましょう

後に回しますか?」

 

「いや、読ませてもらおう」

 

二つの封筒を受け取り、破らないように丁寧に開く

もしかしたら桑嶋の罠かもしれない

 

「三枚の便箋、、こっちはもう三枚」

合計6枚か、あんまり艦娘に宛てはないんだが」

 

末尾の記名だけをサラッと見る

 

「陽炎、霞、時津風、愛宕、摩耶、長門か」

 

なんか見覚えのあるメンバーだな

続いては本文の内容を確認する

 

霞は、、もっと綺麗に治しなさいよクズ、乙女の体に傷を遺すなんて最低よ

 

ううん、心が折れそう

 

でもこれではっきりした

この手紙、、881に居た艦娘たちからだ

 

「そうと分かれば」

 

霞は心が折れるので読まず

長門

 

神巫提督へ、

 

面倒な時候挨拶は省かせて頂く

聞くところによると貴府には『長門』は既に居るというので、戦力としての活躍はそちらに譲る事として

移籍は遠慮させてもらう

今後、私は大本営所属となるので

いつでも頼って欲しい

駆逐艦と妹をよろしく頼む

 

愛宕

 

拝啓、神巫提督様

 

夏の盛りも過ぎて、鈴虫の鳴き声が聞こえる頃となりましたが

いかがお過ごしでしょうか

私の方は、助けていただいてから

大本営を経由して鎮守府着任待機状態のままとなっております

直接ではご挨拶もできずに申し訳ありませんでした、

 

 

うん、ごめん

真面目に書いてるところ申し訳無いけど

文字数が多いから序盤から書くとそれだけでかなりの量になるから省略させて

 

時津風

 

序盤は愛宕さんに教えてもらったのかな?

挨拶の方は丁寧に定石をなぞっている

が、本文は急に簡素になった

 

私は艦娘としては戦力外になっちゃったけど、憲兵隊で特別派遣員として働くことになりました

鎮守府監査も任務にあるから

いつか会えると思います

会えたらいっぱいお話ししましょう

 

だそうだ

 

最後のは…陽炎

 

って陽炎?

 

ナギ先輩へ

はい確定、こいつ呉第一にいたアイツだ

耀(あかり)だ、

もうわかった

 

長門さんに倣って

時候の挨拶は省かせて頂きます

陽炎型として後発の駆逐艦達を助けて

くださり、ありがとうございました

 

私の妹、とは言えないかもしれませんが

それでも同型艦であるというのは事実

妹達がお世話になりました

 

今度そちらの鎮守府に移籍となりましたので、今後ともよろしくお願いします

 

ヲイ!!おかしいだろ!

俺には一切そんな話来てないぞ!

 

「提督!出撃メンバーと相場が決まったぞ!」

 

「…おう、わかった」

メンバー全員の艤装をリアルタイム修理しないとなぁ

 

よし!嫌なことは一旦忘れて

メンテに勤しもう!

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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