戦いたくなんてなかったんや   作:魚介(改)貧弱卿

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シャイニング

それでは皆様お待ちかね…サプライズパーティータイムだ!

 

「夕食の時間…ギリギリだ、よし」

 

戦艦達に根回しして、パーティーグッズも配備したので、駆逐、軽巡達には楽しんでもおう

 

「っぽーい!ご飯のじか…ん?」

 

一番乗りは夕立か、

「あれ?パーティーの準備してたの?」

「秋雲、お前理解が早いな」

 

こういうタイプはちょっとサプライズに水を差すのだが…

 

「いいじゃない、提督達、頑張ってくれたんでしょ?」

 

一人だけ醒めた顔になるわけでもなく、秋雲は笑顔で理解を示してくれた

 

「頑張ってきたよ、それに

本番も俺たちが頑張るさ、みんなで楽しめるパーティーが理想だからな」

 

「いいねぇ…頑張って!」

すっ、と差し出された拳に、俺も軽く拳を当てる

 

「こういうイベントとかって、つい惰性で流しがちだけど、そういうとこに

メリハリつけて、イベントを企画として開催できるのは大きいと思う、だから私は提督を応援する

 

ご馳走期待してまーす♪」

 

最後ので台無しである

ここの艦娘は感動を打ち壊すのか得意なんだろうか…

 

「まぁいっか、少なくとも秋雲は乗ってくれた、という事で…あとは要注意艦娘は

大井、不知火、神通棲姫だな」

「何ヨソレ…私ハ軽巡棲姫デアッテ、神通棲姫ナンテ名前ジャアリマセン」

 

「うおっ、もう居たのか…まぁいいや、メリークリスマス!」

「…?…アァ…メリークリスマス」

 

一瞬首を傾げた軽巡棲姫は

直後に小さく呟くと

 

僅かに、しかしたしかに

微笑んでくれた

 

[うよっし!妹のスマイルゲット!

報われた……]

 

川内のテンションは天井知らずに登…らずに、すぐに燃え尽きた

 

[萌えた…萌え尽きたよ…真っ白にね]

崩れ落ちるんじゃないよまったく

 

[いい?妹はね、徹底的に甘やかすの]

[もはや何が元ネタなのかわからないんだけど?]

 

可愛いとはたしかに思うが

そこまで萌えられなかった…

 

[人生の25%損してるよ!]

[残りは何だよ…いや、なんか微妙な数値だな]

 

俺がげんなり顔になった瞬間、

川内が叫んだ

 

[スイーツ15%妹25%

夜戦50%その他10%だよ!]

 

お前それ人生の夜戦比率高すぎだろ

そんな比率になるのはお前だけだ

 

[まぁ、いいや、そう思うのはお前だけだとしても、俺はそれを否定しない

…実際、あんまり笑ってくれない軽巡棲姫の笑顔は破壊力高すぎる]

 

まぁ、笑顔で居られるような鎮守府を作れるかどうかは提督の手腕をに掛かっている

 

「司令官」

俺が思索しているところに、

後ろから静かに声が掛けられる

 

「…なんだ?どうかしたかな?]

俺はその声の源に振り返り

「どうしてこんな面白そうな行事教えてくれなかったのよ!」

 

神風に怒られた

 

「もう!司令官ったら!いっつも連絡の一つもくれないで勝手なんだから!」

 

怒り方は軽いが、これは糸を引くタイプの怒り方だ

 

「いや勝手も何も、サプライズパーティーだからな、企画上、バラすわけにもいかないだろう?」

「せめて一言くらい欲しかったわ!」

 

慌てた抗弁にも、あっさりと蓋をされてしまう…ならば

 

「お前の驚く顔が見たかったんだ、それじゃダメか?」

 

そっと、神風の顎を取り

強制的に視線を合わせて

ゆっくり、はっきりと言い切る

 

「……………ん」

そっと目を閉じる神風

 

「ん?…お前は何を求めてるんだ?」

 

 

 

「ちょっと!察しなさいよ!」

「だから何を求めているんだ?」

 

察しているが、敢えてすっとぼける

………そこ、チキンとか言うな

 

[ターキー!]

