戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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リアルイーター

「ただいまー!」

「長門さん!摩耶さん!ただいまっ!」

「ただいまなのです!」

「ふぃ〜秋雲様のお帰りだよ…」

「提督殿、只今帰投しました!」

「帰って来たぞ、提督」

 

今回の遠征メンバーは暁、雷、電

秋雲、あきつ丸、木曾

あきつ丸は大発要員さんである

ドラム艦に近い扱いだが

大発は形的にそこまで目立たないため

まだマシな方である

 

 

「みんな、お帰り!」

今日も、誰一人欠ける事なく

帰還して来た艦隊を迎え入れる

 

木曾は旗艦として報告に来てもらうが、中破している電とあきつ丸は入渠

というかみんな入渠である

戦闘があったのだろう

 

突発的な奇襲ともなれば無傷で対応は難しい、負傷は致し方ない

「駆逐艦のみんなは先に入渠、

あきつ丸はちょっと待って、木曽は報告を先に頼む」

 

「了解、じゃあ、執務室に行こうぜ」

 

「ここで済ませるよ、どうせ資材収支とかは後で計算するし、わざわざ怪我人に階段で昇降させる必要はない

…それに、こっちの方が早く済むだろ?

俺は出迎えに来てるんだから

わざわざ執務室にまで行く必要はないよ」

 

怪我人、というあたりに反応しかけた木曾だが、そのあとを聞いて大人しくなる

 

「うん、じゃあ戦果と損耗

遠征成果を聞かせてもらおう」

「おう!まずは損耗から行こうか

お前も嫌な話を最後に聞きたくは無いだろ?」

 

ニヤリと笑いながら工廠の方から

明日を引っ張り出して来た木曾はそこに座り…

 

「まずは電が中破、それを狙ったヘ級の砲撃を引き受けたあきつ丸が中破、他は暁が改二発動」

 

まぁ立て続けに二人中破なんて

焦って改二発動してもおかしくは無いか

 

「損害と支出は以上だ、あとついでに

電がドラム缶を落としかけたな」

 

「あぁ…容易に想像できる…」

はわわっ!ってドラム缶を滑らせて落としかけるシーンを思い浮かべて、軽く笑ってしまう

 

「おいおい、笑ってやるなよ」

「いや、微笑ましいことだ、つい、ね」

 

返事を返しながら空を見上げていた視線を木曾に戻して、報告の続きを促す

「収入だな?あぁーっと、ドラム缶の使用率が上下するからそこまで詳しくはわからんけど

北方鼠輸送だし、結構行ってるはずだぞ?

……っと、収支は…

燃料+200、弾薬+170ってとこか」

 

概算で出したらしいな

「かなり良い条件だな、ありがとう」

「おう!」

 

元気の良い返事と同時に、

笑顔を見せてくれた木曾

 

珍しいなぁ、と思いながら大淀に連絡する、そもそも遠征中だろうが戦闘中だろうが運が悪ければ接敵する

 

ゲーム版とは違うのだから

つまり、少しばかり効率が悪いのだが

現状まだオリョクルも現役

 

多少の資材減少は余裕でカバーできる

大本営の横流し屋とは違うのだ

 

「よし、いけるな」

大淀に報告内容を伝えたところ

入渠費用と艤装修理を差し引いても

そこそこ以上の値を取れたので

よしとする

 

「電以外はすぐに入渠も終わる、寒いから工廠の中で待ってなよ」

俺は執務室側で算盤を弾いているだろう大淀と合流するために歩きだし、その瞬間に吹き付けて来た強烈な風に体勢を崩し

 

「ぬぉっ」

「おっと!」

 

ぱっと立ち上がった木曾が支えてくれた

「全く、電を笑うからだぜ」

「面目ないね」

 

再び微笑む木曾、

なるほど、これがイケメンか…

イケメン指数の低い俺ではどうにもならないところをカッコよくやり遂げてみせる

 

[[そこに痺れる憧れる!]]

 

「お前な…何考えてるか丸わかりだぞ」

「なん…だと」

 

驚愕する俺を離した木曾は

苦笑しながら去って行く

 

工廠にいた方が暖かいと思うが…

まぁ良いか

 

今度こそ執務室に戻る

「……ていとく…」

 

未だに謎のフリーズを起こしている大和の横をすりぬけ、大淀に資材の帳簿を見せてもらう

 

うん、全資材30000を超えてる

…俺は全資材2万で済ませる教徒ではない上に、課金米帝でもなかったので、この状況は嬉しい限りだ

 

「さて、もうじき夕食になる、大和を起こして一緒に行こうか」

「はい…大和さんはどうしたのでしょう」

「……知らん」

 

俺は大和の目の前で手を振り

全く反応がないのを見て

 

「…大和!」

「…………」

 

「大和!」

「…………」

 

「大和!」

「ひゃいっ!」

 

ようやく返事を返した大戦艦と

そのボケた返事に笑いを抑えられない大淀、俺はまず大和の手を引いて

 

「もう夕食だから、一緒に行こうか」

と言い放つ

 

「え?もうですか!?」

「お前が突っ立ってるうちに時間が流れてな」

 

「えぇ〜っ!?そんな!」

「早く行くぞ!

