戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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日本の誇り

「クソッ!燃料なんぞ移動分あれば十分だ!」

 

修理、改良済みの避難艇のエンジンを急速起動させて、単身出撃する

「ジェットスターター!」

ニトロ…な訳はないが、

一応の初速補助装置で加速して

その間にエンジンの回転数を上げていく

 

さっきの悲鳴がだれのものかもわからない以上、戦場全域を駆け巡るだけの速度が必要だ

 

「鋼材・弾薬大放出だオラァ!」

 

避難艇強化部分その1

加速力と激突の衝撃に対応する衝角+本体装甲

 

「グガァァアッ!」

V MAXの如く本体サイズに不釣り合いな大容量エンジンとさらにどうせ水冷するとばかりにジェネレーターを追加搭載、結果としてスターター込みの最高速度は80ノット以上に…もはや人が乗るレベルではない

 

必然的に反動で死にかけながら

それでも加速を続けて

 

[提督!耐衝撃姿勢!」

[りょう…かいっ!」

 

ドゴォッ!

 

ド派手に体当たりをブチかまして

そこにいた数体の深海棲艦を轢き潰し、深海へ叩き返しながらひたすらに突貫

 

衝撃に転がされそうになる俺は

必死に舵を掴み続ける

 

「ヤベッ!」

何体目かの棲艦を()沈した衝撃で

ついに体が舵から引き剥がされ

 

[提督!貸しなさい!]

その瞬間、体の操作が陸奥に代わる

 

「はっ!」

 

陸奥は異様に正確な身体制御で

態勢を取り直し、船体を再加速

 

「重装機銃出して!」

右手だけの操作を俺に譲る

 

俺は無理矢理に腕を動かし、船体天井のボタンや内装のレバーなどを操作して

壁内部に隠されていた機銃を取り出し

引っ掴んで甲板に出る

 

そして、違法改造…どころか原型がまるで残っていない機銃、毘式40ミリ連装機銃(改造済、水平発射型)を取り出す

 

「陸奥補正はなくていい、俺が当てる

陸奥と川内は索敵、回避に集中してくれ」

 

五月雨がいれば機銃の扱いのエキスパートなのに…

まぁ重装だし、水平型だから

対空とは全く関係ないんだけど

 

「ガトリングガンみたいな使い方だし!」

 

俺は連装機銃の銃身下部を甲板の台座に据え、射撃を開始する

 

「沈めえっ!」

同時に、俺から放たれた言葉は

今まで幾人もの艦娘が聞いてきた

何体もの深海棲艦が放ってきた

原初の呪詛と、全く同じ一言だった

 

side change

 

蒼羅side out

長門side in

 

第一艦隊出撃の直後

私達は重武装艦集団で突撃を掛け

 

金剛達第二艦隊の露払いを頼みにして

敵中枢へと奇襲攻撃に入った

 

「全艦!振り返る事なく攻撃に集中しろ!

今第一艦隊がするべきは!

可能な限りに早く敵を殲滅する事だ!」

 

全力を尽くして砲撃を繰り返す

私には本来扱えないが、無理に右手に抱えた46センチ三連装砲をリミッター解除し、あるだけの弾薬を差し出して

砲身の過熱限界まで連射する

 

僚艦たる愛宕も摩耶も主砲三積みで

撃ち尽くすまで撃っている

 

先程中破に陥った夕張は

既に第四艦隊によって護衛退避し、鎮守府へと撤退している

後顧の憂いは無い、

 

我等の背中は、常に我等の戦友が守ってくれているのだから

 

「撃沈は狙わなくていいデース!

私達の仕事は、第一艦隊に道を開く事デース!」

 

「了解!っ!金剛さん!」

「初霜!動くでないぞ!」

 

金剛の背後から突然出現した潜水艦を

初霜の首横から初春が狙撃したのだ

 

「thanksデース!」

「お安い御用っ!まだ!」

 

確実に打ち砕いたはずの敵艦が

不安定な動きながらも再び立ち上がり、掴みかかってくる

それに虚を突かれた初春が捕らわれる瞬間

 

「イクの魚雷はお利口さんなの」

海面に浮上した伊19が、雷撃

 

初春へと手を伸ばした潜水ヨ級フラグシップの胴体を爆砕した

「でかした!」

 

初春が伊19を褒めながら

補給と回復のために前線から一旦離脱

第三艦隊の清霜と交代した

 

前線に出てくるなり、砲を再装填

 

「最高火力で、撃ちます!」

 

ドンドコと節操もなく響き渡る砲撃音

 

まぁどこの誰も皆そんなものだが

「意気込みでは負けられんな」

 

連合艦隊をさらに超える規模の

四艦隊同時出撃、

その第一艦隊旗艦ともなれば、誰よりも激しく、誰よりも力強く

誰よりも鮮烈に、戦場を支配する者でなくてはならない

 

そう、それこそが

長門型一番艦(日本の顔)たる…私の務めだ!」

 

圧倒的な敵に必死で抗うだけではない

戦い、そして勝利するのだと

再び叫んだ私に、輝きが灯る

 

胸の内を満たして、

溢れ出るその想いを解き放つ

 

()()()()()()()()()()()

 

「長門…解放…長門改二!!」

 

溢れる想いが熱となり

全身を焼き尽くすような真紅の輝きを放つ

 

「全主砲再照準!斉射、てーーッ!!」

 

ようやく、追いついたか

と言わんばかりに威力の跳ね上がった46センチ三連装砲を片手で繰り、左手で砲を再起動

 

艤装再構成で構築された41センチ連装砲と、更に試製同三連装砲

 

右には僅かに及ばねど、かつて最高火力と呼ばれた最大級の二つの砲を存分に振るって、

三つの砲塔で襲いくる深海棲艦を迎撃

 

いや、一方的に殲滅する

 

「ふはははは!これだ!これこそ海戦の華!これが私の改二!これが究極の力!」

 

 

溢れ出す想いが、

無限に思えるほどの力となって

私を、艤装を、海域そのものを満たす

 

あぁ、たしかにこれは、かつての私には成し遂げられなかった事だ、

これ程の力を得ることができたのは

惜しみない供与に支えられた弛まぬ努力と根性、そして私に応えてくれた提督のおかげだ

 

「この長門がいるからには!この海域から生きて帰れると思うなよ!」

 

「長門さん!改二を発現なされたのですか!?」

「その通りだ!この力なら!」

 

背後から掛かる愛宕の声、

それに振り返ることなく応じて

「てーーーッ!!」

 

再度斉射する

やはり圧倒的だ、だが、敵本体、

戦艦棲姫と軽巡棲姫は未だ無傷

 

「改二ヲ発現スルトハ…予想外ダッタワ

デモネ……私ノ方ガ…上ヨッ!」

 

「それはどうかな!数で押すばかりの貴様とは違って、私には頼れる仲間達がいるんだ!」

ついに戦艦棲姫と正対した私は

互いに主砲を向け合い

 

「徹甲弾再装填!撃てーっ!」

大和(こうはい)からの支援砲撃を目隠しに

 

再装填を済ませた主砲を放った

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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