「さて、前々から計画はあった懇親会を開催する必要性がついに出て来た
秘書妖精、大淀」
「はい、私達が調査を行ったところ
全艦娘中、60%以上が
新任、先任の艦娘達に対して
話しかけづらい状況にあるようです」
(意識調査としてこのようなアンケートを配布しましたー!)
秘書妖精が出してきたのは
一般的なアンケートのようなもの
回答しやすい質問から
鎮守府の満足度などまで質問が充実しているが、全体的に『3分で終わるアンケート』として
デザインされているようだ
「うん、ありがとう」
(どういたしましてー、
こちらがグラフになります!)
ぱっと提示されたそれは
鎮守府の満足度、
着任時期の違う艦娘への対応
提督への好感度
などが五段階評価されていたものを
円グラフにしたものだった
棒よりわかりやすいし、
比率を示すなら円グラフか
まぁ妥当というか、二人の秘書スキルが高いのがわかる選択やな
「提督に関しては比較的高い評価で安定しています、好き、どちらかといえば好き、普通、嫌い、殺したいくらい嫌いのうち、殺したいは2件だけでした」
「二人に殺意を抱かれている…」
あとそれ、普通
どちらかといえば嫌い
嫌いの五段階じゃないのか?
「まぁ…俺のことを嫌う人物がいてもおかしくは」「ヘ級さんと大井さんですね」
「バラすのかよ!ってかヘ級にも実施したのかよ!」
匿名アンケートを思い切りバラした大淀に突っ込みながら対象設定を間違ったのではないかと指摘する
(深海組を含めた鎮守府全員対象、とのことでしたから)
「深海組はレ級と空母棲鬼の話だよ!」
まさかヘ級も鎮守府一員判定されていたとは、俺としては捕虜としての扱いをしていたのだが、
ちゃんと返還交渉ができるかは怪しいが
艤装が治れば海に返す予定だった
鎮守府に巻き込んで数えられていたとは
「すまん、ヘ級…突然謎のアンケートを出されて答えることになるとは…」
鈴谷達新規ドロップ艦、異動着任艦を含めて
かなりの人数が入ってきている
研修で来る艦娘、出る艦娘が来る前に
懇親会でも開いて結束を固めておかないと
ただ人数が膨れ上がっただけの絆無き鎮守府などいがみ合いと亀裂の温床だ
戦場に出向くのに背中を気にする必要などがあっては集中力も落ちるだろう
好感度の低い連中を艦隊ユニット化しても
所詮足の引っ張り合いが起こるだけだ
「まぁ、…鎮守府の一員に深海棲艦が受け入れられている環境だし、その辺りは思考もフレキシブルなのかもしれないが」
戦力という点では非常に充実している
重巡も迎え、隼鷹が帰っても空母系もいる
戦艦は高速を含めて4人、
軽巡、一応の話、天龍型、球磨型の全員
大淀、夕張だな、
長良型、川内型、阿賀野型、ゴトランドはいないが、戦力として欠けているかと言えば明確に否定できる
駆逐…ごめん、今誰がいるのかもちょっと把握するのに苦労する
まぁ、そこそこ以上に戦力として充実できているのだから、有機的な編成ができるならありがたい
同型艦は仲良くやれても
別の型の艦娘とは仲が悪いというのでは
複数の艦種を揃える必要がある出撃任務などはどうにもならないからな
白露型は白露、時雨、夕立の三人だし
江風と山風は研修受け入れても良かったかもしれないが
「まぁ、決定済みの事をいつまでも掘り返していては先に進めないさ」
口だけは軽く言いながらも、
予算再調整や建造費用、
大本営への
ちょっと以上に厳しい節約が必要になる未来を見据えていた
予算との戦いだな、節約しないと
がんばろ
「アンケートは了解した、
詳しい資料の方にも目を通しておく
あと何か、話はあるか?」
「私の方からは特にありません」
(こちらは二つです、
提督は妖精連合から、優良提督に選ばれました!
優良提督とは、妖精連合の定める基準
『fucsグレード3』に適合する提督のことです、基準は主にイケメンで、優しくて、指揮が上手で、資材が自己管理できている人物であるか否か、となります)
「イケメン関係あるか?」
(あります!妖精界最重要です!)
あるのか…
(提督のイケメン度は10段階中6、ギリギリで合格圏内でした!)
「スゴイ・シツレイ」
人の顔に点数をつけるのはまぁ許す
だがそれを真面目に評価基準にして挙句に公開するのはどうかと思わざるを得ない
[わ、私は提督の顔好きだよ?]
[ありがとう川内、冗談でも多少は嬉しいよ]
(優良提督になると妖精知覚者には
妖精王としての称号が与えられます
提督に贈られた二つ名は『
なりました!以後、これが妖精間の通り名となりますので、よろしくお願いします)
よろしくって言われても
(二つ目は、提督の昇進です!
着任間も無くも能く深海棲艦を押しとどめ、連合艦隊を押し返し、海域開放まで成し遂げられた提督の手腕が認められ、この度、正式に中佐に昇進となりました!)
「………おい、それ普通は」
「私が把握していなければおかしいのですが…」
(大淀さんのところにも来ていると思いますよ?まだ届いてないだけで)
大本営から発送されてればもう来ているはずなんだが…
「すいませーん!」
突然執務室に入ってきた辺中佐
「どうしました?」
「いえ、これを…渡し忘れていましたので、戻ってきました…」
渡された封筒を開いて、中の書類を取り出すと
そこには…昇進の令書
「タイミング!悪いよ!」
「これは…予想外でした」
「すみませぇん…普段はこんなミスしないのに…」
「普段からミスしてたら大問題ですよ
まぁいいや、んで、正式昇進の日付は…
明日!?」
驚愕しながら俺は書類を読み進めて
「…ついに俺も中佐かぁ…」
読み終わったあと無気力状態になっていた
「良かった、追加着任とかなかった
普通に鳳翔さんが来るだけだ」
今は間宮さんとあきつ丸が厨房を仕切っているが、鳳翔さんの居酒屋が開店すれば人も流れるだろう
鎮守府外にも開放すれば
商店街の皆さんも気軽に呑めるようになるし、美人な女将さんがいると頻繁に来る客も出て来るだろう
そこには民間人と艦娘の
艦娘は
収入源として期待、と言うわけではないが
儲けも出るかもしれないし、
鳳翔さんの人柄はそんなくだらない
自称識者の論から目を離して
現実を直視する機会になるかもしれない
願わくば、人も、艦娘も、深海棲艦も平等に笑いあえる日々のあらんことを
ちなみに、提督の二つ名『輝冠』は
一番→旗艦と提督用制服の帽子
使用武装の『輝那』を掛けて、
魂を意味するラテン語、アニマで括ったものです
600話記念番外編は
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過去編深海勢
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裏山とかの話を
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テンプレ転生者(ヘイト)
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ストーリーを進めよう
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戦争が終わった後の話を!
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しぐ……しぐ……