鳳翔さんにまた怒られてしまう!」

 

大和を手を引きながら扉を開けて、

「ほら!大淀も来いよ!」

「私ですかっ!?」

「お前に決まってんだろ?

せっかくだし、みんなで行こう」

 

[生贄は数が多い方が望ましい]

[提督?]

 

俺の浅ましい思考は川内に伝わってしまったようだが、なんとかリカバリー(なかったことに)して食堂にたどり着いた

 

「よぉし!今日は間に合ったぞ、さて間宮さん、今日こそうど」「ダメです」

 

もはや黙るしかない…

「提督は今日は赤魚の煮付けとあっさり野菜炒めです、つみれ汁とご一緒にどうぞ」

 

「すごく健康的だけど高価そうな一食…」

しかもうまい、

間宮さんの作る食事は実際うまい

 

なんなら味噌汁一杯で米三杯いけるくらいだ

そんな勿体ないことはしないが

 

先どうぞ?と大淀、大和の二人に視線で促されて、箸を取る

 

「いただきます」

 

そのあとすぐに大和と大淀にも

料理が来ていた

 

大淀はなぜか炒飯と餃子をチョイス

醤油、酢、ラー油を別の取り皿で用意しているあたり、周到さが伺える

 

大和はまず刻みキャベツが半玉分くらい出ていて、それを味わっている

どうも甘みがあってそこそこの

歯ごたえもあり、お腹を誤魔化すのに向いているのだとか…大和はそこまで気にしなくても良い気がする」

 

(大和)、気になります!」

 

[提督〜?まずね、

デリカシーって言葉を知って?]

 

川内は軽やかに無視して

間宮さんに味と見解を伝える

 

「野菜炒めはウスターソースを薄く敷いたフライパンで炒め、ガーリック風味のタレで味を付けたのか…どっちかというと回鍋肉(ホイコーロー)風味だな」

 

「お見事、人参とピーマンは先に入れて

玉ねぎとキャベツは火が通るギリギリのタイミングで入れる事で歯ごたえと焦げの調整を図ってます。

けど、たしかに回鍋肉に近い味ですね」

 

間宮さんは苦笑しながら

追加の皿を置いていく

 

「大和さん、ミラノ風ドリアとトマトたっぷりのナポリタンです、タバスコと粉チーズは置いておきますので、味の調整はご自由にどうぞ」

 

大和の今日の夕食はイタリアンらしい

和、中、伊とてんでバラバラだな

……別に揃える必要はないが

 

「ワタシはベーコンエッグのサンドイッチをお願いシマース!」

「あっ、金剛さん!いらっしゃい」

 

食堂に入って来た金剛は素早く俺たちのいるテーブル席に寄って、サンドイッチを注文、俺の正面に陣取った

 

ちなみに、席順は現在

 

○俺和淀

○金○○

 

となっている

 

「すみません、間宮さん、プレーンのスフレオムレツとペッパーベーコンそれぞれ単品でお願いします」

「承りました!」

 

大淀もチャーハンの味変えに挑む様子

間宮さんはテーブルマナーに拘泥はしないが、食事を事務的に摂る事を忌む

 

ただ腹を満たすために栄養価が高いものだけを食して去るような輩を許しはしないのだ

具体的には俺

 

多少想定外の食べかただろうが

行儀が悪かろうが許してくれる、

大淀もそれに甘えて擬似オムライスを試みるつもりだな

 

「間宮さん、ガーリックトーストにコーンクリームと取り皿でケチャップお願いシマース」

「金剛さん…はい、承りました」

 

ほほう、金剛は英国式に行くつもりか

「テイトクー?どうかしましたカ?」

「いや、なんでもないよ」

 

そのあと、榛名が乱入して俺の左隣を取ったり、大和が食べてるはずの量がどこに入ってるのが疑問に思ったりして、大淀がついにチャーハンの限界を超えた何かを完成させたりして

 

《ごちそうさまでした!》

 

こうなった、

食べ終わった俺たちは

こぞって間宮さんと途中参戦のあきつ丸に礼を言い、

それぞれの部屋へと散っていった

 

はずだった

 

「なんでみんな執務室に来るんだよ!」

 

「提督の仕事はまだ終わっていませんから」

「提督のいるところわたしありデース!」

「れ、例の件についてお話しがあります!」

「榛名は大丈夫です!」

 

最後のは説明になってねぇ!

「それより提督!例の件ってどういうことネ、すごく仲睦まじく聞こえるデース!」

「ひゃうっ?そんな事じゃなくて…あうあう」

 

その後、日を越えるまで激論をぶつけられ、

なぜか金剛に指輪をねだられた…

 

なんで指輪(追加艤装)の事を知っているのかは分からなかったが

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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