戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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アシスターズ

その後、遅いながらに朝食を食べ

書類…は一旦棚上げ(スタック)して軽巡寮へと向かう

 

もちろん内戦で今回会いに行く艦と、その間の付き添いを買って出た龍田には連絡済みだ

「いらっしゃ〜い」

「失礼するよ」

 

龍田に迎えられて軽巡寮に入り

その奥、現在使われていないはずの

 

…順当に部屋が埋まれば

『川内型』の部屋になる予定の部屋

 

その扉をノックする

 

「…提督カ…」

内側から扉を開けたのは、黒い制服を纏った深海棲艦、軽巡棲姫

 

「ハイッテ」

「おう…失礼するよ」

 

[私は…どう言えば良いのかな?

ただいま?]

[そりゃ俺にも分からない、自分の好きなように言えばいいだろう]

 

[それもそうだね、じゃあ…ただいま]

 

川内はこちらを向いて、微笑む

 

[えへへ…ドキッとした?]

[……っ!]

 

不覚にもドキッとしたなんて言えない

[わかるよ、提督 ありがとう]

[だからそういう事をされるともっと]

 

「提督、何ヲボウットシテイルノ?

早ク入ッテ」

「あ、すまん」

 

急かされる形で部屋に入り

「私も入るわね〜」

付いてきた龍田が割り込んでくる

「……………」

 

その後、誰一人として口を開かない重苦し過ぎる空気が流れ…

「デ、提督ハナニガ目的デココニ来タノ?」

「……俺がここにきた目的?そりゃあ」

 

俺は軽巡棲姫の後ろに回り

ゆっくりとその髪を梳く

 

「君に会いにきた、それだけだよ」

[……う〜…微妙に間違ってないのがまた腹立つー!]

 

今回きたのは本当に軽巡棲姫の様子や状態の確認である

ため、その理由こそ正解な筈なのだが、川内にはダメ出しをくらってしまった

 

[誤解されますー!その物言いだと

かっくじつに誤解されます!]

じゃあどう言えっていうんだよ…

 

「ほらほら〜フリーズしてないで

話を回しちゃいましょう〜?」

「お、おうそうだな」

「ソウネ」

 

俺は本格的に

鎮守府の環境や自分の変化、異常など気づいたことがあったらなんでも無駄にはならないから言ってくれ!と軽巡棲姫に詰め寄る

 

「分カッタワ…変化ダケド

今ノトコロ、目立ッタ変化ハナイワ」

「そうか、お前にとって

変化無しならそれはそれで良い」

 

「ソノ物言イダト、主観ソノモノガ変化シテイル様ニ聞コエルガ…」

「そうだよ?そう言ってるもの

お前の主観が変われば基本も変わる

だからお前にとって変化無しが

この日常に、俺達に適合した形になってるって事は、少なくともお前は無意識的にでも俺達(こちら側)に歩み寄ろうとしてくれたって事だ」

 

「……随分ト恥ズカシイコトヲ

臆面モナク言イ切ルワネ」

「知ったことか、臆面も何もあるかよ

喜ぶべき事だろ」

 

「クッ!」

 

苦々しげな表情になった軽巡棲姫

…でも、本当に嫌ならもう少し反応も出ているだろう、と俺の中の川内の感覚が伝えてくる

 

[ほんとズルい、チートだ

チーターだよ!]

[はいはい俺はビーターじゃないから

…川内改ニに反転する提督とか

たしかにチートと言われそうだが]

 

川内の叫び声は無視する、

どうせ実害はない

 

[感覚を使われるのは嫌だというなら、もう少し夜に静かにしてくれないか?]

[だからそれだともう私じゃないんだって

夜に元気ないなんて、そんな私見たい?]

[見たい!]

 

即答である、夜にもしおらしい川内とかどこの美少女かな?ここか(納得)

 

[騒がしいって言われてるのか、かわいいって言われてるのか…あぁもう!]

 

川内の声は消えていった…作戦成功です、好感度は下がってしまいましたが

川内の声は止んだので問題ありません

 

「で、お話は終わりで良いのかしら〜」

「あぁ、終わりになる、軽巡棲姫は?」

「私ニ話ヲ期待スルナ…」

 

龍田に付き添ってもらって部屋を出る

「またな、軽巡棲姫」

「………フッ」

 

鼻で笑われた…この反応は

まだ好感度が足りない様ですね

 

さて、現状の好感度チェックは終了したので、速やかに廊下に出ます、ここで更に話しかけると龍田の好感度が下がってしまうので、ここで会話を打ち切っておきましょう

 

[いつまでRTAやってんの?]

[内心楽しくなってきたからしばらく続けたかったんだが?]

[やめなさい、本当に面白い人の

作品を穢さないでちょうだい]

 

[わかったわかった、もうやめるよ]

 

兄貴リスペクトは間が持たないしな

 

「まぁ、言った事自体は本当

好感度が足りないのも本当だ…

あとはどうすっかな…」

「あら〜?考え事ですか〜?」

 

後頭部をガリガリ掻きながら

寮の玄関前でつぶやいていると

わざわざ送りに来てくれたらしい龍田が寄って来た

 

「まぁ、ちょっとした、な」

「じゃあ()()()()()()お話です

最近入って来たとある子は〜

実は甘味好きなんだって〜」

 

「おいそれどこの誰」

「し〜らないっ…それじゃ提督

『攻略』頑張ってくださいね♪」

 

背を押されて軽巡寮を離れる

 

「………おう」

 

わざわざ『攻略』と呼んだあたり

多分誤解しているが…

「ヒントありがとう、龍田」

 

しかし、甘味好きとは意外だったな

 




サブタイの意味は

アシスタント

シスターズ

シャウトの天龍と今回の龍田
同じく軽巡棲姫と川内で

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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