[七面鳥ですって?!…なんてな]

 

今は亡き(違)瑞鶴のネタを引きずり出して笑いを取る俺と川内…最近は撫子を大和自身が管理しているし、俺も輝那を抜いていない

実質、会話している精神体は川内一人である

 

「もう!本当にもう!」

神風に怒られてしまった…まぁいい

 

あと叩くな、割と痛い

 

「ほら、あっち行ってきてな

何も知らない愛宕さんたちの反応が楽しめるぞ」

ゆっくりと背中を押して、神風を送り出す

 

しばらくの間は入場ラッシュだから、反応には困らないだろう

 

「すごい………」

「ふぇぇ……」

 

 

駆逐艦ズが入場と同時に驚嘆の声を上げているところを見つつ、段取りを進める

 

「よし!みんな揃ったな!

それではこれより第一回、創海鎮守府定例行事!クリスマスパーティーを開始する!」

 

まずはレクリエーション大会が開催される

 

「トランプ第一ステージ大富豪!

ディーラーは夕張!さぁみなさん!奮ってご参加下さい!」

 

「トランプ第二ステージ、ポーカー!ディーラーは明石!」

 

「第三ステージは七並べ、純粋な運の要素が関わるゲームだが…ディーラー扶桑!」

 

その後、ポーカーの明石がバニースーツで登場したり、扶桑さんの七並べが何故か全く進まなかったりと、さまざまなアクシデントを楽しみながら

時は過ぎていき…

 

「会食の時間だ!」

《わーいっ!》

 

駆逐艦達もお腹を空かせていたようで、歓声が上がる…一部軽巡以上も居たような気がするが、まぁ無視する

 

「それではグラスをどうぞ…せぇの、乾杯!」

 

《カンパーイ!》

艦娘が深海棲艦とグラスを当てる鎮守府など、ここ以外にはないだろう

 

「まぁ、それを見る為に頑張ってきたんだからな…」

 

つぶやきながら、

自分もグラスをかたむける

「…提督」

 

すぐ隣から、

囁くような声が聞こえた

「…軽巡棲姫か」

「エェ、隣…良イカシラ?」

 

「あぁ、相席なら喜んで」

「…フフッ、ソレジャア…失礼シテ」

 

俺の隣、目まぐるしく入れ替わった末に、いつのまにか席が空いているそこに

軽巡棲姫が入り込む

 

「提督…貴方ハ、凄イ人ヨ、コンナ凹凸ダラケノ鎮守府をマトメテ、完全ニ操ッテイル」

「いや、それほどでもないさ…それに、俺はただ、指示を出すだけのデスクワーカー、現場での動きには何一つ干渉できない」

 

そっと隣に来た軽巡棲姫の言葉に

自虐的な応えを返すと

 

「ソレハ違ウワ、提督

『何もできない』人ハネ、誰ニモ気ニサレナイ、害無ク、利益無イ者は誰ニモ好カレズ、誰ニモ嫌ワレナイノヨ」

 

そっと、額を指先で抑えられる

「提督ハ少ナクトモ、艦娘ミンナニスカレテイルワ、ソレダケデモ十分ニ、ソレハ尊敬スベキ事ナノヨ」

 

「そう…かな」

 

「エェ、間違イ無ク、ソレハ私ガ保証スルワ」

軽巡棲姫の笑顔は、突然褒められたり持ち上げられたりした俺の混乱をまとめて吹き飛ばしてさしまった

 

600話記念番外編は

  • 過去編軍学校
  • 過去編深海勢
  • 裏山とかの話を
  • テンプレ転生者(ヘイト)
  • ストーリーを進めよう
  • 戦争が終わった後の話を!
  • しぐ……しぐ……

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