明石のバニーの出所は、どうも私物らしい、
どうやって用意したのか問い詰めたら、かつて工廠ごと放逐されていた時期に
大本営から直接振り込まれていた給料を使ったらしい、
鎮守府への給金はギリギリである為、艦娘への給料でそんな余裕を残しているとは思っていなかったが、
「まぁ技術職ですし?
と謎のポーズでニヤニヤしていた
「ほらほら提督♪、巨だの貧だのと言わない普遍的な価値はいかがですか?」
「………正直目によろしく無い」
[じーーーーー…]
川内がじーって自分で言いながらこっちを見ているからやめてくれないかな?
という一幕があったりしつつ
平和に…うん、
砲が飛び交ってないから平和に…
クリスマス会は幕を閉じた
「……おつかれ様だ!」
子供たちを対象としたプレゼントであるサプライズパーティーは終わったが
大人たちのプレゼント配布と
仕掛け人側のお疲れ会はこれからだ
「提督、鳳翔さんが余り物でパッと作ってくれた賄いが無かったらどうするつもりだったのだ?」
「あー…えっと、その時は
適当にどっかで買ってから後夜祭にする予定だったよ」
「嘘をつけ、全く忘れていたのでは無いか!…まぁ、結果論的には問題なかったが、戦艦、空母を満足させるほどの量となると
かなりのものだろうに」
「…でも実際みんなパーティー側で食べてたし、そんなに心配はいらないんじゃない?」
「ビスマルクはゲスト側だっただろ、なんでいるんだ?」
長門、俺、鳳翔さん、間宮さん、あきつ丸、大和、明石、扶桑、夕張の仕掛け人側のメンバーでお疲れ会だったはずなのに
なぜビスマルクがいるのか
「それはadmiralが意地悪をするからよ、言ってくれれば私も仕掛け人側に参加したのに」
「それが思いっきり楽しんでたゲストの言うことか?…まぁいいや
明石はどうだった?」
人数的にホームパーティー的な小規模であるので、食堂をそのまま使って
すみっこでやっているのだが
意外と壁際の席に枠を取ると
気温的には暖かい
とはいえ、トランプ大会中はずっとバニースーツだった明石には辛かったんじゃないのか?と話を振ってみたところ
「いえ、別に辛くはなかったですね、そもそも暖房回してましたし
食事会前に着替えたじゃないですか
……もしかして、また見たいですか?」
「……要らん」
一瞬頭にバニー明石が浮かんでしまったが、すぐに否定する
「間がありますよ〜?どうしてですか?」
「ええい!ニヤニヤするな!」
タンドリーチキンをはくはくと齧りながら明石に怒って
「きゃーん!横暴ですよっ!」
「楽しんでるだろお前っ」
「………はぁ、提督、イベント後でテンションが高いのはわかりますが
そうカッカと怒るのは良くないですよ?」
やんわりと大和に止められたので、俺は表情をリセットして、
「…おう、これでいいな?
さて、間宮さん」
「はい、なんでしょう?」
鳳翔さんを挟んで二つ隣の間宮さんを呼び、
「そこのソース取ってくれる?」
「あ、これですか、どうぞ」
極めて事務的かつ、無味乾燥な内容だが、とりあえず声をかける
「…まぁ空母棲鬼達も知ってるけど、ゲスト側に回ってもらったし、大型艦みんなホスト側ってわけでもない、次やる時はもっと大々的にやりたいよな」
ほかの大人艦達にも、いくらか『知っているが手を出さない』スタンスでゲストをやってもらった艦娘がいる
なので一応、こちらの席にいるのは本来『仕掛け人』として活動してきた
企画最初期から予定されていたメンバーだけである…はずなのだが
「なに?どうかしたのadmiral?」
「………いや、なんでもない」
お前はなぜさっさと会場を去らずにとどまっていたのか…
「………はぁ」
まぁ受け入れ自体はいいのだが、戦艦一人分も増やすとなると
間に合わずにパーティー料理の残りの再利用品を使って賄いをでっち上げてもらったのだが
そもそもこいつがさっさと会場を去っていればなんの問題も起きずに
しめやかな〆が行われていたに違いない
[しめやかに爆散、ナミアムダブツ!]
[うるせぇ]
とりあえず川内を黙らせると
俺は料理に集中する
元が手の込んだ料理だけあって
かなり美味い…
やっぱり鳳翔さんはすごいなぁ
「鳳翔さんだけじゃないのであります」
壁際の奥からあきつ丸の声が聞こえた
「なんだ?どうかしたか?」
「いえ、なんでもないでありますよ
……自分だって調理班であります…」
「あ、すまん、忘れてた」
それは酷い、と夕張に窘められる
「もう、提督はメンテと執務以外はなんでも雑なんですから!」
「流石にそれは異を唱えるぞ」
俺だって艦娘のメンタルケアとか鋼材の削り出しとか色々と気を使うことくらいある
なんでも粗雑というわけではないはずだ…はずだ
「多分きっと、じゃ意味ないんですよ?…ぷはっ!」
缶ビールをグイッと
缶を机に置き、
「ちょっと〜?返事ないけど聞いてますか提督ー?」
「聞いてるよ」
「返事しょっぱいですよー?」
あぁ酔ってやがる、絡んできた
「全く、しゃんとしろよ」
「してますよ〜」
うわ、声デケェな
「夕張さん、あんまり大声を張り上げては…」
鳳翔さんがついに割り込んできた
[そろそろ静かにしないと…]
《鳳翔さんに怒られる…》
その場全員の意見が一致した瞬間だった
結局、そのあとは鳳翔さんの反応に気をつけながら、適度に静かに話し合うのだった…
ちなみに、プレゼント配布は
提督がやって!という熱い推薦の下、俺一人でわざわざサンタムーブで窓から入る(不審者)よくわからないスニークミッションであった
600話記念番外編は
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しぐ……しぐ……