戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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杯を掲げて

「鎮守府侵攻事件、解決を祝してー!」

 

大和の、心なしか上がってる声が

先陣を切り

 

《かんぱーい!》

 

直後に、皆がグラスを掲げる

 

「お疲れ様ー!長門さん!」

「あぁ、清霜もお疲れ様、私は最後の払暁戦には参加していないが、相当な激戦だったのだろうし、私とて

戦艦棲姫とサシで撃ち合ったのは初めてだ」

 

「愛宕さん、お疲れ様でした」

「えぇ、そちらこそ、榛名さんもずっと前線に出突っ張りだったでしょう?」

 

「扶桑さん、救援ありがとうございました」

「鎮守府全体の危急の事態でしたから、無理を言って急いだだけですよ

前線を押しとどめたくださった方々には遠く及びません」

 

 

其処此処で艦娘同士の労いあい、話し合いが始まる

その中で俺はどうしていたかというと

 

「…………」

 

「いっちばーん!」

「それは良い、だが白露、俺が解せないのは」

 

「あ、あの、 ()()()()()()

「その後ろからのぞいている五月雨だ!」

 

ビシィ!と指差しながら叫ぶ

「えっとね、白露を呼んだのは

初期艦の電以外に駆逐艦が呼べないっていう提督だったんだけどね

その理由、実は電が提督を好きすぎて

駆逐艦の立場を独占するために

出てくる駆逐艦を解体してたからだったんだよ、それでちょーっと()()()()した結果」

 

暗い目をした電が笑顔で駆逐艦の艤装を建造直後に解体している映像が目に浮かんだ俺は頭を押さえながら尋ねる

 

内容はただ一言

 

「こうなった、と?」

「……あう、あの」

 

「おはなしはまぁ良い、細かい内容は聞かない、でも…それで電はどうした?」

 

「電はその鎮守府で提督と()()に過ごしてるよ、その前に作った駆逐艦の艤装がたくさん余っちゃったから、建造希望の子に合う艤装を使って建造したんだけど…」

 

その幸せの内容を聞いているんだけど…

まぁつまり聞かないほうがいい内容だと

いうことか…わかった、

 

「今度はその引き取り手がいなくなった

だからとりあえず連れてきた、妹だから受け入れてほしい、とりあえずこんな所か?」

 

「すっごい、提督正解」

 

やっぱりウチの提督がいっちばーん!

と嬉しそうな笑顔で言っている白露

 

「まぁ、いいや、しかたないし

五月雨の受け入れなら問題

 

うちで建造した事にしちゃおう」

 

俺がそういうと、白露はぴょんぴょんしながら五月雨の手を取る

 

「やった!よかったね五月雨!」

「あう〜…はい」

 

目を回している五月雨の返事は当然鈍いが

それを不服としたらしい白露が更に五月雨を振り回し始め、慌てて止めるのだった…

 

「…で、五月雨」

「…はい!」

 

先ほどまで目を回していたとは到底思えない、はっきりとした声で答える五月雨

 

「また会ったね」

「!!」

 

しかし、その動揺は隠せなかったようだ

 

「…何のことでしょう?」

「惚けるな、お前が過剰適合(オーバードース)である事は分かっている」

 

俺は五月雨に目を合わせて

その色を見る

 

「…もう、なんですぐに気づくんですか

そうですよ、私はあの五月雨です」

 

優しく微笑む

 

「そうか、よかった…」

「ふぇ!?提督?なんで泣くんですか!」

 

「そりゃあ前、居なくなっちゃったウチの子だぞ、再会すれば嬉しいだろ」

 

ぎゅっ、と五月雨を抱きしめる

「また会えてよかったよ」

 

「……」

五月雨は複雑な表情を浮かべた後

自分側からも蒼羅を抱きしめ

 

「私も、ですよ…今度こそ

提督に負担をかけないでお話しできるんですから」

 

蒼羅の耳元で囁く

 

「改めて、これからよろしくお願いします」

「あぁ、こちらこそ、五月雨」

 

周りに騒がれないうちにサッと離れたが、五月雨の髪はやはり綺麗な水色で、毛先だけ薄水色になっていた

 

「さて、嬉しい誤算だった、あとは

瑞鶴を掘る、それと並行して

資材稼ぎもやる必要があるがな」

 

「じゃあ、私もお手伝いしますね」

「お前が…?ドジって嫌な事になりそうだけど?」

「ドジっ子扱いしないでください!」

 

ぷんぷん!と言わんばかりのポーズをとる五月雨だが…

「実際…ドジっ子と呼ばれても仕方ないと思うんだけど…」

 

「また呼びましたー!」

 

[ぷふっ、ほら、提督…本人は気にしてるんだから…クスッ…やめたげなよ]

[お前こそバカにし腐ってるじゃないか]

 

頭の中で川内と話し合い、その言葉に突っ込みながら目の前の五月雨と口論する

 

「…まぁ、手伝ってもらうよ」

 

「微妙に信じられてないような…」

ジトっとした視線を向けられるが、五月雨が実際にドジっ子である事に間違いはない

 

「あ〜提督〜!こんなところに〜」

互いに微妙な視線をぶつけ合っていたところ

龍田のような声を真似した摩耶が

酒瓶を抱えたままやってきた

 

「どうした?摩耶、お前そのキャラは…」

「うるせーぞ提督!いま罰ゲーム中なんだよ!」

 

突然噛み付く摩耶、でもさすがに…

「お前にホワホワした(そんな)キャラは似合わないぞ」

言わざるを得ない…

 

「アタシだって分かってるよ!だから早く終わらせたいって言ってんだよ、あっ」

「摩耶さん、罰ゲーム延長決定〜」

 

ニコニコと笑顔を浮かべた龍田が

絶望を宣言する

 

「クッソ!やられた!」

「あっ、なるほど…一定時間口調を維持しろって感じのやつなのか…」

「そうだよ提督!っと、正解よ〜」

 

「ぷっ!…いや、合っててくれれば良い」

「また笑った!」

「いや笑わせに来てるだろぉっ!」

 

コロコロ変わる表情と口調、しかし一貫してやってるのは摩耶(番長)、というギャップが最高に笑えるのである

 

結局、その日ずっと摩耶は弄られていていた

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……
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