戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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南方棲戦姫…アレ?鬼は?

「…私出る意味ないわよね」

 

空母棲鬼が半笑いでつぶやく

なにせ深海棲艦どもがみんなクルーザー周辺に集っているのだ、下手に爆雷や魚雷など使えない

 

「こういう時は…どうすればいいかな?

俺なら大和撫子を使うが」

 

「使用禁止と言ったはずです!」

里見君に止められてしまった

 

「ただでさえインターバルが取れていないのに!資材消費がダメージに直結する事を忘れていませんか!?」

「わすれちゃいないが、今は緊急時…いや

コイツでいいか」

 

里見君から離れ、空母棲鬼の後ろに移動し

 

「ぴぃっ!」「ぴっいぃ!」

「きゅー!」「ぴぎっ」

分散しながら艦載機(白タコヤキ)が飛んでいく、このシチュエーションなら

空母棲鬼が出したといえばなんとかなる

 

「きゃっ!ちょっと!

スカートの中に入らないでぇ

そこは格納庫じゃないのぉ!」

 

あっダメだこれ

むしろヤバい事になった

 

「バカどもオラ行けっつってんだろ!

さっさとあの駆逐どもをコロコロして来い!」

 

一匹ずつ捕まえて放り投げて

「ぴっがぁぃ!」

 

窓の外を眺めていると

 

「「「「ぴぎぎきぃぃ!」」」」

爆撃しおった

あいつら…

 

クルーザーから深海製艦載機が出てきて自分たちを爆撃するとか何をどうやって予測すればいいのか…

 

哀れ敵艦隊は初動で遅れをとり

続いて空母棲鬼が展開した戦、攻部隊で速やかに沈められた

 

「て、い、と、く?

今は緊急時だから許してあげるけど

あとでお話があるわ、

 

いいわね?」

 

凄まじいプレッシャーと共に

濁り(にっごり)と微笑む鬼

整った顔立ちだけに恐ろしい

 

「あっはいわかりました」

 

[提督はそろそろ悔い改めて結婚して]

[誰がするか!]

世迷い事を言い出した川内を一喝して、

クルーザー内の空気を入れ替える

 

ちなみに黒のレース物でした

少々攻撃的すぎやしませんかね

 

その後は安定の羅針盤ロール

 

道中で二戦終えて…出撃艦隊は

水雷戦系かつ空母、潜水なし…

ん?

 

これは

 

「南方棲戦姫…来るか?」

 

念のため射程外から一方的に撃たれるリスクを軽減すべく札から召喚した水上機達で

索敵してもらい、装備を持ち替えた艦娘による索敵、クルーザーのソナーの三重警戒網を敷く

 

そして、羅針盤に従い進む事数十分

ついに

 

「キタノカ…」

戦艦級、南方棲戦鬼が登場した

「第1艦隊出撃、第二艦隊支援に当たれ、

俺、里見は操舵、周囲警戒を行う

総員行動開始!」

 

《了解!》

 

慌ただしい号令の後

一勢に動き始める部隊、

 

そして、

 

「レ級、お前の出撃はなしだ」

 

「なんでだ!アイツは強い!

この艦隊最高火力の私を出さずにどうする!」

 

「お前は精神的に安定しているか?

精神・物質存在比率が精神に偏る

深海棲艦は精神性が戦力、存在強度に直結する、精神的に揺らげば戦力はガタ落ちだ

 

俺はお前に沈んで欲しくない」

 

「……っ!なら尚更だ!

提督っ、私を信じて、戦わせてくれ!」

 

光の失せていたレ級の目には、

既に黄金の覇者の眼光が戻っていた

 

「………はぁ…………

沈まないと約束しろ、出撃はそれからだ」

 

「了解した、提督っ第1艦隊

レ級フラグシップ、出撃する!」

 

例の怪物的な艤装を装備して

全身を真っ白に染め、

表情をまでも漂白されながら

その戦士は戦場に立った

 

「オい、南方棲戦鬼…」

 

レ級は艦娘達の陣形を抜けて

艦隊の間に出た、

 

そして一言、声をかけると同時に

南方棲戦鬼に主砲を向けた

 

「貴様…裏切ッタノカ、上位深海棲艦デアリナガラ!貴様ハ深海ヲ捨テテ艦娘ナゾト共二行動シテイル!

