戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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書類と格闘(誤訳)


ペーパーコンバット

(さぁ提督、書類提出にいきましょう!)

俺の膝で座っているのは、秘書妖精

 

「りょーかいだよ…はぁ

めんどくさい………」

 

膝から降りた秘書妖精が書類を取り

専用のフィルムバインダーに挟んで

 

(さぁ!いきますよ)

ちょこちょこと歩き始める

 

随分と上機嫌だな

「何かあったのか?」

 

(いいえ、私はただ、提督といっしょにいる、それだけで幸せですから)

 

秘書妖精はほにゃっ、とわらって

俺の肩の上に乗り

 

(では提督、連れて行ってください)

「サイズが違いすぎる生物は扱いが難しいよなぁ」

 

俺は肩を揺らさないように気をつけながら歩くのだった

 

十分後、辺中佐が帰る時にいっしょに持っていくとの事だったので、彼の乗って来た電気自動車に書類を詰め込み

 

「お疲れ様」(おつかれさまでした)

互いにお疲れ様を言いあい

 

扶桑さんにちょっと不満げな顔をされてしまった

 

どうもドライブしたかったらしい

 

ちなみに扶桑さん、運転免許を取得していた

普通自動車だけなようだが…

 

艦娘は法令上は器物であり

住民票なぞあるはずがないが

海軍による身柄保証書を身分証明として使うことができる、一部大人艦娘は

運転免許などを取得することもあると聞きはしたが

まさかうちの扶桑さんがそれに該当するとは思わなかった、大本営までのドライブの

なにが扶桑さんの琴線に触れたのだか

 

[提督はやっぱり鈍感ですね]

[提督と一緒にお出かけって、奥手な扶桑さんにとったらとても大きい出来事だと思います]

 

「なんで書類提出に来てまで

鈍感呼ばわりされなきゃならないんだ」

 

[[[汝は鈍感、罪ありき!]]]

グワー!

 

なんてな

 

「あっ、神巫提督、そういえばですが」

 

「なんですか?」

「僕がわざわざこっちに『連絡員』

なんて肩書で来た理由はまだ説明していませんでしたね」

 

「そうですね…ずっと説明してくれなかったですね」

 

「実は、貴鎮守府への演習の申し込みや艦娘の派遣、受け入れ申請、などなど様々かつ大量の申請書が殺到しておりまして

流石に書類上で処理する量ではないと判断されたようで、憲兵隊の特派員と事務方の僕が来ているんです

 

その特派員も鎮守府の派遣が初めてなので、まぁ半ば引率ですね」

 

「…お疲れ様です」

 

「ありがとうございます、では

早速まずは演習の申し込みですが

28件、内日付がある程度調整可能なものを抽出して16件、艦娘の派遣が

暁、天龍、白露、扶桑、蒼龍

研修受け入れが

雲龍、榛名、山風、如月、伊19

望月、鳥海となります、以上です」

 

「めちゃくちゃ多いな…こりゃしばらく演習と派遣の処理がお仕事かね」

 

「できるだけ早くにお返事を頂きたい、という声も多数上がっていますし、なにより別口で隼鷹さんの任期終了による帰属、何人かの艦娘の異動着任もありますので

そちらの処理はお早めに」

 

笑いながら酷いことを言う…

「わかりました、最速で処理しますんで」

 

受け取った書類の束の内、演習の申し込みは

日程の調整が効く、効かないものを区別して

出来るだけ効かないものに合わせるようにしたい、向こうの都合もあるだろうし、あまり連続しすぎるとこちらの艦娘も疲弊する

 

難しいなぁ

 

提督のプロフィールや艦娘の調査書なども添えてあり、資料は揃っている、が

 

いかんせん量が多い

さて、秘書妖精と金剛を呼ぼう

 

 

 

「で、こうなりました」

 

細かい話はカットして

まず演習は18件、

2日に一件ずつ処理すれば一月で終わる

 

異動着任はともかく

派遣は天龍、白露、扶桑に行ってもらう

 

暁は流石に雷電姉妹と引き離すのは酷すぎるし、蒼龍は隼鷹が抜けて航空戦力が落ちる穴を埋め切るまで鎮守府から空母を出す余裕はない

 

戦艦には比較的余裕がある上で

運転免許を取っている扶桑さんは

天龍とともに自力で移動できるし

 

天龍はまだ無理だが、扶桑さんなら

同じ鎮守府に出向する天龍のケアを含めた上で、ウチの顔としての機能を任せることができるだろう

 

白露?あれでも長女だからな

白露型の駆逐艦が出てくれない提督が

白露を秘書艦にして同型艦を建造したいだけらしいから短期のバイト感覚で出てもらう

 

受け入れの方はちょっと心苦しいが

榛名1名に絞らせてもらった

 

ウチの鎮守府には

いたことが無いと言われているし

金剛の姉妹艦でもあるので、部屋は便宜的に金剛型の部屋を使ってもらえばいい

 

そして、最重要なのが

俺はロリコンではない

 

いやそう言う問題ではなく、

この提督たちの大半、この子達を俺にくっつけてあわよくば創海の戦力を私物化しようとしているんだもの

 

真面目な子達だし、不条理な二択を強いられる可能性もある

 

と言うことで、干渉の容易かつ

諸々の要因から都合のいい榛名を指名する

 

さぁ、艦娘達に話を通さないとな

 

「…大規模な人事異動、ですか?」

 

「間宮さんの負担も、多分増えるから」

「私は大丈夫ですよ?現状は負担なんてちょっとしたものですし、10人くらい増えても」

 

「それは資源管理がキツイね」

「そうですね」

 

間宮さんとしばし笑い合い

「悪いことばかりじゃ無い

大本営から俺の監視艦として着任していた

隼鷹は帰るが、

その代わりに鳳翔さんが着任する」

 

「あら?隼鷹さんが鳳翔さんに交代ですか?」

「いや、補充人員とかではなく

一定規模を超えた鎮守府には必ず鳳翔さんが着任するんだが、前任提督はそれを申請していなかったんだ

さらに前の提督の頃は居たらしいんだが」

 

大方鳳翔さんに口を出されるのを嫌った甘粕が解体したんだろう…クズムーブ乙です

 

「あぁ、ロス提督の頃はまだ私がいなかったので」

 

「………いまなんと?」

「まだ私がいなかったので?」

「少し前の方を」

 

「ロス提督の頃?」「フルネームでお願いします」

「…えっと、たしか…あぁごめんなさい、覚えてないです」

 

「まさか…な」

 

まぁ聞かなかったことにしよう

あの提督と比べられたら戦艦級でも勝てる気がしない

攻めて駆逐艦相当の大人の女性を四肢切断して詰め込んだ機体でも無いと勝てない

 

「さて、ほかの艦娘たちに話を通しに行こう」

 

俺は冷や汗を隠しながら歩き出した

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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