「今更何のために…いや、考えている暇はない!」
俺は全力で走りながら書類や資料を機密分類に従って封印、隠蔽する
甲乙丙丁の普段何で付いているのかもわからないような記号が今になってようやく役に立つ
廊下を走り抜けて機密保管用の倉庫に到着、これを封鎖する
「よし!これで俺の仕事は終わりだ!」
俺に出来ることは終わったわけだが
「長門!聞こえるか!」
〈感度良好だ〉
無線機越しに長門の声が聞こえる
「仕事は終わった!俺が陣頭指揮を執る」
〈なっ!提督!ダメだ!退がれ!〉
長門の切迫した声、
〈相手は…戦艦棲姫と軽巡棲姫だ!〉
それこそヤバイじゃないか!
無視するなんてとんでもない
深海勢にとって特級の戦力だ
焦る俺に、通信が掛かってきた
〈…ザザッ!貴方ガココノ提督?〉
この声…戦艦棲姫!?
「…なんだ?」
〈私ハ戦艦棲姫…突然ゴメンナサイネ?〉
ふざけた声音で謝られても…
「来てから言わないでほしいな」
〈ウフフ、冗談ヨ…単刀直入ニ言ウワ、裏切リ者ヲ引キ渡シナサイ〉
「裏切り者…だと?」
〈エェ、ソチラニイルノデショウ??レ級ト空母棲鬼、ヘ級ノ三体ヨ〉
「………」
〈答エナイ…ネ、イイワ…
猶予ハ3時間後マデ、12時マデニ引キ渡シガ完了シナイ場合…〉
その瞬間、海から轟音が響く
〈コノ子ノ主砲ガ吼エルワヨ…ザザッ〉
無線が切られた、、そもそもどうやって無線に介入した?それらしき機器は見当たらないが…
[現在時刻は9時5分、 本当にあと3時間しかないよ!]
[クソッ!せめて瑞鶴がいれば!]
俺も彗星や天山を使えたのに!
そもそも資材エネルギーで動く式神艦載機は儀装と同じ扱いとされて
使用禁止されている…
今の俺はせいぜい零戦32型だ
……努力しても3- xくらいまでしか使えないような残念な艦載機は無駄になるだけだ
[………軽巡…棲姫…]
[…あぁ、おそらく彼女は…]
そう、軽巡棲姫の素体はおそらく
どこぞで沈んだ…
「それでも.やらなきゃならない!」
俺は緊急放送と外線電話を取り
次々に連絡を飛ばす
まずは大本営ニ電報を打つ
内容はこうだ
我、深海棲艦大艦隊ニ侵攻ヲ受ク
鎮守府失陥ノ危険アリ
至急応援艦隊派遣ヲ要請ス
同時に呉に電話をかける
佐世保、トラックに横須賀もだ
大阪鎮守府は廃墟と化して久しいが
五大鎮守府は内四つが生存している
いくら辺境の創海とはいえど、さすがに誰も応じないと言うことはないだろう…
秘書妖精を含む妖精たちにハンドサインで退避を命じて、比較的先を見るタイプの特一型…はいないから…漣に護衛隊員の選抜を指示する
護衛退避が使えるのは駆逐艦だけだ
睦月と如月は残した
「お前たちは特務がある、アイヴィを使って本土の近隣鎮守府に警告と協力の要請を頼む
お前たちが一番顔が効くからな」
「了解にゃし!」「はぁい♪」
本土の鎮守府はそこそこの密度で防衛展開している、いくつかの中規模以上の鎮守府に協力を取り付ければ
十分に反攻に移れる戦力を集められるだろう
出費についてはこちらで受けるとでも言えばいい
「次、北上と大井ペアを呼んでくれ」
側で待機している大淀に
呼んでもらいながら、呼びかけを続行するが、どうも電波にジャミングが掛かっているようだ
「……、きたよ?」
「今の轟音は…敵ですよね?」
「その通りだ、戦艦棲姫、軽巡棲姫を中核戦力とした大艦隊…なぜか電磁ジャミングを展開している、…どこでジャマーなり装備なりを拾ったのかは不明だが
現状、応援の目処はついていない
決戦の構図は夜戦に持ち込んでの一斉攻撃、雷装能力の高い君たちが頼りだ」
「私は改ニに至っていませんけど?」
「大井、無理をして取り繕う必要はないよ、
「チッ!折角演技してあげてるんだから少しはノリなさいよ!」「はいはい」
おしとやかな演技を早速放棄した大井の言葉に軽く頷き
「まず、大井には悪いが、無理にでも雷装を引きずり出してもらう、北上は改ニでよし」
倉庫の魚雷装備を持っていってもらう
「無理にでも……」
「無理にでもだ、頑張ってくれ」
そういった瞬間、ジャミングが弱まる
「こちら創海鎮守府!現在深海棲艦の侵攻を受けている!至急応援を頼む!」
「こちら佐世保第三!武蔵だ!状況は了解した!」
俺は運に任せて一気に言葉を放ち切り、そして…賭けに勝った
「よし!これで協力を確保できる!」
佐世保、横須賀、トラック、呉らの鎮守府は有力かつ広範に渡って影響力を持つ、
周辺鎮守府からの協力もぐっと得やすくなる
「警戒態勢を崩すな!防衛戦だ!
鎮守府の要塞性能…見せてやる!」
俺は笑いながら大量の装備を引っ張り出す
探照灯や九九式艦爆のような古い装備に混じっている、そこそこ以上の性能を備えた艦載機を探し始めた
「…で、私たちは結局、何をすればいいの?」
「変わらないよ、夜戦奇襲、一撃必殺だ」
心配気な大井の声に応えて
あえて大雑把に伝える
「戦力は集めるメドがついた!
時間を稼いで遅延戦法を狙う、俺たちのするべきは時間稼ぎ、ついでに
深海棲艦が逃げないように囲い込む
そのためには
頼んだぞ!」
電話を切った俺は
大井の手を取って目を合わせる
「ちょ、ちょっと提督…!」
「たのんだ!」
赤面する大井とのほほーんとした北上…いつも通りすぎて頼りになってるのかよくわからない…が
頼んだぞ、二人とも!
ちなみに、今回のサブタイは
隠海棲艦の行動をを指しています
600話記念番外編は
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過去編軍学校
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過去編深海勢
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裏山とかの話を
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テンプレ転生者(ヘイト)
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ストーリーを進めよう
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戦争が終わった後の話を!
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しぐ……しぐ……