戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

17 / 649
ナイトメア、レイン

天龍の艤装修理が終わったあと、ゆっくりと息を吐き、メンテ道具の片付けを行う

 

ビクンビクンしていた天龍も

表情を戻し、顔はやや紅が目立つが

口調はいつも通りの

『おっぱいのついたイケメン』になった

 

実にイケメンである

 

え?センダイ=サン?

彼女はイケメンより可愛いだから、、改二になったら制服が変わりすぎて

もはや原型ないけど妹たちの方が

もっと原型なかったりする

 

川内に甘えられた時はどうも強く出られないのは何故だろうか、、俺が甘いのが悪いのか、、

 

「おい、、艤装、、直してくれたのは

ありがとうと言っておくが、、

あの鎮守府に着任は辞めろ」

 

「俺はもう辞令が来ている身なんでね

もはや変えようもない」

 

「今からでも遅くねえっ!帰れ、、」

 

どうしたっていうんだ一体、、

 

「天龍、、すまない、俺は行かねばならない

それが軍人としての俺の行動だ」

 

「お前!話聞いてねぇのか!」

 

「聞いてるよ、だからこそ俺は行く」

 

「こんの!分からず屋!」

 

天龍が掴み掛かってくる、、首締められるのは想定していなかった、、ヤバイ、、

 

「落ち着け天龍、、さっきの天龍みたいにボロボロになった艤装で無理に戦ってる娘たちがいるなら、、俺は

その子達の艤装を、、直してやらなくちゃならない、

 

それが、、艤装技師だ!」

 

「!」

 

ビクッ!と体をふるわせた天龍は

俺の首から手を離し、、

押し殺した声で、叫ぶ

 

「なら、、行けよ、、あんなクソ鎮守府にでも行って!消えちまえ!」

 

そのまま、来た方向の反対、つまり陸側に向かって走って行ってしまった

それも、来た時より遥かに早いスピードで

 

「お、、おいおい送迎、、、はぁ」

 

まぁ、そんなもんか、、

俺は天龍が歩いて来た道を逆算して

割り出して、歩き出すのだった、、、

 

「遠い、、、」

かれこれ歩き始めて三十分、

いくら軍装が略式とはいえ重いものは重い

 

足取り重くようやく見えて来た門を目指して歩き

 

そして、まじかで門を改めて見る

 

「なんとも趣ある、、歴史を感じさせる(強要)ような佇まいの門だな」

 

[正直に古いっていえば良いじゃない]

 

瑞鶴、、それは違うんだ、、

 

[まぁ、そうなんだけどね!?言えないじゃん]

 

そう言ってはいけないヤツがあるんだよ

 

「さて、ここの提督に着任挨拶に行かないと」

 

どうも手入れを怠っているらしく、足元に草が生えw

錆びて荒れた門をくぐり

砂利を踏みながら鎮守府本体の建屋の方へ向かう

 

一見してわかる成金趣味の建物、、正面に大きく黒杉の字が掲げられている

 

おまえの人生お先暗杉ってか?

 

提督に挨拶をするために執務室に向かう

誰とも会わねえ、、間宮さんとすら会わない

 

食堂行っても誰もいねえのはメンタルに来る、主に俺の士気に関わる

 

三階まで階段での登った先に、、

キラキラしてる執務室の扉、しかし識別タグが外されたらこの部屋どうする気なんだね、、

金色に目立つ扉してる部屋とか成金かよ

 

「あぁ、君がメンテ技師とやらかね?」

 

 

「はい!本日付で本鎮守府に着任しました

二級艤装技師(デュオデ)の神巫蒼羅と申します!」

「下がって良いぞ」

 

続く言葉を遮るように、下がれと言われる

まぁ、相手の方が階級が上なんだから仕方がない

 

「はっ!失礼します」

 

俺はさっさと退室し、どこの鎮守府にもある施設の一つ[工廠]へ向かう、、が、

 

「どこだよ」

 

迷ってしまった、、

 

たまたまそこらを歩いていた時雨に道を聞こうとして話しかけた

 

「なぁ、時雨?工廠の、、」

 

立ち止まりすらせずに通り過ぎて行った、、

これは辛い(メンタルダメージ)

 

時雨は美少女なんだからさ

無視(それ)は流石にやめようぜ

 

「時雨!」

 

仕方ないから無理に呼び止める

 

「ん?なにかな」

 

俺は絶句した、こちらからは見えなかった右半身

特に腕が、ひどく灼けたようになって

皮膚が制服型基礎艤装に張り付いてしまっているようだ

 

「すぐにでも治療を」

 

「入渠?出来ないよ、

だって資材を使うじゃないか」

 

「資材を使うって、、そのための資材じゃないか!

なぜ入渠を拒否するんだ!」

 

火傷のあとは直接触れることは危険であるため、

俺は時雨の右手を示して言う

 

「こんなにひどい傷を作って!入渠を拒否とはなんたる事か!中尉権限に於いて即時入渠を命じる!」

 

時雨は一度も息継ぎをせず

表情も調子も変えずに言い切った

 

「提督の中佐命令により入渠は禁じられている、貴官の命令は受理できない」

 

あのクソ提督が!

だが、、制服艤装を活性化すればいずれは治る傷

時間はかかるが艤装メンテでなんとか

 

「なら艤装を脱げ!俺が修理する!」

 

「艤装は解除できない、総員常時出撃に備えよとの命令だ」

 

「チッ!、、良いから脱げ!おまえの艤装直れば傷もやがては治るから!」

 

「その行動は許可されていない」

にべもない、一切表情の変わらない時雨は

そう行ってまた歩き出した

 

「時雨!臨時任官権限発動を宣言!

俺は臨時として大佐権限を得る!」

 

上官命令と言うのなら、

それより上になってやれば良い

フェアリーコンダクターの第四症状

妖精の王(フェアリーマスター)を発動して

 

妖精の王(大将)に認められた

臨時任官権限で無理矢理に命令を聞かせる

 

「了解、」

死んだ目のままの時雨は

上着に手をかけ、シュルシュルと脱ぎ始める

あまりにも自然な動きで十秒ほど違和感を捉えられずに見ていた、、

 

「いやそうじゃなく!艤装を寄越せと言っているんだが!」

ついに上着を脱いでスカートに手をかけた

その瞬間に俺の頭が再起動し慌てて時雨を制止する、

 

「了解」

 

時雨は艤装を展開して床に置く

 

「これで良いんだね?」

 

「あぁ、文句ない、、って!服着ろよ!」

 

「文句ないって言ったばかりじゃないか」

 

時雨は本当に不思議そうに言ってくるが

不思議でもなんでもない

まさか服装まで軽視されているのか?

 

「艤装に関してはというだけだ!

服に関してじゃない!」

 

制服(これ)だって艤装だよ?」

 

「基礎艤装を脱いでも意味はないから!

というかここ廊下だからさ、、」

 

すでに何人かの艦娘に見られてしまっている

なんとかしなくては、、

 

「「「ヒソヒソヒソヒソ」」」

 

ヤメロオォ!その囁きは俺に効く!




今回の登場人物はしぐしぐでした

ス○リップ紛いの行為を強要する上官(違)

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。