ソノ有様ハ不快ダ!何度デモ水底二落チテ行クガイイ!反逆者!」

 

「私ハ沈む訳には行かナイ!

提督と約束しタカラな!」

 

-開幕航空戦・開始-

 

レ級、空母棲鬼、俺の艦載機が

南方棲戦姫が出した90機とぶつかり合う

 

意外と誰でもできる札製艦載機は

簡単に撃墜されていくが、逆に的として

攻撃を誘引する効果を発揮して

 

「制空権確保、だな」

南方棲戦姫

輸送ワ級エリート

戦艦タ級フラグシップ×2

軽巡ヘ級フラグシップ

潜水ヨ級フラグシップ

 

空母系がいないため、姫の搭載のみで相手をして、他は対空装備で攻撃

という策をとったらしいが

落としやすいところには本命の

レ級、空母棲鬼の艦載機はおらず

必然的に俺の出した札製艦載機ばかりが落ちていく

レ級と鬼の艦載機は損害をほぼ受けずに攻撃に成功するのだった

 

交戦形態、同航戦

支援出撃の第二艦隊による攻撃

 

特に理由のない試製46センチ単装砲がへ級を襲う!

 

「主砲、撃てっ!」

 

長門さん最大口径の砲をもらったからってテンション上げすぎじゃないですか?

 

「グッ!マダダ!」

「いっちばーん……ドーン!」

 

体勢を崩した瞬間のタイミングで

白露が狙撃、下半身の収まっている艤装を砕かれてもがきながら溺れるヘ級…「おいあれ救助するぞ」

 

「正気ですか?」

「敵兵といえど目の前で溺れている奴を放っておけるか」

 

里見君には止められたが

「いいんじゃないですか?所詮出向者の私ら如きが口を出すことでも無いでしょう」

 

()()()()の了承のもと

賛成多数で俺はクルーザーを寄せ

 

「ガバッグッォェゴガハッ!」

 

「おい!そこのヘ級!今ロープ投げるから掴まれ!」

 

秋刀魚漁ように用意していた網、の材料の縄が役に立ったようで、浮きを結んでおいたロープに無我夢中でしがみつくヘ級フラグシップ

重量に対しての耐久も足りてくれたようだ

 

「…ェホッ…グゥ、ゴホっ!

誰ダカ知ランガ…感謝スル…コレガ深海噂ノ

雷提督カ…」

 

「咳を無理に整えなくていい、上れるか?」

俺はへ級に手を差し伸べて

予想外の握力で右手の骨を砕かれながら引っ張り上げ、ぐしゃぐしゃに潰された右手を修復

 

激痛で泣きそうだが隠し通す

「すまないが里見君

お湯を入れてくれ、薬缶一つでいい」

 

最初に落伍した軽巡故の戦場後方とはいえ、近づきすぎたせいか、バンバン飛んでくる砲撃を回避しながら移動して離れる、

 

俺は操舵に集中するために

里見君にお湯を沸かしてもらい

 

「二キロほど離れた、射程外だ

ありがとう里見君、

…すまないな、茶葉もないんで

白湯で我慢してくれ、ゆっくり飲みな」

 

仮面も脱いだへ級にゆっくりとお湯を飲ませる、

黒髪をショートにまとめた、

性能によらず意外と優しげな顔立ちの嬢さんだった

取り敢えずサラシ程度の被覆面積しかないボロ布状態になっている服(?)は

俺の私服をあげることでカバーした

 

短時間といえど溺れると大量の体力を消費してしまう、落ち着かせるには一度寝かせるのが一番だが、体力の急激な消耗からか腹も減る、

 

なかなか寝るもの難しいだろうということで、取り敢えずお湯を飲んでもらう

 

コレも一気に飲むと嘔吐反射や

筋肉の不随意痙攣を招き

危険であるため、ゆっくりを強調する

 

「落ち着いたら話をしよう」

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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